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2024年が遂にスタートしましたね。突然ですが、ハワイには「ドラゴン」と呼ばれる伝説のトカゲがいるのをご存じですか?
神話にも登場する大トカゲはハワイ語で「モオ」といいます。モオは、水辺に住み、時には人々に脅威を与え、時には幸運をもたらす存在という点でも、日本の「龍」によく似ています。
今年の干支「辰」にちなんで、ハワイのドラゴン「モオ」についてお届けします。
ハワイの伝説の大トカゲ「モオ」って?どんな特徴があり、ハワイの人々にとってはどのような存在なのでしょうか。
モオはハワイ語で「トカゲ」の意味。ハワイ神話にたびたび出てくる巨大な大トカゲのこと。ハワイに暮らす人々にとっては、幼い頃から馴染みのある身近な存在です。
神話に登場するモオは全長10mを超える巨体で、川や泉、滝壺や養殖場などの淡水に住んでいます。人々を襲う恐ろしい化け物として描かれることが多い一方、ドラゴンやヘビ、水の精霊、豊穣を司る女神など様々なモオが登場します。
ハワイでよく見かける「ゲッコー」と呼ばれる小さなトカゲ(ヤモリ)は、モオの化身といわれています。
ハワイのことわざに「トカゲの邪魔をすれば、崖から落ちる」というものがあります。そのためハワイでは、ゲッコーが部屋の中に入ってきても、怖がったり追い払ったりする人はいません。そっとしておくのがハワイ流。
ゲッコーは人やペットに危害を与えず、害虫を食べてくれるありがたい存在。日本で「ヤモリ」が家の守り神といわれているのとよく似ていますね。
ハワイ各地には恐ろしい大トカゲの伝説とともに、その土地を繫栄に導く守り神としてのモオが描かれており、ハワイの人々に親しまれ大切にされてきたことがわかります。
ハワイでは古くから「モオに会えると願いが叶う」という言い伝えがあります。実際に「ゲッコーを見た後、ラッキーなできごとがあった!」という会話を耳にすることも。現在、大トカゲはいませんが、ゲッコーならワイキキの街や公園にもたくさん生息しています。ハワイ旅行の際、時間が許せば探してみるのもいいですね。もしゲッコーに出会えたら「願い事」をするのをお忘れなく!
巨大トカゲ「モオ」が登場する有名な神話のエピソードを2つご紹介します。
ヒイアカは、姉である火の女神ペレの命により、カウアイ島にいるペレの恋人ロヒアウを迎えに行きます。この旅の中でも多くのモオが登場します。
ハワイ島を出発し、ヒロの近くで「パナエヴァ」というモオに襲われたヒイアカ。稲妻の力で応戦するも、おびただしい数のモオの援軍が現れ苦戦を強いられます。
間一髪で、兄である鮫の神カモホアリイが助けに入ります。ワイルク川から飛び出したサメの大群が、モオの群れを全滅させ、ヒイアカたちはパナエヴァに勝利。
その後も、ヒイアカ一行は、行く先々で何度もモオに襲われます。そのたびに稲妻の力や魔法のスカートを使って次々とモオを退治しながら進むヒイアカ。おかげで、村の人々が安心して暮らせるようになったそうです。
半神マウイの母で月の女神「ヒナ」は、ハワイ島のワイルク川にあるレインボーフォールの洞窟に住んでいました。洞窟の上流に住むモオ「クナ」は、下流に住むヒナによく嫌がらせをしていました。
ある日、クナは大きな岩を川に投げ込み、ヒナの住む洞窟を水没させようとしました。母親の悲鳴を聞きつけたマウイは、マウイ島からハワイ島までカヌーをたった2漕ぎで駆けつけます。すぐさまマウイは投げ込まれた岩を砕き、ヒナを救出。
怒り狂ったマウイはクナを追い詰め、クナは隠れ家に逃げ込みます。するとマウイは隠れ家の中に煮えたぎる溶岩を流し込みました。たちまち水は沸騰し、クナは死んでしまいました。
この場所は「ボイリング・ポット」と呼ばれ、今もブクブクと水が沸き立っているように見えます。
ハワイ各地を巡ると、モオにまつわるスポットがたくさんあることに驚きます。中でも有名な3つのスポットをご紹介します。
オアフ島のコオラウ山脈を背に広がるクアロア牧場。その前の沖に浮かぶ小さな無人島は、中国人移民がかぶっていた帽子の形に似ていることから「チャイナマンズ・ハット」と呼ばれています。
神話では、ペレの妹ヒイアカが、旅の途中この地でモオを退治した際、沖合に投げ捨てた尻尾が島になり、胴体はコオラウ山脈になったのだとか。
チャイナマンズ・ハットは別名「モコリイ島」。ハワイ語で「モコリイ=小さなトカゲ」「クアロア=長い背中」の意味があり、チャイナマンズ・ハットはかつてコオラウ山脈の一部だったといわれています。
オアフ島ノースショアにあるサーファーの聖地「ハレイヴァ」。ビーチのイメージが強い町ですが、実は古くから肥沃な農耕地と、2つの養魚場を持つ豊かな土地として繁栄していました。
この養魚場には、ラニワヒネという高位の半神(モオ)が住んでおり、ハレイヴァに平和と豊穣をもたらしてきたのだとか。
ラニワヒネは、カメハメハ5世にまつわるチャント(詠唱)にも登場する高貴な女神モオだとされています。
ハナウマ湾一帯の守り神だった半神(モオ)には、美しく心やさしい娘がいました。娘は2人の酋長に同時に求婚されていたため、ウマ(ハワイの腕相撲)の試合の勝者と結婚することにしました。
しかし、なかなか勝負がつきません。必死に戦い続ける2人を見ていたモオの娘は心を痛め、2人が平等に自分を眺めることができるよう、自分を「丘」に変えてほしいと神様にお願いします。
神様が娘の願いを叶え、娘を「丘」に変えてやると、父親は悲しみのあまり、自らも「丘」へと姿を変えてしまいました。
ハナウマ湾の背後にそびえる小高い丘は、娘と父親の大トカゲ「モオ」の姿だといわれています。
幸せを運ぶ守り神とされるゲッコー、この小さなヤモリを「モオ」と呼ぶ人もいます。ゲッコーは縁起のいい生き物として、ハワイアンジュエリーのモチーフや、KONAビールのロゴマークに用いられるなど、ハワイの人々に長く愛されてきました。
またゲッコー(モオ)はハワイの家系に代々伝わる「アウマクア」の1つ。アウマクアとは守護霊のような存在、子孫に困難があると、動物や人の姿で現れ救ってくれると信じられています。
ゲッコーの他にもホヌ(ウミガメ)、プエオ(フクロウ)、マノ(サメ)など一族それぞれにアウマクアが決まっています。
古代より、幸せを運ぶとされるトカゲ「モオ」。神話の中では、恐ろしい大トカゲやドラゴンとして登場しますが、一方で平和と豊穣をもたらす美しい女神として描かれることもあります。
ハワイでは、ゲッコーと呼ばれる小さなヤモリは「モオの化身」として、また「アウマクア(守護霊)の1つ」として大切にされています。
今回は辰年にちなんで、ハワイの幸運のシンボル、ドラゴンと呼ばれる大トカゲ「モオ」についてご紹介しました。
2024年が遂にスタートしましたね。
突然ですが、ハワイには「ドラゴン」と呼ばれる伝説のトカゲがいるのをご存じですか?
神話にも登場する大トカゲはハワイ語で「モオ」といいます。モオは、水辺に住み、時には人々に脅威を与え、時には幸運をもたらす存在という点でも、日本の「龍」によく似ています。
今年の干支「辰」にちなんで、ハワイのドラゴン「モオ」についてお届けします。
目次
モオについて
ハワイの伝説の大トカゲ「モオ」って?
どんな特徴があり、ハワイの人々にとってはどのような存在なのでしょうか。
モオとは
モオはハワイ語で「トカゲ」の意味。ハワイ神話にたびたび出てくる巨大な大トカゲのこと。ハワイに暮らす人々にとっては、幼い頃から馴染みのある身近な存在です。
神話に登場するモオは全長10mを超える巨体で、川や泉、滝壺や養殖場などの淡水に住んでいます。人々を襲う恐ろしい化け物として描かれることが多い一方、ドラゴンやヘビ、水の精霊、豊穣を司る女神など様々なモオが登場します。
ハワイでよく見かける「ゲッコー」と呼ばれる小さなトカゲ(ヤモリ)は、モオの化身といわれています。
ハワイの人々にとってモオとは
ハワイのことわざに「トカゲの邪魔をすれば、崖から落ちる」というものがあります。
そのためハワイでは、ゲッコーが部屋の中に入ってきても、怖がったり追い払ったりする人はいません。そっとしておくのがハワイ流。
ゲッコーは人やペットに危害を与えず、害虫を食べてくれるありがたい存在。日本で「ヤモリ」が家の守り神といわれているのとよく似ていますね。
ハワイ各地には恐ろしい大トカゲの伝説とともに、その土地を繫栄に導く守り神としてのモオが描かれており、ハワイの人々に親しまれ大切にされてきたことがわかります。
ハワイでは古くから「モオに会えると願いが叶う」という言い伝えがあります。実際に「ゲッコーを見た後、ラッキーなできごとがあった!」という会話を耳にすることも。
現在、大トカゲはいませんが、ゲッコーならワイキキの街や公園にもたくさん生息しています。ハワイ旅行の際、時間が許せば探してみるのもいいですね。
もしゲッコーに出会えたら「願い事」をするのをお忘れなく!
モオの神話
巨大トカゲ「モオ」が登場する有名な神話のエピソードを2つご紹介します。
ヒイアカとの戦い
ヒイアカは、姉である火の女神ペレの命により、カウアイ島にいるペレの恋人ロヒアウを迎えに行きます。この旅の中でも多くのモオが登場します。
ハワイ島を出発し、ヒロの近くで「パナエヴァ」というモオに襲われたヒイアカ。稲妻の力で応戦するも、おびただしい数のモオの援軍が現れ苦戦を強いられます。
間一髪で、兄である鮫の神カモホアリイが助けに入ります。ワイルク川から飛び出したサメの大群が、モオの群れを全滅させ、ヒイアカたちはパナエヴァに勝利。
その後も、ヒイアカ一行は、行く先々で何度もモオに襲われます。そのたびに稲妻の力や魔法のスカートを使って次々とモオを退治しながら進むヒイアカ。おかげで、村の人々が安心して暮らせるようになったそうです。
マウイとの戦い
半神マウイの母で月の女神「ヒナ」は、ハワイ島のワイルク川にあるレインボーフォールの洞窟に住んでいました。洞窟の上流に住むモオ「クナ」は、下流に住むヒナによく嫌がらせをしていました。
ある日、クナは大きな岩を川に投げ込み、ヒナの住む洞窟を水没させようとしました。母親の悲鳴を聞きつけたマウイは、マウイ島からハワイ島までカヌーをたった2漕ぎで駆けつけます。すぐさまマウイは投げ込まれた岩を砕き、ヒナを救出。
怒り狂ったマウイはクナを追い詰め、クナは隠れ家に逃げ込みます。するとマウイは隠れ家の中に煮えたぎる溶岩を流し込みました。たちまち水は沸騰し、クナは死んでしまいました。
この場所は「ボイリング・ポット」と呼ばれ、今もブクブクと水が沸き立っているように見えます。
モオが由来の土地
ハワイ各地を巡ると、モオにまつわるスポットがたくさんあることに驚きます。中でも有名な3つのスポットをご紹介します。
チャイナマンズ・ハットとコオラウ山脈
オアフ島のコオラウ山脈を背に広がるクアロア牧場。その前の沖に浮かぶ小さな無人島は、中国人移民がかぶっていた帽子の形に似ていることから「チャイナマンズ・ハット」と呼ばれています。
神話では、ペレの妹ヒイアカが、旅の途中この地でモオを退治した際、沖合に投げ捨てた尻尾が島になり、胴体はコオラウ山脈になったのだとか。
チャイナマンズ・ハットは別名「モコリイ島」。ハワイ語で「モコリイ=小さなトカゲ」「クアロア=長い背中」の意味があり、チャイナマンズ・ハットはかつてコオラウ山脈の一部だったといわれています。
ハレイヴァ
オアフ島ノースショアにあるサーファーの聖地「ハレイヴァ」。ビーチのイメージが強い町ですが、実は古くから肥沃な農耕地と、2つの養魚場を持つ豊かな土地として繁栄していました。
この養魚場には、ラニワヒネという高位の半神(モオ)が住んでおり、ハレイヴァに平和と豊穣をもたらしてきたのだとか。
ラニワヒネは、カメハメハ5世にまつわるチャント(詠唱)にも登場する高貴な女神モオだとされています。
ハナウマ湾の丘
ハナウマ湾一帯の守り神だった半神(モオ)には、美しく心やさしい娘がいました。娘は2人の酋長に同時に求婚されていたため、ウマ(ハワイの腕相撲)の試合の勝者と結婚することにしました。
しかし、なかなか勝負がつきません。必死に戦い続ける2人を見ていたモオの娘は心を痛め、2人が平等に自分を眺めることができるよう、自分を「丘」に変えてほしいと神様にお願いします。
神様が娘の願いを叶え、娘を「丘」に変えてやると、父親は悲しみのあまり、自らも「丘」へと姿を変えてしまいました。
ハナウマ湾の背後にそびえる小高い丘は、娘と父親の大トカゲ「モオ」の姿だといわれています。
幸せを運ぶ守り神ゲッコー
幸せを運ぶ守り神とされるゲッコー、この小さなヤモリを「モオ」と呼ぶ人もいます。
ゲッコーは縁起のいい生き物として、ハワイアンジュエリーのモチーフや、KONAビールのロゴマークに用いられるなど、ハワイの人々に長く愛されてきました。
またゲッコー(モオ)はハワイの家系に代々伝わる「アウマクア」の1つ。アウマクアとは守護霊のような存在、子孫に困難があると、動物や人の姿で現れ救ってくれると信じられています。
ゲッコーの他にもホヌ(ウミガメ)、プエオ(フクロウ)、マノ(サメ)など一族それぞれにアウマクアが決まっています。
ハワイのドラゴン「モオ」まとめ
古代より、幸せを運ぶとされるトカゲ「モオ」。
神話の中では、恐ろしい大トカゲやドラゴンとして登場しますが、一方で平和と豊穣をもたらす美しい女神として描かれることもあります。
ハワイでは、ゲッコーと呼ばれる小さなヤモリは「モオの化身」として、また「アウマクア(守護霊)の1つ」として大切にされています。
今回は辰年にちなんで、ハワイの幸運のシンボル、ドラゴンと呼ばれる大トカゲ「モオ」についてご紹介しました。