パイナップルアイランドの愛称を持つ、ハワイ最後の楽園「ラナイ島」

ハワイ主要8島の中で最も小さく、最も人口が少ないラナイ島。かつて果てしなく広がっていたパイナップル畑はなくなり、手つかずの自然が残る静かな場所。

信号はおろか、舗装された道路はわずか48km。4WDの車でなければ移動もままならないワイルドなエリアと、豪華なホテルやゴルフコースを持つ世界有数の高級リゾート地という異なる2つの顔を持っています。

自然豊かな島だからこそ、ダイビングやシュノーケリング、トレッキング、ホエールウォッチングなど最高のアドベンチャーが体験できます。

今回は「ハワイ最後の楽園」と言われるラナイ島についてお届けしたいと思います。

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ラナイ島とはどんな島?

ラナイ島基本情報

ラナイ島

ハワイ諸島のほぼ中央、マウイ島から14kmの距離に位置し、全長27km、幅20km、面積364k㎡とハワイ主要8島の中で最も小さい島。人口も最も少なく、わずか約3,000人。

東部にそびえるラナイハレ山(標高1,027m)を含む単一火山の島。気候は温暖、乾燥した大地が広がり、島民のほとんどが中央にある唯一の町「ラナイシティ」で暮らしています。【島の花】はカウナオア、【島の色】はオレンジ。※

※ハワイの島の花について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください▼
「島の花」「島の色」を知れば、ハワイがもっと好きになる!?

パイナップルアイランド

パイナップルアイランド

ラナイ島は別名「パイナップルアイランド」と呼ばれ、かつてドール社が島全土を購入し、世界のパイナップルの約20%を生産するほど栄えていました。

パイナップル産業は衰退し、ドール社が撤退した後、2012年に島の98%を世界的IT企業オラクル社の創業者ラリー・エリソンが買い取ったことで話題になりました。現在はフォーシーズンズ・ホテルが2カ所ある高級リゾート地へと変貌を遂げつつも、大自然の秘境が数多く残っています。

ラナイ島にまつわる伝説

ラナイとはハワイ語で「征服の日」の意味。ラナイ島の名前にまつわる伝説をご紹介しましょう。

マウイ島の王カアラネには、大変粗暴なカウルラアウという息子がいました。ある日カウルラアウは、父カアラネ王が大切に育てていたパンの木(ウル)を全部引き抜いてしまいました。

パンの木は食べるとパンのような味がして、たくさんの人を養うことができる貴重な植物。カアラネ王は激怒し、カウルラアウをラナイ島に追放してしまいます。

当時ラナイ島には悪霊がたくさん住んでいて、人が近づくことができませんでした。しかし荒くれ者のカウルラアウは次々と悪霊を退治し、ラナイ島を人が住める島へと変えてしまいました。

カウルラアウは、ラナイ島の悪霊を退治した英雄となりマウイ島へ凱旋。彼の栄誉をたたえ、この島に「ラナイ=征服」という名前が付けられたのだとか。

ラナイ島の3つのエリア

ノース・ラナイ

ノース・ラナイ

ラナイ島北部のノースラナイには未舗装の道が集中しています。4WDの車でオフロードを走り北海岸へ。シップレックビーチからは、沖に見える座礁したままの難破船、海の向こうにはマウイ島とモロカイ島が望めます。

カネプウ自然保護区には、赤土と岩だらけの荒野が広がる「ケアヒアカヴェロ(神々の庭園)、さらに道なき道を進むと、広大な砂浜が続くポリフアビーチへ。運が良ければアオウミガメに出会えるかもしれません。

セントラル・ラナイ

セントラル・ラナイ

島中央部は、かつてパイナップル畑が広がっていたエリア。東へ約20kmのマンロートレイルは、島の最高峰ラナイハレ山へ。どこまでも続くクック・パインの並木と大迫力の自然を満喫できるハイキングコースです。

島唯一の町ラナイシティは、パイナップル農園で働く移民のために誕生した町。ドールパークを中心に針葉樹のノーフォーク・パインの並木が美しく、地元で愛されるレストランやマーケット、雑貨店、ギャラリーなどがあり、ノスタルジックな雰囲気が漂います。

サウス・ラナイ

サウス・ラナイ

太陽が降り注ぐ島南部には、真っ白な砂浜で有名なフロポエ湾と、海の玄関口のマネレ湾があります。この辺りはフォーシーズンズ・リゾート・ラナイ・アット・マネレ・ベイやジャック・ニクラウス氏設計のゴルフコースを有する超高級リゾートエリア。

悲劇の伝説が残る「プウ・ペへ(スイートハート・ロック)」や、カメハメハ大王が釣りを楽しんだカウノルの断崖、サンセットの名所カウマラパウ港も必見です。

ラナイ島の見どころ

プウ・ペへ(スイートハート・ロック)

プウ・ペへ(スイートハート・ロック)

サウスラナイのランドマーク「プウ・ペへ」は海にそびえる約24mの巨大な岩。「スイートハート・ロック」とも呼ばれ、悲しい伝説が語り継がれています。

ラナイ島の若き戦士マカケハウは、マウイ島の美しい少女ぺへに恋をします。マカケハウはぺへをラナイ島に連れて帰ると、他の男たちに見つからないよう海岸の洞窟に隠しました。

マカケハウが食料を取りに出かけている間に、島は嵐に見舞われ、逃げ遅れたぺへは大波にのまれ溺れ死んでしまいます。悲しみに暮れたマカケハウは、巨大岩の上に愛するぺへの亡骸を埋め、そのまま海へと身を投げたのです。

ぺへが眠る「プウ・ペへ」の巨大岩は、朝陽に照らされるとハート形が浮かび上がるそう。切ない伝説に思いを馳せながら眺める絶景に胸が熱くなります。

フロポエ湾

フロポエ湾

サウスラナイにあるフロポエ湾は海洋保護区に指定され、海岸付近までハシナガイルカがやってくることも! さまざまな海洋生物が生息するハワイ有数のシュノーケリング&ダイビングスポットです。

白い砂浜と青く澄んだ海の美しさは1997年全米ベストビーチに選ばれるほど。フロポエビーチパークは、ピクニックテーブルやバーベキュー用品、トイレ・シャワーも完備。波が穏やかで海水浴にも最適です。

ケアヒアカヴェロ(神々の庭園)

ケアヒアカヴェロ(神々の庭園)

ノースラナイにあるポリフアロードの終点。まるで月面のような赤土と岩がゴロゴロした光景が広がるのは、神々の庭園と呼ばれる「ケアヒアカヴェロ」。

伝説によると、ラナイ島とモロカイ島の2人のカフナ(神官)がどちらが長く火を燃やし続けることができるかを競い、ラナイ島のカフナ、カヴェロがこの地の植物を全て燃やしてしまったため不毛の地になったのだとか…。

夕日が辺りをオレンジ色に染める光景は、言葉を失うほど神秘的。ここでは石を動かしたり持ち帰ったりすることは禁止(カプ)とされています。

ラナイ・キャット・サンクチュアリ

ラナイ・キャット・サンクチュアリ

セントラルラナイには、ネコ好きにはたまらない楽園があるのをご存じですか?
「ラナイ・キャット・サンクチュアリ」は野良ネコの保護施設。2,300㎡の広大な敷地に700匹の保護ネコたちが暮らしています。

ここでは、ハワイの心地良い風に吹かれながら、木に登ったり木陰でくつろいだりしているネコたちとゆったり触れ合うことができるんです。しかも入場は無料!

島にはもともと野良ネコが多く、野生化したネコがハワイ固有の貴重な野鳥を捕食するため、駆除対象となりました。この状況に心を痛めたキャシー・キャロル氏が野良ネコの保護活動を始めたのがきっかけ。入場無料ですが、ネコたちに癒された方はぜひ寄付を。

ラナイ島を歌った曲

※曲名/アーティスト

①Aina O Lānaʻi/Darren Benitez

カウナオアの花やパイナップルなどラナイ島について歌っています。。

②Lei Ko’ele/Howard A`i

霧に包まれるコオエレ(地名)カウナオアの花のレイの気高さをたたえる曲

③Lanai On My Mind/Hawaiian Time

故郷のラナイ島の穏やかな自然や人々のやさしさに思いを馳せた英語の曲。

④Pua 'iliahi Alo'e/Kuana Torres Kahele

美しいメロディが心地良い。イリアヒの花やラナイ島の悪霊を倒したカウルラアウが登場します。

⑤Lanai I Ka Hanohano/Na Palapalai

ラナイ島の魅力をたたえる歌。島の花、カウナオアやラナイハレ山が出てきます。

ラナイ島まとめ

別名「パイナップルアイランド」と呼ばれるラナイ島は、ハワイ主要8島の中で最も小さく、人口の少ない島。舗装された道も少なく、オフロードを進むと、今まで見たこともない手つかずの大自然が迎えてくれます。

一方、最高級ホテルやゴルフのチャンピオンシップコースなど、ワールドクラスの施設とサービスを誇る世界有数のリゾート地でもあります。

昔のままのハワイとラグジュアリーなリゾート、2つの顔を持つ島。数々の伝説が残り「ハワイ最後の楽園」と言われるラナイ島には大自然の魅力がいっぱいです。

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