ガーデンアイランドと呼ばれる島、ハワイ「カウアイ島」の魅力

ハワイで最初に誕生した島「カウアイ島」。
「ガーデンアイランド(庭園の島)」の愛称通り、緑豊かな熱帯雨林が広がり、島全体が大自然の芸術美にあふれています。
映画「ジュラシックパーク」のロケ地として、またディズニーアニメ「リロ&スティッチ」、エルヴィス・プレスリーの「ブルー・ハワイ」の舞台になったことでも有名です。

今回は、そんなハワイの離島「カウアイ島」の魅力についてお届けします。

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カウアイ島ってどんな島?

カウアイ島02

オアフ島やマウイ島と比べ、少しマイナーなイメージがあるカウアイ島ですが、実は「最北・最古・最初」がたくさんある、ユニークな島なんです。

カウアイ島の基本情報

ハワイ諸島の最北端に浮かぶ、面積約1,430k㎡、人口約72,000人(2017年7月現在)の島。地形的にも文化的にもハワイ諸島最古の島といわれています。【島の花】はモキハナ、【島の色】は紫です。※1

中央にそびえるワイアレアレ山は世界一雨が多い場所としてギネスに登録される一方、西側のケハカや南側のホイプビーチではいつも太陽が降り注ぎ、晴天が多いことで知られています。島の東西で違った気候が見られるのも島の特徴です。

カウアイ島03

私が東側のカパアに滞在していた時も、毎日何度もシャワーのような雨が降っていました。少しでも太陽が顔を出すと、たちまち木々の緑や山肌が生き生きと色を放ち、鳥肌が立つほどのパワーを感じました。

雨が植物を育て、滝や渓谷を作り上げた自然の庭園のようなカウアイ島。「ガーデンアイランド」という名にふさわしい島です。

また、カウアイ島は「チキンアイランド」とも呼ばれ、島のいたるところで野生のニワトリが歩いています。その数はカウアイ島の人口よりも多いそうです。
ハリケーンで倒壊した農場から逃げ出したニワトリが野生化したもので、増えすぎた理由は、ハワイにはヘビがいないから。自由を手に入れたニワトリたちは、今ではすっかりカウアイ島の風景にとけこんでいます。

※1ハワイの島の花について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください▼
「島の花」「島の色」を知れば、ハワイがもっと好きになる!?

カウアイ島の見どころ

カウアイ島の見どころは、何といっても大迫力の自然美。断崖絶壁や大渓谷などダイナミックな絶景をご紹介します。

ナパリ・コースト

カウアイ島04

カウアイ島の北から西側の海岸にかけて続く「秘境海岸」ナパリ・コースト。高く切り立った渓谷の鮮やかな緑に滝の水が白く輝いています。海に突き刺さるような断崖絶壁に波がぶつかり水しぶきをあげる光景は壮観!

車で近寄ることはできないため、ヘリコプターで上空から遊覧するか、クルーズ船で海からアプローチするのがおすすめ。ヘリから眺めるナパリ・コーストは「ジュラシックパーク」の世界観そのものです。

ワイメア渓谷

カウアイ島05

「太平洋のグランドキャニオン」の異名を持つワイメア渓谷。何万年もかけて大自然が作り上げた谷は、まるで「地球の裂け目」のよう。

ワイメア展望台からは、どこまでも続くゴツゴツした山肌や赤い地層などダイナミックな景色を一望できます。最終地点のプウオキラ展望台からは、秘境ナパリ・コーストが見えます。

ワイルア川

カウアイ島06

島の東側に注ぐワイルア川は、太平洋からハワイに渡ってきた人々が最初に住みついた場所。全長32km、深いジャングルが続く川沿いには7つのヘイアウ(祭壇)があり、カヤックやカヌーなどのアクティビティが盛んです。

ワイルア川で最も人気があるのが「シダの洞窟」への遊覧船ツアー!
「シダの洞窟」はハワイの先住民にとってきわめて神聖な場所。かつては王族だけが入ることを許され、結婚式などが行われていた場所です。

以前は洞窟の中まで入れましたが、2006年のハリケーンで落石があり、安全面から今は洞窟前に作られたデッキから見ることになります。

洞窟周辺では、ティーリーフやレッドジンジャーなどの熱帯植物が間近で見られます。船内ではフラを習ったり、ハワイアンの生演奏を聞いたりしながらのんびりできるのもツアーの醍醐味です。

数多く残るカウアイ島の伝説と歴史

「カウアイ島」には歴史的に重要な遺跡が数多くあります。史実にもとづく遺跡から、伝説や神話ゆかりの場所など、古代の足跡をたどってみましょう。

カウアイ島に伝わるメネフネ伝説

ハワイの島々に住む小人「メネフネ」の伝説をご存じですか?
メネフネは恥ずかしがり屋で、昼間は森の中に潜んでいます。彼らはとても器用で働き者、石を使った建造物を作るのが得意で、一夜にして立派な建築物を作ってしまうなど、数多くの伝説を残しています。

伝説では、メネフネはタヒチやニュージーランドからカウアイ島にやってきたといわれています。島には彼らが作ったとされるヘイアウ(祭壇)や水路、フィッシュポンド(養殖池)などが数多く残っています。

キャプテン・クックゆかりの地

カウアイ島07

イギリスの探検家、キャプテン・ジェームズ・クックがハワイ諸島で最初に上陸したのがカウアイ島のワイメア※2。今でもハイウェイ沿いの小さな公園に、キャプテン・クックの銅像が立っています。
※2「ワイメア」はカウアイ島だけでなくハワイ島・オアフ島にも同じ地名があるので注意!

キャプテン・クックがハワイ諸島を発見したのは1778年、3回目の航海でのこと。当初この航海を命じたサンドイッチ伯爵にちなみ、ハワイ諸島を「サンドイッチ諸島」と呼んでいたそうです。

カウムアリイ王の決断

カウアイ島はカウムアリイ王の時代まで一つの王国でした。1800年初頭ハワイ諸島ではカメハメハ一世がハワイ諸島統一を掲げ、2度に渡りカウアイ島に攻め入りました。しかし運よく暴風雨や伝染病の流行に阻まれ、カウアイ島は難を逃れたのです。

しかし、さらなる侵攻を怖れたカウムアリイ王は、1810年にカメハメハ一世のハワイ王国への加入を決断。こうしてカウアイ島・ニイハウ島はハワイ王国の一部となり、カウムアリイがそのまま統治することになりました。彼の賢明な決断により、カウアイ島は戦争を回避し、多くの血を流さずにすんだのです。

フラダンサーにとっての聖地「Ka Ulu o Laka Heiau」

「フラはカウアイ島から始まった」
フラ起源説についてはさまざまな言い伝えがありますが、カウアイ島にはフラダンサーなら一度は訪れてみたい神聖な場所があります。

女神ラカについて

フラの女神について諸説ある中、もっとも多くのフラダンサーに支持されているのが女神ラカ。ハワイ4大神の1人であるロノ神の妻(妹説もあり)で、森の女神でもあり、歓びや生命の源と信じられていました。

神話では、ラカが母カポからフラとチャント(詠唱)を学び、ニイハウ島でフラを披露したのが始まり。ラカはカウアイ島に住んでいたとされ、ここから「フラのカウアイ島起源説」が生まれたというわけです。

ヘイアウとは

カウアイ島08

ここまで何度か出てきたヘイアウですが、ヘイアウとは古代ハワイで神聖な儀式が行われていた場所。石を積み上げて作られたヘイアウには、神話に登場する神々が祀られていました。

「カ・ウル・オ・ラカ・ヘイアウ(Ka Ulu o Laka Heiau)」は、フラの女神ラカが祀られているヘイアウ。かつてフラの修行の場であり、最古のハーラウ・フラ(フラ学校)があったとされています。そのため今も世界中から多くのフラ関係者が訪れ、献花やフラの儀式が行われる聖地です。

カウアイ島を歌った曲

カウアイ島をテーマにした曲は多く。今回はアップテンポで楽しい曲から、しっとりムーディな曲まで幅広くセレクトしてみました。※曲名/アーティスト

①Nāwiliwili (ナヴィリヴイリ)/Darlene Ahuna

ナヴィリヴィリはカウアイ島の港の名前。島の自然の美しさを歌った楽しい曲。

②Hanalei Moon(ハナレイ・ムーン)/Dennis Pavao

月の光に輝くハナレイビーチの美しさと恋人への思いを歌った曲。ハナレイは映画「ブルー・ハワイ」の舞台となったノスタルジックな場所。

③Kipu-kai(キプカイ)/Na Leo Pilimehana

カウアイ島の南にあるキプカイ海岸を歌った曲。ハウプ山の美しさやクジャクが歩いている様子が描かれています。

④Nani Kaua`i(ナニ・カウアイ)/Amy Hanaiali'i

ワイアレアレ山の雄大さ、ノヒリの砂浜のおだやかな美しさを歌っています。

⑤He Mele No Kauaʻi Kuapapa(ヘ・メレ・ノ・カウアイ・クアパパ)/Weldon Kekauoha

静かなカウアイ島に捧げる歌。ワイルア・ハエナ・ワイアレアレなどの地名、女神ラカなど島の魅力満載の曲。

カウアイ島のまとめ

カウアイ島はハワイ諸島最古の島。ハワイの文化の発祥地といわれています。
「ガーデンアイランド」と呼ばれ、自然が作り出す大迫力の絶景と、歴史や伝説にまつわる史跡が数多く残るスピリチュアルな島。また、フラダンサーの聖地でもあります。

紹介しきれませんでしたが、ハナペペの古い街並みや、ハナレイなどハワイアンミュージックに歌われる静かでロマンチックな場所もはずせません。

車を走らせると目の前に広がるタロイモ畑、よちよち歩くネネ(ハワイの州鳥)の姿。
いにしえのハワイにタイムスリップしたようなのどかな風景も、大自然に抱かれたカウアイ島ならではの魅力です。

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