人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
みなさんは、「フラ」にどのようなイメージを持っていますか?ハワイといったらフラを真っ先に思い浮かべる、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは、ハワイのフラに焦点をあててご紹介したいと思います。フラの特徴やフラが歩んできた歴史、フラの種類とスタイル、振り付けや使われる楽器、さらにハワイで行われるフラの祭典についてもわかりやすくていねいに解説します。
ハワイがお好きな方、フラに興味がある方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
フラそのものについては、知っている方が多いと思いますが、詳しい特徴やハワイの人にとってフラはどんな存在なのかということは、意外と知られていないかもしれません。まずは、フラの基本的なことからチェックしていきましょう!
フラというと、フラダンスをイメージする方が多いと思いますが、実はフラは踊りだけでなく、ともに奏でられる演奏や詠唱、歌を含めた総合的な芸術のことを指します。
フラの踊りは、腰部分の大腰筋と下半身をしっかりと動かすため、リラックスした優雅な雰囲気の見た目とは裏腹に、踊るのが難しいダンスでもあります。また、骨盤を8の字を描くようにして重心を落としながら踊ることや、上半身は高さを一定にし、顔は観客を見てアイコンタクトをとりながら踊ることなどが特徴です。
ハワイの人にとって、フラは単なる踊りではなく、神々に捧げる信仰の表現であり、文化や歴史を伝えるものでもあります。フラは口伝えで受け継がれてきたものであり、次の世代へとハワイアンスピリットを伝えていく役割もあります。
フラの特徴がわかったところで、ここからはフラが歩んできた歴史を一緒に見ていきましょう!
先ほども少しご紹介したとおり、フラは口伝えで継承されてきたため、その起源についても諸説あり、1つの決まった説はありません。
歴史的な観点から見た有力な説としては、500〜600年ごろに、ハワイにやってきたポリネシア人によってフラの原型がもたらされたというものがあります。彼らは、文字を持たなかったため、神々への信仰を捧げたり、出来事などを他者に伝えるために踊り、それをもとにしてハワイで発展していったと考えられています。
一方、神話にもフラの起源ととらえられるものがいくつかあります。ある神話によれば、火の女神であるペレの荒い気性をなだめるために、妹のヒイアカが踊ったのがフラの始まり、といわれています。ほかにも、女神ラカがモロカイ島の聖地カアナにフラを生んだという説もあります。
なお、古代ハワイではすべてのものにマナ(精霊・気)が宿ると信じられていたため、人々は神々や自然への感謝の気持ちを込めてフラを踊りました。なお、当時は音楽にあわせて踊るのではなく、詠唱や太鼓の音とともに踊る、演劇のようなものだったといわれています。
ハワイにおいて、フラの歴史が大きく変わるきっかけになったのが、西洋諸国との交流が始まったことです。1778年、イギリス人海軍士官ジェームズ・クックがハワイ諸島を「発見」。これをきっかけに、首長間の力関係に変化が訪れ、カメハメハがハワイ8島を統一し、ハワイ王国が誕生しました。
19世紀初めごろ、アメリカから宣教師たちがやってきます。彼らは、自然を崇拝するフラを「一神教であるキリスト教をおびやかすもの」として、1830年に正式に禁止令を出しました。フラは影を潜めることになります。
それから約50年後、カラカウア王が禁止令を解き、フラが一時的に復活します。サーフィンやハワイ語なども復活しますが、ハワイ王朝が終わりを迎え、ハワイがアメリカの準州となると、人々は自分たちの文化を隠すように。
時を経て、1950年代にアメリカ本土で起きた公民権運動に影響を受け、ハワイでも自分たちの文化を復興させようという「ハワイアン・ルネッサンス運動」が広まります。そして、フラの競技会やハワイ語教育などが行われるようになったのです。
なお、カラカウア王については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
ハワイのカラカウア王とは?功績を知り、作詞した曲を味わおう!
「フラ」と一言で言っても、実は複数の種類があるんです!ここからは、フラのスタイルと種類をわかりやすく解説します。
フラは、大きく分けて「フラ・カヒコ」と「フラ・アウアナ」の2種類があります。それぞれ、どのような特徴や違いがあるのでしょうか?
フラ・カヒコは、「古典フラ」のことを指します。ハワイ語で「カヒコ(kahiko)」は「古代の・古い・古典的な」という意味があります。伝統的な打楽器のリズムにあわせて歌うチャントとともに踊ります。とても力強く、もともとは、男性だけが踊るものと言われていました。
なお、あまり見る機会は多くはないですが、現代でも男性がフラ踊ることがあります。男性が踊るフラについては、以下の記事でご紹介しています。
カネフラとは? ~力強くてセクシーな男性フラの魅力~
フラ・アウアナは、一般的に私たちがイメージする「現代フラ」を指します。ハワイ語で「アウアナ(ʻAuana)」は「漂う・さまよう」、「古い形式から解き放たれた・新しいスタイルの」という意味があります。ウクレレやピアノなどの音楽に合わせて、自然への感謝や人々の愛など表現しながら踊ります。
フラの振り付けは、手の動き、足の動き、表情、全体の流れという4つで構成されています。
手の動きはストーリーを伝える役割をします。たとえば、手を広げるのは空や太陽を表現。波のように動かすのは海や川の流れを現します。また、両手を胸に当てる振り付けは、愛や感謝を伝えるものです。
足の動きは大地とのつながりを伝えます。カホロ(Kāholo)と呼ばれる左右に移動する基本ステップは、旅や移動を表現。ヘラ(Hela)と呼ばれる片足を前に出す動きは、方向や目的地を示します。
表情は感情を伝える役割があります。愛や喜びを伝えるときには笑顔、目的や方向を示すときにはまっすぐな視線を向けます。
全体の流れは、ストーリーの構成を示します。イントロ部分はゆったりしており、物語が始まることを示します。メインの部分は、手と足の動きを組み合わせ、ストーリーを展開していきます。エンディング部分では、感謝や祈りを伝えるための動きをします。
フラでは、さまざまな楽器が使われます。ウクレレが有名だと思いますが、こちらは現代フラの「フラ・アウアナ」で使われます。
古典フラの「フラ・カヒコ」では、ひょうたんをくりぬいた「イプ」、ヤシの木などの幹を彫りだした太鼓である「パフ」などが使われます。ほかの伝統的な楽器としては、ココナッツの身をくりぬきサメや牛の皮を貼って作った「プーニウ」という打楽器や、儀式の始まりを告げるときに吹く法螺貝の一種でできた「プー」などもありますよ。
フラで使われる伝統楽器については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、読んでみてくださいね。
世界の楽器-ハワイ編-
ハワイの人々にとって、フラは単なる踊りではなく、自分たちの文化や歴史に深く根付いたとても大切なもの。
そんなフラを最大限楽しめる祭典が「メリー・モナーク・フェスティバル」です。ハワイ島ヒロで毎年イースター(復活祭)の日曜日から土曜日までの約1週間にわたって行われるもので、「フラのオリンピック」とも称される世界最高峰のフラ競技会。祭典の名前は、キリスト教宣教師によって禁止されていたフラを復活させたカラカウア王が「メリー・モナーク(陽気な君主)」と呼ばれたことに由来します。
祭典では、ソロやグループでのフラの競技会に加え、フラで使われる楽器やドレス、レイ、ラウハラ編みのバッグ、ニイハウシェルのアクセサリーなどを買うことができるクラフトフェアなどもありますよ。
メリー・モナーク・フェスティバルについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
フラの祭典「メリーモナーク」の楽しみ方 ~ハワイ島がフラに染まる1週間~
ハワイの人々にとって、フラは自然や神々への感謝やつながりを示すとても大切なものです。歴史やスタイル、振り付けの意味や楽器などを知ることで、より深く総合的にフラのことを理解できるはずです。
また、旅行の時期がうまく合う場合は、「メリー・モナーク・フェスティバル」を見に行ってみるのも素敵ではないでしょうか。
このコラムが、みなさんがハワイやフラについてさらに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
フラを踊る人なら誰しも知っている火の女神ペレ。その正体とは?▼
ハワイは島によって色と花が決まってるって知ってる?▼
みなさんは、「フラ」にどのようなイメージを持っていますか?
ハワイといったらフラを真っ先に思い浮かべる、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは、ハワイのフラに焦点をあててご紹介したいと思います。フラの特徴やフラが歩んできた歴史、フラの種類とスタイル、振り付けや使われる楽器、さらにハワイで行われるフラの祭典についてもわかりやすくていねいに解説します。
ハワイがお好きな方、フラに興味がある方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
フラとは
フラそのものについては、知っている方が多いと思いますが、詳しい特徴やハワイの人にとってフラはどんな存在なのかということは、意外と知られていないかもしれません。
まずは、フラの基本的なことからチェックしていきましょう!
フラの特徴
フラというと、フラダンスをイメージする方が多いと思いますが、実はフラは踊りだけでなく、ともに奏でられる演奏や詠唱、歌を含めた総合的な芸術のことを指します。
フラの踊りは、腰部分の大腰筋と下半身をしっかりと動かすため、リラックスした優雅な雰囲気の見た目とは裏腹に、踊るのが難しいダンスでもあります。また、骨盤を8の字を描くようにして重心を落としながら踊ることや、上半身は高さを一定にし、顔は観客を見てアイコンタクトをとりながら踊ることなどが特徴です。
ハワイの人にとってのフラとは
ハワイの人にとって、フラは単なる踊りではなく、神々に捧げる信仰の表現であり、文化や歴史を伝えるものでもあります。フラは口伝えで受け継がれてきたものであり、次の世代へとハワイアンスピリットを伝えていく役割もあります。
フラの歴史
フラの特徴がわかったところで、ここからはフラが歩んできた歴史を一緒に見ていきましょう!
古代ハワイにおけるフラの起源
先ほども少しご紹介したとおり、フラは口伝えで継承されてきたため、その起源についても諸説あり、1つの決まった説はありません。
歴史的な観点から見た有力な説としては、500〜600年ごろに、ハワイにやってきたポリネシア人によってフラの原型がもたらされたというものがあります。彼らは、文字を持たなかったため、神々への信仰を捧げたり、出来事などを他者に伝えるために踊り、それをもとにしてハワイで発展していったと考えられています。
一方、神話にもフラの起源ととらえられるものがいくつかあります。ある神話によれば、火の女神であるペレの荒い気性をなだめるために、妹のヒイアカが踊ったのがフラの始まり、といわれています。ほかにも、女神ラカがモロカイ島の聖地カアナにフラを生んだという説もあります。
なお、古代ハワイではすべてのものにマナ(精霊・気)が宿ると信じられていたため、人々は神々や自然への感謝の気持ちを込めてフラを踊りました。なお、当時は音楽にあわせて踊るのではなく、詠唱や太鼓の音とともに踊る、演劇のようなものだったといわれています。
ハワイ王国の終焉と文化の再生
ハワイにおいて、フラの歴史が大きく変わるきっかけになったのが、西洋諸国との交流が始まったことです。1778年、イギリス人海軍士官ジェームズ・クックがハワイ諸島を「発見」。これをきっかけに、首長間の力関係に変化が訪れ、カメハメハがハワイ8島を統一し、ハワイ王国が誕生しました。
19世紀初めごろ、アメリカから宣教師たちがやってきます。彼らは、自然を崇拝するフラを「一神教であるキリスト教をおびやかすもの」として、1830年に正式に禁止令を出しました。フラは影を潜めることになります。
それから約50年後、カラカウア王が禁止令を解き、フラが一時的に復活します。サーフィンやハワイ語なども復活しますが、ハワイ王朝が終わりを迎え、ハワイがアメリカの準州となると、人々は自分たちの文化を隠すように。
時を経て、1950年代にアメリカ本土で起きた公民権運動に影響を受け、ハワイでも自分たちの文化を復興させようという「ハワイアン・ルネッサンス運動」が広まります。そして、フラの競技会やハワイ語教育などが行われるようになったのです。
なお、カラカウア王については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
ハワイのカラカウア王とは?功績を知り、作詞した曲を味わおう!
フラの種類とスタイル
「フラ」と一言で言っても、実は複数の種類があるんです!ここからは、フラのスタイルと種類をわかりやすく解説します。
フラ・カヒコとフラ・アウアナの違い
フラは、大きく分けて「フラ・カヒコ」と「フラ・アウアナ」の2種類があります。それぞれ、どのような特徴や違いがあるのでしょうか?
フラ・カヒコ
フラ・カヒコは、「古典フラ」のことを指します。ハワイ語で「カヒコ(kahiko)」は「古代の・古い・古典的な」という意味があります。伝統的な打楽器のリズムにあわせて歌うチャントとともに踊ります。とても力強く、もともとは、男性だけが踊るものと言われていました。
なお、あまり見る機会は多くはないですが、現代でも男性がフラ踊ることがあります。男性が踊るフラについては、以下の記事でご紹介しています。
カネフラとは? ~力強くてセクシーな男性フラの魅力~
フラ・アウアナ
フラ・アウアナは、一般的に私たちがイメージする「現代フラ」を指します。ハワイ語で「アウアナ(ʻAuana)」は「漂う・さまよう」、「古い形式から解き放たれた・新しいスタイルの」という意味があります。ウクレレやピアノなどの音楽に合わせて、自然への感謝や人々の愛など表現しながら踊ります。
フラの振り付けと表現方法
フラの振り付けは、手の動き、足の動き、表情、全体の流れという4つで構成されています。
手の動きはストーリーを伝える役割をします。たとえば、手を広げるのは空や太陽を表現。波のように動かすのは海や川の流れを現します。また、両手を胸に当てる振り付けは、愛や感謝を伝えるものです。
足の動きは大地とのつながりを伝えます。カホロ(Kāholo)と呼ばれる左右に移動する基本ステップは、旅や移動を表現。ヘラ(Hela)と呼ばれる片足を前に出す動きは、方向や目的地を示します。
表情は感情を伝える役割があります。愛や喜びを伝えるときには笑顔、目的や方向を示すときにはまっすぐな視線を向けます。
全体の流れは、ストーリーの構成を示します。イントロ部分はゆったりしており、物語が始まることを示します。メインの部分は、手と足の動きを組み合わせ、ストーリーを展開していきます。エンディング部分では、感謝や祈りを伝えるための動きをします。
フラで使用される楽器
フラでは、さまざまな楽器が使われます。ウクレレが有名だと思いますが、こちらは現代フラの「フラ・アウアナ」で使われます。
古典フラの「フラ・カヒコ」では、ひょうたんをくりぬいた「イプ」、ヤシの木などの幹を彫りだした太鼓である「パフ」などが使われます。ほかの伝統的な楽器としては、ココナッツの身をくりぬきサメや牛の皮を貼って作った「プーニウ」という打楽器や、儀式の始まりを告げるときに吹く法螺貝の一種でできた「プー」などもありますよ。
フラで使われる伝統楽器については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、読んでみてくださいね。
世界の楽器-ハワイ編-
フラダンスの祭典「メリー・モナーク・フェスティバル」
ハワイの人々にとって、フラは単なる踊りではなく、自分たちの文化や歴史に深く根付いたとても大切なもの。
そんなフラを最大限楽しめる祭典が「メリー・モナーク・フェスティバル」です。
ハワイ島ヒロで毎年イースター(復活祭)の日曜日から土曜日までの約1週間にわたって行われるもので、「フラのオリンピック」とも称される世界最高峰のフラ競技会。祭典の名前は、キリスト教宣教師によって禁止されていたフラを復活させたカラカウア王が「メリー・モナーク(陽気な君主)」と呼ばれたことに由来します。
祭典では、ソロやグループでのフラの競技会に加え、フラで使われる楽器やドレス、レイ、ラウハラ編みのバッグ、ニイハウシェルのアクセサリーなどを買うことができるクラフトフェアなどもありますよ。
メリー・モナーク・フェスティバルについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
フラの祭典「メリーモナーク」の楽しみ方 ~ハワイ島がフラに染まる1週間~
フラを知って、もっとハワイの文化に親しもう
ハワイの人々にとって、フラは自然や神々への感謝やつながりを示すとても大切なものです。歴史やスタイル、振り付けの意味や楽器などを知ることで、より深く総合的にフラのことを理解できるはずです。
また、旅行の時期がうまく合う場合は、「メリー・モナーク・フェスティバル」を見に行ってみるのも素敵ではないでしょうか。
このコラムが、みなさんがハワイやフラについてさらに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
関連記事
フラを踊る人なら誰しも知っている火の女神ペレ。その正体とは?▼
ハワイは島によって色と花が決まってるって知ってる?▼