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みなさんナマステ! 今日はインドの社会的慣行や習慣・文化についてお話したいと思います。よくある有名なお祭りなどではなく、あまり知られていないインドの変わった習慣です。
インドは広大な国ですが、それは面積だけの話ではなく、宗教、習慣、社会的慣行、信念、迷信など、様々な点で広大なのです。
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おそらく、インドで最も酷い社会的慣習は「サティ」です。 これは古代ヒンドゥー教の慣習で、夫を亡くした女性は、亡くなった夫の葬式で薪の上に座り、犠牲(自死)にならなければなりませんでした。
この風習は、1829年以降インドでは禁止されています。まだインドがイギリスの植民地だった1829年に、当時インドを統治していたキリスト教徒のイギリス人によって禁止されたようです。
サティは、主にヒンドゥー教徒の中のエリート層に支持されていました。しかし、ムガール帝国時代、ムガール帝国もこの慣行を認めませんでした。 ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の間の意見の相違の1つです。
1829年以降禁止となったサティですが、20世紀になってもインドではサティによる事件がまれに報告されていました。それが国際的な社会問題となり、1987年にインド政府はサティを助長したり賛美したりすることも犯罪と見なす法律を制定しました。
2020年の時点で、インドには250カ所のサティ寺院があり、夫の火葬で自分を犠牲にした女神(女性)に祈りを捧げる祈りの儀式が行われています。
インド生まれの私ですが、実際にサティを見たことはなく、この風習を目撃したことがある人にも会ったことはありません。しかし、サティを題材にした歴史的な映画があり、その映画を見たのは子供の頃ですが今でも内容をはっきりと覚えています。
あらすじは、夫が亡くなった女性が、「サティ」を犯すことを余儀なくされたというものでした。彼女は男性の友人に、火葬場に座っているときに遠くから銃で撃つように要求します。 彼女が生きたまま焼かれるという状態にならないように。
日本ではお酒を飲むことは一般的ですが、インドではアルコールはタブーとされ、下卑ているという認識があります。そんなインドで行われている習慣と考えると、ここで紹介する習慣は非常に面白いと思います。
現在、ヒンドゥー教には多くの神々がいます。特定の地域やコミュニティのみ人気があり、他ではあまり知られていない神様もいれば、その逆もあります。 今回ご紹介するのは「バイラヴ神」と呼ばれる神様です。
子供の頃、私の家からそう遠くないところにバイラヴ神の寺院がありましたが、当時は特別注意を払うこともなかったため、この神様についての知識はありませんでした。 年をとるにつれ、この寺院がバイラヴ神を祀っていること、そしてバイラヴ神にお酒が供えられていることを知りました。
これは、バイラヴ神の像にアルコールが注がれることを意味しています。ウイスキーやラム酒、ウォッカのボトルが開かれ、神の像に注がれているのです。
いったい誰がどんな理由でお酒の神様に祈りを捧げているのでしょうか。
その答えは、アルコール依存症やアルコール依存症に苦しんでいる人、そしてアルコールをやめたい人々です。 本人だけでなく、その家族や友人たちも当人のために祈ります。現在、神の像に注がれたアルコールは、基本的に排水溝や通りにそのまま流れ出ています。
この寺院の外では、お茶碗やグラスを持った人々がただ座って待っているのをよく見かけます…。何を待っているのかお分かりでしょうか?
神の像に注がれたアルコールを、ボウルやグラスに集めて飲もうと待っているのです。 寺院の中でお祈りをする人はとても誠実な人たちばかりです。でも、そのお祈りに使われたアルコールは、寺院の外でアルコールを待つ、依存症の人々に飲まれてしまうという…。
インドでは、結婚するときは占星術師に相談するのが一般的です。結婚しようとしている男性と女性の相性や、結婚に適した日時を選ぶために相談します。相性については、当人の生年月日と時間に基づいています。
不運な時期に生まれた人は「マングリーク(Manglik)」と呼ばれています。ですが、マングリークの人自体は、恋愛やその他においても不運ではありません。 なにが不運なのかというと、結婚後に配偶者に不運が降りかかってしまうのです。マングリークの配偶者は、結婚後すぐに亡くなると考えられています。
マングリークの人はどうすれば良いのでしょうか。当たり前ですが、愛する人と結婚し、幸せで平和な家庭生活を送りたいというのはマングリークの人も同じです。 そんな彼らには実は抜け道があります。彼らは最初に他の誰かと結婚し、その後に二度目の結婚として愛する人と結婚することです。
最初に結婚するのは誰なのか?そう、これが奇妙に感じる瞬間です。
最初の結婚は人間である必要はありません。マングリークの人が木や牛、土鍋と結婚したと聞いたことがあります。不運は最初の結婚で終わりにし、その後マングリークの人は誰とでも自由に結婚できるようになるのです。
ヒンドゥー教には、上記のように多くの神々や女神がいます。しかし、中心となっているのは3つの神様です。彼らはヒンドゥー教の樹木の主神と呼ぶことができます。
創造主「ブラフマン」、守護神「ヴィシュヌ」、破壊神「シヴァ」。これらはヒンドゥー教の聖三位一体(トリムルティ)を形成し、生命の輪を表しています。
ヴィシュヌとシヴァは、現在世界中のたくさんの寺院で広く崇拝されています。 しかし、ブラフマンは創造主であるにも関わらず、全世界に1つの寺院しかなく、広く崇拝されているわけではありません。
ブラフマンの唯一の寺院は、インド西部のプシュカルの小さな町にあります。
数年前にたまたまプシュカルを訪れたとき、ブラフマンにまつわる話を聞きました。 その話によると、ブラフマンは既婚であるにも関わらず、他の女性とも関係を持っていました。いわゆる浮気です。
それを知った妻が激怒し、神様であるブラフマンに、今後誰も彼を崇拝しないだろうと彼に呪いをかけました。これが、ブラフマンがプシュカル以外、世界のどこにも寺院を持っていない理由です。
唯一のプシュカル寺院は事件前から存在していたようです。ブラフマンのような強力な神でさえ、妻を恐れています。 私たちのような神でもないただの人間が妻を恐れるのは当然のことですね。
ブラフマンからシヴァへと話を進めます。 前述のように、シヴァはヒンドゥー教の3つの主要な神様の1人であり、ヒンドゥー教の神々の中でおそらく最も多くの人に崇拝されています。
ヒンドゥー教の神話によると、かつて神々は生命のエリクサー(薬)を作っていました。エリクサーをより純粋にするために、シヴァが大麻を加えました。 シヴァは自分の体から大麻を作ったといわれていますが、別の話では、エリクサーの滴が地面に落ちたところに、大麻植物が生き返ったともいわれています。
シヴァの厳格な信奉者が、大麻を使用している姿をよく見かけました。 インドで大麻の使用が禁止されたのは、ほんの数年前のことです。数年前まで、インドでは大麻を使用することは合法でした。
西洋の国々では医療目的のために、大麻の禁止を取り消しましたがインドはそれを禁止しました。小さい頃、サデゥが大麻を吸っているのを見たことがありましたが、今はもう見ることがありません。
インドの奇妙な習慣はいかがでしたか? まだまだ、インドにはたくさんの変わった習慣があります。それはまた今度。
余談ですが、この数年間北インドを悩ませていた空気汚染が、今ピークに達しています。 これは非常に深刻な事態で、学校やオフィスは最もひどい状態の時期に約1週間閉鎖されました。呼吸器疾患の患者さんも増加しています。
この話についてももっと話したいところですが、今日はこの辺で…。
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1976年にインド人の父と日本人の母の間に生まれ、日本人の妻と、3人の息子たちとインドで生活している。 英語と日本語とヒンディー語を使い分けているトリリンガル。
みなさんナマステ!
今日はインドの社会的慣行や習慣・文化についてお話したいと思います。よくある有名なお祭りなどではなく、あまり知られていないインドの変わった習慣です。
インドは広大な国ですが、それは面積だけの話ではなく、宗教、習慣、社会的慣行、信念、迷信など、様々な点で広大なのです。
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目次
サティ―妻は夫の亡骸とともに―
おそらく、インドで最も酷い社会的慣習は「サティ」です。
これは古代ヒンドゥー教の慣習で、夫を亡くした女性は、亡くなった夫の葬式で薪の上に座り、犠牲(自死)にならなければなりませんでした。
この風習は、1829年以降インドでは禁止されています。まだインドがイギリスの植民地だった1829年に、当時インドを統治していたキリスト教徒のイギリス人によって禁止されたようです。
サティは、主にヒンドゥー教徒の中のエリート層に支持されていました。しかし、ムガール帝国時代、ムガール帝国もこの慣行を認めませんでした。
ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の間の意見の相違の1つです。
1829年以降禁止となったサティですが、20世紀になってもインドではサティによる事件がまれに報告されていました。それが国際的な社会問題となり、1987年にインド政府はサティを助長したり賛美したりすることも犯罪と見なす法律を制定しました。
w2020年の時点で、インドには250カ所のサティ寺院があり、夫の火葬で自分を犠牲にした女神(女性)に祈りを捧げる祈りの儀式が行われています。
インド生まれの私ですが、実際にサティを見たことはなく、この風習を目撃したことがある人にも会ったことはありません。しかし、サティを題材にした歴史的な映画があり、その映画を見たのは子供の頃ですが今でも内容をはっきりと覚えています。
あらすじは、夫が亡くなった女性が、「サティ」を犯すことを余儀なくされたというものでした。彼女は男性の友人に、火葬場に座っているときに遠くから銃で撃つように要求します。
彼女が生きたまま焼かれるという状態にならないように。
バイラヴ神―祈りのアルコール矛盾―
日本ではお酒を飲むことは一般的ですが、インドではアルコールはタブーとされ、下卑ているという認識があります。そんなインドで行われている習慣と考えると、ここで紹介する習慣は非常に面白いと思います。
現在、ヒンドゥー教には多くの神々がいます。特定の地域やコミュニティのみ人気があり、他ではあまり知られていない神様もいれば、その逆もあります。
今回ご紹介するのは「バイラヴ神」と呼ばれる神様です。
子供の頃、私の家からそう遠くないところにバイラヴ神の寺院がありましたが、当時は特別注意を払うこともなかったため、この神様についての知識はありませんでした。
年をとるにつれ、この寺院がバイラヴ神を祀っていること、そしてバイラヴ神にお酒が供えられていることを知りました。
これは、バイラヴ神の像にアルコールが注がれることを意味しています。ウイスキーやラム酒、ウォッカのボトルが開かれ、神の像に注がれているのです。
いったい誰がどんな理由でお酒の神様に祈りを捧げているのでしょうか。
その答えは、アルコール依存症やアルコール依存症に苦しんでいる人、そしてアルコールをやめたい人々です。
本人だけでなく、その家族や友人たちも当人のために祈ります。現在、神の像に注がれたアルコールは、基本的に排水溝や通りにそのまま流れ出ています。
この寺院の外では、お茶碗やグラスを持った人々がただ座って待っているのをよく見かけます…。何を待っているのかお分かりでしょうか?
神の像に注がれたアルコールを、ボウルやグラスに集めて飲もうと待っているのです。
寺院の中でお祈りをする人はとても誠実な人たちばかりです。でも、そのお祈りに使われたアルコールは、寺院の外でアルコールを待つ、依存症の人々に飲まれてしまうという…。
Manglik(マングリーク)―不運な結婚を回避する方法―
インドでは、結婚するときは占星術師に相談するのが一般的です。結婚しようとしている男性と女性の相性や、結婚に適した日時を選ぶために相談します。相性については、当人の生年月日と時間に基づいています。
不運な時期に生まれた人は「マングリーク(Manglik)」と呼ばれています。ですが、マングリークの人自体は、恋愛やその他においても不運ではありません。
なにが不運なのかというと、結婚後に配偶者に不運が降りかかってしまうのです。マングリークの配偶者は、結婚後すぐに亡くなると考えられています。
マングリークの人はどうすれば良いのでしょうか。当たり前ですが、愛する人と結婚し、幸せで平和な家庭生活を送りたいというのはマングリークの人も同じです。
そんな彼らには実は抜け道があります。彼らは最初に他の誰かと結婚し、その後に二度目の結婚として愛する人と結婚することです。
最初に結婚するのは誰なのか?そう、これが奇妙に感じる瞬間です。
最初の結婚は人間である必要はありません。マングリークの人が木や牛、土鍋と結婚したと聞いたことがあります。不運は最初の結婚で終わりにし、その後マングリークの人は誰とでも自由に結婚できるようになるのです。
プシュカルのブラフマン寺院―世界に一つしかない創造主の寺院―
ヒンドゥー教には、上記のように多くの神々や女神がいます。しかし、中心となっているのは3つの神様です。彼らはヒンドゥー教の樹木の主神と呼ぶことができます。
創造主「ブラフマン」、守護神「ヴィシュヌ」、破壊神「シヴァ」。これらはヒンドゥー教の聖三位一体(トリムルティ)を形成し、生命の輪を表しています。
ヴィシュヌとシヴァは、現在世界中のたくさんの寺院で広く崇拝されています。
しかし、ブラフマンは創造主であるにも関わらず、全世界に1つの寺院しかなく、広く崇拝されているわけではありません。
ブラフマンの唯一の寺院は、インド西部のプシュカルの小さな町にあります。
数年前にたまたまプシュカルを訪れたとき、ブラフマンにまつわる話を聞きました。
その話によると、ブラフマンは既婚であるにも関わらず、他の女性とも関係を持っていました。いわゆる浮気です。
それを知った妻が激怒し、神様であるブラフマンに、今後誰も彼を崇拝しないだろうと彼に呪いをかけました。これが、ブラフマンがプシュカル以外、世界のどこにも寺院を持っていない理由です。
唯一のプシュカル寺院は事件前から存在していたようです。ブラフマンのような強力な神でさえ、妻を恐れています。
私たちのような神でもないただの人間が妻を恐れるのは当然のことですね。
サドゥのガンジャ(大麻)―シヴァの薬―
ブラフマンからシヴァへと話を進めます。
前述のように、シヴァはヒンドゥー教の3つの主要な神様の1人であり、ヒンドゥー教の神々の中でおそらく最も多くの人に崇拝されています。
ヒンドゥー教の神話によると、かつて神々は生命のエリクサー(薬)を作っていました。エリクサーをより純粋にするために、シヴァが大麻を加えました。
シヴァは自分の体から大麻を作ったといわれていますが、別の話では、エリクサーの滴が地面に落ちたところに、大麻植物が生き返ったともいわれています。
シヴァの厳格な信奉者が、大麻を使用している姿をよく見かけました。
インドで大麻の使用が禁止されたのは、ほんの数年前のことです。数年前まで、インドでは大麻を使用することは合法でした。
西洋の国々では医療目的のために、大麻の禁止を取り消しましたがインドはそれを禁止しました。小さい頃、サデゥが大麻を吸っているのを見たことがありましたが、今はもう見ることがありません。
インドの奇妙な習慣はいかがでしたか?
まだまだ、インドにはたくさんの変わった習慣があります。それはまた今度。
余談ですが、この数年間北インドを悩ませていた空気汚染が、今ピークに達しています。
これは非常に深刻な事態で、学校やオフィスは最もひどい状態の時期に約1週間閉鎖されました。呼吸器疾患の患者さんも増加しています。
この話についてももっと話したいところですが、今日はこの辺で…。
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筆者プロフィール:
昭 アンクール 山本 チブ
1976年にインド人の父と日本人の母の間に生まれ、日本人の妻と、3人の息子たちとインドで生活している。
英語と日本語とヒンディー語を使い分けているトリリンガル。