勾玉は日本最古のお守り!石のアクセサリーとして知られる勾玉が持つ厄除けや開運などの効果を紹介!

古代日本を象徴する装身具の1つ「勾玉」。現代ではお守りとして目にする機会が多いのではないでしょうか。

勾玉は古来から、首飾りなどのアクセサリーとして身に付けられていたとされます。
ただのお洒落としてだけではなく、邪気を祓う力を持つとされて祭祀などにも使われることがありました。

今回のコラムでは、勾玉の形の意味や歴史、厄除けや開運などの効果を解説します。

勾玉とは?

勾玉とは?

「C」の字型をした勾玉の他には、円筒形の「管玉(くだだま)」やそろばんの珠(たま)のような形の「算盤玉(そろばんだま)」、球形の「丸玉(まるだま)」、ガラス製の小さなビーズのような「小玉(こだま)」などがあります。
現存する「玉」は約5000年前の縄文時代の遺跡から発見されたものが最も古く、弥生時代や古墳時代の遺跡からも多く発見されています。
「玉」の中でも、とくに不思議な形をした勾玉とは、古代の人たちにとってどのようなものだったのでしょうか?

勾玉はどうしてお守りとして扱われている?

勾玉は太古の時代から権力の象徴や魔除けなど、特別な意味をもつ装身具でした。最近ではお守りとして持つ人もいる「勾玉」は、どのような歴史があって特別な位置付けを得たのでしょうか。

勾玉は元々どのように使われていた?

勾玉は、耳飾りや首飾りなどの装身具として身に付けられていました。
男女関係なく、王や巫女などの権力者たちの古墳から多く発見されていることから、富と権力を誇示するためのものと考えられます。

勾玉は元々どのように使われていた?

真中の穴には祖先との繋がりを持ち、霊力の恵みを受けるという意味があるといわれ、護身のお守りともいわれたそうです。

また、勾玉は祭祀遺跡からも発見されており、祭祀や呪術などにも使われていたとされています。

勾玉が「お守り化」したのはいつ?

古墳時代ごろまでは特別な装身具とされていた勾玉ですが、奈良時代以降になると徐々に作られなくなっていきます。

これは、中国大陸から仏教を中心とした文化が日本に伝わり、日本の神道に関わりの深い勾玉が朝廷の儀式などで使われなくなったからだとされています。

勾玉は、平安時代以降約900年に渡って完全に作られなくなってしまいますが、江戸時代に起こった国学(歴史)ブームによって再び作られるようになったのです。
しかし、江戸時代は一般の人にはまだあまり知られておらず、一部の知識人がお守りとして勾玉を身に付けるようになりました。
江戸時代末期に来日していたオランダ人医師のシーボルトも勾玉に興味を持ち、研究したそうです。

そして、戦後の高度成長期時代に入ると、スピリチュアルなアイテムとして勾玉ブームが到来し、お守りやアクセサリーとして現在まで親しまれています。

三種の神器のひとつ「国のお守り」

三種の神器のひとつ「国のお守り」

勾玉は一個人の魔よけにとどまることなく、日本全体のお守りのような役割を果たしているのをご存じでしょうか。実は日本の「三種の神器」の中に勾玉が存在しています。

神々が身に付ける神器として登場し、代々の天皇に受け継がれた国家レベルのお守りとして名を連ねているのが「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」です。

天皇の祖であるニニギは、アマテラスの命を受け「八咫鏡(やたのかがみ)」「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」を含めた三種の神器を授けられ、地上を統治するために地上へ降り立ちます。そのため三種の神器には、統治者の証という意味があるのです。

以降、三種の神器は正当な天皇の証とされ、歴代天皇に受け継がれてきました。
中でも、八尺瓊勾玉は崇神天皇以降唯一皇居内で奉斎されている本物の神器です。

三種の神器は本来、天皇と共に寝起きするべしと言い伝えられていましたが、壬申の乱以降、八咫鏡は伊勢神宮に、叢雲剣は熱田神社に保管されています。
しかし、八尺瓊勾玉だけは常に天皇と共にありました。

八尺瓊勾玉の名前の由来は、「八尺瓊」にはますます栄えるという意味の「弥栄(いやさか)」と同じ意味、「瓊(に)」には宝石がきらめく様子という意味があるとされ、八尺瓊勾玉は天皇家を繁栄させる力を持つ神器とされてきたとも考えられます。
八尺瓊勾玉は国家レベルのお守りとして現在も天皇の寝所の隣にある「剣璽(けんじ)の間」に叢雲剣のレプリカと共に保管されています。

八尺瓊勾玉を作った神様がいる?

太古の昔から強い力があると考えられていた勾玉は、日本神話にも登場します。
日本最古の歴史書である「古事記」の中では、「玉祖命(たまのおやのみこと)」という神様によって作られたと記されています。
玉祖命は、勾玉などの玉(ぎょく)と呼ばれる装飾品を作る集団「玉造部(たまつくりべ)」の祖とされています。

雑学

玉祖命(たまのおやのみこと)とは

玉祖命は櫛明玉命(くしあかるたまのみこと)や天明玉命(あまのあかるたまのみこと)などとも呼ばれており、天照大神(あまてらすおおみかみ)」が天岩戸に閉じこもってしまった際、気をひくための捧げものとして「八尺瓊勾玉」を作った神様です。
八尺瓊勾玉は八咫鏡と一緒に榊の木にかけて祭祀に使われ、その後三種の神器の1つとして天皇家に伝わったとされています。

玉祖命を祀る神社「玉作湯神社」

邇邇芸命とともに地上に降りてきた玉祖命は、朝廷直轄の玉造部の祖となりました。
玉造部は日本各地にあり、玉造部たちが住んでいたとされる地域に玉祖命を祀る神社が建てられました。
その中の1つに「玉作湯神社」があります。
玉作湯神社は勾玉造りが盛んだった出雲地域とされる島根県松江市玉湯町にあります。

玉祖命を祀る神社「玉作湯神社」

玉作湯神社のある出雲地域は良質なメノウや碧玉の産地で、古墳時代の勾玉はほぼ出雲地域で作られていました。
そのため、出雲の国を治めていた出雲国造(いずものくにのみやつこ)は代々この地の神聖な勾玉を天皇や出雲大社などの神社に献上する習わしがあったとされています。

玉作湯神社はいつ創建されたかは分かっていませんが、奈良時代に書かれたとされる「出雲国風土記」に記載されており、玉造部の人たちが上手に勾玉を作れるよう願う神社として親しまれてきました。
近年では、恋愛祈願にご利益があるパワースポットとして女性に人気の神社です。

八尺瓊勾玉は出雲で作られた?

古事記に登場する八尺瓊勾玉は、天照大神から邇邇芸命に授けられた後、歴代の天皇に受け継がれているとされています。
しかし、日本書紀では「もとは出雲大社に納められていた八尺瓊勾玉を崇神天皇が献上させた」と書かれています。

平安時代以降、八尺瓊勾玉は天皇ですらも見ることを禁じられていており誰も実物を見たことがないため、どのような材質でどのような形なのかは分かっていませんが、濃い緑色のヒスイで作られた出雲型の勾玉ではないかと伝えられています。

勾玉の形は何がモチーフ?

勾玉の形は何がモチーフ?

呪術的に扱われることもあった勾玉は頭の部分が丸く下に向かうにつれて少しずつ細くなる形をしていますが、世界中の遺跡から発掘された装飾品とされるものの中でもこのような形のものは珍しく、日本や朝鮮半島に限られるそうです。
この形は、時代や場所で様々なルーツがあると考えられています。

動物の牙説

勾玉の原型は、動物の牙で作ったアクセサリー「歯牙製装身具」だという説があります。
今から約1万年前の石器時代、人々はニホンオオカミやツキノワグマ、イノシシなどの牙に穴を開けて身に付けていたといわれています。
これは、恐怖の対象であった動物の牙を身に付けることで災いから身を護るという意味もあったと考えられているほか、犬歯を使用されることが多いために尖った=力強さのイメージとして御守りに使用されていたとされる説もあります。
この牙の形をメノウやヒスイなどの石で作ったのが勾玉の始まりではないかといわれているのです。

耳飾りを再利用した形を模した説

耳飾りを再利用した形を模した説

縄文時代には、石を磨いてCの字のような形の耳飾り(玦状耳飾り-けつじょうみみかざり-)をお守りとして身に付けていたとされ、これが半分に割れてしまったものを再利用した形が勾玉の原型であるという説もあります。

胎児の形を模したという説

胎児は生命の始まりと考えられており、若さや力の象徴とされていたほか、人や獣の魂が宿る形とも考えられ、呪術的な力が宿るともいわれていたようです。
これらの事から、お守りにしたり、儀式に使ったりしたのではないかとされています。

三日月の形を模した説

満ち欠けを繰り返す「月」は、生命を再生する力があると考えられ、古代から信仰の対象とされていました。また、三日月の形に似ていることから、月の神の加護や幸運を受けると考えられていたのではないかともいわれています。

魂の姿を模した説

祖先や神様の魂が宿ると考えられ、魂の姿を模して作られたとされる説もあります。

勾玉の形は場所によっても違う!

勾玉の形は場所によっても違う!

勾玉には、「出雲型」と呼ばれるものと「大和型」と呼ばれるものがあります。

「出雲型」はしっぽの部分が丸い形の勾玉で、その名の通り出雲地方で作られていたものです。現代では「思いを込めやすく抜けにくい形」として知られており、お守りにぴったりだといわれています。
出雲地方の玉造(現在の島根県出雲玉湯町)には花仙山と呼ばれる良質の碧玉やメノウが多く産出された山があり、その山の石で作られた勾玉が大和朝廷に献上されていました。

「大和型」は、しっぽの先が尖った形の勾玉で、全国的によく見られる形とされています。
縄文時代から作られてきた形と考えられることが多いようです。

勾玉はなにでできている?

勾玉には、時代や土地によって様々な材質のものが存在するようです。
最初は石や貝、動物の牙、粘土などで作られていましたが、石器時代の終わりにはヒスイ(硬玉)、メノウ(赤色)、碧玉(緑色のメノウ)、琥珀、鼈甲(べっこう:タイマイ(ウミガメの仲間)の甲羅)、水晶、ガラス、金、銀、メッキ製など色々な材質で作られるようになっていきました。

勾玉はなにでできている?

勾玉は縄文時代後期頃から作られたといわれ、動物の牙をはじめとして、石や貝、粘土などで作られたものが主流でした。
九州地方の遺跡からヒスイで作られたものが出土されており、その文化が日本全体に広がっていったと一説には考えられています。

縄文時代が終わり弥生時代に入ると、ヒスイや琥珀、滑石(紋岩・蝋石・泥岩などの柔らかい石)、ガラス、土などの素材が使われるようになっていきました。
この時期頃、出雲の玉造温泉では特産である青めのうが発掘されはじめました。

徐々にメノウが増えていき、碧玉(ジャスパー)や水晶、金、青銅などが使用されることも。碧玉はヒスイと同じ緑色をしているので代用品だったと考えられているようです。
金や銀などの金属製は、朝鮮半島との交流が活発になったことでガラスや青銅などを作る技術が伝わったことに由来しています。

勾玉の形を模した?縁起の良いモチーフ

破魔や厄除け、開運の意味が込められた縁起のよいかたちとされている「勾玉」は、

巴形

巴形

巴形とは、縄文時代の遺跡にもみられる古代の文様で、屋根瓦や雷神が持つ太鼓などに描かれています。水が渦を巻いている様子や雷鳴、胎児、雲、蛇などを表しているといわれております。

陰陽

陰陽

風水でよく目にするマークは、白と黒の勾玉を組み合わせて円にしたような形をしています。このマークは「太陰太極図(たいいんたいきょくず)」と呼ばれるもので、古代中国の陰陽五行説に基づいて陰と陽のバランスを表しています。
陰陽五行説では、世界のすべては陰と陽の二つで成り立っていると考えられており、勾玉の形は頭の部分は太陽を、しっぽの部分は月を表していて、陰陽のバランスを象徴する形とされています。

現代のお守りに見る勾玉モチーフ

勾玉は、日本の歴史の始まりと共に信仰の対象となり、神秘的な力を持つとされる天然石を生命や霊的なものの意味を持つ形に削り出しことで人間には持つことのできない自然界の力を借りようとしたのが始まりでした。

近年では、縁結びや安産、招福などのご利益があるお守りとしても女性を中心に人気が高まる「勾玉」。とくに最近はスピリチュアルブームに乗って、様々な石を使った勾玉モチーフのお守りやアクセサリーが作られるようになりました。

中でも人気が高いのが、アクセサリーや、根付など、いつでも身に着けられるアイテムです。
水晶や青メノウ、アメジスト、タイガーアイ、ラピスラズリなどがそれぞれの石が持つ力と合わせて人気となっています。

おすすめ勾玉アイテム

持ち運んで御守りにできるアイテムの中から特選した、おすすめのアイテムを紹介します。天然の石を加工した勾玉なので、石の持つ力を一緒に感じられるようなアイテム

黒水晶/水晶MIX古代勾玉

黒水晶/水晶MIX古代勾玉

中国山東省の黒水晶で作られた古代型勾玉です。
黒水晶とは、無色透明な水晶が長い年月をかけて黒色に変化したもので、魔除けや邪気払いのご利益があるといわれています。
また、水晶が持つ浄化や開運などのご利益もあり、全能な力を持つとされています。

お守り袋に入れて持ち歩く「ちいさな勾玉」

お守り袋に入れて持ち歩く「ちいさな勾玉」

干支が刺繍された御守袋にお好きな天然石で作った古代型勾玉を選んで入れる自分だけのお守りです。石種も多数そろえております。
小さいのでバッグなどに入れていつも持ち歩くことができます。

  • ・黒水晶:厄除け・邪気払い
  • ・水晶:幸運到来・疲労浄化
  • ・紫水晶:直観上昇・魅力促進
  • ・アラゴナイト:縁結び・人間関係
  • ・赤メノウ:絆・情熱
  • ・緑メノウ:健康・美容
  • ・レッドアベンチュリン:決断力・目標達成
  • ・ローズクォーツ:恋愛成就
  • ・ソーダライト:学志向上・目標達成
  • ・タイガーアイ:万事金運・仕事順調

勾玉のちいさなピアス

勾玉のちいさなピアス

色々な天然石で作った古代型勾玉と吉祥門の透かし和モチーフを組み合わせたストラップです。
二重叶結びをイメージしたリボンのようなモチーフもあり、「願い事が叶いますように」との思いが込められているので、大切な人へのプレゼントにもおすすめです。

勾玉は祖先の魂が宿る日本特有のお守り

天照大神から邇邇芸命に授けられ、歴代の天皇の証である「八尺瓊勾玉」のように、かつては特別なお守りとされていた勾玉ですが、近年では誰でも気軽に身に付けることができるお守りとして人気が高まってきています。
みなさんも、厄から身を守り運気をあげるために、かわいい勾玉モチーフのお守りやアクセサリーを身に付けてみてはいかがでしょうか。

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