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世界中には、その小ささで知られる国々が存在しますが、どの国がもっとも国土面積が小さい国なのでしょうか?本記事では、世界一小さい国ランキングトップ10を詳細に解説します。
バチカン市国をはじめ、面積が小さな国々にスポットを当て、その独自の個性と文化を紹介します。小国ならではの見どころや歴史的背景を掘り下げながら、国土の広さだけでは語れない各国の魅力を探っていきましょう。
国土面積とは、ある国が公式に主張している土地の総面積です。これには、湖や河川などの水域も含まれます。面積の大小は国の地政学的な重要性や経済、文化の多様性にも影響を与える要素です。
本記事では、この国土面積を基準に小さい国々を紹介していきます。
世界でもっとも小さな国々を知ることは、地理だけでなく、それぞれの国の文化や歴史を学ぶ素晴らしい機会です。それでは、国土面積が小さい国ランキングのトップ10の紹介とともに、国々の歴史や見どころなども解説していきます!
セントクリストファー・ネービスは、カリブ海にある世界で10番目に小さい国です。
セントクリストファー島が168平方キロメートル、ネービス島が93平方キロメートルで構成されています。この面積は東京23区の4割程度に相当します。
カリブ海の東部に位置し、プエルトリコの東に位置し、直線距離は約 300-600km 程度離れています。西インド諸島のリーワード諸島に属する島国です。
セントクリストファー・ネービスは、1493年にコロンブスが航海で視認し命名した後、1623年イギリス最初のカリブ海植民地となりました。英仏の争いを経て1713年イギリス領に統合され、1983年9月19日に独立を達成。現在もイギリス連邦に加盟し、国家元首はチャールズ3世が務めます。
▼コロンブスについて詳しくはこちら
コロンブスって何した人?世界の歴史を切り開いた英雄の光と影
世界遺産のブリムストーンヒル要塞国立公園や、セントキッツ・シーニック・レイルウェイ、歴史地区など、小さな国ながら多彩な観光スポットがあります。一日で主要な観光地を巡ることができ、美しいビーチと豊かな自然を楽しめます。
ニウエは、南太平洋にある世界で9番目に小さい国です。
ニウエは単一の島からなる国で、その面積は260平方キロメートルです。これは、セントクリストファー・ネイビスよりもわずかに小さい面積で、山手線内側の面積の約2倍に相当します。
ニウエは南太平洋に位置し、ニュージーランドの北東約2,400キロメートルにあります。トンガの東、サモアの南東に位置する孤立した島国です。
ニウエは1974年にニュージーランドから自治権を獲得し、自由連合国となりました。公用語は英語とニウエ語で、人口は約1,800人と非常に少ないです。日本で言うと瀬戸内海の離島、姫島村と同じくらいの人口です。
ニウエは「ポリネシアの岩」と呼ばれる珊瑚礁の島で、美しい海岸線と豊かな自然が魅力です。タラバ・アーチやリム・リーフなどの自然の景観や、伝統的なポリネシア文化を体験できます。島全体が世界最大の暗礁公園として知られ、ダイビングやシュノーケリングが人気です。小さな島なので、一日で主要な観光地を巡ることができます。
クック諸島は、南太平洋に浮かぶ美しい島々から成る小さな国です。15の島々で構成されるこの国は、その小さな国土面積とは裏腹に、多様な魅力を秘めています。
クック諸島の国土面積は236㎢で、山手線内側の面積の4倍の広さです。世界で8番目に小さい国ですが、豊かな自然と多様な島々があります。
クック諸島は南太平洋に位置し、ニュージーランドの北東約3,000kmに広がっています。ポリネシア文化圏に属し、美しい海と豊かな自然に囲まれた島々で構成されています。
1965年にニュージーランドとの自由連合協定により内政自治権を獲得、ニュージーランド王国の構成国です。公用語は英語とマオリ語で、約14,900人の人口を有し、観光業と真珠養殖が主要産業です。
ラロトンガ島の美しいビーチやアイツタキ環礁の世界有数のラグーン、マウケ島の地下洞窟やアティウ島の野鳥観察スポットなど、多彩な魅力を持つ観光地として世界中から注目を集めています。
クック諸島の各島では、一日で楽しめる多彩なアクティビティが用意されていますが、15の島々全てを一日で観光することは難しいため、興味のある島を選んで集中的に楽しむことをおすすめします。
マーシャル諸島共和国は太平洋の島国です。「真珠の首飾り」と呼ばれ、美しい環礁と豊かな海洋文化が特徴です。
国土面積は181㎢で、東京23区全体の約3分の1の面積です。29の環礁と5つの島から成り、1,156の島々が点在しています。
太平洋中西部の赤道のすぐ北に位置し、ハワイの南西約4,000km、オーストラリアの北東約5,300kmにあります。
1986年にアメリカから独立し、現在は自由連合国です。人口約54,000人で、主要産業は観光と漁業です。日本との歴史的つながりがあり、日本語由来の言葉が多く使われています。
主な見どころは、世界遺産のビキニ環礁とクワジェリン環礁の第二次世界大戦遺跡です。また、マジュロ環礁のローラビーチでは美しい砂浜と透明な海を楽しめ、エネコ島では日帰りピクニックや宿泊が可能です。マーシャル諸島の観光は、マジュロ環礁内でも1日以上必要です。主要スポットを巡るツアーは丸1日かかり、他の環礁訪問には国内線や船便を使います。観光省推奨の標準旅程は4日間となっています。
リヒテンシュタイン公国は、世界一小さい国ランキング6位の欧州の小国です。アルプス山脈に囲まれ、その歴史と文化は訪れる旅行者を魅了します。
国土面積は160㎢で、山手線内側の面積の約2.5倍の広さです。ヨーロッパで4番目に小さく、スイスの約260分の1の大きさです。
スイスとオーストリアに挟まれた二重内陸国で、アルプス山脈の中央に位置します。ライン川が西側の境界線を形成しています。
1719年に設立され、1866年に独立しました。現在は立憲君主制で、ハンス・アダム2世が君主です。スイスとの関税同盟や通貨同盟を結び、スイスフランを使用しています。世界で一人当たりGDP(※)が高い国の一つです。
主な観光スポットは、ファドゥーツ城、クンストムゼウム・リヒテンシュタイン(現代アート美術館)、リヒテンシュタイン国立博物館です。国土が小さいため、主要な観光スポットは1日で回れますが、アルプスの景色を楽しむには2〜3日の滞在がおすすめです。
サンマリノ共和国は、世界一小さい国ランキング5位の欧州小国です。豊かな歴史と文化を持つ魅力的な国です。
国土面積は61㎢で、山手線の内側とほぼ同じ大きさで、東京都の世田谷区とも同じくらいです。イタリアの中に国家があり、イタリアと比べるとイタリアの約5,000分の1です。
イタリア半島の東側、アドリア海から約10kmの内陸に位置し、イタリアに完全に囲まれた飛び地国家です。
301年、聖マリヌスによって建国されたサンマリノは、世界最古の共和国としても知られています。山岳地帯の要塞化された地形を活かすことで、外部からの侵略を防ぎ、その独立を長きにわたって維持してきました。二人の執政官が6ヶ月交代で国家元首を務める独自の政治体制を持っています。
▼なぜサンマリノ共和国が世界一古い共和国なのか興味を持った方はこちら
なぜ現存する世界一古い国が日本なのか? 建国約2700年の歴史からその理由を紐解く。
世界遺産の旧市街地や三つの塔(グアイタ、チェスタ、モンターレ)が有名です。グアイタの塔の頂上からは、サンマリノの街並みや周辺の広大な景色、さらにはリミニやアドリア海まで見渡すことができます。塔にはサンマリノ国旗もかかげられており、澄んだ青空にはためく姿が印象的です。
国立博物館や切手・コイン博物館も見どころです。主要な観光スポットは1日で回れますが、夕暮れ時の塔のライトアップや早朝の石畳散策を楽しみたい方には、1泊がおすすめです。中世の雰囲気を満喫できますよ。
ツバルは、世界一小さい国ランキング4位の太平洋の島国です。小さな国土ながら、豊かな文化と美しい自然環境を持つ魅力的な国です。地球温暖化による海面上昇の影響で、100年以内に沈んでしまう可能性がある国としても知られています。ですが、その理由は温暖化による海面上昇だけではなく、人間の経済活動の発展や土地開発、人口増加などの影響もあるとされています。
国土面積はわずか26㎢で、東京都品川区とほぼ同じ大きさです。9つの環礁と島々から成り、最高地点でも海抜4.6メートルしかありません。
南太平洋のポリネシア地域に位置し、オーストラリアとハワイのほぼ中間、フィジーの北約1,100kmにあります。
14~17世紀頃にポリネシア人が移住し、1892年にイギリスの保護領となり、1978年に独立しました。人口は約11,000人で、主な産業は農業、漁業、そしてインターネットドメイン「.tv」の使用権による収入があることが特徴的です。詳しく解説すると、日本のドメインが「.jp」であるようにツバルのドメインは「.tv」です。この「.tv」はテレビ業界に関連した価値があり、このドメインをアメリカの企業が管理しています。ツバルの「.tv」ドメインは、事実上アメリカ企業によって運営されている形になり、ツバルはこのドメインの所有者として、その収益を国の経済に活用しているというわけです。
首都フナフティの海洋保全地域では、美しいサンゴ礁や多様な海洋生物を観察できます。ツバル国立図書館や切手センターも見どころです。主要な観光地は一日で回れますが、島の雰囲気を楽しむには2〜3日の滞在がおすすめです。夕方には、空港滑走路で地元の人々がスポーツを楽しむ様子を見ることができます。
ナウル共和国は、国土面積が世界で3番目に小さい国です。太平洋に浮かぶ一つの島だけで構成されているこの小さな国は、独特の魅力を持っています。
ナウル共和国の国土面積はわずか21平方キロメートルで、東京ディズニーランドの約42個分の広さです。ピンと来ない方は、東京都の多摩市と同じくらいと言った方がわかりやすいでしょうか。車で島を一周するのにかかる時間は、なんとたったの25分程度です。
ナウル共和国は、オーストラリアのシドニーから北東約4,000キロメートル、赤道のすぐ南に位置しています。もっとも近い隣国はキリバスで、約300キロメートル離れています。
1798年に発見されたナウル共和国は、1968年に独立を果たしました。かつてリン鉱石の採掘により発展し、その輸出で世界一裕福な国の一つとなりました。その影響で税金がない国としても知られています。しかし、現在はリン鉱石そのものの資源の枯渇により経済的困難に直面し、各国からの支援援助を受けています。
小さな国ながら、ナウル共和国には興味深い観光スポットがあります。島の中央にあるブアダ湖や美しい白砂のビーチがあるアニバレ湾、第二次世界大戦時の遺構が残るコマンドリッジなどが見どころです。
一日で主要な観光スポットを巡ることはできますが、島の雰囲気を楽しむなら2〜3日の滞在がおすすめです。
モナコ公国は、世界で2番目に小さい国です。国連の統計によると、モナコの人口密度は世界一高く、1平方キロメートルあたり約26,000人が暮らしています。
モナコ公国の国土面積はわずか2平方キロメートルで、東京ディズニーランドの約4倍の大きさです。この小さな面積に、豪華なカジノや高級ホテル、美しい海岸線が凝縮されています。
モナコ公国はフランス南東部の地中海沿岸に位置する独立国家で、三方をフランス・アルプマリティーム県に囲まれています。ニース空港から約30分の距離です。美しい地中海に面した立地が、この小国の魅力をさらに高めています。
モナコ公国の歴史は13世紀にさかのぼります。1297年にグリマルディ家が支配を始め、以来700年以上にわたり同家が統治を続けています。20世紀には、女優グレース・ケリーとレーニエ3世公の結婚により、世界的に注目を集めました。モナコは世界有数の富裕国で、カジノや高級ホテルが立ち並び、F1モナコグランプリの開催地としても有名で、一時はカジノが国の収入の9割近くを占めていたこともあります。また、世界中の多くのセレブが高額の税金から逃れるためにモナコに移住しているといわれています。なぜなら、モナコの税制「タックス・ヘイブン」は富裕層にとても有利な制度で、モナコの居住者に所得税や相続税などを課さないためです。そういった理由から、モナコ国籍の人は人口の四分の一程度だというから驚きです。
モナコ公国は小さな国ながら、見どころがたくさんあります。世界的に有名な豪華なモンテカルロ・カジノやモナコ公家の居城である大公宮殿、グレース・ケリー妃の眠るモナコ大聖堂や海洋生物の展示が充実したモナコ海洋博物館、そして街中を走るF1モナコグランプリのコースなどが主な観光スポットです。レース開催期間でなくても、スタート地点の路面にはスターティンググリッド位置を示す塗装も残っています。モナコは小さな国なので、コードダジュールの陽光を浴びながら、徒歩での散策がおすすめです。一日で主要な観光スポットを巡ることができますが、高級ホテルに宿泊してカジノを楽しむなど、贅沢な滞在もできます。ここまで豪華絢爛な国だと治安が心配ですが、モナコは女性でも夜一人で出歩けるほど警備体制が整っているので、安心して贅沢を楽しむことが出来そうですね。
バチカン市国は、国土面積と人口の両方で世界最小の独立国です。ローマ・カトリック教会の総本山として知られ、世界遺産にも登録されています。人口は約500人程だといわれています。仮に、1年生から6年生まで学年に4クラスある小学校があるとして、各クラス30人いるとしたら、合計720人。そのくらいの規模の小学校よりも人口が少ないと思うと、その少なさがイメージしやすいのではないでしょうか。
バチカン市国の国土面積は0.44平方キロメートルで、東京ドーム約9.4個分に相当します。この小さな面積に年間約600万人もの観光客が訪れます。
バチカン市国は、イタリアの首都ローマの北西部に位置する飛び地国家です。テヴェレ川の西岸、バチカンの丘に建てられており、イタリアに完全に囲まれた独立国です。イタリアに完全に囲まれているのは前述したサンマリノ共和国と同じですね。
1929年のラテラノ条約によって成立したバチカン市国は、ローマ・カトリック教会の中心地であり、教皇が国家元首を務める神権絶対君主制国家です。神権絶対君主制国家とは、国を治める君主が「神」から力をもらったと信じている体制です。君主は神の代理人として、絶対的な力を持ち、国を支配します。この体制では、政治と宗教がとても深くつながっていて、君主の決めたことは神の意志とされます。つまり、君主に逆らうことが難しく、民衆はその支配に従うことが求められているというわけです。その影響か、人口500人前後の中で、その多くが聖職者や警備隊員です。
バチカン市国には、世界的に有名な観光スポットが多数あり、なんとバチカン市国の全域が世界遺産に指定されています。サン・ピエトロ大聖堂やシスティーナ礼拝堂、バチカン美術館やサン・ピエトロ広場などが主な見どころです。これらの場所では、ミケランジェロやラファエロの名作を鑑賞できます。特に、システィーナ礼拝堂のミケランジェロの天井画のスケールの大きさと迫力は圧巻です。小さな国ながら見どころが豊富で、一日で主要な観光スポットを巡ることができます。ただし、芸術作品をじっくりと鑑賞したい美術家の方などは、混雑を避けるために事前予約をすることをおすすめします。世界一小さい国でありながら、その歴史的・文化的価値は計り知れません。
ここまでは世界の小さい国ランキングをご紹介しました。私たちの国、日本はどのくらいの順位なのでしょうか。このくらいかな?とイメージできそうではありますが、正確にはわからないという方が多いのではないでしょうか。日本は、国土面積が約37万7,973.89平方キロメートルで、世界ランキング62位です。世界に196か国あるうちの62番目に小さい国なので、どちらかというと小さい国の部類に入ります。ちなみに、世界一小さい国バチカン市国の20倍相当の大きさです。
日本と同程度の国土面積を持つ国は、ドイツ、フィンランド、ベトナム、コンゴ共和国などです。ですが、地形や人口密度、気候は大きく異なります。日本は細長い島国なので小さいイメージがありますが、ドイツやフィンランドと同等と聞くと、意外と大きいという印象を持った方もいるのではないでしょうか。
範囲をアジアまで拡大してみましょう。アジアで最小の国はモルディブです。国土面積は約300平方キロメートルで、山手線内側の面積の約4.8倍に相当します。小さい国ランキングでは11位で、トップ10入りにはならずですが、とても小さいことがわかります。1,192の島々からなる環礁国家で、12世紀にイスラム教に改宗し、1965年に独立しました。世界でもっとも平均標高が低い国として知られ、美しいビーチリゾートが特徴で、首都マレ島のイスラム文化や水上コテージ、マンタやジンベエザメが見られるハニファルベイ、水中レストランや幻想的なグローイングビーチなどが主な見どころです。海外からの観光客に人気です。
過去に、マカオという国がランクインしていました。国土面積は約33平方キロメートルで、マカオは過去に世界でもっとも小さい国・地域のトップ10に入っていましたが、現在はランク外となっています。その理由は、マカオが中国の特別行政区となったことにあります。1999年12月20日、マカオはポルトガルから中国に返還され、中国の特別行政区となりました。これにより、マカオは独立国としての地位を失い、ランキングから除外されることになったのです。
欧州のアルバニア政府が2024年9月、首都ティラナに世界最小の国「ベクタシュ教団主権国家」(約0.11㎢)創設計画を発表しました。バチカン市国(0.44㎢)の4分の1のサイズで、東京ドーム約2.3個分の面積です。実現すれば世界一小さい国ランキングは更新され、ベクタシュ教団主権国家が世界一小さい国ランキング1位になります。場所は既存の「ベクタシュ教団世界センター」を拡張し、宗教的寛容をアピールする目的があるのだとか。2025年1月時点で憲法改正審議中で、審議が通れば1日で観光可能な新しい聖地になるかもしれません。
本記事では、バチカン市国を筆頭に世界でもっとも小さい国々のランキングとその独自の魅力を紹介しました。ランキングの半分はオセアニアの美しい島国でしたね。各国には個性豊かな歴史や文化、魅力的なスポットが存在し、国土の広さは国の本質的な価値を表す単なる指標の一つにすぎないと実感できます。
特にバチカン市国は、わずか0.44平方キロメートルの面積と500人あまりの人口ながら、豊かな歴史的背景と世界に誇る文化遺産を守り続けています。こうした小国の存在は、私たちの世界がいかに多様で豊かであるかを教えてくれます。その小さな国土からは想像もできないほど魅力的なストーリーと文化に、これからも注目していきましょう。
世界中には、その小ささで知られる国々が存在しますが、どの国がもっとも国土面積が小さい国なのでしょうか?本記事では、世界一小さい国ランキングトップ10を詳細に解説します。
バチカン市国をはじめ、面積が小さな国々にスポットを当て、その独自の個性と文化を紹介します。小国ならではの見どころや歴史的背景を掘り下げながら、国土の広さだけでは語れない各国の魅力を探っていきましょう。
目次
国土面積とは?
国土面積とは、ある国が公式に主張している土地の総面積です。これには、湖や河川などの水域も含まれます。面積の大小は国の地政学的な重要性や経済、文化の多様性にも影響を与える要素です。
本記事では、この国土面積を基準に小さい国々を紹介していきます。
世界一小さい国ランキング1位~10位をご紹介
世界でもっとも小さな国々を知ることは、地理だけでなく、それぞれの国の文化や歴史を学ぶ素晴らしい機会です。それでは、国土面積が小さい国ランキングのトップ10の紹介とともに、国々の歴史や見どころなども解説していきます!
世界一小さい国 10位:セントクリストファー・ネービス
セントクリストファー・ネービスは、カリブ海にある世界で10番目に小さい国です。
セントクリストファー・ネービスの国土面積│261㎢
セントクリストファー島が168平方キロメートル、ネービス島が93平方キロメートルで構成されています。この面積は東京23区の4割程度に相当します。
セントクリストファー・ネービスはどこにある?
カリブ海の東部に位置し、プエルトリコの東に位置し、直線距離は約 300-600km 程度離れています。西インド諸島のリーワード諸島に属する島国です。
セントクリストファー・ネービスの成り立ちや歴史、特徴
セントクリストファー・ネービスは、1493年にコロンブスが航海で視認し命名した後、1623年イギリス最初のカリブ海植民地となりました。英仏の争いを経て1713年イギリス領に統合され、1983年9月19日に独立を達成。現在もイギリス連邦に加盟し、国家元首はチャールズ3世が務めます。
▼コロンブスについて詳しくはこちら
コロンブスって何した人?世界の歴史を切り開いた英雄の光と影
セントクリストファー・ネービスの見どころ
世界遺産のブリムストーンヒル要塞国立公園や、セントキッツ・シーニック・レイルウェイ、歴史地区など、小さな国ながら多彩な観光スポットがあります。一日で主要な観光地を巡ることができ、美しいビーチと豊かな自然を楽しめます。
世界一小さい国 9位:ニウエ
ニウエは、南太平洋にある世界で9番目に小さい国です。
ニウエの国土面積│260㎢
ニウエは単一の島からなる国で、その面積は260平方キロメートルです。これは、セントクリストファー・ネイビスよりもわずかに小さい面積で、山手線内側の面積の約2倍に相当します。
ニウエはどこにある?
ニウエは南太平洋に位置し、ニュージーランドの北東約2,400キロメートルにあります。トンガの東、サモアの南東に位置する孤立した島国です。
ニウエの成り立ちや歴史、特徴
ニウエは1974年にニュージーランドから自治権を獲得し、自由連合国となりました。公用語は英語とニウエ語で、人口は約1,800人と非常に少ないです。日本で言うと瀬戸内海の離島、姫島村と同じくらいの人口です。
ニウエの見どころ
ニウエは「ポリネシアの岩」と呼ばれる珊瑚礁の島で、美しい海岸線と豊かな自然が魅力です。タラバ・アーチやリム・リーフなどの自然の景観や、伝統的なポリネシア文化を体験できます。島全体が世界最大の暗礁公園として知られ、ダイビングやシュノーケリングが人気です。小さな島なので、一日で主要な観光地を巡ることができます。
世界一小さい国 8位:クック諸島
クック諸島は、南太平洋に浮かぶ美しい島々から成る小さな国です。15の島々で構成されるこの国は、その小さな国土面積とは裏腹に、多様な魅力を秘めています。
クック諸島の国土面積│236㎢
クック諸島の国土面積は236㎢で、山手線内側の面積の4倍の広さです。世界で8番目に小さい国ですが、豊かな自然と多様な島々があります。
クック諸島はどこにある?
クック諸島は南太平洋に位置し、ニュージーランドの北東約3,000kmに広がっています。ポリネシア文化圏に属し、美しい海と豊かな自然に囲まれた島々で構成されています。
クック諸島の成り立ちや歴史、特徴
1965年にニュージーランドとの自由連合協定により内政自治権を獲得、ニュージーランド王国の構成国です。公用語は英語とマオリ語で、約14,900人の人口を有し、観光業と真珠養殖が主要産業です。
クック諸島の見どころ
ラロトンガ島の美しいビーチやアイツタキ環礁の世界有数のラグーン、マウケ島の地下洞窟やアティウ島の野鳥観察スポットなど、多彩な魅力を持つ観光地として世界中から注目を集めています。
クック諸島の各島では、一日で楽しめる多彩なアクティビティが用意されていますが、15の島々全てを一日で観光することは難しいため、興味のある島を選んで集中的に楽しむことをおすすめします。
世界一小さい国 7位:マーシャル諸島共和国
マーシャル諸島共和国は太平洋の島国です。「真珠の首飾り」と呼ばれ、美しい環礁と豊かな海洋文化が特徴です。
マーシャル諸島共和国の国土面積│181㎢
国土面積は181㎢で、東京23区全体の約3分の1の面積です。29の環礁と5つの島から成り、1,156の島々が点在しています。
マーシャル諸島共和国はどこにある?
太平洋中西部の赤道のすぐ北に位置し、ハワイの南西約4,000km、オーストラリアの北東約5,300kmにあります。
マーシャル諸島共和国の成り立ちや歴史、特徴
1986年にアメリカから独立し、現在は自由連合国です。人口約54,000人で、主要産業は観光と漁業です。日本との歴史的つながりがあり、日本語由来の言葉が多く使われています。
マーシャル諸島共和国の見どころ
主な見どころは、世界遺産のビキニ環礁とクワジェリン環礁の第二次世界大戦遺跡です。また、マジュロ環礁のローラビーチでは美しい砂浜と透明な海を楽しめ、エネコ島では日帰りピクニックや宿泊が可能です。
マーシャル諸島の観光は、マジュロ環礁内でも1日以上必要です。主要スポットを巡るツアーは丸1日かかり、他の環礁訪問には国内線や船便を使います。観光省推奨の標準旅程は4日間となっています。
世界一小さい国 6位:リヒテンシュタイン公国
リヒテンシュタイン公国は、世界一小さい国ランキング6位の欧州の小国です。アルプス山脈に囲まれ、その歴史と文化は訪れる旅行者を魅了します。
リヒテンシュタイン公国の国土面積│160㎢
国土面積は160㎢で、山手線内側の面積の約2.5倍の広さです。ヨーロッパで4番目に小さく、スイスの約260分の1の大きさです。
リヒテンシュタイン公国はどこにある?
スイスとオーストリアに挟まれた二重内陸国で、アルプス山脈の中央に位置します。ライン川が西側の境界線を形成しています。
リヒテンシュタイン公国の成り立ちや歴史、特徴
1719年に設立され、1866年に独立しました。現在は立憲君主制で、ハンス・アダム2世が君主です。スイスとの関税同盟や通貨同盟を結び、スイスフランを使用しています。世界で一人当たりGDP(※)が高い国の一つです。
※GDPとは…Gross Domestic Productの略で、国内総生産のこと。国の経済の規模や健康状態を示す指標のひとつ。簡単に言うと、GDPはその国の中で一定期間内(通常1年または1四半期)に生産されたすべての財とサービスの合計金額を示します。その国の経済がどれくらい活発に動いているか、どれくらいの富を生み出しているかを示します。例えば、GDPが増えている場合、その国の経済が成長していると判断できますし、逆にGDPが減少している場合は経済が縮小していることを意味します。GDPは経済政策の決定や、国際的な経済比較にも使われますが、必ずしも「幸せ」や「生活の質」を反映しているわけではありません。リヒテンシュタイン公国の見どころ
主な観光スポットは、ファドゥーツ城、クンストムゼウム・リヒテンシュタイン(現代アート美術館)、リヒテンシュタイン国立博物館です。国土が小さいため、主要な観光スポットは1日で回れますが、アルプスの景色を楽しむには2〜3日の滞在がおすすめです。
世界一小さい国 5位:サンマリノ共和国
サンマリノ共和国は、世界一小さい国ランキング5位の欧州小国です。豊かな歴史と文化を持つ魅力的な国です。
サンマリノ共和国の国土面積│61㎢
国土面積は61㎢で、山手線の内側とほぼ同じ大きさで、東京都の世田谷区とも同じくらいです。イタリアの中に国家があり、イタリアと比べるとイタリアの約5,000分の1です。
サンマリノ共和国はどこにある?
イタリア半島の東側、アドリア海から約10kmの内陸に位置し、イタリアに完全に囲まれた飛び地国家です。
サンマリノ共和国の成り立ちや歴史、特徴
301年、聖マリヌスによって建国されたサンマリノは、世界最古の共和国としても知られています。山岳地帯の要塞化された地形を活かすことで、外部からの侵略を防ぎ、その独立を長きにわたって維持してきました。二人の執政官が6ヶ月交代で国家元首を務める独自の政治体制を持っています。
▼なぜサンマリノ共和国が世界一古い共和国なのか興味を持った方はこちら
なぜ現存する世界一古い国が日本なのか? 建国約2700年の歴史からその理由を紐解く。
サンマリノ共和国の見どころ
世界遺産の旧市街地や三つの塔(グアイタ、チェスタ、モンターレ)が有名です。グアイタの塔の頂上からは、サンマリノの街並みや周辺の広大な景色、さらにはリミニやアドリア海まで見渡すことができます。塔にはサンマリノ国旗もかかげられており、澄んだ青空にはためく姿が印象的です。
国立博物館や切手・コイン博物館も見どころです。主要な観光スポットは1日で回れますが、夕暮れ時の塔のライトアップや早朝の石畳散策を楽しみたい方には、1泊がおすすめです。中世の雰囲気を満喫できますよ。
世界一小さい国 4位:ツバル
ツバルは、世界一小さい国ランキング4位の太平洋の島国です。小さな国土ながら、豊かな文化と美しい自然環境を持つ魅力的な国です。地球温暖化による海面上昇の影響で、100年以内に沈んでしまう可能性がある国としても知られています。ですが、その理由は温暖化による海面上昇だけではなく、人間の経済活動の発展や土地開発、人口増加などの影響もあるとされています。
ツバルの国土面積│26㎢
国土面積はわずか26㎢で、東京都品川区とほぼ同じ大きさです。9つの環礁と島々から成り、最高地点でも海抜4.6メートルしかありません。
ツバルはどこにある?
南太平洋のポリネシア地域に位置し、オーストラリアとハワイのほぼ中間、フィジーの北約1,100kmにあります。
ツバルの成り立ちや歴史、特徴
14~17世紀頃にポリネシア人が移住し、1892年にイギリスの保護領となり、1978年に独立しました。人口は約11,000人で、主な産業は農業、漁業、そしてインターネットドメイン「.tv」の使用権による収入があることが特徴的です。
詳しく解説すると、日本のドメインが「.jp」であるようにツバルのドメインは「.tv」です。この「.tv」はテレビ業界に関連した価値があり、このドメインをアメリカの企業が管理しています。ツバルの「.tv」ドメインは、事実上アメリカ企業によって運営されている形になり、ツバルはこのドメインの所有者として、その収益を国の経済に活用しているというわけです。
ツバルの見どころ
首都フナフティの海洋保全地域では、美しいサンゴ礁や多様な海洋生物を観察できます。ツバル国立図書館や切手センターも見どころです。主要な観光地は一日で回れますが、島の雰囲気を楽しむには2〜3日の滞在がおすすめです。夕方には、空港滑走路で地元の人々がスポーツを楽しむ様子を見ることができます。
世界一小さい国 3位:ナウル共和国
ナウル共和国は、国土面積が世界で3番目に小さい国です。太平洋に浮かぶ一つの島だけで構成されているこの小さな国は、独特の魅力を持っています。
ナウル共和国の国土面積│21㎢
ナウル共和国の国土面積はわずか21平方キロメートルで、東京ディズニーランドの約42個分の広さです。ピンと来ない方は、東京都の多摩市と同じくらいと言った方がわかりやすいでしょうか。車で島を一周するのにかかる時間は、なんとたったの25分程度です。
ナウル共和国はどこにある?
ナウル共和国は、オーストラリアのシドニーから北東約4,000キロメートル、赤道のすぐ南に位置しています。もっとも近い隣国はキリバスで、約300キロメートル離れています。
ナウル共和国の成り立ちや歴史、特徴
1798年に発見されたナウル共和国は、1968年に独立を果たしました。かつてリン鉱石の採掘により発展し、その輸出で世界一裕福な国の一つとなりました。その影響で税金がない国としても知られています。しかし、現在はリン鉱石そのものの資源の枯渇により経済的困難に直面し、各国からの支援援助を受けています。
ナウル共和国の見どころ
小さな国ながら、ナウル共和国には興味深い観光スポットがあります。島の中央にあるブアダ湖や美しい白砂のビーチがあるアニバレ湾、第二次世界大戦時の遺構が残るコマンドリッジなどが見どころです。
一日で主要な観光スポットを巡ることはできますが、島の雰囲気を楽しむなら2〜3日の滞在がおすすめです。
世界一小さい国 2位:モナコ公国
モナコ公国は、世界で2番目に小さい国です。国連の統計によると、モナコの人口密度は世界一高く、1平方キロメートルあたり約26,000人が暮らしています。
モナコ公国の国土面積│2㎢
モナコ公国の国土面積はわずか2平方キロメートルで、東京ディズニーランドの約4倍の大きさです。この小さな面積に、豪華なカジノや高級ホテル、美しい海岸線が凝縮されています。
モナコ公国はどこにある?
モナコ公国はフランス南東部の地中海沿岸に位置する独立国家で、三方をフランス・アルプマリティーム県に囲まれています。ニース空港から約30分の距離です。美しい地中海に面した立地が、この小国の魅力をさらに高めています。
モナコ公国の成り立ちや歴史、特徴
モナコ公国の歴史は13世紀にさかのぼります。1297年にグリマルディ家が支配を始め、以来700年以上にわたり同家が統治を続けています。20世紀には、女優グレース・ケリーとレーニエ3世公の結婚により、世界的に注目を集めました。
モナコは世界有数の富裕国で、カジノや高級ホテルが立ち並び、F1モナコグランプリの開催地としても有名で、一時はカジノが国の収入の9割近くを占めていたこともあります。
また、世界中の多くのセレブが高額の税金から逃れるためにモナコに移住しているといわれています。なぜなら、モナコの税制「タックス・ヘイブン」は富裕層にとても有利な制度で、モナコの居住者に所得税や相続税などを課さないためです。そういった理由から、モナコ国籍の人は人口の四分の一程度だというから驚きです。
モナコ公国の見どころ
モナコ公国は小さな国ながら、見どころがたくさんあります。世界的に有名な豪華なモンテカルロ・カジノやモナコ公家の居城である大公宮殿、グレース・ケリー妃の眠るモナコ大聖堂や海洋生物の展示が充実したモナコ海洋博物館、そして街中を走るF1モナコグランプリのコースなどが主な観光スポットです。レース開催期間でなくても、スタート地点の路面にはスターティンググリッド位置を示す塗装も残っています。
モナコは小さな国なので、コードダジュールの陽光を浴びながら、徒歩での散策がおすすめです。一日で主要な観光スポットを巡ることができますが、高級ホテルに宿泊してカジノを楽しむなど、贅沢な滞在もできます。ここまで豪華絢爛な国だと治安が心配ですが、モナコは女性でも夜一人で出歩けるほど警備体制が整っているので、安心して贅沢を楽しむことが出来そうですね。
世界一小さい国 1位:バチカン市国
バチカン市国は、国土面積と人口の両方で世界最小の独立国です。ローマ・カトリック教会の総本山として知られ、世界遺産にも登録されています。人口は約500人程だといわれています。仮に、1年生から6年生まで学年に4クラスある小学校があるとして、各クラス30人いるとしたら、合計720人。そのくらいの規模の小学校よりも人口が少ないと思うと、その少なさがイメージしやすいのではないでしょうか。
バチカン市国の国土面積│0.44㎢
バチカン市国の国土面積は0.44平方キロメートルで、東京ドーム約9.4個分に相当します。この小さな面積に年間約600万人もの観光客が訪れます。
バチカン市国はどこにある?
バチカン市国は、イタリアの首都ローマの北西部に位置する飛び地国家です。テヴェレ川の西岸、バチカンの丘に建てられており、イタリアに完全に囲まれた独立国です。イタリアに完全に囲まれているのは前述したサンマリノ共和国と同じですね。
バチカン市国の成り立ちや歴史、特徴
1929年のラテラノ条約によって成立したバチカン市国は、ローマ・カトリック教会の中心地であり、教皇が国家元首を務める神権絶対君主制国家です。
神権絶対君主制国家とは、国を治める君主が「神」から力をもらったと信じている体制です。君主は神の代理人として、絶対的な力を持ち、国を支配します。この体制では、政治と宗教がとても深くつながっていて、君主の決めたことは神の意志とされます。つまり、君主に逆らうことが難しく、民衆はその支配に従うことが求められているというわけです。
その影響か、人口500人前後の中で、その多くが聖職者や警備隊員です。
バチカン市国の見どころ
バチカン市国には、世界的に有名な観光スポットが多数あり、なんとバチカン市国の全域が世界遺産に指定されています。サン・ピエトロ大聖堂やシスティーナ礼拝堂、バチカン美術館やサン・ピエトロ広場などが主な見どころです。これらの場所では、ミケランジェロやラファエロの名作を鑑賞できます。特に、システィーナ礼拝堂のミケランジェロの天井画のスケールの大きさと迫力は圧巻です。
小さな国ながら見どころが豊富で、一日で主要な観光スポットを巡ることができます。ただし、芸術作品をじっくりと鑑賞したい美術家の方などは、混雑を避けるために事前予約をすることをおすすめします。世界一小さい国でありながら、その歴史的・文化的価値は計り知れません。
小さい国ランキング日本は何位?
ここまでは世界の小さい国ランキングをご紹介しました。
私たちの国、日本はどのくらいの順位なのでしょうか。このくらいかな?とイメージできそうではありますが、正確にはわからないという方が多いのではないでしょうか。
日本は、国土面積が約37万7,973.89平方キロメートルで、世界ランキング62位です。
世界に196か国あるうちの62番目に小さい国なので、どちらかというと小さい国の部類に入ります。
ちなみに、世界一小さい国バチカン市国の20倍相当の大きさです。
国土面積が日本と同じくらいの国
日本と同程度の国土面積を持つ国は、ドイツ、フィンランド、ベトナム、コンゴ共和国などです。ですが、地形や人口密度、気候は大きく異なります。日本は細長い島国なので小さいイメージがありますが、ドイツやフィンランドと同等と聞くと、意外と大きいという印象を持った方もいるのではないでしょうか。
アジアで一番小さい国は?
範囲をアジアまで拡大してみましょう。
アジアで最小の国はモルディブです。国土面積は約300平方キロメートルで、山手線内側の面積の約4.8倍に相当します。小さい国ランキングでは11位で、トップ10入りにはならずですが、とても小さいことがわかります。
1,192の島々からなる環礁国家で、12世紀にイスラム教に改宗し、1965年に独立しました。
世界でもっとも平均標高が低い国として知られ、美しいビーチリゾートが特徴で、首都マレ島のイスラム文化や水上コテージ、マンタやジンベエザメが見られるハニファルベイ、水中レストランや幻想的なグローイングビーチなどが主な見どころです。海外からの観光客に人気です。
過去にトップ10入りしていたマカオがランク外になった理由
過去に、マカオという国がランクインしていました。
国土面積は約33平方キロメートルで、マカオは過去に世界でもっとも小さい国・地域のトップ10に入っていましたが、現在はランク外となっています。その理由は、マカオが中国の特別行政区となったことにあります。1999年12月20日、マカオはポルトガルから中国に返還され、中国の特別行政区となりました。これにより、マカオは独立国としての地位を失い、ランキングから除外されることになったのです。
バチカン市国より小さな国が出来る!?アルバニアのベクタシュ教団主権国家
欧州のアルバニア政府が2024年9月、首都ティラナに世界最小の国「ベクタシュ教団主権国家」(約0.11㎢)創設計画を発表しました。バチカン市国(0.44㎢)の4分の1のサイズで、東京ドーム約2.3個分の面積です。実現すれば世界一小さい国ランキングは更新され、ベクタシュ教団主権国家が世界一小さい国ランキング1位になります。
場所は既存の「ベクタシュ教団世界センター」を拡張し、宗教的寛容をアピールする目的があるのだとか。2025年1月時点で憲法改正審議中で、審議が通れば1日で観光可能な新しい聖地になるかもしれません。
世界最小の国々の魅力を発見
本記事では、バチカン市国を筆頭に世界でもっとも小さい国々のランキングとその独自の魅力を紹介しました。ランキングの半分はオセアニアの美しい島国でしたね。各国には個性豊かな歴史や文化、魅力的なスポットが存在し、国土の広さは国の本質的な価値を表す単なる指標の一つにすぎないと実感できます。
特にバチカン市国は、わずか0.44平方キロメートルの面積と500人あまりの人口ながら、豊かな歴史的背景と世界に誇る文化遺産を守り続けています。
こうした小国の存在は、私たちの世界がいかに多様で豊かであるかを教えてくれます。その小さな国土からは想像もできないほど魅力的なストーリーと文化に、これからも注目していきましょう。