年末詣で気持ちの良い新年を迎える!ご利益があるお参り方法や縁起が良いおすすめの日とは?

年末詣と聞いて「初詣やお礼参りとの違いはあるの?」と思った方もいるかもしれません。神社にお参りして神様に一年の感謝を伝える点は同じなのですが、実は初詣と同じくらいおすすめできる理由があります。
年末詣で、より良い年を迎える準備をしませんか。

年末詣の由来

年末詣とは

別名「師走詣」や、「除夜詣(じょやもうで)」とも呼ばれ、その名の通り12月の末に神社にお参りをすることをいいますが、なぜ年末詣と呼ばれているのでしょう。年末だけに絞った呼び方なのは、成り立ちが影響しています。

年末詣の由来

年末詣は、古くから伝わる「年籠り」がはじまりとされています。

年籠りとは村や一家の主が大晦日の晩から元日の朝まで、氏神が祀られる神社に籠る習慣のことです。年を跨いで夜通し不眠不休で一年無事に過ごせた感謝を伝えるとともに、新しい年の無病息災や平安無事を祈っていたそうです。

年末詣の由来

氏神さまとは、氏族の間で祖先にあたる神様や縁の深い神様のことです。日本に年籠りの風習は残っていませんが、中国の春節(旧正月)には一家で徹夜し年を越す「守歳」があります。

雑学

「二年参り」とは

新潟県や長野県などの一部地域で残る「二年参り」。
12月31日大晦日の深夜0時をまたいでお参りすることを言い、年をまたぐことから「二年参り」と呼ばれています。

ふたつに分かれた「年籠り」

年籠りは、やがて12月31日の夜に行う「除夜詣」と、1月1日の朝に行う「元日詣」の2つに分かれ、それが「年末詣」と「元日詣」(初詣)へ変わったとされています。

今私たちの間で広まっている初詣は、 明治時代以降に広まった新しい習慣。これはもともとの行事の後半部分だけが残ったものということになります。
そして年末詣は除夜だけでなく、年末付近に詣でる事をいうようになりました。

そもそも「詣でる」とは

元はというと、初詣も年末詣も「無事に毎日を過ごせていることを神様に感謝する」目的があります。神社では只お願いごとをするのではなく、感謝と一緒に抱負や宣誓に近いかたちで、「精一杯頑張るので、力をお貸しください」とお願いするのがよいとされています。

「年末詣」のほうが縁起がよい理由

実は「年末詣」と「初詣」には、詣でるタイミング以外にも違いがあります。

わたしたちも年を越す前と後では生まれ変わるような気分になるように、神様の気分も変わるといわれています。
ここでは年末に詣でるメリットなどを紹介していきます。

煤払いで清々しい境内

煤払いで清々しい境内

歳末には「煤払い」という神社のお掃除があります。
隅々まで浄められ、整えられた境内には清々しい空気が流れ、気持ちよく参拝ができます。神様も、きれいな境内になるこの時期はご機嫌がよくなるといわれています。

また、初詣には多くの人が訪れ、場所によっては露店なども出ますよね。にぎやかでおめでたく、とっても楽しい雰囲気ではありますが、気持ちを落ち着けて感謝するような雰囲気とは程遠いもの。

「年末詣」の方が比較的人も少なく落ち着いているので、気持ち穏やかに参拝することができます。丁寧に感謝を伝えることができますし、神様もひとりひとりの声に耳を傾けてくださるかもしれませんね。

陽に転じる切り替えの日「冬至」が近い

みなさんは冬至をご存じでしょうか。かぼちゃを食べて、柚子湯に入る……なんとなく日の短い日、という認識があるのではないでしょうか。
「冬至」とは二十四節気という、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらに6つに分けた呼び方のひとつ。1年の中で最も昼の時間が短く、夜の時間が長くなる日です。
「冬至」を境にして日が長くなるので、古くから世界各地で季節の変わり目や新しい年の始まりと考えられるようになりました。

陽に転じる切り替えの日「冬至」が近い

冬至は太陽の力が一番弱まる日であり、翌日からどんどんと強くなっていきます。陰から陽に転じる節目として運が向いてくると考えられるそんな日に近い年末詣は、いっそうご利益があると考えられるのです。

ちなみに2024年の「冬至」は12月21日。物事を新たに始める日としても最適な日については、こちらで詳しく解説しています。

年末詣をするときのポイント

神社でのお願いが叶ったときに感謝を伝える「お礼参り」と新年の平安を祈る「初詣」をかねて行いますので、今年1年間のお礼をしたうえで、新年の抱負を伝えるのが基本です。

また、「年末詣」と「初詣」のどちらかだけではなく、大晦日までに「年末詣」を行い、年が明けてから改めて「初詣」をするのも良いでしょう。おみくじも初詣と同じように引くことができますよ。

年末詣におすすめの参拝日

年末詣に行きたくなってきた頃でしょうか。もし詣でられる場合は、先述した「煤払い(すすはらい)」以降がおすすめです。
一般的には「正月事始め(しょうがつことはじめ)」の12月13日が煤払いの日とされています。

また、大晦日には「年越しの大祓式(おおはらえしき)」という心身を清めるための神事が行われることがあり、これは「年越しの祓」とも呼ばれ、災厄の原因になる罪や過ちを祓い去り新年を迎えるためのものです。目的が近い年末詣も同じ日に行うと良いかもしれませんね。

ちなみに、この祓式は6月と2月の年二回行われ、この期間中は神社に茅の輪(ちのわ)と呼ばれるが大きな茅(かや・ちがや)で出来た輪が設置されることがあります。
この茅の輪は鳥居の下などのいわゆる「結界」の内側に内側に設置されていて、くぐると厄除けのご利益があるとされています。

年末詣におすすめの参拝日

この不思議な行事の由来は日本神話にあるとされ、興味深い逸話があったりします。茅の輪について詳しく解説した記事もこちらにありますので、あわせてご覧ください。

どこで詣でるのが良いの?

もともとの「年籠り」は氏神様に一晩中かけて詣でていました。そのことから、年末詣も自分の住む地域の「氏神神社」に伺うことがおすすめです。
「氏神神社」とは地域を守ってくれる神様を祀っている神社のこと。
名前の通り、本来同じ地域や集落にすむ氏姓を同じくする祖先と縁のある神様を祀っていたことに由来します。
土地の神様が祀られているので「氏神神社」と呼ばれ、その地域に住む人々を長く見守ってくれているのです。

自宅から近いからといって「氏神神社」とは限りません。
調べたり、直接足を運んで伺ってみたり、神社庁に電話で問い合わせたりして確認するのがおすすめ。ただし問い合わせる場合は忙しい時を避けるのがマナーです。

また、もしも初詣のときに「氏神神社」ではない神社へお参りをしていたら、同じ神社に行ってお礼参りし、一年の感謝を伝えるのがマナーです。

雑学

お札(ふだ)やお守りはもらい受けた神社へ返納し、お焚き上げをしてもらうのが一般的です。
もらい受けた神社ではない場所へ返納すると違う神様のもとに返すことになり、失礼にあたることもあるそうです。どうしても難しい場合は、同じ宗派の神社でお焚き上げするのがベターといわれています。

喪中に年末詣へいってもいいの?

もしも、直近でご葬儀があった場合は初詣と同じように、神社に赴かず静かに過ごしましょう。原則、喪に服す期間は「亡くなった翌年の一周忌法要までの期間」とされていますが、結論からいうと「忌中以外は参拝しても問題はない」です。
ただ、「けがれ」の状態である四十九日中は避けた方がよいとされています。この「けがれ」は気枯れに繋がるといい、神様が嫌うとされています。

年末詣にいってみませんか

「年末詣」とは、年末に1年の感謝を伝え、新年の祈願をすること。
元来、年籠もりは一家の主が一晩掛けて感謝をささげ、新年の安全や招福を祈願するというものですので、「一年の感謝」「来年への祈願」の二つの面がありました。

初詣や年末に詣でる時、感謝をあまりしてこなかったかも…という方は、ぜひ年末詣で今年の御礼もしっかり伝えつつ、来年への抱負を伝えてみるのはいかがでしょうか。

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