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もうすぐ年末、そしてお正月ですね。そろそろ年賀状の準備をはじめる……という方も覆いのではないでしょうか。そんな年賀状には、その年の「干支」の動物のイラストや漢字が書かれていることも多いですよね。
今回のコラムでは、そんな「干支」について、それぞれの干支が対応している「梵字(ぼんじ)」を詳しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。普通の漢字とは異なる梵字は、私たちの日常生活ではなかなか見る機会がなく、なじみがないという方も多いはず。
ぜひ、このコラムを最後まで読んで、梵字やそれぞれの干支と対応する梵字について詳しくなりましょう♪
まず、そもそも「梵字」ってなに?読み方はなに?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。まず、「梵字」は「ぼんじ」と読みます。
以下、梵字の歴史や日本にどのように伝わってきたのか、特別な梵字や、梵字が現在どの国で使われているのかといったことをご紹介していきたいと思います!
「梵字」とは、古代インドで使われていた言語のひとつであるサンスクリット語(梵語)を書き表すために生まれた文字です。古代インドにはもともと文字がなく、口頭でコミュニケーションを取っていました。しかし、次第に言葉を文字で書く必要が出てきました。
さまざまな文字があったものの、仏教の経典の多くがこの文字で記されました。インドを含む南アジアをはじめ、東南アジアでも広く使われました。
サンスクリット語(梵語)は書き言葉とご紹介しましたが、一方で口語は「パーリ語」と呼ばれるものが存在します。
梵字は奈良時代ごろ、仏教の伝播とともに中国を経由して日本にも伝わりました。ちなみに、梵字にはいくつか種類があるのですが、日本での梵字とは、仏教のお寺などに伝わってきた「悉曇文字(しったんもじ)」を指します。
平安時代、空海らが中国から持ち帰った多くの経典類のなかに、悉曇文字で書かれたものが含まれていたことから、日本では悉曇文字が主流の梵字となりました。なお、悉曇文字は日本語の五十音図のもととなったとも考えられているんですよ!
梵字は、仏教とのかかわりが深いため、お墓やお位牌、卒塔婆、五輪塔などに記されています。梵字は普段の私たちの生活ではあまり見る機会はありませんが、お墓参りなどをした際に、見たことがあるという方もいるかもしれませんね。
梵字にはいくつか種類があると書きましたが、なかには「守護梵字」というものもあります。こちらは、十二支・生れ年の干支によって決まっている守り本尊八神をあらわしたものです。
梵字は、「神仏を一字で現す文字」として中国から日本に伝わったため、「梵字=神様」と考えられているのです。のちほど詳しくご紹介しますが、たとえば、「キリーク」という梵字は「千住観音菩薩」を指し、「タラーク」という梵字は「虚空蔵菩薩」を指します。
また、梵字が伝わった当時の日本の僧侶たちにとっては、梵字は見たこともない難解な字であることから、神聖なものとされ「神の文字」と考えられたのです。
梵字は、インドで4~5世紀に流行しましたが、10世紀ごろにはほかの言語・文字に押されて衰退してしまいました。中国でも梵字は廃れてしまい、現在は主に日本だけで使われているのです。
もととなったインドで廃れてしまったのは少しさびしいですが、梵字が日本で今でも残っているのは喜ばしいことですよね。
十二支・生まれ年の干支によって決まっている守り本尊八神をあらわすものが「守護梵字」とご紹介しました。ぜひ、みなさんもご自分の十二支・生まれ年の干支を確認してみましょう♪
子年生まれの梵字はキリーク(千手観音)です。
千手観音は、その名のとおり「千本の手を持つ観音」さまです。それぞれの手のひらには目があり、すべての人を見渡して慈悲の心で救いの手を差し伸べてくれると言われています。人々に福、知恵、悟りをあたえ、厄を取り除いてくれます。また、恋愛成就や夫婦円満にもご利益があります。
丑&虎年生まれの梵字はタラーク(虚空蔵こくぞう 菩薩)です。
虚空蔵菩薩は、広大無辺の功徳を持ち、かぎりない福徳と智恵をそなえています。空海は優れた記憶力があったと言われていますが、彼は虚空蔵菩薩の知恵を授かる特別な修行でその力を得たそうです。学業成就(特に暗記・知識が求められる場合)のご利益があります。
卯年生まれの梵字はマン(文殊もんじゅ 菩薩)です。
文殊菩薩は、「三人寄れば文殊の知恵」ということわざのとおり、優れた知恵を持つと言われる菩薩です。物事の本質を見極め、真理にたどりつくための知恵を授けてくれます。学業成就(特に思考力・ひらめきが求められる場合)ご利益があります。
辰&巳年生まれの梵字はアン(普賢ふけん 菩薩)です。
普賢菩薩は、仏の知恵を叡智と実践で教えてくれる菩薩です。人々の幸せや健康を守ってくれると言われています。また、特に女性を守ってくれると言われ、美容のご利益もあります。
午年生まれの梵字はサク(勢至せいし 菩薩)です。
勢至菩薩は、智恵の象徴であり、智恵の光ですべてのものを照らし、人々をさまざまな苦難から救済してくれます。厄除けなどにご利益があります。
申&未年生まれの梵字はバン(大日如来)です。
大日如来は、密教においては、すべての神仏の中心であり宇宙の真理そのものをあらわすと言われています。また、時間や空間を超越して、宇宙のすべてを照らし見守ってくれます。厄除け、願成、開運などのご利益があります。
酉年生まれの梵字はカーン(不動明王)です。
不動明王は、大日如来の化身、数ある明王の最高位にある存在です。右手の剣によって人々の煩悩や災いを打ちくだき、左手の綱・羂索(けんさく)で人々の平安を末永く守ってくれます。厄除け、勝運、出世運などのご利益があります。
戌&亥年生まれの梵字はキリーク(阿弥陀如来)です。
阿弥陀如来は、極楽浄土への先導者であり主であると言われています。無限の寿命を持ち、来世の救いをもたらしてくれます。また、慈悲深く、すべての人を分け隔てなく救うとされます。人々を苦難と不安から解き放ち、心の安らぎをもたらしてくれます。厄除け、長寿、安泰などのご利益があります。
普段、私たちの生活のなかではあまりなじみのない梵字ですが、お墓やお位牌、卒塔婆などで見られ、仏教と深いかかわりがあることがわかりましたね。
また、今回のコラムでご紹介したとおり、それぞれの干支には梵字があります。ぜひみなさんもご自身の梵字を知り、どのようなご利益があるのか覚えてみてはいかがでしょうか?
もうすぐ年末、そしてお正月ですね。そろそろ年賀状の準備をはじめる……という方も覆いのではないでしょうか。そんな年賀状には、その年の「干支」の動物のイラストや漢字が書かれていることも多いですよね。
今回のコラムでは、そんな「干支」について、それぞれの干支が対応している「梵字(ぼんじ)」を詳しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。普通の漢字とは異なる梵字は、私たちの日常生活ではなかなか見る機会がなく、なじみがないという方も多いはず。
ぜひ、このコラムを最後まで読んで、梵字やそれぞれの干支と対応する梵字について詳しくなりましょう♪
目次
梵字とは?
まず、そもそも「梵字」ってなに?読み方はなに?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。まず、「梵字」は「ぼんじ」と読みます。
以下、梵字の歴史や日本にどのように伝わってきたのか、特別な梵字や、梵字が現在どの国で使われているのかといったことをご紹介していきたいと思います!
梵字の歴史
「梵字」とは、古代インドで使われていた言語のひとつであるサンスクリット語(梵語)を書き表すために生まれた文字です。古代インドにはもともと文字がなく、口頭でコミュニケーションを取っていました。しかし、次第に言葉を文字で書く必要が出てきました。
さまざまな文字があったものの、仏教の経典の多くがこの文字で記されました。インドを含む南アジアをはじめ、東南アジアでも広く使われました。
サンスクリット語(梵語)は書き言葉とご紹介しましたが、一方で口語は「パーリ語」と呼ばれるものが存在します。
梵字が日本に伝わった経緯
梵字は奈良時代ごろ、仏教の伝播とともに中国を経由して日本にも伝わりました。ちなみに、梵字にはいくつか種類があるのですが、日本での梵字とは、仏教のお寺などに伝わってきた「悉曇文字(しったんもじ)」を指します。
平安時代、空海らが中国から持ち帰った多くの経典類のなかに、悉曇文字で書かれたものが含まれていたことから、日本では悉曇文字が主流の梵字となりました。なお、悉曇文字は日本語の五十音図のもととなったとも考えられているんですよ!
梵字は、仏教とのかかわりが深いため、お墓やお位牌、卒塔婆、五輪塔などに記されています。梵字は普段の私たちの生活ではあまり見る機会はありませんが、お墓参りなどをした際に、見たことがあるという方もいるかもしれませんね。
守り神を示す「守護梵字」とは?
梵字にはいくつか種類があると書きましたが、なかには「守護梵字」というものもあります。こちらは、十二支・生れ年の干支によって決まっている守り本尊八神をあらわしたものです。
梵字は、「神仏を一字で現す文字」として中国から日本に伝わったため、「梵字=神様」と考えられているのです。のちほど詳しくご紹介しますが、たとえば、「キリーク」という梵字は「千住観音菩薩」を指し、「タラーク」という梵字は「虚空蔵菩薩」を指します。
また、梵字が伝わった当時の日本の僧侶たちにとっては、梵字は見たこともない難解な字であることから、神聖なものとされ「神の文字」と考えられたのです。
梵字が使われているのは日本だけ?
梵字は、インドで4~5世紀に流行しましたが、10世紀ごろにはほかの言語・文字に押されて衰退してしまいました。中国でも梵字は廃れてしまい、現在は主に日本だけで使われているのです。
もととなったインドで廃れてしまったのは少しさびしいですが、梵字が日本で今でも残っているのは喜ばしいことですよね。
自分の梵字を確認してみよう!
十二支・生まれ年の干支によって決まっている守り本尊八神をあらわすものが「守護梵字」とご紹介しました。ぜひ、みなさんもご自分の十二支・生まれ年の干支を確認してみましょう♪
子年生まれ:キリーク
子年生まれの梵字はキリーク(千手観音)です。
千手観音は、その名のとおり「千本の手を持つ観音」さまです。それぞれの手のひらには目があり、すべての人を見渡して慈悲の心で救いの手を差し伸べてくれると言われています。人々に福、知恵、悟りをあたえ、厄を取り除いてくれます。また、恋愛成就や夫婦円満にもご利益があります。
丑&虎年生まれ:タラーク
丑&虎年生まれの梵字はタラーク(虚空蔵 菩薩)です。
虚空蔵菩薩は、広大無辺の功徳を持ち、かぎりない福徳と智恵をそなえています。空海は優れた記憶力があったと言われていますが、彼は虚空蔵菩薩の知恵を授かる特別な修行でその力を得たそうです。学業成就(特に暗記・知識が求められる場合)のご利益があります。
卯年生まれ:マン
卯年生まれの梵字はマン(文殊 菩薩)です。
文殊菩薩は、「三人寄れば文殊の知恵」ということわざのとおり、優れた知恵を持つと言われる菩薩です。物事の本質を見極め、真理にたどりつくための知恵を授けてくれます。学業成就(特に思考力・ひらめきが求められる場合)ご利益があります。
辰&巳年生まれ:アン
辰&巳年生まれの梵字はアン(普賢 菩薩)です。
普賢菩薩は、仏の知恵を叡智と実践で教えてくれる菩薩です。人々の幸せや健康を守ってくれると言われています。また、特に女性を守ってくれると言われ、美容のご利益もあります。
午年生まれ:サク
午年生まれの梵字はサク(勢至 菩薩)です。
勢至菩薩は、智恵の象徴であり、智恵の光ですべてのものを照らし、人々をさまざまな苦難から救済してくれます。厄除けなどにご利益があります。
申&未年生まれ:バン
申&未年生まれの梵字はバン(大日如来)です。
大日如来は、密教においては、すべての神仏の中心であり宇宙の真理そのものをあらわすと言われています。また、時間や空間を超越して、宇宙のすべてを照らし見守ってくれます。厄除け、願成、開運などのご利益があります。
酉年生まれ:カーン
酉年生まれの梵字はカーン(不動明王)です。
不動明王は、大日如来の化身、数ある明王の最高位にある存在です。右手の剣によって人々の煩悩や災いを打ちくだき、左手の綱・羂索(けんさく)で人々の平安を末永く守ってくれます。厄除け、勝運、出世運などのご利益があります。
戌&亥年生まれ:キリーク
戌&亥年生まれの梵字はキリーク(阿弥陀如来)です。
阿弥陀如来は、極楽浄土への先導者であり主であると言われています。無限の寿命を持ち、来世の救いをもたらしてくれます。また、慈悲深く、すべての人を分け隔てなく救うとされます。人々を苦難と不安から解き放ち、心の安らぎをもたらしてくれます。厄除け、長寿、安泰などのご利益があります。
梵字の奥深い世界を味わおう
普段、私たちの生活のなかではあまりなじみのない梵字ですが、お墓やお位牌、卒塔婆などで見られ、仏教と深いかかわりがあることがわかりましたね。
また、今回のコラムでご紹介したとおり、それぞれの干支には梵字があります。ぜひみなさんもご自身の梵字を知り、どのようなご利益があるのか覚えてみてはいかがでしょうか?