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ハワイといえば世界中から多くの人が訪れるリゾート地。 そんなハワイにも、一般人が足を踏み入れることができない閉ざされた島があるのをご存じですか?
今回は、ハワイでも「The Forbidden Isle = 禁断の島」と呼ばれる謎だらけの島、「ニイハウ島」の秘密に迫ってみたいと思います。
▶ハワイの島 連載一覧はこちらから
「ニイハウ島」と聞いてもピンとこない人が多いのではないでしょうか?謎の真相に迫る前に、まずは島の基本的な情報を詳しく見ていきましょう。
ニイハウ島は、ハワイ主要8島の中で最も西に位置し、カウアイ島からの距離は約27km。降水量が少なく、ハワイの伝統食「タロイモ」の栽培ができないほど乾燥した気候で知られています。 また、ニイハウ島は島全体がロビンソン一族の私有地のため、立ち入ることはできません。そのため、島の詳細ついて知られていない点など多くあります。
人口については所説ありますが、現在島に住んでいるのは70人以下で、その90%はハワイ原住民と言われています。夏の間は家族そろってカウアイ島で過ごす人が多いため、30人を下回ることもあるそうです。人口減少はニイハウ島において大変深刻な問題となっています。
【出典】ニイハウ文化遺産財団HP:https://niihauheritage.org/niihau_today/
公用語はニイハウなまりのハワイ語で、島民は古くから続くハワイの文化や伝統を守りながら、釣りや農業など自給自足の生活をしています。
現在でもニイハウ島には電気※・水道・ガスが通っていません。お店や病院、舗装された道路や車もなく、移動はもっぱら徒歩か自転車だそうです。※現在はソーラーで自家発電が可能。
一般人が島へ入ることは許されませんが、島民は買い物や旅行などで自由に他の島に行くことができます。緊急時はロビンソン一族 のヘリで島外の病院に搬送してくれます。また進学したい場合は、ロビンソン一族が費用を出して他の島へ進学させてくれるのだとか。島民は大切にされているんですね。
ニイハウ島の島の花にも選ばれている「ニイハウシェル」。直径2~3mmの小さな美しい巻貝はププと呼ばれ、この島の海岸でしか採れません。ププで作られた精巧で芸術的なレイ(首飾り)は、まさに「ニイハウの宝」。その高貴さから王族の女性たちに愛用されてきました。
レイ作りはすべてが手作業。あまりに小さいため、加工する際に割れてしまうことも多く、大変な根気と熟練の技が必要です。
「ニイハウシェル」は島の誇りや伝統を伝承しているだけでなく、島民にとって貴重な収入源となっています。
ハワイの島の花について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください▼ 「島の花」「島の色」を知れば、ハワイがもっと好きになる!?
観光大国ハワイの中で、ニイハウ島が独自の道を歩むことになったきっかけは? さらに、日本人が関わる悲劇、「ニイハウ事件」についても触れたいと思います。
その歴史は、1864年スコットランドからカウアイ島に移住してきたエリザベス・シンクレアが、当時の国王カメハメハ5世から1万ドルとピアノ1台でニイハウ島を購入したことから始まりました。
シンクレア夫人が亡くなった後は、子孫であるロビンソン一族が島の所有権を引き継ぎ現在に至ります。当初は島民以外も自由に島を行き来できていたようですが、ニイハウ島の豊かな自然やハワイ独自の文化を守るため、ロビンソン一族は後に外部からの立ち入りを禁止しました。
「禁断の島」と呼ばれるニイハウ島ですが、それゆえに悲劇が起きてしまった日本人が関わる事件も存在します。
時は1941年12月の第二次世界大戦、真珠湾攻撃に参加していた日本軍の零戦パイロット、西開地(にしかいち)が、空戦で攻撃を受けニイハウ島に不時着したことが発端です。
不時着した西開地と島民が対立する中、農場管理として島で働いていた日系2世のハラダが仲介に入りましたが、西開地は島民によって殺害されてしまいます。ハラダも敵国である日本側に加担したことを想い悩み、最後は散弾銃で自殺するという悲劇の結末に…。
実は、西開地がニイハウ島に不時着したのは偶然ではありません。当時からニイハウ島は外部と分断されていたため、日本軍が攻撃を受けた際の緊急避難場所に指定されていました。
ニイハウ島ならアメリカの目が届きにくいという考えからきた指示だったようですが、その結末は歴史に刻まれるほどの悲劇。この事件がきっかけで日系人への不信感が高まり、日系人収容所の設営の契機になったとも言われています。
実はニイハウ島に行ける方法が1つだけあるんです。 それはヘリコプターによる公認ツアーに参加すること。 「なんだ、観光地化されているじゃん!」いえいえ、そんなことはありません。
このヘリはロビンソン一族と住民のための医療用ヘリコプター。このヘリの維持費を得るため、ツアーが組まれているのです。
しかしこのツアー、めったに催行されないことで有名!まず5人以上集まらなければ出発できません。5人以上集まってもメンテナンス等で突然キャンセルになることも多く、行けたらラッキーぐらいに考えておいた方がよさそうです。
どうしてもあきらめられない方は、フェリーで周辺の海へ行くツアーはいかがでしょうか? 島には上陸できませんが、ダイビングを楽しんだり、海からニイハウ島の美しい自然を眺めたりするのもおすすめです!
ヘリはカウアイ島を出発、まずは上空から島の壮大な自然を楽しみましょう。観光といっても指定されたビーチに上陸し、滞在できるのはたったの3時間。
ビーチでシュノーケリングや、ニイハウシェルを探してみるのもいいですね。見つけたシェルは持ち帰ることもできますよ。
また運が良ければ、ハワイアンモンクシール(ハワイ固有のアザラシ)に出会えるかもしれません。
滞在中、もし島民を見かけてもカメラを向けたり、一緒に写真を撮ったりしてはいけません。話しかけるのもNGです。野生動物にも絶対近づかないようにしてください。
禁断の島に入るわけですから、島の文化や自然へのリスペクトの気持ちを忘れず、決められたルールの中で楽しみましょう。
ニイハウ島はハワイアンミュージシャンにとっても、近くて遠い憧れの場所。ニイハウ島を讃えた名曲を4つご紹介します。※曲名/アーティスト
美しいニイハウ島とカヘレラニシェルレイを讃えた曲。 カヘレラニシェルレイとは、カヘレラニという小粒で希少なピンク色をしたニイハウシェルを使った最も高貴なレイのこと。
ニイハウシェルレイの美しさと、レイを作る人たちを讃えた曲。
ニイハウシェルでも有名なニイハウ島の美しさを歌った曲。
ニイハウ島ののどかな情景とシェルの美しさを描写した曲。
ニイハウシェルで有名なニイハウ島は、カウアイ島の南西に浮かぶ「禁断の島」。島全体が私有地のため、一般人は自由に立ち入ることはできません。 そのため、今でも電気や水道、ガスも通らず、古いハワイ語を使い、太古のハワイそのままの暮らしを続けています。
一般の方が簡単に訪れられない分、手つかずの自然や文化が色濃く残り、ハワイの人たちにとっても謎につつまれた魅惑の島。そこでは、あなたの知らないハワイに出逢えるかもしれません。
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ハワイといえば世界中から多くの人が訪れるリゾート地。
そんなハワイにも、一般人が足を踏み入れることができない閉ざされた島があるのをご存じですか?
今回は、ハワイでも「The Forbidden Isle = 禁断の島」と呼ばれる謎だらけの島、「ニイハウ島」の秘密に迫ってみたいと思います。
▶ハワイの島 連載一覧はこちらから
目次
ニイハウ島とはどんな島
「ニイハウ島」と聞いてもピンとこない人が多いのではないでしょうか?謎の真相に迫る前に、まずは島の基本的な情報を詳しく見ていきましょう。
ニイハウ島の基本情報
ニイハウ島は、ハワイ主要8島の中で最も西に位置し、カウアイ島からの距離は約27km。降水量が少なく、ハワイの伝統食「タロイモ」の栽培ができないほど乾燥した気候で知られています。
また、ニイハウ島は島全体がロビンソン一族の私有地のため、立ち入ることはできません。そのため、島の詳細ついて知られていない点など多くあります。
人口については所説ありますが、現在島に住んでいるのは70人以下で、その90%はハワイ原住民と言われています。夏の間は家族そろってカウアイ島で過ごす人が多いため、30人を下回ることもあるそうです。人口減少はニイハウ島において大変深刻な問題となっています。
【出典】ニイハウ文化遺産財団HP:https://niihauheritage.org/niihau_today/
ニイハウ島の人々の暮らし
公用語はニイハウなまりのハワイ語で、島民は古くから続くハワイの文化や伝統を守りながら、釣りや農業など自給自足の生活をしています。
現在でもニイハウ島には電気※・水道・ガスが通っていません。お店や病院、舗装された道路や車もなく、移動はもっぱら徒歩か自転車だそうです。※現在はソーラーで自家発電が可能。
一般人が島へ入ることは許されませんが、島民は買い物や旅行などで自由に他の島に行くことができます。緊急時はロビンソン一族 のヘリで島外の病院に搬送してくれます。また進学したい場合は、ロビンソン一族が費用を出して他の島へ進学させてくれるのだとか。島民は大切にされているんですね。
ニイハウ島の花「ニイハウシェル」とは
ニイハウ島の島の花にも選ばれている「ニイハウシェル」。直径2~3mmの小さな美しい巻貝はププと呼ばれ、この島の海岸でしか採れません。ププで作られた精巧で芸術的なレイ(首飾り)は、まさに「ニイハウの宝」。その高貴さから王族の女性たちに愛用されてきました。
レイ作りはすべてが手作業。あまりに小さいため、加工する際に割れてしまうことも多く、大変な根気と熟練の技が必要です。
「ニイハウシェル」は島の誇りや伝統を伝承しているだけでなく、島民にとって貴重な収入源となっています。
ハワイの島の花について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください▼
「島の花」「島の色」を知れば、ハワイがもっと好きになる!?
ニイハウ島の歴史
観光大国ハワイの中で、ニイハウ島が独自の道を歩むことになったきっかけは?
さらに、日本人が関わる悲劇、「ニイハウ事件」についても触れたいと思います。
島に立ち入れなくなった理由
その歴史は、1864年スコットランドからカウアイ島に移住してきたエリザベス・シンクレアが、当時の国王カメハメハ5世から1万ドルとピアノ1台でニイハウ島を購入したことから始まりました。
シンクレア夫人が亡くなった後は、子孫であるロビンソン一族が島の所有権を引き継ぎ現在に至ります。当初は島民以外も自由に島を行き来できていたようですが、ニイハウ島の豊かな自然やハワイ独自の文化を守るため、ロビンソン一族は後に外部からの立ち入りを禁止しました。
「ニイハウ島事件」について
「禁断の島」と呼ばれるニイハウ島ですが、それゆえに悲劇が起きてしまった日本人が関わる事件も存在します。
時は1941年12月の第二次世界大戦、真珠湾攻撃に参加していた日本軍の零戦パイロット、西開地(にしかいち)が、空戦で攻撃を受けニイハウ島に不時着したことが発端です。
不時着した西開地と島民が対立する中、農場管理として島で働いていた日系2世のハラダが仲介に入りましたが、西開地は島民によって殺害されてしまいます。ハラダも敵国である日本側に加担したことを想い悩み、最後は散弾銃で自殺するという悲劇の結末に…。
実は、西開地がニイハウ島に不時着したのは偶然ではありません。当時からニイハウ島は外部と分断されていたため、日本軍が攻撃を受けた際の緊急避難場所に指定されていました。
ニイハウ島ならアメリカの目が届きにくいという考えからきた指示だったようですが、その結末は歴史に刻まれるほどの悲劇。この事件がきっかけで日系人への不信感が高まり、日系人収容所の設営の契機になったとも言われています。
魅惑の島、ニイハウ島へ行こう!
実はニイハウ島に行ける方法が1つだけあるんです。
それはヘリコプターによる公認ツアーに参加すること。
「なんだ、観光地化されているじゃん!」いえいえ、そんなことはありません。
このヘリはロビンソン一族と住民のための医療用ヘリコプター。このヘリの維持費を得るため、ツアーが組まれているのです。
しかしこのツアー、めったに催行されないことで有名!まず5人以上集まらなければ出発できません。5人以上集まってもメンテナンス等で突然キャンセルになることも多く、行けたらラッキーぐらいに考えておいた方がよさそうです。
どうしてもあきらめられない方は、フェリーで周辺の海へ行くツアーはいかがでしょうか?
島には上陸できませんが、ダイビングを楽しんだり、海からニイハウ島の美しい自然を眺めたりするのもおすすめです!
ニイハウ島の見どころ
ヘリはカウアイ島を出発、まずは上空から島の壮大な自然を楽しみましょう。観光といっても指定されたビーチに上陸し、滞在できるのはたったの3時間。
ビーチでシュノーケリングや、ニイハウシェルを探してみるのもいいですね。見つけたシェルは持ち帰ることもできますよ。
また運が良ければ、ハワイアンモンクシール(ハワイ固有のアザラシ)に出会えるかもしれません。
観光する際の注意点
滞在中、もし島民を見かけてもカメラを向けたり、一緒に写真を撮ったりしてはいけません。話しかけるのもNGです。野生動物にも絶対近づかないようにしてください。
禁断の島に入るわけですから、島の文化や自然へのリスペクトの気持ちを忘れず、決められたルールの中で楽しみましょう。
ニイハウ島を歌った曲
ニイハウ島はハワイアンミュージシャンにとっても、近くて遠い憧れの場所。ニイハウ島を讃えた名曲を4つご紹介します。※曲名/アーティスト
①Ni’ihau / Kai Davis
美しいニイハウ島とカヘレラニシェルレイを讃えた曲。
カヘレラニシェルレイとは、カヘレラニという小粒で希少なピンク色をしたニイハウシェルを使った最も高貴なレイのこと。
②Lei Ana Ni’ihau / Kuana Torres Kahele
ニイハウシェルレイの美しさと、レイを作る人たちを讃えた曲。
③Na ‘Ale O Ni’ihau / The Brother Cazimero
ニイハウシェルでも有名なニイハウ島の美しさを歌った曲。
④Ka Po’okela O Ni’ihau / Kuana Torres Kahele
ニイハウ島ののどかな情景とシェルの美しさを描写した曲。
まとめ
ニイハウシェルで有名なニイハウ島は、カウアイ島の南西に浮かぶ「禁断の島」。島全体が私有地のため、一般人は自由に立ち入ることはできません。
そのため、今でも電気や水道、ガスも通らず、古いハワイ語を使い、太古のハワイそのままの暮らしを続けています。
一般の方が簡単に訪れられない分、手つかずの自然や文化が色濃く残り、ハワイの人たちにとっても謎につつまれた魅惑の島。そこでは、あなたの知らないハワイに出逢えるかもしれません。
▶ハワイの島 連載一覧はこちらから
ハワイから”影”が消える日がある!?気になる方はこちら▼
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