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みなさんは、餃子が好きですか? パリパリとした皮が魅力の焼き餃子や、もちもちした食感が楽しめる水餃子など、種類もさまざまですよね。
また、中華料理屋さんで食べたり、お店で買ったりするだけでなく、ご自宅で餃子を手作りして食べる、という方もいるかもしれませんね。
このコラムでは、中国の餃子の歴史や特徴、食文化について深掘りしてご紹介します。 またあわせて日本にいつ餃子が伝わったのか、世界にはほかにどんな餃子があるのかなどもわかりやすく解説します!
まずは、餃子がいつどのように生まれ、中国でどのような歴史をたどってきたのかをチェックしていきましょう! 餃子には、意外な職業の人が関わっていたんですよ…!
餃子の起源については、実はさまざまな説がありはっきりと「中国だ」と言い切ることはできませんが、ここでは中国における餃子の起源と歴史をご紹介します。
中国の餃子のはじまりは、漢の時代(紀元前206~220年)までさかのぼります。 このころ、小麦食が一般的になり、小麦粉で作った皮に牛肉や羊肉をメインに包み、煮たり茹でたりして食べていました。 当初の餃子は「餡餃」または「肉餃」と呼ばれ、中国北部地域で食べられていました。
具材のメインが肉だった理由は、寒い地域であったため、野菜が育ちにくかったことや、北方民族の影響で肉を食べる習慣が根付いていたことなどが理由です。
その後、中国全体に餃子が広がる中で、具材や調理方法に違いが出てきます。 明の時代(1368年~)には、現在私たちが食べている餃子の原型である「餃子(ジャオズ)」が誕生しました。 さらに時代を経て現代の多様な包み方や具材へと発展していったと考えられています。
中国には、餃子の由来に関するおもしろい伝承があります。 それは「張機(ちょうき)」という漢方医学の名人(150年~219年)が初めて餃子を作った、というもの。
ある寒い冬の日、張機は帰宅途中で貧しい村を通りかかりました。 村人が耳に凍傷を起こしているのを見た彼は、彼らを助けることを決意。 体を温める漢方薬やスパイスをラム肉と一緒に煮込み、完成したシチューを小分けにし、小麦粉の皮で包み込み、それを温かいスープに入れて人々に振る舞いました。
彼は冬の間ずっとこの料理を作り続け、旧正月の大晦日までに村人たちの凍傷がどんどん治っていきました。 村の人々はこれをお祝いするため、張機が作っていた料理を再現し、大晦日の夜に食べるようになりました。
これが水餃子や蒸し餃子の原型だと言われています。
日本に餃子が伝わったのは江戸時代ごろだと考えられています。
明の儒学者・朱舜水(しゅしゅんすい)について水戸藩が著した『朱舜水氏談綺』という書物には、1689年、鴨肉を使った「福包(ふくつつみ)」という餃子が水戸黄門に献上されたと書かれています。 このことから、日本で初めて餃子を食べたのは水戸黄門という説があります。
また、中国の料理を紹介した書物『卓子調烹法(1778年)』でも餃子が紹介されていますし、中国事情が書かれた『清俗紀聞(1799年)』には、餃子が絵(シュウマイに似た形)とともに記されています。 ただし、このころはまだ、餃子は庶民の食べ物としては普及していませんでした。
一般の人々に餃子が広まったのは、第二次世界大戦後のことでした。 満州にいた日本人が餃子をなつかしみ、作って販売したのがきっかけです。おいしく、安く作れることから、次第に人気となり餃子専門店も登場。 家庭でも餃子が食べられるようになっていきました。
中国や日本の餃子の歴史がわかったところで、ここからは中国ならではの餃子文化をご紹介します。 一言で「餃子」といっても、日本とは異なる食文化がたくさんありますよ♪
中国で餃子は、春節(中国の旧正月)などのお祝いごとや特別な日に食されることが多いです。 日本でいうちらし寿司やお赤飯のようなイメージです。
お祝いの場で食べられる理由は、中国で餃子は縁起がいいと考えられているから。 餃子の形が清の時代まで使われていた「馬蹄銀」という貨幣に似ていることから、「お金に恵まれるように」という願いがこめられていたそうです。
また、明の時代からは餃子を正月・元旦に食べる習慣がはじまりましたが、その際にみんなで楽しむ餃子を使った運試しもあります。 それは、餃子のなかに小銭や銀貨、宝石などを包み、その餃子が当たった人は、その一年幸せに過ごせるというもの。
さらに、餃子は中国語で「ジャオズ」と読むのですが、「交子(ジャオズ):子が交わる、子を授かる」という言葉と音が同じことから、「子宝に恵まれますように」という願いも込められているんだそうです。
中国ではたくさんの思いや願いが込められている餃子。お祝いの席にふさわしい食べ物ですね。
日本で餃子と言えば、焼き餃子ですよね。 ニンニクやニラが入った餃子を油で焼いて…ラーメンのサイドメニューとしてはもちろん、おかずとしても人気です。
ですが、実は中国で餃子と言えば水餃子が一般的なことをご存知ですか? 中国の水餃子は、日本で食べられるものよりも皮が厚くモチモチとしているのが特徴。 日本の餃子には欠かせないニンニクやニラも中国ではあまり使われず、黒酢につけて食べることが多いです。
また、日本ではおかずの分類に入る餃子ですが、中国では「主食」という位置づけです。 そのため、一度に食べる餃子の量も多めです。 皮が厚くポテっとしていること、お肉や野菜がたっぷり入っていることなどから、まさに主食にぴったりのボリューム!
日本の焼き餃子は、中国では「煎餃子」と呼ばれるもので、もともと貴族が食べ残した水餃子を使用人が焼き直して食べたものがはじまりだと言われています。 水餃子をもう一度蒸し直してもおいしくないので、「焼く」という知恵を使った工夫が生まれたそうです。
ここからは、世界にある多様な餃子をご紹介します。 どれもおいしそうなものばかりですよ♪
日本や中国と近い韓国にも「マンドゥ」という餃子があります。 名前は、中国語の「マントウ(饅頭)」が由来です。 牛肉や豚肉を小麦粉で作った皮で包みます。韓国らしく、キムチを入れることも多いとか。 スープで煮込んで食べるのが主流ですが、焼いたり蒸したりすることもあります。
サモサは、茹でてつぶしたジャガイモに香辛料を加えたものを、小麦粉の皮で包みます。 形が三角形であること、揚げて食べることが特徴です。 現地の人々は軽食・スナック感覚で食べていますが、ジャガイモがたっぷり入った大きな料理なので、ボリューム満点です。
インドのお隣、ネパールにはモモという蒸し餃子があります。 小籠包のような見た目で、具材は鶏肉、羊肉、豚肉、ヤク(ウシ科の動物)などを使います。 アチャールと呼ばれるトマトソースをつけて食べるのが一般的です。
トルコのマントゥは、とても小さいことが特徴の餃子。 なんと、親指の指先くらいの小ささなんです! 羊肉を使い、茹でて食べるのが主流です。トマトソースやニンニクをきかせたヨーグルトソース、辛味オイルなどをかけて食べます。
ペリメニは、肉や野菜を小麦粉の皮で包み、蒸し、サワークリームやディル(ハーブの一種)、バターなどと一緒に食べます。 具材は豚肉と牛肉の合いびき肉が主流ですが、鶏肉やエビ、魚が使われることも。また、ロシア料理は玉ねぎとニンニクをよく使うのですが、ペリメニも同じです。
アジアの餃子をもとに、イタリアの人々が食べやすい味に工夫して誕生したのがラビオリです。 小麦粉で作った2枚の皮で、ひき肉や野菜、チーズなどを包んだ一品。モチモチした食感や、一口サイズの四角い形をしているのが特徴です。 日本のイタリアンレストランなどでもよく見かけるため、なじみのある方も多いかもしれませんね。
餃子は中国で古い歴史を持っていることや、日本とは異なる食文化があることもわかりましたね。 私たちになじみのある餃子ですが、中国をはじめ、世界にはさまざまな餃子があることも、おもしろい発見だったのではないでしょうか。
機会があれば、ぜひ世界の餃子を食べ比べてみてくださいね。
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みなさんは、餃子が好きですか?
パリパリとした皮が魅力の焼き餃子や、もちもちした食感が楽しめる水餃子など、種類もさまざまですよね。
また、中華料理屋さんで食べたり、お店で買ったりするだけでなく、ご自宅で餃子を手作りして食べる、という方もいるかもしれませんね。
このコラムでは、中国の餃子の歴史や特徴、食文化について深掘りしてご紹介します。
またあわせて日本にいつ餃子が伝わったのか、世界にはほかにどんな餃子があるのかなどもわかりやすく解説します!
目次
餃子の歴史
まずは、餃子がいつどのように生まれ、中国でどのような歴史をたどってきたのかをチェックしていきましょう!
餃子には、意外な職業の人が関わっていたんですよ…!
餃子の起源と歴史
餃子の起源については、実はさまざまな説がありはっきりと「中国だ」と言い切ることはできませんが、ここでは中国における餃子の起源と歴史をご紹介します。
中国の餃子のはじまりは、漢の時代(紀元前206~220年)までさかのぼります。
このころ、小麦食が一般的になり、小麦粉で作った皮に牛肉や羊肉をメインに包み、煮たり茹でたりして食べていました。
当初の餃子は「餡餃」または「肉餃」と呼ばれ、中国北部地域で食べられていました。
具材のメインが肉だった理由は、寒い地域であったため、野菜が育ちにくかったことや、北方民族の影響で肉を食べる習慣が根付いていたことなどが理由です。
その後、中国全体に餃子が広がる中で、具材や調理方法に違いが出てきます。
明の時代(1368年~)には、現在私たちが食べている餃子の原型である「餃子(ジャオズ)」が誕生しました。
さらに時代を経て現代の多様な包み方や具材へと発展していったと考えられています。
初めて餃子を作ったのは漢方医学の名人?
中国には、餃子の由来に関するおもしろい伝承があります。
それは「張機(ちょうき)」という漢方医学の名人(150年~219年)が初めて餃子を作った、というもの。
ある寒い冬の日、張機は帰宅途中で貧しい村を通りかかりました。
村人が耳に凍傷を起こしているのを見た彼は、彼らを助けることを決意。
体を温める漢方薬やスパイスをラム肉と一緒に煮込み、完成したシチューを小分けにし、小麦粉の皮で包み込み、それを温かいスープに入れて人々に振る舞いました。
彼は冬の間ずっとこの料理を作り続け、旧正月の大晦日までに村人たちの凍傷がどんどん治っていきました。
村の人々はこれをお祝いするため、張機が作っていた料理を再現し、大晦日の夜に食べるようになりました。
これが水餃子や蒸し餃子の原型だと言われています。
日本の餃子の歴史
日本に餃子が伝わったのは江戸時代ごろだと考えられています。
明の儒学者・朱舜水(しゅしゅんすい)について水戸藩が著した『朱舜水氏談綺』という書物には、1689年、鴨肉を使った「福包(ふくつつみ)」という餃子が水戸黄門に献上されたと書かれています。
このことから、日本で初めて餃子を食べたのは水戸黄門という説があります。
また、中国の料理を紹介した書物『卓子調烹法(1778年)』でも餃子が紹介されていますし、中国事情が書かれた『清俗紀聞(1799年)』には、餃子が絵(シュウマイに似た形)とともに記されています。
ただし、このころはまだ、餃子は庶民の食べ物としては普及していませんでした。
一般の人々に餃子が広まったのは、第二次世界大戦後のことでした。
満州にいた日本人が餃子をなつかしみ、作って販売したのがきっかけです。おいしく、安く作れることから、次第に人気となり餃子専門店も登場。
家庭でも餃子が食べられるようになっていきました。
中国の餃子文化
中国や日本の餃子の歴史がわかったところで、ここからは中国ならではの餃子文化をご紹介します。
一言で「餃子」といっても、日本とは異なる食文化がたくさんありますよ♪
中国では餃子は縁起物
中国で餃子は、春節(中国の旧正月)などのお祝いごとや特別な日に食されることが多いです。
日本でいうちらし寿司やお赤飯のようなイメージです。
お祝いの場で食べられる理由は、中国で餃子は縁起がいいと考えられているから。
餃子の形が清の時代まで使われていた「馬蹄銀」という貨幣に似ていることから、「お金に恵まれるように」という願いがこめられていたそうです。
また、明の時代からは餃子を正月・元旦に食べる習慣がはじまりましたが、その際にみんなで楽しむ餃子を使った運試しもあります。
それは、餃子のなかに小銭や銀貨、宝石などを包み、その餃子が当たった人は、その一年幸せに過ごせるというもの。
さらに、餃子は中国語で「ジャオズ」と読むのですが、「交子(ジャオズ):子が交わる、子を授かる」という言葉と音が同じことから、「子宝に恵まれますように」という願いも込められているんだそうです。
中国ではたくさんの思いや願いが込められている餃子。お祝いの席にふさわしい食べ物ですね。
中国の餃子の特徴
日本で餃子と言えば、焼き餃子ですよね。
ニンニクやニラが入った餃子を油で焼いて…ラーメンのサイドメニューとしてはもちろん、おかずとしても人気です。
ですが、実は中国で餃子と言えば水餃子が一般的なことをご存知ですか?
中国の水餃子は、日本で食べられるものよりも皮が厚くモチモチとしているのが特徴。
日本の餃子には欠かせないニンニクやニラも中国ではあまり使われず、黒酢につけて食べることが多いです。
また、日本ではおかずの分類に入る餃子ですが、中国では「主食」という位置づけです。
そのため、一度に食べる餃子の量も多めです。
皮が厚くポテっとしていること、お肉や野菜がたっぷり入っていることなどから、まさに主食にぴったりのボリューム!
日本の焼き餃子は、中国では「煎餃子」と呼ばれるもので、もともと貴族が食べ残した水餃子を使用人が焼き直して食べたものがはじまりだと言われています。
水餃子をもう一度蒸し直してもおいしくないので、「焼く」という知恵を使った工夫が生まれたそうです。
世界の餃子
ここからは、世界にある多様な餃子をご紹介します。
どれもおいしそうなものばかりですよ♪
韓国/マンドゥ
日本や中国と近い韓国にも「マンドゥ」という餃子があります。
名前は、中国語の「マントウ(饅頭)」が由来です。
牛肉や豚肉を小麦粉で作った皮で包みます。韓国らしく、キムチを入れることも多いとか。
スープで煮込んで食べるのが主流ですが、焼いたり蒸したりすることもあります。
インド/サモサ
サモサは、茹でてつぶしたジャガイモに香辛料を加えたものを、小麦粉の皮で包みます。
形が三角形であること、揚げて食べることが特徴です。
現地の人々は軽食・スナック感覚で食べていますが、ジャガイモがたっぷり入った大きな料理なので、ボリューム満点です。
ネパール/モモ
インドのお隣、ネパールにはモモという蒸し餃子があります。
小籠包のような見た目で、具材は鶏肉、羊肉、豚肉、ヤク(ウシ科の動物)などを使います。
アチャールと呼ばれるトマトソースをつけて食べるのが一般的です。
トルコ/マントゥ
トルコのマントゥは、とても小さいことが特徴の餃子。
なんと、親指の指先くらいの小ささなんです!
羊肉を使い、茹でて食べるのが主流です。トマトソースやニンニクをきかせたヨーグルトソース、辛味オイルなどをかけて食べます。
ロシア/ペリメニ
ペリメニは、肉や野菜を小麦粉の皮で包み、蒸し、サワークリームやディル(ハーブの一種)、バターなどと一緒に食べます。
具材は豚肉と牛肉の合いびき肉が主流ですが、鶏肉やエビ、魚が使われることも。また、ロシア料理は玉ねぎとニンニクをよく使うのですが、ペリメニも同じです。
イタリア/ラビオリ
アジアの餃子をもとに、イタリアの人々が食べやすい味に工夫して誕生したのがラビオリです。
小麦粉で作った2枚の皮で、ひき肉や野菜、チーズなどを包んだ一品。モチモチした食感や、一口サイズの四角い形をしているのが特徴です。
日本のイタリアンレストランなどでもよく見かけるため、なじみのある方も多いかもしれませんね。
奥深い餃子の世界を楽しもう
餃子は中国で古い歴史を持っていることや、日本とは異なる食文化があることもわかりましたね。
私たちになじみのある餃子ですが、中国をはじめ、世界にはさまざまな餃子があることも、おもしろい発見だったのではないでしょうか。
機会があれば、ぜひ世界の餃子を食べ比べてみてくださいね。
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