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「あかりをつけましょ ぼんぼりに おはなをあげましょ もものはな ごにんばやしの ふえたいこ きょうはたのしい ひなまつり〜♪」
これは童謡『うれしいひなまつり』の歌い出しです。誰もが1度は聴いたことがありますよね。しかし、この歌に出てくる「ぼんぼり」「ごにんばやし」などは一体何なのでしょうか?
このコラムでは知っているようで意外と知らないことの多いお雛様について解説します!
そもそもお雛様の起源は平安時代。疫病を払うためや災厄の身代りを願うための信仰的意味合いを持ったものとして作られました。その後、室町時代〜江戸時代初期は男女2人の豪華な人形を飾り、江戸時代中期からは段飾りが登場し男女15人のさらに豪華なお雛様になりました。明治以降からひな祭りは人々の間で広く普及し現在に至っています。
雛祭りという行事が行われる「桃の節句」ついて解説した記事もございます。もともとは邪気が入ってきやすいこの時期に厄払いをする目的がありました。厄除けの力が強い桃の花の名を冠した「桃の節句」がどういったものか、改めて知ってみると興味深いですよ。
お雛様の飾り方にはいろいろな種類があります。
「七段飾り」はお雛様の中でも1番大きく、人形が15人揃った段飾り。「三段飾り」は親王(男雛・女雛)に三人官女を加えた段飾り。五人飾りとも呼ばれています。「親王飾り」は最上段の男女一対(男雛・女雛)のみ。「収納飾り」は人形、屏風、お道具など一式を飾り台に収納でき、保管が簡単です。「ケース飾り」は飾り付けと収納が簡単で、ケースに人形が取り付けられている物が多いようです。
実は作りそのものにも違いがあり、「衣裳着人形」と「木目込人形」が代表的です。
「衣裳着人形」とは、着物を人形の胴体に着せ付けるタイプのお雛様。何枚も布地を重ねて繊細に作れることから、豪華な雰囲気に。
「木目込人形」とは桐塑(とうそ:粘土の一種)を固めた胴体に筋目を入れ、その筋目に布地を入れ込む技法で作られたお雛様。丸みのあるフォルムで、衣裳着人形よりコンパクトな仕上がりになります。
雛人形にはそれぞれの役割があり、持ち物も違います。最上段で1番目立つ男雛・女雛から縁の下の力持ちまでを、今回は「七段飾り」を例にご紹介します。
最上段の男雛は宮廷の君主(くんしゅ:現代の天皇)、女雛は后妃(きさき:現代の皇后)です。
童謡『うれしいひなまつり』2番の歌い出し「おだいりさまと おひなさま〜♪」は最上段の男雛・女雛を指していると思われている方が多いと思いますが、実は「内裏(だいり)」とは男雛が住む宮殿を表す言葉なので男雛を「お内裏様」と呼ぶことは間違いなのです。正しい呼び方は「男雛・女雛」または「お殿様・お雛様」ですが、どうして「おだいりさまと おひなさま〜♪」という歌詞になったのか… それはこの歌の作詞家のみぞ知るといったところでしょうか。
段飾りの最上段の正面から見て左に男雛、右に女雛を配置します。男雛には手に笏(しゃく:細長い薄い板)を、左脇に太刀(たち)差します。冠は真っすぐ立てるようにかぶせてあげましょう。冠についている紐は二つの輪を作り左右のかんざしにかけ、最後に紐を男雛のあごの辺りで結ぶと固定できます。
女雛には檜扇(ひおうぎ:木製の扇)を広げて手に持たせます。持たせにくい場合は、女雛の腕を少し動かして胴体に近い場所で持たせると安定します。
三人官女は宮廷行事の給仕など君主や后妃の身の回りの世話をする役割です。雛人形のタイプにより三人官女の姿が異なる場合があります。 姿が違う場合、姿がひとつだけ違うものを真ん中に、他2体を外側の足が前に出るよう左右に配置。
正面から見て右の官女には長柄(ながえ:盃に酒を注ぐ長い柄のある道具)を、真ん中の官女は三方(さんぽう:祝儀に使う置物)を、正面から見て左の官女は提子(ひさげ:急須のような形の金属性の器)をそれぞれ持たせてあげましょう。
雛人形は天皇と皇后の結婚式を模したお飾りなので、三人官女がこのような道具を持っていたということは結婚式でお酒を注ぐ役割だったと考えられています。
五人囃子(ごにんばやし)は元服前(げんぷくまえ:現代の成人前のこと)の美少年や秀才が、楽器や謡(うた)を披露する役割です。五人囃子は、正面から見て左から以下の通りに並べます。
随身(ずいじん)は君主や后妃を守る警護係という役割です。正面から見て右に黒の装束を着た年配で位(くらい)の高い「左大臣」を、正面から見て左に「右大臣」を置きます。それぞれの随身の左右外側に、掛盤膳(かけばんぜん:高級なお膳)を置き、中央に菱餅(ひしもち)をふたつ置きましょう。
仕丁(しちょう・してい)はお雛様の中で唯一の庶民出身の雑用係です。仕丁は一般的に3人で、それぞれが泣き・笑い・怒りの表情をしており宮廷に仕えている庶民のさまざまな事情や心情が表現されています。また、このような表情豊かな仕丁を雛人形に取り入れた背景には『表情豊かな子に育ちますように』という願いが込められているという説もあります。3体のうち2体の袖に色があり、色の付いた袖が外側になるように置きましょう。
正面から見て左から「熊手・台傘」「ちりとり・沓台」「箒・立傘」の道具を持たせます。正面から見て1番左に右近の橘(うこんのたちばな)、一番右に左近の桜(さこんのさくら)を。右近、左近とは君主や后妃から見て右・左という意味になります。
姫の嫁入り道具として家紋の入った品を置きます。正面から見て左から以下の通りに並べましょう。
御輿入れ道具(おこしいれどうぐ)とは、姫や嫁入りの品を運ぶための道具です。正面から見て左から以下のように並べましょう。
近年は狭いスペースでも無理なく飾れるコンパクトなお雛様が人気を集めています。コンパクトな親王飾りや三段飾りでも飾り方や配置は変わりません。前述の配置と同じように飾りましょう。
関西と関東では男雛と女雛の置き方が逆になることが多く、昔の日本では「左方上位:左側が位が高い」とされてきました。皇室では明治時代後期から西洋のルールに沿い天皇陛下は皇后陛下の右側に立つようになりました。
このような背景から関西は昔のルール、関東は近代のルールに合わせて雛人形を並べており、どちらも間違いではありません。地域の並べ方に合わせて飾ってみるとよいですよ。
江戸雛の顔は、はっきりとした目鼻立ちをしていて現代の一般的なお雛様のような顔になっています。京雛の顔は、目は切れ長で細く、おっとりとした顔をしていて京顔(きょうがん)と言われています。
お雛様の周囲に置かれているアイテムにもさまざまな意味や願いが込められています。ひとつずつご紹介しますね。
雛飾りのしきたりでは正面から見て右に桜、左に橘を飾ります。紅梅白梅の場合も。この造花の素材は絹・化学繊維・紙などが使われていて、花には型抜きの花・手切りの花とさまざまな種類があります。絹製の手切りで手染めのお花は最高級。繊細で美しく心奪われるものがありますよ。
菱餅(ひしもち)はお雛様へのお供え物です。本来、お雛様は女の子の厄災を身代わりとして引き受けてもらうために飾るもの。お雛様に対する感謝の気持ちの表れが菱餅を飾ることにつながったと言われています。菱餅のひし形は古来から子孫繁栄・無病息災の意味があるとされ、さまざまな所に使用されています。
家紋・着物の柄・畳縁(たたみべり)などが多く、近年は指輪の模様にも。
金屏風(きんびょうぶ)に使われる素材には木・布・プラスチック・紙などがあります。漆塗りに純金の蒔絵(まきえ)が施された職人手仕事の屏風、刺繍が施された屏風、金箔が貼ってある屏風、金色の紙が貼ってある屏風、印刷の絵が貼ってある屏風と種類はさまざま。親王飾りや三段飾りは金屏風と台がセットになっているものが多いようです。
お雛様を飾るときひな壇に緋毛氈(ひもうせん)を敷いてから行います。雛人形に緋毛氈が使われた理由として、緋色(ひいろ:赤色)には生命力の意味があり魔除けの効果を期待したためという説があります。素材は純毛(ウール100%)や純毛と他の素材を混ぜたものがあり、伝統的な高級敷物として古くから使われてきました。現代の伝統行事でも広く使われています。
雛人形の段飾りは三段・五段・七段の3種類が多く、飾る人形の数は5人・7人・15人といずれも奇数で飾る場合が多いです。この数字には古代中国で生まれた陰陽道(おんみょうどう)が関係していて、奇数を「陽の数」、偶数を「陰の数」と呼び奇数は縁起が良いと考えられていました。
雛人形の段飾りや人形の数はこの考えを元に奇数になっています。
最近のお雛様は簡略化され、置きやすいものも増えてきました。 とはいえ飾るときは少し身構えてしまいますよね。ここでは飾り方のポイントをおさらいしていきます。直射日光・湿気の多い場所、極度に乾燥する場所に注意をすればどこに飾ってもよいと言われています。大切なことは、お雛様が一番素敵に見える場所に飾ること。お雛様は『お子様が健康で無事に育ち幸せになれますように』と願いを込めて飾りましょう。
飾りつけのときは上段の奥から人形や道具を並べていきましょう。飾る時に誤って人形や道具を落としても、下段にある飾りを傷つけてしまう心配が少なくなりますよ。
人形専用の防虫剤・購入時についていた袋(なければ不織布)・収納ケースを準備しましょう。お雛様をしまう日は湿気を一緒に閉じ込めないよう晴れた日(乾燥した日)を選ぶのがおすすめです。人形の汚れを羽箒などで優しく落とし人形の顔を保護して袋に入れたら収納ケースに入れます。
人形専用の防虫剤は人形に触れないよう袋の外に入れましょう。
さまざまな役割を持つ人形が並ぶ雛人形。大人数で子どもの門出を祝う姿は伝統的でありつつも、たいへん華やかです。おおきな飾りであればあるほど楽しい気持ちになりますが、お部屋に飾るのは用意や収納も簡単にはいかないもの。
しかし、今はいろいろな種類の雛人形を選べるよい時代。現代ナイズされたお雛様がそこかしこで見かけられます。もちろん岩座(いわくら)でも雛人形の華やかさや伝統はそのままに、おしゃれで現代の生活になじむ雛人形を販売しています。
岩座ショップリストは こちら
目にも新しい雛人形を現代風に楽しんでもよいかもしれませんね。ぜひ皆さまの暮らしに沿ったありかたで、ひな祭りを楽しんでみてください。
「あかりをつけましょ ぼんぼりに おはなをあげましょ もものはな ごにんばやしの ふえたいこ きょうはたのしい ひなまつり〜♪」
これは童謡『うれしいひなまつり』の歌い出しです。誰もが1度は聴いたことがありますよね。
しかし、この歌に出てくる「ぼんぼり」「ごにんばやし」などは一体何なのでしょうか?
このコラムでは知っているようで意外と知らないことの多いお雛様について解説します!
目次
おさらい!雛人形とは?
そもそもお雛様の起源は平安時代。疫病を払うためや災厄の身代りを願うための信仰的意味合いを持ったものとして作られました。
その後、室町時代〜江戸時代初期は男女2人の豪華な人形を飾り、江戸時代中期からは段飾りが登場し男女15人のさらに豪華なお雛様になりました。
明治以降からひな祭りは人々の間で広く普及し現在に至っています。
雛祭りという行事が行われる「桃の節句」ついて解説した記事もございます。
もともとは邪気が入ってきやすいこの時期に厄払いをする目的がありました。厄除けの力が強い桃の花の名を冠した「桃の節句」がどういったものか、改めて知ってみると興味深いですよ。
まずは知っておきたい!飾り方の種類
お雛様の飾り方にはいろいろな種類があります。
「七段飾り」はお雛様の中でも1番大きく、人形が15人揃った段飾り。
「三段飾り」は親王(男雛・女雛)に三人官女を加えた段飾り。五人飾りとも呼ばれています。
「親王飾り」は最上段の男女一対(男雛・女雛)のみ。
「収納飾り」は人形、屏風、お道具など一式を飾り台に収納でき、保管が簡単です。
「ケース飾り」は飾り付けと収納が簡単で、ケースに人形が取り付けられている物が多いようです。
じっくり見ると違う?お雛様のタイプ
実は作りそのものにも違いがあり、「衣裳着人形」と「木目込人形」が代表的です。
「衣裳着人形」とは、着物を人形の胴体に着せ付けるタイプのお雛様。何枚も布地を重ねて繊細に作れることから、豪華な雰囲気に。
「木目込人形」とは桐塑(とうそ:粘土の一種)
を固めた胴体に筋目を入れ、その筋目に布地を入れ込む技法で作られたお雛様。丸みのあるフォルムで、衣裳着人形よりコンパクトな仕上がりになります。
それぞれの役割と配置をご紹介
雛人形にはそれぞれの役割があり、持ち物も違います。
最上段で1番目立つ男雛・女雛から縁の下の力持ちまでを、今回は「七段飾り」を例にご紹介します。
各段の登場人物
一段目:男雛・女雛
最上段の男雛は宮廷の君主(くんしゅ:現代の天皇)、女雛は后妃(きさき:現代の皇后)です。
童謡『うれしいひなまつり』2番の歌い出し「おだいりさまと おひなさま〜♪」は最上段の男雛・女雛を指していると思われている方が多いと思いますが、実は「内裏(だいり)」とは男雛が住む宮殿を表す言葉なので男雛を「お内裏様」と呼ぶことは間違いなのです。
正しい呼び方は「男雛・女雛」または「お殿様・お雛様」ですが、どうして「おだいりさまと おひなさま〜♪」という歌詞になったのか…
それはこの歌の作詞家のみぞ知るといったところでしょうか。
段飾りの最上段の正面から見て左に男雛、右に女雛を配置します。
男雛には手に笏(しゃく:細長い薄い板)を、左脇に太刀(たち)差します。
冠は真っすぐ立てるようにかぶせてあげましょう。冠についている紐は二つの輪を作り左右のかんざしにかけ、最後に紐を男雛のあごの辺りで結ぶと固定できます。
女雛には檜扇(ひおうぎ:木製の扇)を広げて手に持たせます。
持たせにくい場合は、女雛の腕を少し動かして胴体に近い場所で持たせると安定します。
二段目:三人官女
三人官女は宮廷行事の給仕など君主や后妃の身の回りの世話をする役割です。
雛人形のタイプにより三人官女の姿が異なる場合があります。
姿が違う場合、姿がひとつだけ違うものを真ん中に、他2体を外側の足が前に出るよう左右に配置。
正面から見て右の官女には長柄(ながえ:盃に酒を注ぐ長い柄のある道具)を、真ん中の官女は三方(さんぽう:祝儀に使う置物)を、正面から見て左の官女は提子(ひさげ:急須のような形の金属性の器)をそれぞれ持たせてあげましょう。
雛人形は天皇と皇后の結婚式を模したお飾りなので、三人官女がこのような道具を持っていたということは結婚式でお酒を注ぐ役割だったと考えられています。
三段目:五人囃子
五人囃子(ごにんばやし)は元服前(げんぷくまえ:現代の成人前のこと)の美少年や秀才が、楽器や謡(うた)を披露する役割です。
五人囃子は、正面から見て左から以下の通りに並べます。
四段目:随身
随身(ずいじん)は君主や后妃を守る警護係という役割です。
正面から見て右に黒の装束を着た年配で位(くらい)の高い「左大臣」を、正面から見て左に「右大臣」を置きます。
それぞれの随身の左右外側に、掛盤膳(かけばんぜん:高級なお膳)を置き、中央に菱餅(ひしもち)をふたつ置きましょう。
五段目:仕丁
仕丁(しちょう・してい)はお雛様の中で唯一の庶民出身の雑用係です。
仕丁は一般的に3人で、それぞれが泣き・笑い・怒りの表情をしており宮廷に仕えている庶民のさまざまな事情や心情が表現されています。
また、このような表情豊かな仕丁を雛人形に取り入れた背景には『表情豊かな子に育ちますように』という願いが込められているという説もあります。
3体のうち2体の袖に色があり、色の付いた袖が外側になるように置きましょう。
正面から見て左から「熊手・台傘」「ちりとり・沓台」「箒・立傘」の道具を持たせます。
正面から見て1番左に右近の橘(うこんのたちばな)、一番右に左近の桜(さこんのさくら)を。右近、左近とは君主や后妃から見て右・左という意味になります。
六段目:嫁入り道具
姫の嫁入り道具として家紋の入った品を置きます。正面から見て左から以下の通りに並べましょう。
七段目:御輿入れ道具
御輿入れ道具(おこしいれどうぐ)とは、姫や嫁入りの品を運ぶための道具です。
正面から見て左から以下のように並べましょう。
三段飾り、一段飾りの場合の飾り方
近年は狭いスペースでも無理なく飾れるコンパクトなお雛様が人気を集めています。
コンパクトな親王飾りや三段飾りでも飾り方や配置は変わりません。前述の配置と同じように飾りましょう。
関西と関東で飾り方が違う?
関西と関東では男雛と女雛の置き方が逆になることが多く、昔の日本では「左方上位:左側が位が高い」とされてきました。皇室では明治時代後期から西洋のルールに沿い天皇陛下は皇后陛下の右側に立つようになりました。
このような背景から関西は昔のルール、関東は近代のルールに合わせて雛人形を並べており、どちらも間違いではありません。地域の並べ方に合わせて飾ってみるとよいですよ。
江戸雛と京雛は顔が違う?
江戸雛の顔は、はっきりとした目鼻立ちをしていて現代の一般的なお雛様のような顔になっています。
京雛の顔は、目は切れ長で細く、おっとりとした顔をしていて京顔(きょうがん)と言われています。
飾りも大切な雛人形の一部
お雛様の周囲に置かれているアイテムにもさまざまな意味や願いが込められています。
ひとつずつご紹介しますね。
周囲のアイテムを紹介
桜と橘
雛飾りのしきたりでは正面から見て右に桜、左に橘を飾ります。紅梅白梅の場合も。この造花の素材は絹・化学繊維・紙などが使われていて、花には型抜きの花・手切りの花とさまざまな種類があります。絹製の手切りで手染めのお花は最高級。繊細で美しく心奪われるものがありますよ。
菱餅
菱餅(ひしもち)はお雛様へのお供え物です。
本来、お雛様は女の子の厄災を身代わりとして引き受けてもらうために飾るもの。お雛様に対する感謝の気持ちの表れが菱餅を飾ることにつながったと言われています。
菱餅のひし形は古来から子孫繁栄・無病息災の意味があるとされ、さまざまな所に使用されています。
家紋・着物の柄・畳縁(たたみべり)などが多く、近年は指輪の模様にも。
金屏風
金屏風(きんびょうぶ)に使われる素材には木・布・プラスチック・紙などがあります。
漆塗りに純金の蒔絵(まきえ)が施された職人手仕事の屏風、刺繍が施された屏風、金箔が貼ってある屏風、金色の紙が貼ってある屏風、印刷の絵が貼ってある屏風と種類はさまざま。
親王飾りや三段飾りは金屏風と台がセットになっているものが多いようです。
緋毛氈
お雛様を飾るときひな壇に緋毛氈(ひもうせん)を敷いてから行います。
雛人形に緋毛氈が使われた理由として、緋色(ひいろ:赤色)には生命力の意味があり魔除けの効果を期待したためという説があります。
素材は純毛(ウール100%)や純毛と他の素材を混ぜたものがあり、伝統的な高級敷物として古くから使われてきました。現代の伝統行事でも広く使われています。
雛段の数には決まりがある?
雛人形の段飾りは三段・五段・七段の3種類が多く、飾る人形の数は5人・7人・15人といずれも奇数で飾る場合が多いです。
この数字には古代中国で生まれた陰陽道(おんみょうどう)が関係していて、奇数を「陽の数」、偶数を「陰の数」と呼び奇数は縁起が良いと考えられていました。
雛人形の段飾りや人形の数はこの考えを元に奇数になっています。
飾り方のポイント
最近のお雛様は簡略化され、置きやすいものも増えてきました。
とはいえ飾るときは少し身構えてしまいますよね。ここでは飾り方のポイントをおさらいしていきます。
直射日光・湿気の多い場所、極度に乾燥する場所に注意をすればどこに飾ってもよいと言われています。大切なことは、お雛様が一番素敵に見える場所に飾ること。お雛様は『お子様が健康で無事に育ち幸せになれますように』と願いを込めて飾りましょう。
あると便利!雛人形を飾るときのアイテム
上段の奥に配置するものから
飾りつけのときは上段の奥から人形や道具を並べていきましょう。飾る時に誤って人形や道具を落としても、下段にある飾りを傷つけてしまう心配が少なくなりますよ。
しまうときの準備は?
人形専用の防虫剤・購入時についていた袋(なければ不織布)・収納ケースを準備しましょう。
お雛様をしまう日は湿気を一緒に閉じ込めないよう晴れた日(乾燥した日)を選ぶのがおすすめです。
人形の汚れを羽箒などで優しく落とし人形の顔を保護して袋に入れたら収納ケースに入れます。
人形専用の防虫剤は人形に触れないよう袋の外に入れましょう。
おわりに
さまざまな役割を持つ人形が並ぶ雛人形。大人数で子どもの門出を祝う姿は伝統的でありつつも、たいへん華やかです。おおきな飾りであればあるほど楽しい気持ちになりますが、お部屋に飾るのは用意や収納も簡単にはいかないもの。
しかし、今はいろいろな種類の雛人形を選べるよい時代。現代ナイズされたお雛様がそこかしこで見かけられます。もちろん岩座(いわくら)でも雛人形の華やかさや伝統はそのままに、おしゃれで現代の生活になじむ雛人形を販売しています。
岩座ショップリストは こちら
目にも新しい雛人形を現代風に楽しんでもよいかもしれませんね。
ぜひ皆さまの暮らしに沿ったありかたで、ひな祭りを楽しんでみてください。