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高級感あふれる天然の革製品。真新しいピカピカのアイテムも素敵ですが、使い込まれた深みのある革にも憧れますよね。
さまざまな革素材のなかで、今回は強さとしなやかさが魅力の山羊革(ゴートレザー)について解説します。
産地やおすすめの商品も紹介しますので、革製品が大好きな方も、これから持ちたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
【出典・参考文献について】
出典・参考文献は文末にまとめてあります。 本文内のローマ数字をクリックすると出典・参考文献に飛びます。 出典・参考文献から本文を見たい場合も、ローマ数字をクリックすると該当箇所に飛びます。
山羊革(ゴートレザー)は丈夫で摩耗に強く、軽さとしなやかさが特徴です。財布やバッグなどの小物やレザージャケットなど、さまざまな製品に使われています。
革の種類は数あれど、強さとしなやかさが際立ち、高級素材としても人気の山羊革(ゴートレザー)。その魅力はどこから生まれているのでしょうか。
それは山羊の皮の性質。山羊の皮は弾性があり、比較的細い繊維で構成されています。そのため皮の密度が高く、軽くて柔らかいのです。
そしてもうひとつの特徴が、美しいシボ(しわ)。
革のシボとは、革表面にあわられるしわのような模様のこと。革の表情として、製品の価値に大きく影響します。山羊革(ゴートレザー)の美しいシボは自然な風合いで、革に豊かな表情をあたえているのです。
革製品には経年変化という魅力があります。経年変化とは、長い時を経て状態が変化していくこと。革にとって経年変化は劣化ではなく、色や風合いが味わい深く変わっていくポジティブな変化です。お手入れをしながら革を育てていく、という意味で「エイジング」とも呼ばれています。
山羊革(ゴートレザー)も、長く使うほどに柔らかくしなやかに。艶も深まり、シボ(しわ)には立体感が生まれ、革の表情はさらに豊かになっていきます。
使えば使うほど愛着が深まる山羊革(ゴートレザー)ですが、注意しなければならないこともあります。それは、水に弱いということ。これは革製品全体に共通するデメリットです。
革は水に濡れてしまうと、染みやカビ、型崩れなどの原因となってしまいます。でも、突然大雨が降ってきたり、うっかり水をこぼしてしまった、なんてことも。水に濡れてしまったら、まずは素早く乾いた布で拭き取りましょう。革製品を使うときは、常にハンカチやハンドタオルなどを携帯しておくと安心です。
山羊革(ゴートレザー)のほかにも、皮革の素材にはさまざまな種類があります。素材それぞれがもつ特徴は選ぶ基準となり、革製品の魅力そのものとなります。
革製品に使われている主な素材と、その特徴について解説します。
革製品の素材としてもっともなじみ深いのが牛革。使用する牛の品種や年齢、皮の部位によって特徴が大きく異なるため、牛革は数種類に分類されています。
希少価値が高く、最高級素材とされる牛革が「カーフ」。生後半年以内の牛の皮を原料としています。きめが細かくなめらかな質感で、傷が少ないのが特徴です。
国内でもっとも需要が高いとされているのが「ステアハイド」。生後3~6ヶ月の間に去勢し、2年以上を経た雄牛の皮が使われています。皮の厚みが均一で面積も広くとれるのが特徴。小物からインテリア用品まで、幅広い製品に使われています。
羊は品種が多く、その数は200を超えますが、大きくは「ウールシープ」と「ヘアシープ」に分けられます。ウールシープは普段よく目にするモコモコとした毛の品種。ヨーロッパの寒い地域で飼育され、主に羊毛(ウール)が使われています。
一方、皮革に適しているのはヘアシープ。暖かい地方で育ち、毛足が短く皮下脂肪が少ない品種です。皮の繊維が粗いため強度はやや劣りますが、薄くて柔らかく、手袋などの小物やジャケットなどに使われています。
羊革のなかでも、生後1年以内の子羊の皮革は「ラム」と呼ばれ、きめが細かく柔らかい手触りが魅力。高級ブランドの財布やバッグなどにも使用される人気の素材です。
豚革の大きな特徴は、皮革の表面に無数の穴が広がっていること。剛毛な豚の毛は、3本1組となって皮を貫通するように生えています。見た目の好みは分かれるところですが、この穴が皮革の通気性や保湿性を高めています。
豚革は繊維がとても強靭で、薄くしても摩擦に強く丈夫なことが魅力。皮革の裏面を起毛加工させたり、表面を丁寧になめしてアメ色の艶をだすなど、幅広いデザインが可能です。
また、豚革は国内で自給できる皮革。質の高い国産の豚革は海外にも輸出され、高い評価を得ています。
皮革に使われる動物の皮は、食肉を加工する過程で生まれる副産物です [ⅰ] 。皮をとる目的だけで動物が飼育されることはなく、皮を使用しなければ廃棄するしかありません。
廃棄されるものを有効に活用する、エコでサステナブルな活動は、いわばSDGsへの取り組みともいえるのではないでしょうか。
動物の「皮」を、素材としての「革」にするために必要な工程がなめしです。皮をなめすことで、皮の硬化や腐敗を止めています。
現在は化学薬品を用いてなめす、クロムなめしが主流ですが、植物タンニンを用いてなめす製法は、古代から脈々と受け継がれてきました。
タンニンは植物由来の成分で、古くから皮をなめすために使われていました。木や樹皮、未熟な果実などに含まれる渋の総称で、ポリフェノールの一種とされています。お茶やワインなどの渋みもこの成分ですね。
植物のタンニンには、昆虫などの外敵から身を守るという役割があります。昆虫などは、タンニンを含む葉や実を食べても消化できないため、次第にその植物は食べられにくくなっていくのだそう [ⅱ] 。これはタンニンとタンパク質との結合によっておこります。
タンニンでなめすは製法は、タンニンとタンパク質の結合によっておこる作用を利用したものです。
タンニンと動物の皮のタンパク質が結合すると、タンパク質が固まります。これを収れん性といいますが、この収れん性が皮の腐敗を止めているのです。
エコな製法として注目されるタンニンでのなめしですが、皮へ浸透しにくく、タンニン液に浸す工程だけでも1ヶ月以上かかるといわれています。手間も時間ももかかる製法ですが、皮本来の風合いが残る、重量感のある仕上がりが魅力。使うほどに柔らかさとしなやかさが増していきます。
タンニンがなめしに有効であることは、紀元前の森の中で発見されたようです。落ち葉が沈む水たまりに動物の死骸があり、肉は腐敗していたものの皮だけが腐っていなかった、というできごとがきっかけといわれています [ⅲ] 。
古代の地中海沿岸からタンニンでのなめしが広まっていきましたが、製法として確立したのは19世紀のイギリスでした。当時使われていたのは、タンニン濃度の低いオーク材。その後、世界中の植物の研究が進むにつれて、よりよい製法が開発されていきました。
インドのコルカタ地方に位置するサンティニケタンは、伝統的な山羊革細工の産地。財布やコインケースなどの小物を中心に、熟練した職人が一つひとつ丁寧に手づくりしています。
植物タンニンでなめした山羊革(ゴートレザー)を使用し、落ち着いた艶となめらかな手触りが特徴。長く使い続けるほどに艶が深まり、革は柔らかく手になじんでいきます。
革の表面には、伝統的な柄が緻密なエンボス加工で施され、熟練した職人の技が光っています。また、カラフルな色合いとデザインのバリエーションも大きな魅力。持っているだけで気分があがる、そんな革小物が豊富に揃っているので、大切な人へのギフトとしてもおすすめです。
長く使い続けるうえで注意したいのは、やはり水に弱いということ。濡れてしまった場合はすぐに拭き取るようにしましょう。
常に行うお手入れとしては、表面の汚れを乾いた柔らかい布でやさしく拭き取ること。そのうえで、必要に応じて革専用のクリームやオイルを使用し、油分を与えてください。ただし塗り過ぎは、余分な水分がシミやカビのもととなるので注意が必要です。
適切なお手入れで、山羊革(ゴートレザー)を健やかに育てていきたいですね。
インド、コルカタ地方のサンティニケタンは、世界文化遺産に登録されています。この都市の歴史と、山羊革細工の発展についてみていきましょう。
インドの詩人、思想家のラビンドラナート・タゴールが設立した学校を中心に、サンティニケタンは学園都市として発展しました。
タゴールは開かれた教育環境のなかで、人類が文化的、精神的に成長することを追求しました。彼の理念はサンティニケタンから世界へと広がり、1913年にはノーベル文学賞を受賞しています。また、この学園都市は、インドの伝統とモダニズムが融合した建築群を有していることも大きな特徴です。
文化・教育の中心地であるサンティニケタンの地は、なぜ山羊革細工の産地となったのでしょうか。
それはタゴールがヨーロッパや日本に強い関心もっていたことにはじまります。
タゴールはイギリスへの留学経験があり、また、日本の知識人たちとの親交もありました。思想家の岡倉天心ら知識人たちと交流を続け、何度も訪日しています。
そのような環境のなかで、タゴールはヨーロッパや日本で山羊革細工と出会ったといわれています。そして、なめしを含めた技術をインドへ持ち帰り、地域の人々に広めました。その後、山羊革細工はサンティニケタンに根づき、産地として発展したとされています [ⅳ] 。
使い込む程にしなやかになり、深みのある色合いに変化していくお財布たちです。
選ぶ、手にする、使う、育てる。革製品にはいろいろな楽しみ方があります。 初めて手にしたときの喜びはもちろん、日々の暮らしの中で味わえる風合いの変化は、革製品を持つ醍醐味ですね。
また、天然素材だけにある温もりも大きな魅力ではないでしょうか。自然と、人の知恵や努力で生みだされた革製品。ぜひ、素材や産地、製法にもこだわって選んでみてください。
出典
◎ ◎ 本革は畜産副産物を有効活用したエコでサステナブルな天然素材 | 日本の革 | 日本革市 - 素材から作りまでメイドインジャパン
◎ ◎ タンニン♪ | みんなのひろば | 日本植物生理学会
◎ ◎ 東京都立皮革技術センター「植物タンニン ポリフェノール」、鍛治 雅信、皮革消費科学研究会第19回情報交換会講演要旨、2007
◎ ◎ 【世界民芸曼陀羅紀】 山羊革細工編 | 株式会社アミナコレクション
高級感あふれる天然の革製品。真新しいピカピカのアイテムも素敵ですが、使い込まれた深みのある革にも憧れますよね。
さまざまな革素材のなかで、今回は強さとしなやかさが魅力の山羊革(ゴートレザー)について解説します。
産地やおすすめの商品も紹介しますので、革製品が大好きな方も、これから持ちたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【出典・参考文献について】
出典・参考文献は文末にまとめてあります。
本文内のローマ数字をクリックすると出典・参考文献に飛びます。
出典・参考文献から本文を見たい場合も、ローマ数字をクリックすると該当箇所に飛びます。
山羊革(ゴートレザー)の特徴
山羊革(ゴートレザー)は丈夫で摩耗に強く、軽さとしなやかさが特徴です。財布やバッグなどの小物やレザージャケットなど、さまざまな製品に使われています。
使い心地と美しさ
革の種類は数あれど、強さとしなやかさが際立ち、高級素材としても人気の山羊革(ゴートレザー)。その魅力はどこから生まれているのでしょうか。
それは山羊の皮の性質。山羊の皮は弾性があり、比較的細い繊維で構成されています。そのため皮の密度が高く、軽くて柔らかいのです。
そしてもうひとつの特徴が、美しいシボ(しわ)。
革のシボとは、革表面にあわられるしわのような模様のこと。革の表情として、製品の価値に大きく影響します。山羊革(ゴートレザー)の美しいシボは自然な風合いで、革に豊かな表情をあたえているのです。
味わい深い経年変化
革製品には経年変化という魅力があります。経年変化とは、長い時を経て状態が変化していくこと。革にとって経年変化は劣化ではなく、色や風合いが味わい深く変わっていくポジティブな変化です。お手入れをしながら革を育てていく、という意味で「エイジング」とも呼ばれています。
山羊革(ゴートレザー)も、長く使うほどに柔らかくしなやかに。艶も深まり、シボ(しわ)には立体感が生まれ、革の表情はさらに豊かになっていきます。
デメリットは「水に弱い」
使えば使うほど愛着が深まる山羊革(ゴートレザー)ですが、注意しなければならないこともあります。それは、水に弱いということ。これは革製品全体に共通するデメリットです。
革は水に濡れてしまうと、染みやカビ、型崩れなどの原因となってしまいます。でも、突然大雨が降ってきたり、うっかり水をこぼしてしまった、なんてことも。水に濡れてしまったら、まずは素早く乾いた布で拭き取りましょう。革製品を使うときは、常にハンカチやハンドタオルなどを携帯しておくと安心です。
山羊革(ゴートレザー)と他の皮革との特徴の違い
山羊革(ゴートレザー)のほかにも、皮革の素材にはさまざまな種類があります。素材それぞれがもつ特徴は選ぶ基準となり、革製品の魅力そのものとなります。
革製品に使われている主な素材と、その特徴について解説します。
牛革
革製品の素材としてもっともなじみ深いのが牛革。使用する牛の品種や年齢、皮の部位によって特徴が大きく異なるため、牛革は数種類に分類されています。
希少価値が高く、最高級素材とされる牛革が「カーフ」。生後半年以内の牛の皮を原料としています。きめが細かくなめらかな質感で、傷が少ないのが特徴です。
国内でもっとも需要が高いとされているのが「ステアハイド」。生後3~6ヶ月の間に去勢し、2年以上を経た雄牛の皮が使われています。皮の厚みが均一で面積も広くとれるのが特徴。小物からインテリア用品まで、幅広い製品に使われています。
羊革
羊は品種が多く、その数は200を超えますが、大きくは「ウールシープ」と「ヘアシープ」に分けられます。ウールシープは普段よく目にするモコモコとした毛の品種。ヨーロッパの寒い地域で飼育され、主に羊毛(ウール)が使われています。
一方、皮革に適しているのはヘアシープ。暖かい地方で育ち、毛足が短く皮下脂肪が少ない品種です。皮の繊維が粗いため強度はやや劣りますが、薄くて柔らかく、手袋などの小物やジャケットなどに使われています。
羊革のなかでも、生後1年以内の子羊の皮革は「ラム」と呼ばれ、きめが細かく柔らかい手触りが魅力。高級ブランドの財布やバッグなどにも使用される人気の素材です。
豚革
豚革の大きな特徴は、皮革の表面に無数の穴が広がっていること。剛毛な豚の毛は、3本1組となって皮を貫通するように生えています。見た目の好みは分かれるところですが、この穴が皮革の通気性や保湿性を高めています。
豚革は繊維がとても強靭で、薄くしても摩擦に強く丈夫なことが魅力。皮革の裏面を起毛加工させたり、表面を丁寧になめしてアメ色の艶をだすなど、幅広いデザインが可能です。
また、豚革は国内で自給できる皮革。質の高い国産の豚革は海外にも輸出され、高い評価を得ています。
実はエコでサステナブル! 環境にやさしい革製品
皮革に使われる動物の皮は、食肉を加工する過程で生まれる副産物です [ⅰ] 。皮をとる目的だけで動物が飼育されることはなく、皮を使用しなければ廃棄するしかありません。
廃棄されるものを有効に活用する、エコでサステナブルな活動は、いわばSDGsへの取り組みともいえるのではないでしょうか。
植物タンニンでなめした山羊革(ゴートレザー)
動物の「皮」を、素材としての「革」にするために必要な工程がなめしです。皮をなめすことで、皮の硬化や腐敗を止めています。
現在は化学薬品を用いてなめす、クロムなめしが主流ですが、植物タンニンを用いてなめす製法は、古代から脈々と受け継がれてきました。
タンニンとは
タンニンは植物由来の成分で、古くから皮をなめすために使われていました。木や樹皮、未熟な果実などに含まれる渋の総称で、ポリフェノールの一種とされています。お茶やワインなどの渋みもこの成分ですね。
植物のタンニンには、昆虫などの外敵から身を守るという役割があります。昆虫などは、タンニンを含む葉や実を食べても消化できないため、次第にその植物は食べられにくくなっていくのだそう [ⅱ] 。これはタンニンとタンパク質との結合によっておこります。
タンニンでなめす製法
タンニンでなめすは製法は、タンニンとタンパク質の結合によっておこる作用を利用したものです。
タンニンと動物の皮のタンパク質が結合すると、タンパク質が固まります。これを収れん性といいますが、この収れん性が皮の腐敗を止めているのです。
エコな製法として注目されるタンニンでのなめしですが、皮へ浸透しにくく、タンニン液に浸す工程だけでも1ヶ月以上かかるといわれています。手間も時間ももかかる製法ですが、皮本来の風合いが残る、重量感のある仕上がりが魅力。使うほどに柔らかさとしなやかさが増していきます。
タンニンでなめす歴史
タンニンがなめしに有効であることは、紀元前の森の中で発見されたようです。落ち葉が沈む水たまりに動物の死骸があり、肉は腐敗していたものの皮だけが腐っていなかった、というできごとがきっかけといわれています [ⅲ] 。
古代の地中海沿岸からタンニンでのなめしが広まっていきましたが、製法として確立したのは19世紀のイギリスでした。当時使われていたのは、タンニン濃度の低いオーク材。その後、世界中の植物の研究が進むにつれて、よりよい製法が開発されていきました。
インド サンティニケタンの山羊革細工
インドのコルカタ地方に位置するサンティニケタンは、伝統的な山羊革細工の産地。財布やコインケースなどの小物を中心に、熟練した職人が一つひとつ丁寧に手づくりしています。
魅力あふれる山羊革細工
植物タンニンでなめした山羊革(ゴートレザー)を使用し、落ち着いた艶となめらかな手触りが特徴。長く使い続けるほどに艶が深まり、革は柔らかく手になじんでいきます。
革の表面には、伝統的な柄が緻密なエンボス加工で施され、熟練した職人の技が光っています。また、カラフルな色合いとデザインのバリエーションも大きな魅力。持っているだけで気分があがる、そんな革小物が豊富に揃っているので、大切な人へのギフトとしてもおすすめです。
お手入れ方法は?
長く使い続けるうえで注意したいのは、やはり水に弱いということ。濡れてしまった場合はすぐに拭き取るようにしましょう。
常に行うお手入れとしては、表面の汚れを乾いた柔らかい布でやさしく拭き取ること。そのうえで、必要に応じて革専用のクリームやオイルを使用し、油分を与えてください。ただし塗り過ぎは、余分な水分がシミやカビのもととなるので注意が必要です。
適切なお手入れで、山羊革(ゴートレザー)を健やかに育てていきたいですね。
産地サンティニケタンについて
インド、コルカタ地方のサンティニケタンは、世界文化遺産に登録されています。この都市の歴史と、山羊革細工の発展についてみていきましょう。
文化と教育の中心地
インドの詩人、思想家のラビンドラナート・タゴールが設立した学校を中心に、サンティニケタンは学園都市として発展しました。
タゴールは開かれた教育環境のなかで、人類が文化的、精神的に成長することを追求しました。彼の理念はサンティニケタンから世界へと広がり、1913年にはノーベル文学賞を受賞しています。また、この学園都市は、インドの伝統とモダニズムが融合した建築群を有していることも大きな特徴です。
なぜ山羊革細工の産地に?
文化・教育の中心地であるサンティニケタンの地は、なぜ山羊革細工の産地となったのでしょうか。
それはタゴールがヨーロッパや日本に強い関心もっていたことにはじまります。
タゴールはイギリスへの留学経験があり、また、日本の知識人たちとの親交もありました。思想家の岡倉天心ら知識人たちと交流を続け、何度も訪日しています。
そのような環境のなかで、タゴールはヨーロッパや日本で山羊革細工と出会ったといわれています。そして、なめしを含めた技術をインドへ持ち帰り、地域の人々に広めました。その後、山羊革細工はサンティニケタンに根づき、産地として発展したとされています [ⅳ] 。
しっくり手に馴染む山羊革財布
使い込む程にしなやかになり、深みのある色合いに変化していくお財布たちです。
開運カラーは緑→家族 青→勉強 紫→仕事 黒→守る 赤→恋愛 黄→金運
憧れの革から自分だけの革へ
選ぶ、手にする、使う、育てる。革製品にはいろいろな楽しみ方があります。
初めて手にしたときの喜びはもちろん、日々の暮らしの中で味わえる風合いの変化は、革製品を持つ醍醐味ですね。
また、天然素材だけにある温もりも大きな魅力ではないでしょうか。自然と、人の知恵や努力で生みだされた革製品。ぜひ、素材や産地、製法にもこだわって選んでみてください。
出典
◎ ◎ 本革は畜産副産物を有効活用したエコでサステナブルな天然素材 | 日本の革 | 日本革市 - 素材から作りまでメイドインジャパン
◎ ◎ タンニン♪ | みんなのひろば | 日本植物生理学会
◎ ◎ 東京都立皮革技術センター「植物タンニン ポリフェノール」、鍛治 雅信、皮革消費科学研究会第19回情報交換会講演要旨、2007
◎ ◎ 【世界民芸曼陀羅紀】 山羊革細工編 | 株式会社アミナコレクション