「ビッグアイランド」と呼ばれるハワイ島の魅力 ~女神ペレが住む火山の島~

ハワイ島は、ハワイ諸島最大の面積を誇り「ビッグアイランド」の愛称で親しまれる島。激しい火山活動により、今もなお成長し続けているのだそう。

ハワイ島といえば、なんといっても「キラウエア火山」が有名ですが、冬には雪が積もるマウナケア山、緑豊かな渓谷、黒砂ビーチなど、まさに大自然の宝庫。

一方で、ノスタルジックな街並みや、王家ゆかりの地、古代のヘイアウ(祭壇)など歴史のロマンを感じる史跡も数多く残っています。今回は、そんな魅力いっぱいのハワイ島についてお届けします。

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ハワイ島はどんな島?

ハワイ島はどんな島?

ハワイ島はハワイ諸島の中で最も大きく、新しい島。面積は約10,432k㎡とハワイの他の島を全部合わせた面積の約2倍。別名「ビッグアイランド」と呼ばれています。

中央にはハワイで最も高いマウナケア山(標高4,202m)がそびえ、島の東側と西側では気候がまるで異なります。東側のヒロ周辺は降水量が多く、西側のコナではほとんど雨は降りません。

島の人口は20万6315人(2022年現在)。活発な噴火活動を続けるキラウエア火山を有し、地球のエネルギーを肌で感じることのできる世界でも貴重な場所です。
郡庁所在地はヒロ、【島の花】はオヒアレフア、【島の色】は赤です。

※ハワイの島の花について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください▼

「島の花」「島の色」を知れば、ハワイがもっと好きになる!?

ハワイ島の7つのエリア

ハワイ島の7つのエリア

カイルア・コナ&コナ・コースト(黄色)

西海岸のカイルア・コナは、ハワイ島観光の中心地。かつてハワイ王朝の首都が置かれ、カメハメハ大王が晩年を過ごした地でもあります。

海岸沿いに続く通り「アリイ・ドライブ」には、かわいいお店やカフェが軒を連ね、ゆっくり散策するのにピッタリ。周辺にはフリヘエ宮殿、モクアイカウア教会、アフエナ・ヘイアウなどの史跡もあります。

コナ・コーストにある海洋保護区域「ケアラケクア湾」は、絶好のシュノーケリング&ダイビングスポット。運が良ければハシナガイルカに会えるかもしれません。

さらに南へ進むと「プウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園」があります。
ここは古代ハワイでカプ(タブー)を破った罪人のかけこみ寺だった場所。ハワイで最も神聖な史跡です。

ちなみにハワイ語で「コナ=風下」「カイルア=2つの海」の意味を持ち、オアフ島にあるカイルアに対し、ハワイ島の風下にあるカイルアのことを「カイルア・コナ」と呼んでいます。コナは、ハワイ土産の定番「コナコーヒー」の産地です。

ヒロ(ピンク)

東海岸にあるヒロは、ハワイ州でホノルルに次ぐ第2の都市。ハワイ島の政治・産業の中心地です。ダウンタウンには築100年以上の歴史ある建物が多く、カフェやギャラリーとして利用されているものも。

ノスタルジックな雰囲気漂うヒロの町は、世界最大のフラの祭典「メリーモナーク・フェスティバル」が開催されることでも知られています。

またヒロのファーマーズマーケットは観光目玉のひとつ。新鮮な地元のフルーツや野菜が並ぶ市場で、ロコに紛れてお買い物を楽しんでみては?

コハラ・コースト(緑)

コハラ・コーストは、ハワイ島北西海岸沿いにある世界有数の高級リゾートエリア。美しいビーチ、ラグジュアリーなホテルやスパ、レストラン、ゴルフコースなどが揃います。

豪華なリゾート地から一歩外へ出ると、辺りは赤茶けてゴツゴツとした溶岩台地が広がり、楽園のようなリゾートエリアとのギャップに驚くでしょう。

ノース・コハラ(水色)

島の北西部、半島のように突き出た部分はノース・コハラと呼ばれ、緑が豊かな田園地帯が広がるエリア。海岸沿いを走るアコニ・プレ・ハイウェイの終点、ポロル渓谷展望台からは大自然の絶景が見渡せます。

ノース・コハラ周辺には、カメハメハ大王の生誕地やパニオロ(ハワイのカウボーイ)発祥の地「ワイメア」、ハワイ最大規模の「プウコホラ・ヘイアウ(祭壇)」など歴史的に重要な場所が数多くあります。

ハマクア・コースト(青)

北東部のハマクア・コーストは、年間降水量が約2100mmと大変多く、緑豊かな熱帯雨林や滝など、雄大な自然の宝庫。「王の谷」と呼ばれるワイピオ渓谷や、神話やフラソングに登場する「アカカ滝」も迫力満点です。

またかつてサトウキビ産業で栄えたローカルタウン「ホノム」や「ホノカア」を散策するのもおすすめ。

プナ(赤)

プナとは、島の南東部キラウエア火山の麓から海岸までの地域。火山活動による大地のエネルギーを感じる、ちょっとディープなエリアです。溶岩に飲み込まれた町、黒砂のビーチ、溶岩樹、温泉などプナならではの体験ができるでしょう。

最東端のクムカヒ岬はハワイで最初に日が昇る場所、パワースポットとしても話題を呼んでいます。

カウ(オレンジ)

ハワイ島南端にあるカウは、人里離れた静かなエリア。地球上で最も活発な火山、キラウエア火山を含む「ハワイ火山国立公園」も、カウにあります。

アメリカ最南端のカ・ラエ岬(サウス・ポイント)からは、果てしなく続く太平洋が一望できます。またウミガメに会える「プナルウビーチ」も人気のスポットです。

この地域で栽培される「カウ・コーヒー」は、オバマ大統領の推薦によりホワイトハウスの晩餐会で提供されたことで話題になりました。

ハワイ島の見どころ

ハワイ島は、その広い大地に驚くほどダイナミックな自然があふれています。主なおすすめスポットをご紹介します。

キラウエア火山

キラウエア火山

世界で最も活発な「キラウエア火山」。ハワイ神話に出てくる「火の女神ペレ」が住むとされる、ハレマウマウ火口がある山です。

「ハワイ火山国立公園」はキラウエアとマウナロアの2つの活火山を有する人気観光地で、1987年に世界遺産に登録されました。大地の壮大なエネルギーを直に感じることができる世界でも貴重な場所です。

様々なハイキングコースがあり、ハレマウマウ火口の噴煙や真っ赤に光る溶岩が観察できるほか、砂漠やペトログリフ(岩に描かれた古代の絵)を見ることができます。

プナルウビーチ

プナルウビーチ

カウ沿岸南東部にある「プナルウビーチ」は、ハワイ島で最も有名な黒砂ビーチのひとつ。ビーチを覆う黒砂は、海に流れ込んだ溶岩流が波に砕かれてできたもの。海水浴には向きませんが、ピクニックやトイレ設備が整っています。

またプナルウビーチは、ウミガメが見られる場所としても有名。ウミガメはハワイ語で「ホヌ」と呼ばれ「海の守り神」として大切にされています。

ワイピオ渓谷

ワイピオ渓谷

ワイピオ渓谷は「王の谷」と呼ばれ、カメハメハ大王が幼少期を過ごした場所。ハワイ島の東北部に位置し、かつては政治宗教の拠点だったそうです。

ワイピオの展望台からは、先住民がタロイモを栽培しながら暮らしていた集落や、ダイナミックな断崖絶壁の海岸線が見渡せます。

※展望台には入れますが、ワイピオ渓谷内へ入る道は現在閉鎖されています。

マウナケア山

マウナケア山

ハワイで最も高いマウナケア山(標高4,205m)。ハワイ語で「マウナケア=白い山」という意味で、その名通り冬になると山頂は雪で覆われます。

ハワイ神話では、地の女神「パパハーナウモク」と創造と天空の神「ワーケア」の第一子とされ、地と天が結びつく場という意味を持つ山。頂上から見る満天の星やサンセットは圧巻の美しさです!

マウナケア山頂は天候が安定し、空気が澄んでいることから、世界で最も天体観測に適した場所といわれています。現在、世界11カ国の研究機関が合計13基の天文台を設置。日本の「すばる望遠鏡」もその1つです。

レインボーフォールズ

レインボーフォールズ

ヒロのダウンタウンにほど近いワイルク・リバー州立公園内にある「レインボーフォールズ」。その名が表すように「滝にかかる虹」を一目見ようと多くの観光客が訪れます。

ちなみに、ハワイ神話では、この滝の洞窟に半神マウイの母で月の女神「ヒナ」が住んでいたのだとか。
「レインボーフォールズ」の神話の詳細はこちらをご覧ください。

フラダンサー憧れの舞台「エディス・カナカオレ・スタジアム」

世界のトップダンサーや有名ミュージシャンが一堂に会するビッグイベントということもあり、フェスティバル開催中は、ヒロ周辺のホテルは予約でいっぱい!町は大変な賑わいを見せます。

会場となる「エディス・カナカオレ・テニス・スタジアム」の名前にある「エディス・カナカオレ」とは、ハワイの偉大なクムフラ(フラの指導者)「アンティ・エディス」のこと。

フラの定番曲『カ・ウルヴェヒ・オケカイ』の作曲家でもあり、2023年には25セント記念硬貨のデザインになったことでも話題になりました。

ハワイ島を歌った曲

※曲名/アーティスト

①He Lei Aloha (No Hilo) (へ・レイ・アロハ)/Kalani Peʻa

ハワイ島ヒロにいる大切な人への愛、何があっても変わらない気持ちを歌った曲。

②Kona Kai 'O*pua(コナ・カイ・オプア)/Weldon Kekauoha

誇り高いコナが1番!雲と海が一体になったような穏やかな海の風景を歌った曲

③Ku'u Poli'ahu(クウ・ポリアフ)/Kalani Peʻa

荘厳なマウナケア山の雪の女神ポリアフを讃え、彼女(山)を大切にしようと歌っている。

④Manu ʻŌ'ō(マヌ・オーオー)/Na Leo Pilimehana

羽根がレイに使われるオーオー鳥とレフアの花を、恋人同士に例えたロマンチックな歌

⑤Hilo Hula(ヒロ・フラ)/Na Leo Pilimehana

カニレフアと呼ばれる雨、素敵な景色、レフアの花などヒロの町を歌った曲

ハワイ島まとめ

別名「ビッグアイランド」と呼ばれるハワイ島は、ハワイ諸島で最も大きく、新しい島。
火の女神ペレが住むといわれる「キラウエア火山」や天体観測で有名な「マウナケア山」などダイナミックな自然があふれています。

またカメハメハ大王ゆかりの地であり、フラの最高峰「メリーモナーク・フェスティバル」が開催される場所として、世界のフラダンサーの憧れの聖地。
今回は、様々な顔を持つ「ハワイ島」の魅力についてお届けしました。

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