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古代ハワイでは、料理は男性の仕事だったことをご存じですか?「なんて羨ましい!」と言いたいところですが、実はまったく羨ましくない深い事情があったのです。
ハワイにはまだまだ知らないことがいっぱい。今回はハワイの伝統料理「ハワイアンフード」の歴史や特徴について深掘りします!
ハワイの伝統料理「ハワイアンフード」のルーツは、カヌーに乗ってハワイに渡ってきたポリネシアの人々にまで遡ります。当時のハワイには食べられるものがほとんどなく、彼らは自国から持ち込んだ植物などを栽培し、それらを使って独自の食文化を作り上げました。
古代のハワイでは宗教的考えから「カプ」と呼ばれる厳しい「掟」がありました。ハワイ語で「カプ=タブー」という意味。カプを破った者は死罪となります。
食事に関しても様々なカプが存在していました。たとえば…「家族であっても、男女がともに食事をとってはならない」「女性はタロイモに触れてはいけない」「女性は豚肉、バナナ、ココナッツなどを食べてはいけない」など。
タロイモに触れることができない女性は、食事の用意はできません。古代ハワイでは食事の準備は男性の仕事。料理はすべて男性が作っていたそうです。
調理には「イム」と呼ばれる、地面を掘って作った土窯を使用していました。イムの底に敷き詰めた石を熱し、食材を並べ、上からティーリーフやバナナの葉で覆って「蒸す」という方法です。
この調理法は約8時間と膨大な時間がかかるため、1度にたくさん作って保存し、少しずつ食べていたそうです。
初期の頃の食器には、ひょうたんやココナッツなど加工しやすい素材が使われていました。やがて「コウの木」を加工した食器が誕生すると、ポイを入れる深いボウルや平たい皿など様々な形の食器が使用されるようになりました。
身分の高い人が食事をする際は、1人用の小さいポイボウル、スクラップボウル(ガラ入れ)、フィンガーボウル(指を洗う水入れ)などが用意されていたそうです。
天気の良い日は、屋外で男女が別々に食事をします。カプにより、男女がともに食事をとることを禁じられていたからです。
また屋内にも男女別々の食事部屋があり、男性用の部屋には家族神が祀られていました。家族の長が祭壇に祈りを捧げてから食事を始めるのがルールだったそうです。
食事の際は、フォークなどは使わず手を使って食べていました。大皿に盛った料理を数人でシェアするのが一般的ですが、身分の高い人には、個別に食器が用意されたそうです。
ハワイ料理といえば「ロコモコ」「ガーリックシュリンプ」などが定番ですが、これらは「ローカルフード(郷土料理)」と呼ばれ、近代以降アジア各国やアメリカから入ってきたもの。
一方、古代ハワイから続く伝統料理は「ハワイアンフード」と呼ばれ、ハワイの先住民が自然の中で育んだ素朴でやさしい味が特長です。
ハワイの伝統料理「ハワイアンフード」は、ヘルシーで栄養価が高いことから、近年ダイエットフードとして注目されています。
ハワイアンフードは単品の味を楽しむというより、一緒に食べたときのバランスの良さに驚きます。塩辛いものと酸っぱいもの、オイリーなものとさっぱりしたもの…。
交互に食べるとお互いの味を引き立て、絶妙な調和が生まれます。いろいろな種類を注文して、数人でシェアしながら食べるのがおすすめです。
ハワイアンフードの定番。蒸したタロイモをすりつぶし、ペースト状にしたハワイの主食。できたては甘味がありますが、時間がたつと発酵が進み酸味が増します。
低脂肪で栄養価が高いため、最近ではダイエット食としても注目されています。またハワイでは、赤ちゃんが最初に食べる離乳食としても有名です。
日本人にとってのご飯と同様、ポイだけで食べるというより、いろいろな料理に添えられることが多く、塩気の多い料理とよく合います。
ワイキキから離れたスーパーには普通に売られています。ハワイに行った際に、一度試してみてはいかがですか。
新鮮な魚を角切りにし、醤油、ごま油、玉ねぎなどで和えた日本の「漬け」に似た料理。日本人には馴染みのある味ですが、これもハワイの伝統料理です。
海に囲まれたハワイは新鮮な魚介類が豊富。ポケに使われる素材はタコや貝、スモークサーモンなど多彩で、お店によってはスパイシーポケやワサビポケなどオリジナルのフレーバーが味わえます。
ハワイのスーパーには日本でいうお肉コーナーのように、ポケコーナーがあり、お好きなポケを量り売りで購入することができます。
「ラウラウ」とは、タロイモの葉で肉や魚などを包んで蒸した料理。ハワイアンソルトのみを使った味付けは、素材の味を引き立ててくれます。
「ラウ=葉」「ラウラウ=包む」という意味があります。豚肉や鶏肉、銀だらを主役にタロイモやウルなどを一緒に蒸すとホクホクして最高です。
包んでいたタロイモの葉は、食材の旨味をたっぷり吸い込みトロトロに。なかなかクセのある味で、ポイやロミサーモンと一緒に食べるのがおすすめです。
「カルアピッグ」とは豚を丸ごと1匹使ったハワイの伝統料理の王様。「イム」と呼ばれる地面を深く掘り作られた土窯を使い、バナナの葉やティーリーフで包んで蒸します。
長時間かけて蒸し上げた豚肉は驚くほど柔らかくジューシー!
バナナの葉やティーリーフの香りがほんのり爽やか。ハワイアンソルトのみのシンプルな味付けが特徴。細かく裂いて盛り付けます。
ハワイ語で「ロミ=もむ」の意味。ハワイアンマッサージのロミロミの「ロミ」です。塩漬けサーモンを玉ねぎやトマトなどの野菜とともにもみ込んだサラダのようなもの。
ビネガーのさっぱりした酸味は、カルアピッグやポイなど他の料理との相性もばっちりです。
「チキンロングライス」とは、太めの春雨と鶏肉を煮込んだ体にやさしいスープ。「ロングライス」とは春雨のことです。
生姜とネギの香りが食欲をそそり、体調が悪い時にも効き目がありそう。日系移民が考案したとされるだけあって、日本人には懐かしい味です。ハワイアンチリウォーターを少量たらすとハワイらしい味に!
「ピピカウラ」とはハワイのビーフジャーキーです。「ピピ=牛肉」「カウラ=紐」という意味。パニオロ(ハワイのカウボーイ)が塩漬けした牛肉を紐状に切り、天日に干して作ったのが始まりです。
ビーフジャーキーほどは硬くなく、ジューシーで肉の旨味がたっぷり。ビールのおつまみにも最適です!
ココナッツミルクをタシロイモのでんぷんで固めた伝統的なスイーツ。最近ではタシロイモの代わりにコーンスターチを使うのが一般的です。
あっさりとした甘さとクリーミーな口溶けが、塩気の多いハワイアンフードのお口直しにピッタリ!ウェディングやルアウ(宴会)にも登場するハワイの定番デザート。
タロイモをすりおろし、ココナッツミルクと黒砂糖を加えて蒸した伝統的なお菓子。日本の「ようかん」や「ういろう」のようなモチッとした食感が特長です。ハワイの人々がこよなく愛する味だそう。
アイスクリームを乗せるとさらに美味しく、コーヒーとの相性も抜群!タロイモは食べてみたいけど「ポイ」は苦手という人にもどうぞ。
「ルアウ」とはハワイ語で「宴(うたげ)」の意味。古くから結婚や出産、誕生日などお祝いの日に催されるパーティのこと。
ハワイに行った際 ホテルのレストランで伝統料理を食べながら、フラダンスなどのショーを見たことはありませんか? あれも「ルアウ」です。
ハワイでは、カプにより男性と女性が一緒に食事をすることを禁じられた時代がありました。カプから解放されたハワイの人にとって、老若男女が集い、楽しく食事ができる「ルアウ」はとても大切な文化なのです。
ハワイ伝統のお祝い料理といえば「カルアピッグ」、ルアウのメイン料理です。レストランで提供されるカルアピッグはオーブンで調理されますが、本来は「イム」と呼ばれる地面の中に作った土窯で作ります。
カルアピッグを作るには大変な手間と時間がかかります。早朝から準備を始めなければ、夕食に間に合わないほど。
また豚1頭丸ごとを使うというダイナミックさも、特別な日に食べる「お祝い料理」となった理由のひとつでしょう。
いかがでしたか?ハワイの伝統料理「ハワイアンフード」について、歴史や背景、種類や特徴など詳しく紹介してきました。
素材の味を生かし、手間と時間を惜しまず作られた伝統料理は、今もハワイの人々の暮らしの中に受け継がれています。
ハワイの食文化について理解が深まったところで、今度ハワイに行ったら、ぜひハワイアンフードを食べてみてください。今までよりきっと、味わい深いものになるはずです。
古代ハワイでは、料理は男性の仕事だったことをご存じですか?
「なんて羨ましい!」と言いたいところですが、
実はまったく羨ましくない深い事情があったのです。
ハワイにはまだまだ知らないことがいっぱい。
今回はハワイの伝統料理「ハワイアンフード」の歴史や特徴について深掘りします!
目次
ハワイの食文化の歴史・特徴
ハワイの伝統料理「ハワイアンフード」のルーツは、カヌーに乗ってハワイに渡ってきたポリネシアの人々にまで遡ります。当時のハワイには食べられるものがほとんどなく、彼らは自国から持ち込んだ植物などを栽培し、それらを使って独自の食文化を作り上げました。
食事に関する「カプ」とは
古代のハワイでは宗教的考えから「カプ」と呼ばれる厳しい「掟」がありました。ハワイ語で「カプ=タブー」という意味。カプを破った者は死罪となります。
食事に関しても様々なカプが存在していました。
たとえば…
「家族であっても、男女がともに食事をとってはならない」
「女性はタロイモに触れてはいけない」
「女性は豚肉、バナナ、ココナッツなどを食べてはいけない」など。
タロイモに触れることができない女性は、食事の用意はできません。古代ハワイでは食事の準備は男性の仕事。料理はすべて男性が作っていたそうです。
古代ハワイの調理方法
調理には「イム」と呼ばれる、地面を掘って作った土窯を使用していました。
イムの底に敷き詰めた石を熱し、食材を並べ、上からティーリーフやバナナの葉で覆って「蒸す」という方法です。
この調理法は約8時間と膨大な時間がかかるため、1度にたくさん作って保存し、少しずつ食べていたそうです。
古代ハワイの食器
初期の頃の食器には、ひょうたんやココナッツなど加工しやすい素材が使われていました。
やがて「コウの木」を加工した食器が誕生すると、ポイを入れる深いボウルや平たい皿など様々な形の食器が使用されるようになりました。
身分の高い人が食事をする際は、1人用の小さいポイボウル、スクラップボウル(ガラ入れ)、フィンガーボウル(指を洗う水入れ)などが用意されていたそうです。
古代ハワイの食事方法
天気の良い日は、屋外で男女が別々に食事をします。
カプにより、男女がともに食事をとることを禁じられていたからです。
また屋内にも男女別々の食事部屋があり、男性用の部屋には家族神が祀られていました。家族の長が祭壇に祈りを捧げてから食事を始めるのがルールだったそうです。
食事の際は、フォークなどは使わず手を使って食べていました。大皿に盛った料理を数人でシェアするのが一般的ですが、身分の高い人には、個別に食器が用意されたそうです。
ハワイの伝統料理とは?
ハワイ料理といえば「ロコモコ」「ガーリックシュリンプ」などが定番ですが、これらは「ローカルフード(郷土料理)」と呼ばれ、近代以降アジア各国やアメリカから入ってきたもの。
一方、古代ハワイから続く伝統料理は「ハワイアンフード」と呼ばれ、ハワイの先住民が自然の中で育んだ素朴でやさしい味が特長です。
ハワイの食文化の特徴
ハワイの伝統料理「ハワイアンフード」は、ヘルシーで栄養価が高いことから、近年ダイエットフードとして注目されています。
ハワイアンフードは単品の味を楽しむというより、一緒に食べたときのバランスの良さに驚きます。塩辛いものと酸っぱいもの、オイリーなものとさっぱりしたもの…。
交互に食べるとお互いの味を引き立て、絶妙な調和が生まれます。
いろいろな種類を注文して、数人でシェアしながら食べるのがおすすめです。
ハワイの主な伝統料理9選!
ハワイアンの主食「ポイ」
ハワイアンフードの定番。蒸したタロイモをすりつぶし、ペースト状にしたハワイの主食。できたては甘味がありますが、時間がたつと発酵が進み酸味が増します。
低脂肪で栄養価が高いため、最近ではダイエット食としても注目されています。またハワイでは、赤ちゃんが最初に食べる離乳食としても有名です。
日本人にとってのご飯と同様、ポイだけで食べるというより、いろいろな料理に添えられることが多く、塩気の多い料理とよく合います。
ワイキキから離れたスーパーには普通に売られています。ハワイに行った際に、一度試してみてはいかがですか。
ハワイの漬け料理「ポケ」
新鮮な魚を角切りにし、醤油、ごま油、玉ねぎなどで和えた日本の「漬け」に似た料理。
日本人には馴染みのある味ですが、これもハワイの伝統料理です。
海に囲まれたハワイは新鮮な魚介類が豊富。ポケに使われる素材はタコや貝、スモークサーモンなど多彩で、お店によってはスパイシーポケやワサビポケなどオリジナルのフレーバーが味わえます。
ハワイのスーパーには日本でいうお肉コーナーのように、ポケコーナーがあり、お好きなポケを量り売りで購入することができます。
包むという名の料理「ラウラウ」
「ラウラウ」とは、タロイモの葉で肉や魚などを包んで蒸した料理。ハワイアンソルトのみを使った味付けは、素材の味を引き立ててくれます。
「ラウ=葉」「ラウラウ=包む」という意味があります。豚肉や鶏肉、銀だらを主役にタロイモやウルなどを一緒に蒸すとホクホクして最高です。
包んでいたタロイモの葉は、食材の旨味をたっぷり吸い込みトロトロに。なかなかクセのある味で、ポイやロミサーモンと一緒に食べるのがおすすめです。
ハワイ伝統料理の王様「カルアピッグ」
「カルアピッグ」とは豚を丸ごと1匹使ったハワイの伝統料理の王様。「イム」と呼ばれる地面を深く掘り作られた土窯を使い、バナナの葉やティーリーフで包んで蒸します。
長時間かけて蒸し上げた豚肉は驚くほど柔らかくジューシー!
バナナの葉やティーリーフの香りがほんのり爽やか。ハワイアンソルトのみのシンプルな味付けが特徴。細かく裂いて盛り付けます。
さっぱり美味しい「ロミサーモン」
ハワイ語で「ロミ=もむ」の意味。ハワイアンマッサージのロミロミの「ロミ」です。塩漬けサーモンを玉ねぎやトマトなどの野菜とともにもみ込んだサラダのようなもの。
ビネガーのさっぱりした酸味は、カルアピッグやポイなど他の料理との相性もばっちりです。
春雨の鶏スープ「チキンロングライス」
「チキンロングライス」とは、太めの春雨と鶏肉を煮込んだ体にやさしいスープ。「ロングライス」とは春雨のことです。
生姜とネギの香りが食欲をそそり、体調が悪い時にも効き目がありそう。日系移民が考案したとされるだけあって、日本人には懐かしい味です。ハワイアンチリウォーターを少量たらすとハワイらしい味に!
ソフトジャーキー「ピピカウラ」
「ピピカウラ」とはハワイのビーフジャーキーです。「ピピ=牛肉」「カウラ=紐」という意味。パニオロ(ハワイのカウボーイ)が塩漬けした牛肉を紐状に切り、天日に干して作ったのが始まりです。
ビーフジャーキーほどは硬くなく、ジューシーで肉の旨味がたっぷり。ビールのおつまみにも最適です!
宴のデザート「ハウピア」
ココナッツミルクをタシロイモのでんぷんで固めた伝統的なスイーツ。最近ではタシロイモの代わりにコーンスターチを使うのが一般的です。
あっさりとした甘さとクリーミーな口溶けが、塩気の多いハワイアンフードのお口直しにピッタリ!ウェディングやルアウ(宴会)にも登場するハワイの定番デザート。
タロイモのスイーツ「クロロ」
タロイモをすりおろし、ココナッツミルクと黒砂糖を加えて蒸した伝統的なお菓子。
日本の「ようかん」や「ういろう」のようなモチッとした食感が特長です。ハワイの人々がこよなく愛する味だそう。
アイスクリームを乗せるとさらに美味しく、コーヒーとの相性も抜群!
タロイモは食べてみたいけど「ポイ」は苦手という人にもどうぞ。
ハワイのルアウとお祝い料理
ハワイのルアウとは
「ルアウ」とはハワイ語で「宴(うたげ)」の意味。古くから結婚や出産、誕生日などお祝いの日に催されるパーティのこと。
ハワイに行った際 ホテルのレストランで伝統料理を食べながら、フラダンスなどのショーを見たことはありませんか? あれも「ルアウ」です。
ハワイでは、カプにより男性と女性が一緒に食事をすることを禁じられた時代がありました。カプから解放されたハワイの人にとって、老若男女が集い、楽しく食事ができる「ルアウ」はとても大切な文化なのです。
ルアウで食べるお祝い料理
ハワイ伝統のお祝い料理といえば「カルアピッグ」、ルアウのメイン料理です。
レストランで提供されるカルアピッグはオーブンで調理されますが、本来は「イム」と呼ばれる地面の中に作った土窯で作ります。
カルアピッグを作るには大変な手間と時間がかかります。早朝から準備を始めなければ、夕食に間に合わないほど。
また豚1頭丸ごとを使うというダイナミックさも、特別な日に食べる「お祝い料理」となった理由のひとつでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
ハワイの伝統料理「ハワイアンフード」について、歴史や背景、種類や特徴など詳しく紹介してきました。
素材の味を生かし、手間と時間を惜しまず作られた伝統料理は、今もハワイの人々の暮らしの中に受け継がれています。
ハワイの食文化について理解が深まったところで、今度ハワイに行ったら、ぜひハワイアンフードを食べてみてください。今までよりきっと、味わい深いものになるはずです。