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ハワイというと、どこまでも続く白い砂浜と青い海……というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、ハワイの自然や風景を語るときに、はずせないのが「火山」です。
火山は、ハワイの神話や物語の中で大切な位置を占めており、人々にとって、インスピレーションや畏敬の対象となる存在です。また、火山の女神ペレは、ハワイ諸島の創造主としてハワイの人々から信仰されています。
ぜひ、このコラムを読んで、ハワイと火山の深いかかわりについて詳しくなりましょう!
まずはじめに、ハワイの島々がどのように誕生したのかについてチェックしていきましょう。ハワイの誕生にも、火山が大きく関係しているんですよ。
私たちは普段「ハワイ」と言っていますが、正確にはハワイの島々のことを「ハワイ諸島」といいます。多数の島と環礁からなる諸島ですが、主な島は6つ(カウアイ島・オアフ島・モロカイ島・ラナイ島・マウイ島・ハワイ島)です。
ハワイ諸島は、海底火山が隆起してできたことによって誕生しました。「ホットスポット」と呼ばれるマグマ溜まりが太平洋の真ん中にあり、そこから流れ出した溶岩が積もり積もって、海上にぽっこりと顔をだしたというイメージです。ちなみに、マグマ溜まりとは、地球内部のマントルから上昇した一部のマグマが地殻付近に滞留したもののことです。 ハワイ諸島は、すべての島が同時に誕生したわけではありません。
カウアイ島が海上に顔を出してからの年数は約600万年前後で、「カヴァイハエ山」という山を中心として、沈降と隆起を何回も繰り返して今の姿になっています。
オアフ島は約350万年前後の歴史を持ち、カネオヘを中心とした火山と、南西部のワイアナエの辺りを中心とした火山が、溶岩を噴き出して誕生しました。
マウイ島は約150万年前後があります。過去には、マウイ島、モロカイ島、ラナイ島、カホオラヴェ島の4つがひとつの大きな島(マウイ・ヌイ)だった時期もあります。その後、浸食があり、それぞれの島は分裂して今の姿になりました。
ハワイ諸島のなかで一番新しい島が、ハワイ島です。約50~60万年ほど前に誕生しました。まだ溶岩が噴き出しているので、ハワイ島は今でも少しずつ形を変えているんですよ……!
ハワイ諸島について考えるとき、欠かせないのが「プレートの移動」です。プレートとは、地球の表面を覆っている十数枚の厚さ100kmほどの固い岩の層のことです。
ハワイ諸島は、太平洋プレートというプレートに乗っています。この太平洋プレートは、毎年7~9cmほど北西方向(ハワイから見て日本の方向)に移動しているのです。 そのため、ホットスポットのうえにできた島々は、そのうちマグマの吹き出し口から北東にズレていき、最終的にはマグマの供給を絶たれます。そして、ホットスポットのうえに新たな島ができる、という仕組みになっています。 こうして数珠つなぎにできたハワイの島々は、北東側にあるものほど地質学的には古く、一番西にあるハワイ島が一番新しい島なのです。そして現在、ホットスポットのちょうど真上にあるのが、世界で一番活発といわれる「キラウエア火山」です。
ハワイの島々が、海のなかの火山が溶岩を噴き出して誕生したことがわかりましたね。こうした自然的・地理的な意味合いだけではなく、ハワイの火山は、特に先住民の方々にとって文化的にもとても深い意義があるんですよ。
ハワイの火山は、さまざまな伝承、物語、神話のなかで重要な存在として描かれています。
たとえば、ハワイ島の西部に位置している「マウナロア山」。あるとき、伝説の英雄であるマウイは巨大な魚を釣るためにマウナロア山に登り、溶岩の洞窟で魚を捕まえようとしました。しかし、マウナロア山はマウイに対抗して、溶岩を吹き出しすことでマウイを追い払ってしまったのです。この神話では、マウナロア山の威厳と力強さを伝えています。
また、マウナロア山から流れ出る溶岩によって土地が豊かになり、雄大な自然が生まれたと信じられています。さらに、山上には神々が住み、神聖な場所だと考えられています。
ハワイの火山を語るうえで欠かせないのが「火の神ペレ」です。
ペレは、ハワイ諸島の創造主として信仰を集めています。伝説では、ペレはキラウエア山頂のハレマウマウ火口に住んでおり、土地を形作り、溶岩の流れを制御しているとか。ペレの性格は、情熱的で気まぐれ。気性も荒く、怒るとすぐに火山を噴火させ溶岩で何でも焼き尽くしてしまうとか。古くからハワイの人々はペレに対して、畏敬の念を抱き崇拝してきたのです。
ペレについての詳しい記事は こちら
火山活動は、ハワイの特徴的な地形にも影響を与えています。ハワイにはいったい、どのような地形的な特徴があるのでしょうか?
先ほどもご紹介したとおり、ハワイの島々は海底の火山からマグマが噴出することで誕生しました。噴出したマグマは溶岩へと名前を変えます。
そして、時間とともにプレートが移動するため、島はマグマ溜まりから遠ざかり、最後には溶岩が供給されなくなります。すると、島の成長よりも浸食の力が強くなり、島ができた当初とは違った形に変わっていくのです。
波が島を侵食する力は、私たちの想像を超えるほどの強さがあります。どれだけ頑丈にみえる大きな島であっても、次第に海から浸食されていきます。海に面した溶岩は波に浸食され、小石→砂→シルト(砂と粘土との中間の大きさのもの)へとどんどん小さく分解されます。
また、浸食は波だけではありません。風や雨の力もとても大きく、スピードも波による浸食よりもずいぶん速いと言われています。ハワイ諸島のなかでも、特にラナイ島やカホオラヴェ島、ニイハウ島では手前にある島に高山があるため、降雨が少なく、強い風が吹きます。風により、表土をどんどんはぎ取られてしまうのです。
最後に、ハワイの世界遺産である「ハワイ火山国立公園」についてご紹介していきたいと思います。魅力たっぷりのハワイ火山国立公園は、ぜひハワイに行ったら訪れてほしい場所のひとつです。
ハワイ国立公園は、火山地帯を中心とした世界自然遺産です。1987年に登録されて以降、世界中から観光客が訪れている人気の観光スポットとなっています。ハワイ諸島のなかで最も大きなハワイ島にあります。
ハワイ国立公園は、総面積約1,335平方キロメートルにも及びます。公園内には、標高約4,169mのマウナロア山と標高約1,247mのキラウエア火山という2つの火山があります。 世界自然遺産に登録された理由は、世界的に最も活発な火山地帯であること、そして地学的・生物学的にとても重要な意味を持つためです。
キラウエア火山は、「世界でもっとも活発な火山」として有名で、1983年から噴火を続けています。約5×3kmの大きなカルデラや、ハレマウマウ火口の展望台から噴火の様子を見たりすることができます。火山活動を通じて、地球の不思議を観察できる希少な場所となっています。
ハワイの言葉で「長い山」という意味を持つマウナロア山。その名の通り、地球上でもっとも大きな体積を持つことで有名です。これまでに30回以上の噴火を繰り返してきました。キラウエア火山ほど噴火の頻度は高くありませんが、活火山であり、山頂の近くでは今でもマグマが発生しています。
火山は、ハワイ諸島の誕生にかかわっていたり、ハワイの人々から崇拝される存在であるなど、ハワイととても深い関係にあることがわかりましたね。
地理的にも、文化的にも、火山はハワイに欠かせない存在です。このコラムが、みなさんがハワイについて興味を持ち、より好きになるきっかけになればうれしいです♪
ハワイというと、どこまでも続く白い砂浜と青い海……というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、ハワイの自然や風景を語るときに、はずせないのが「火山」です。
火山は、ハワイの神話や物語の中で大切な位置を占めており、人々にとって、インスピレーションや畏敬の対象となる存在です。また、火山の女神ペレは、ハワイ諸島の創造主としてハワイの人々から信仰されています。
ぜひ、このコラムを読んで、ハワイと火山の深いかかわりについて詳しくなりましょう!
目次
ハワイ諸島の誕生
まずはじめに、ハワイの島々がどのように誕生したのかについてチェックしていきましょう。ハワイの誕生にも、火山が大きく関係しているんですよ。
ハワイ諸島の誕生
私たちは普段「ハワイ」と言っていますが、正確にはハワイの島々のことを「ハワイ諸島」といいます。多数の島と環礁からなる諸島ですが、主な島は6つ(カウアイ島・オアフ島・モロカイ島・ラナイ島・マウイ島・ハワイ島)です。
ハワイ諸島は、海底火山が隆起してできたことによって誕生しました。「ホットスポット」と呼ばれるマグマ溜まりが太平洋の真ん中にあり、そこから流れ出した溶岩が積もり積もって、海上にぽっこりと顔をだしたというイメージです。ちなみに、マグマ溜まりとは、地球内部のマントルから上昇した一部のマグマが地殻付近に滞留したもののことです。
ハワイ諸島は、すべての島が同時に誕生したわけではありません。
カウアイ島が海上に顔を出してからの年数は約600万年前後で、「カヴァイハエ山」という山を中心として、沈降と隆起を何回も繰り返して今の姿になっています。
オアフ島は約350万年前後の歴史を持ち、カネオヘを中心とした火山と、南西部のワイアナエの辺りを中心とした火山が、溶岩を噴き出して誕生しました。
マウイ島は約150万年前後があります。過去には、マウイ島、モロカイ島、ラナイ島、カホオラヴェ島の4つがひとつの大きな島(マウイ・ヌイ)だった時期もあります。その後、浸食があり、それぞれの島は分裂して今の姿になりました。
ハワイ諸島のなかで一番新しい島が、ハワイ島です。約50~60万年ほど前に誕生しました。まだ溶岩が噴き出しているので、ハワイ島は今でも少しずつ形を変えているんですよ……!
プレートの移動
ハワイ諸島について考えるとき、欠かせないのが「プレートの移動」です。プレートとは、地球の表面を覆っている十数枚の厚さ100kmほどの固い岩の層のことです。
ハワイ諸島は、太平洋プレートというプレートに乗っています。この太平洋プレートは、毎年7~9cmほど北西方向(ハワイから見て日本の方向)に移動しているのです。
そのため、ホットスポットのうえにできた島々は、そのうちマグマの吹き出し口から北東にズレていき、最終的にはマグマの供給を絶たれます。そして、ホットスポットのうえに新たな島ができる、という仕組みになっています。
こうして数珠つなぎにできたハワイの島々は、北東側にあるものほど地質学的には古く、一番西にあるハワイ島が一番新しい島なのです。そして現在、ホットスポットのちょうど真上にあるのが、世界で一番活発といわれる「キラウエア火山」です。
文化的意義
ハワイの島々が、海のなかの火山が溶岩を噴き出して誕生したことがわかりましたね。こうした自然的・地理的な意味合いだけではなく、ハワイの火山は、特に先住民の方々にとって文化的にもとても深い意義があるんですよ。
火山信仰
ハワイの火山は、さまざまな伝承、物語、神話のなかで重要な存在として描かれています。
たとえば、ハワイ島の西部に位置している「マウナロア山」。あるとき、伝説の英雄であるマウイは巨大な魚を釣るためにマウナロア山に登り、溶岩の洞窟で魚を捕まえようとしました。しかし、マウナロア山はマウイに対抗して、溶岩を吹き出しすことでマウイを追い払ってしまったのです。この神話では、マウナロア山の威厳と力強さを伝えています。
また、マウナロア山から流れ出る溶岩によって土地が豊かになり、雄大な自然が生まれたと信じられています。さらに、山上には神々が住み、神聖な場所だと考えられています。
火の神ペレ
ハワイの火山を語るうえで欠かせないのが「火の神ペレ」です。
ペレは、ハワイ諸島の創造主として信仰を集めています。伝説では、ペレはキラウエア山頂のハレマウマウ火口に住んでおり、土地を形作り、溶岩の流れを制御しているとか。ペレの性格は、情熱的で気まぐれ。気性も荒く、怒るとすぐに火山を噴火させ溶岩で何でも焼き尽くしてしまうとか。古くからハワイの人々はペレに対して、畏敬の念を抱き崇拝してきたのです。
ペレについての詳しい記事は こちら
ハワイの地形の特徴
火山活動は、ハワイの特徴的な地形にも影響を与えています。ハワイにはいったい、どのような地形的な特徴があるのでしょうか?
風雨と海食による浸食
先ほどもご紹介したとおり、ハワイの島々は海底の火山からマグマが噴出することで誕生しました。噴出したマグマは溶岩へと名前を変えます。
そして、時間とともにプレートが移動するため、島はマグマ溜まりから遠ざかり、最後には溶岩が供給されなくなります。すると、島の成長よりも浸食の力が強くなり、島ができた当初とは違った形に変わっていくのです。
波が島を侵食する力は、私たちの想像を超えるほどの強さがあります。どれだけ頑丈にみえる大きな島であっても、次第に海から浸食されていきます。海に面した溶岩は波に浸食され、小石→砂→シルト(砂と粘土との中間の大きさのもの)へとどんどん小さく分解されます。
また、浸食は波だけではありません。風や雨の力もとても大きく、スピードも波による浸食よりもずいぶん速いと言われています。ハワイ諸島のなかでも、特にラナイ島やカホオラヴェ島、ニイハウ島では手前にある島に高山があるため、降雨が少なく、強い風が吹きます。風により、表土をどんどんはぎ取られてしまうのです。
ハワイの世界遺産「ハワイ火山国立公園」
最後に、ハワイの世界遺産である「ハワイ火山国立公園」についてご紹介していきたいと思います。魅力たっぷりのハワイ火山国立公園は、ぜひハワイに行ったら訪れてほしい場所のひとつです。
ハワイ国立公園とは?
ハワイ国立公園は、火山地帯を中心とした世界自然遺産です。1987年に登録されて以降、世界中から観光客が訪れている人気の観光スポットとなっています。ハワイ諸島のなかで最も大きなハワイ島にあります。
ハワイ国立公園は、総面積約1,335平方キロメートルにも及びます。公園内には、標高約4,169mのマウナロア山と標高約1,247mのキラウエア火山という2つの火山があります。
世界自然遺産に登録された理由は、世界的に最も活発な火山地帯であること、そして地学的・生物学的にとても重要な意味を持つためです。
キラウエア火山
キラウエア火山は、「世界でもっとも活発な火山」として有名で、1983年から噴火を続けています。約5×3kmの大きなカルデラや、ハレマウマウ火口の展望台から噴火の様子を見たりすることができます。火山活動を通じて、地球の不思議を観察できる希少な場所となっています。
マウナロア山
ハワイの言葉で「長い山」という意味を持つマウナロア山。その名の通り、地球上でもっとも大きな体積を持つことで有名です。これまでに30回以上の噴火を繰り返してきました。キラウエア火山ほど噴火の頻度は高くありませんが、活火山であり、山頂の近くでは今でもマグマが発生しています。
火山を知れば、もっとハワイが好きになる♪
火山は、ハワイ諸島の誕生にかかわっていたり、ハワイの人々から崇拝される存在であるなど、ハワイととても深い関係にあることがわかりましたね。
地理的にも、文化的にも、火山はハワイに欠かせない存在です。このコラムが、みなさんがハワイについて興味を持ち、より好きになるきっかけになればうれしいです♪