世界各国の主食とは?「食」から世界の地理や文化を見てみよう♪

みなさんは、普段お米をたくさん食べていますか?
日本の主食はお米ですが、世界にはさまざまな主食があります。

このコラムを読んで、世界の国々の主食について知ってみましょう!
気になる主食があれば、ご自分の食事に取り入れても素敵ですね。

そもそも「主食」ってなに?

普段何気なく使っている「主食」という言葉。
しかし、そもそも主食っていったい何なのでしょうか?

「主食」という概念

主食とは、主なエネルギー源として日常的によく食べている食物、毎日の食事の中心になる食物のことを指します。
ほとんどは穀物かイモ類です。

たとえば、小麦、大麦、トウモロコシ、ライ麦、米、ジャガイモやキャッサバなどが主食として有名です。

「主食」という概念

主食となるための条件は?

農林水産省が発表している「 食事バランスガイド 」によれば、主食となる条件は「穀物に由来する炭水化物が約40g」含まれていること。とされています。

具体的には、ご飯小盛り1杯・おにぎり1個・食パン1枚・ロールパン2個が目安となります。

炭水化物を多く含むほかに、穀物を加工したものや芋類で、年間を通して食べられて、価格が安定しているものが条件、という考え方もあります。

主食という概念がない地域も!

実は、主食と言う概念がない地域もあります。
たとえばアメリカでは、移民が多く育った環境も違うため、それぞれ好む食事が異なります。
私(筆者)の住むイギリスでも、メインディッシュ(主料理)とサイドディッシュ(副食)を食べることが多く、副食としてパン・ジャガイモ・野菜などを選んで食べます。

そのほか、エネルギー源の多くを畜産物で摂取する国もあれば、主食だけでなく主菜という考え方もない国もあるんです……!
たとえば、イヌイット(エスキモー)の人々は狩猟で得た生肉を主食としています。

世界三大穀物:米・小麦・とうもろこし

世界の三大穀物は、米・小麦・とうもろこしです。
これらは世界で栽培されている穀物のなかで、特に生産量の多いもので、主食として食べられることが多いです。

お米はアジアを中心に多くの国で食べられ、小麦は主にヨーロッパ、とうもろこしはメキシコや南アメリカ、中央アフリカなどで食べられています。

アジアの主食

まずは、日本を含むアジアで食べられている主食をチェックしましょう!

主食一覧~アジア

アジアの主な国の主食一覧は以下のとおりです。

国名 主食 食べ方
日本 米 炊いて食べる
韓国 米 炊いて食べる(ビビンバなど)
中国 北部は小麦、南部は米 小麦を使った麺やマントウ(蒸しパン)、米は炊く
インド 北インドは小麦、南インドはお米 小麦はナンやチャパーティーにする、お米は炊く、カレーとともに食べる
ベトナム 米、米を使った麺 お米を炊く、フォーとして食べる
インドネシア 米、めんやいも類、バナナ、サゴヤシからとる「サゴでんぷん」 米は炊いて食べる、「サゴでんぷん」パンケーキ、麺、パンなどにして食べる
ラオス 米(もち米) 炊いて食べる
タイ 米(インディカ米が主流、北部や東北部ではもち米も) 炊いて食べる

アジアはお米が主食の国が多い

上の図からもわかるとおり、アジアはお米が主食の国が多いです。これは、降水量が多く広大な平野のある土地が米の生産に適しているから。

ちなみに日本では、奈良時代ごろから貴族を中心にお米が食べられてきました。一般の人々がお米を食べるようになったのは、江戸時代ごろからと言われています。

アジアは米が主食の国が多い
雑学

「お米の消費ランキング」1位~5位!

お米は、世界人口の半分が主食としているとも言われています。 statista が発表しているお米の消費ランキングによると、1位~5位は以下のとおりです。

  • 1位:中国
  • 2位:インド
  • 3位:バングラデシュ
  • 4位:インドネシア
  • 5位:ベトナム

ちなみに、日本は9位でした。やはりアジアの国々でお米がよく食べられていることがわかりますね。

ヨーロッパの主食

続いて、ヨーロッパの主食をチェックしましょう!

主食一覧~ヨーロッパ~

ヨーロッパの主な国の主食一覧は以下のとおりです。

国名 主食 食べ方
フランス 小麦 パン(バゲットなど)
イギリス 主食という概念があまりない パンやジャガイモをメイン料理とともに食べる
ドイツ 小麦 パン(スープとともに食べる)
スペイン 小麦 パン
オランダ じゃがいも、小麦 マッシュポテト、パン(スープとともに食べる)
インドネシア 米、めんやいも類、バナナ、サゴヤシからとる「サゴでんぷん」 米は炊いて食べる、「サゴでんぷん」パンケーキ、麺、パンなどにして食べる
ギリシャ 小麦 パン(メイン料理に添える「ホリアティコ・プソミ」、肉や野菜をはさんで食べる平たいパン「ピタ」、ごまをまぶしたドーナツ形の「クルーリ」など)
ウズベキスタン 小麦、米 ノン(ナン)、炊き込みご飯
フィンランド じゃがいも、ライ麦 茹でる、マッシュポテトにする、ライ麦パン
ロシア 小麦、カーシャ(おかゆ) パン、おかゆ

小麦、ジャガイモが多いのはなぜ?

ヨーロッパでは、ウクライナ、ルーマニアなどで特に小麦の生産が盛んです。ジャガイモは、フランスやイギリス、ドイツなどのヨーロッパ北部で多く生産されます。ジャガイモは、ヨーロッパ北部のような厳しい寒さのなかでも育ちやすいです。小麦は、湿度が高いと育ちにくいため、乾燥した気候が適しています。

主食と副食の考えがあまりない?

ヨーロッパでは、そもそも主食と副食の考えがあまりないと言われています。
それは、ヨーロッパが狩猟文化だったからと考えられています。日本のような農耕文化の国では、稲を育て、米を食べるという食文化が根付きましたが、狩猟文化のヨーロッパでは、そうした食文化が根付きませんでした。

そのため、現在のようなお肉や魚のメイン料理に、副食としてジャガイモやパンを添えて食べるというスタイルが定着していったのです。

アフリカ・中東の主食

日本から遠いアフリカや中東の国々では、どのような主食があるのでしょうか?

主食一覧~アフリカ・中東~

アフリカ・中東の主な国の主食一覧は以下のとおりです。

国名 主食 食べ方
トルコ 小麦 パン
サウジアラビア 米、小麦 パン、米は炊きこみごはんにすることもある
エジプト 小麦 パン
モロッコ 小麦 パン
エチオピア インジェラ 豆、肉などと一緒に食べる
ガーナ ヤムイモ、キャッサバイモ フフ(お餅に似ている)
バンクー(フフより酸味がある)
ナイジェリア ヤムイモ、キャッサバなどのイモ類、プランテイン(調理用のバナナ)、トウモロコシ、大豆 エマ(ヤム芋の粉を練ってお餅のようにしたもの)など
南アフリカ トウモロコシ、小麦 ミリパップ(トウモロコシを粉状にしたもの)、パン

北、南、東、西それぞれ異なる食文化のあるアフリカ

アフリカは、北、南、東、西の地域によって、地形や気候、歴史的背景が異なることから、食文化も多彩です。ナイジェリアのようにバナナが主食の地域もあります。

南アフリカは、トウモロコシの生産量がアフリカ大陸内でも多く、ミリパップというトウモロコシを粉状にしたものが、主に黒人の人々のあいだで食べられています。
南部アフリカでは、アフリカ古来の食文化に、歴史的な理由から、ヨーロッパやアジアの料理が組み合わさった料理があります。

北アフリカ地域は、地中海に面しているため気候がよくオリーブや小麦などの穀物栽培が盛んです。
東アフリカ地域は、国による差が大きいのが特徴。エチオピアのようにインジェラを食べる国もあれば、「マトケ」と呼ばれるデンプン質の豊富なバナナがよく食べられるウガンダのような国もあります。

バナナ

西アフリカ地域は、「フフ」と呼ばれるキャッサバなどのイモを使った主食がよく食べられます。キャッサバは中南米原産ですが、大航海時代の影響を受け、16世紀ごろから西アフリカにも広まったと言われています。

フフ

北米の主食

ここからは、アメリカやカナダなど、北米の主食を見ていきましょう!

主食一覧~北米~

国名 主食 食べ方
アメリカ 主食と言う概念があまりない パン、パスタ、じゃがいもなどをメイン料理とともに食べる
カナダ 主食と言う概念があまりない パン、パスタ、じゃがいもなどをメイン料理とともに食べる

料理のジャンルが多彩なアメリカ

アメリカは、広大な土地で地域差があることや、移住者が多いことなどから、これと決まった主食はありません。パンやパスタを食べる人が多いようですが、カリフォルニア米やじゃがいももよく食べられています。人種によって主に食べるものが変わるのが、アメリカの特徴といえるでしょう。

カナダも移住者が多く、カナダ料理といえるものは少ないです。アメリカと同じように、パンやパスタ、じゃがいもなどがよく食べられています。

中南米の主食

日本から遠く離れた中南米では、どのような主食があるのでしょうか?

主食一覧~中南米

中南米の主な国の主食一覧は以下のとおりです。

国名 主食 食べ方
メキシコ トルティーヤ(とうもろこしを原材料としたパン) タコス
ペルー 海岸地帯は米、山岳地帯はいも 米を炊く、いもを茹でる
ブラジル 豆、米 米に、大豆と小豆の中間のような豆のフェジョンを混ぜる
ジャマイカ サツマイモやキャッサバ、米 茹でる、炊く
グアテマラ トルティーヤ(とうもろこしを原材料としたパン) タコス
キューバ 米 炊く
エクアドル じゃがいも、キャッサバ、豆、米 茹でる、煮る、炊く
ボリビア じゃがいも 茹でる
アルゼンチン 小麦粉、牛肉 エンパナーダ(小麦粉の生地に肉や野菜を包み焼いた料理やアサード(肉の炭火焼き)

ジャガイモはコロンブスによって広まった?

ヨーロッパの主食にもあげられたジャガイモは、実はアメリカ大陸から持ち込まれたものなんです……!
ほかに、トマトやトウガラシもヨーロッパ、アジア、アフリカにはありませんでした。

コロンブスからはじまった大航海時代により、食材がいろいろな国へ渡りました。ジャガイモ、トマト、トウガラシといった食物も、大航海時代以降に、ヨーロッパに広まりました。しかし、最初は聖書にない作物ということで偏見があり、食べなかったそうです。実際に広く食べられるようになったのは、18世紀のことでした。

オセアニアの主食

ここからは、オーストラリアやニュージーランドといったオセアニアの主食を見ていきましょう!

主食一覧~オセアニア~

国名 主食 食べ方
オーストラリア 主食と言う概念があまりない パン、パスタ、じゃがいもなどをメイン料理とともに食べる
ニュージーランド 決まった主食はないが、マオリの人々は伝統的に、クマラ(さつまいも)やタロイモ、ヤムイモを食べている イモ類は蒸す、焼く
パプアニューギニア サツマイモやタロイモ 野菜と塩で煮る・茹でる
タヒチ タロイモ、バナナ、小麦 イモやバナナは加熱する、小麦はパンとして食べる(フランスの影響)
ハワイ(アメリカ) タロイモ 蒸したタロイモを練りつぶしたポイ

オセアニアの主食の特徴は、サツマイモやタロイモといったイモ類が多いこと。特にタロイモは高温多湿の環境を好むので、オセアニア地域に適しているんです。

国によって主食が違うのはなぜ?

国ごとに主食が異なるのは、気候や地形といった自然環境の違いにより、それぞれの地域で最も効率よく生産できる作物が異なるためです。

しかし、必ずしも生産量=消費量ではないことがポイントです。たとえば、多くの国で小麦を原料としたパンが食べられていますが、栽培には多くの水が必要になる事から、原料を輸入している国も多いのです。

世界の変わった主食をご紹介!

最後に、世界にあるちょっと変わった主食をご紹介します。最近話題のものもあるので、気になったらぜひチャレンジしてみてもいいかもしれませんね♪

飲む主食、モンゴルの「アイラグ」

アイラグ

モンゴルでは、「アイラグ」という飲み物が主食となっています。アイラグは馬乳酒で、いわゆる「どぶろぐ(日本の伝統的なお酒のうち、米と米麹と水を原料として発酵させただけで漉す工程を経ていないもの)」のようなものです。

モンゴルではお酒というよりも「体に良い飲み物」と考えられているので、大人だけでなく子どもも飲んでいます。

アイラグは、さらさらとした口あたりが特徴で、酸味があります。搾った馬の乳を冷ました、スターター(種)を加えて、発酵容器に注ぎ、木の棒でかき混ぜるとアルコールが生じます。1日数千回(数万回のこともあるそうです!)かき混ぜると、1~3日で馬乳酒が完成します。

ただし、アイラグは、一年中飲まれているのではなく、出産を終えた馬から搾乳するため、季節は初夏から秋にかけてです。

スーパーフードとして大注目!エチオピアの「インジェラ」

インジェラ お肉・野菜をトッピングしたエチオピアのインジェラ

エチオピアで主食として食べられているのが「インジェラ」です。インジェラの起源は古く、紀元前100年には存在していたという記述もあるほど。

インジェラは、イネ科の穀物であるテフを粉にし、水と混ぜて発酵させてクレープのように薄く焼いた生地のことです。お肉、野菜、豆を煮込んだ「ワット」という煮込み料理をお皿のように上に盛って食べるのが一般的です。朝昼晩関係なく、おやつに食べることもあります。

テフはアミノ酸、タンパク質、鉄分、カルシウム、食物繊維などが多く、栄養もたっぷり。さらに、小麦と同じく炭水化物が含まれますが、グルテンがほとんど含まれておらず、カルシウムや鉄分、マグネシウムは、小麦より多いんです。このため、健康に良いスーパーフードとして、最近注目を集めているんです!

主食を知れば、世界が見えてくる♪

世界には、いろいろな主食があることがわかりましたね。日本の私たちにもなじみのある主食もあれば、今回はじめて知ったという主食もあったのではないでしょうか。

主食を知ることで、世界の素敵な文化が見えてきますね。気になった主食があれば、ぜひみなさんも食べてみてはいかがでしょうか?


  • Twitter
  • Facebook
  • LINE