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インドといったら、ヒンドゥー教を思い浮かべる人が多いでしょう。 そんなインドでも有名な神さまが、破壊の神シヴァではないでしょうか? 今回は、そんなシヴァ神について詳しく解説していきます。
シヴァは世界の破壊を司るとされています。 世界の破壊を司るシヴァ神。彼は、具体的にどんな神さまなのでしょうか?
シヴァはヒンドゥー三神のひとりで、破壊を司る神です。彼はブラフマーやビシュヌと三位一体の関係にあるとされ、ブラフマーが世界の創造を、ヴィシュヌが世界の維持を、そしてシヴァが世界の破壊をつかさどる神とされてきました。
ヒンドゥー教において彼は破壊を司る神とされていますが、同時に破壊によって再生を促す神とも捉えられているのです。そのため彼は、破壊だけでなく豊穣や民衆の間では生殖を司る神としても親しまれてきました。
古代インドでは苦行が重視されていました。今では美容の一環としておこなわれているヨガも、もとはインドの苦行者が修行のためにしていたものです。ヨガによる瞑想により、苦行者は力を得て神々より強い力を手に入れることすらありました。 シヴァもまた苦行に身を捧げ、力を得ていたとされています。そのため彼は、苦行者の姿として描かれることがよくありました。
そんな破壊神としての顔を持つシヴァですが、民衆の間では生殖の神として広く崇められてもいました。彼は『リンガ』と呼ばれる、男性の生殖器の姿で崇拝されることも多くあるそうです。
また、彼は踊りの王ナタラージャの別名でも知られています。彼はリズムの神としての側面も持っているのです。シヴァは踊ることを好み、彼の踊りは彼の栄光と宇宙の永遠運動をシンボル化したものともいわれています。
シヴァは一般的に雪のように白い顔を持ち、苦行僧の格好をしているとされています。彼は裸、あるいは虎の毛皮を纏っただけの姿でいることが多かったようです。髪も縮れており、手入れもあまりされていなかったとか。ここではシヴァの外見とシンボルについて解説していきます。
彼は薄汚い僧侶の格好をしているだけでなく、5つの顔と4つの腕、3つの目を持つかなり個性的な見た目をしているそうです。 特に彼の額にある第三の瞳は強力なものでした。この瞳で、彼は敵を倒すことができたのです。彼は三日月型の飾りをつけて、この瞳を覆っているとされています。三日月は、彼の乗り物である牝牛ナンディの象徴でもありました。
彼はピナーカと呼ばれる恐ろしい三叉戟も持っています。このピナーカは光のシンボルでもあり、嵐の神としてのシヴァの重要なアイテムでもあるそうです。
さらに彼は、アジャガヴァと呼ばれる弓や、先端に頭がい骨をつけたこん棒も武器として装備していました。
彼の強力な武器はまだまだあります。それは、お供である3匹の蛇。この蛇の1匹はシヴァの頭の中に隠れているそうです。 もう1匹は彼の肩や首におり、最後の1匹は聖なる紐になってシヴァに纏わりついています。そして、戦いとなると敵に牙を剥くんだとか。
また、振鼓であるダマルはシヴァの太鼓としても知られています。宇宙創造の踊りを踊るさいに、シヴァはダマルを使用したといわれていました。
彼の瞑想の場所はヒマラヤ山脈に聳えるカイラス山とされています。
そのヒマラヤ山脈から流れるガンジス川も、ヒンドゥー教ではガンガーという女神として崇められてきました。 その昔、彼女は地上が干ばつになりひあがったことにより、天から降ろされることになったのです。 そのときにシヴァが彼女の流れを長い髪で支え、地上が水没するのを防いだといいます。
また、菩提樹の実はルドラクシャとも呼ばれ、シヴァの涙が大地に落ちたものだとされています。
シヴァは世界を維持する三位一体の神のひとりとされています。そのため、維持の神ビシュヌ、創造神ブラフマーとともに高い人気を誇っているのです。また彼は、ダンスや生殖の神として古くから親しまれていました。 様々な側面を持つことが、シヴァの魅力のひとつともいえるでしょう。
もちろん彼にも素敵な家族がいます。彼の個性的な家族をご紹介しましょう。
彼の妻はバールヴァティーという女神です。彼女は前世でもサティという女神で、シヴァの妻でもありました。ある日、シヴァと仲の悪い彼女の父が夫であるシヴァを招かず祈祷をおこなってしまいます。それに抗議するため、サティは祈祷のために焚かれていた炎に身を投じ亡くなってしまうのです。 彼女は山の神ヒラーヤマの娘バールヴァティーとして生まれ変わり、再びシヴァの妻となって彼と結ばれたのでした。
ガネーシャは象の頭を持ったヒンドゥー教の神様です。彼は富と栄光を司るとされ、女神バールヴァティーの息子であるとされています。 シヴァはバールヴァティーが入浴中に彼女を訪ねる悪癖を持っていました。 それを嫌った彼女はボディーガードであるガネーシャを造り出します。このガネーシャの存在に激怒したシヴァは彼の頭を跳ねてしまうのです。 これにバールヴァティーは悲しみました。それを見たシヴァはガネーシャに象の首をつけ、彼を生き返らせたのです。
彼はインドの叙事詩マハーラバタに出てくる軍神です。彼は父親にシヴァが、母親にバールヴァティーが乗り移った状態で誕生したとされています。そのため、彼はシヴァの子であるとされているのです。
シヴァの乗り物は乳白色の牝牛であるナンディンだといわれています。ナンディンは四足の生き物の守護者であり、シヴァの寺院の正面入り口によく描かれる存在でもあります。
シヴァの女神たちもシヴァと共にヒンドゥー教では崇拝され、愛されている存在です。そんな彼女たちについて解説していきます。
シャクティズムとは男神の妻である女神たちの信仰を差す言葉です。シャクティはエネルギーや性を意味する言葉です。シャクティズムは男神の妻たちの性力に対する崇拝を特徴としています。 ここでは、シャクティズムで崇められているシヴァの妻たちを紹介します。
サティーとバールヴァティーはいずれもシヴァの妻であり、サティーが生まれ変わった姿がバールヴァティーだとされています。バールヴァティーはデーヴィーと呼ばれる女神の化身ともいわれています。 また、バールヴァ―ティーの誕生には、別の話も伝わっています。 ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァが敵対する悪魔について話し合っているときです。 彼らが顔をあげ、お互いに目が合うと、視線が重なった場所に美しい女神が生じました。 白、赤、黒に染まった彼女はとても美しく、3人の神様たちは彼女を妻に迎えたいと思ったのです。そのため、彼女は3人の女神になって、彼らの妻になったと伝えられています。 この3人の女神は過去、現在、未来を現わしており、白い女神サラスヴァティー、赤い女神ラクシュミー、そして黒い女神バールヴァティーになったといわれています。
デーヴィーの化身の1つが戦いの女神であるドゥルガーです。彼女は武器を持って戦場に赴き、神々の敵である悪魔を退治する役割を担っています。インドでは、水牛の悪魔を倒すドゥルガーの題材が芸術作品に好んでもちいられます。 黄金に輝く彼女は、10本の腕を持ち、それぞれの腕に神々から与えられた武器を持っているのです。 彼女の10の武器は、維持神ヴィシュヌの円盤、海神ヴァルナの巻貝、火神アグニの燃える投げ槍、風神ヴァーユの弓、太陽神スーリヤの箙(矢を入れる入れ物)と矢、黄泉の神マヤの鉄棒、雷神インドラの金剛杵、富の神クベーラの棒、蛇の神シェシャの蛇の花輪、山の神ヒマーラヤの虎だとされています。10の武器は、いずれも神々の大切なシンボルです。自分たちの大切なものを武器として与えるなんて、彼女がいかに戦士として信頼されてるのかがわかりますね。
カーリーはもともとインドのベンガル地方で崇拝されていた女神です。彼女はドゥルガーの化身とされ、血を好む好戦的な女神であるとされています。 彼女は黒い地母神の異名を持っており、黒い肌をしていました。そして、顔は血塗られ、口からは牙がのぞき、額には第三の目が輝いていたといいます。 彼女の腕は4本あり、鋭い鉤爪を持つとされました。1本の手には武器を、もう1本の手には巨人の生首を持ち、残りの2本の手は上に掲げられ、彼女を崇拝する者たちを祝福しているとされていました。 そして恐ろしいことに彼女は人骨で作られたイヤリングやネックレスを身に着けているのです。そして悪魔の腕で作られた帯を腰に巻いているとされていました。
シヴァの信仰は大陸を渡り日本にも伝わってきました。ここでは、シヴァにルーツを持つ日本の神々を紹介いたします。
大黒天は、食料や財産を司る福の神として知られています。彼は七福神のひとりであり、もとは仏教に取り入れられたシヴァ神であるマハーカーマと呼ばれる守護神でした。それが日本の天台宗では厨房の神として中国から迎えられ、寺院の守護神として祀られたのです。 以来、大黒天は日本各地で崇拝され、身近な神さまになっていきました。
不動明王はお不動様の名前で親しまれている仏教の信仰対象です。敵国退散の守護神、薬液退散の守護神ともされていました。一説によるとシヴァ神がその起源ではないかといわれています。
ヒンドゥー教で熱い信仰を集めるシヴァ神。彼を讃える祭りも毎年開かれています。その祭りをいくつかご紹介しましょう。
マハー・シヴァラートリーは毎年開催されるシヴァのお祭りです。太陰暦で毎月の13日の夜と14日に『シヴァラートリー』と呼ばれるお祭りが開催されます。 そのなかでも最も神聖な日に執り行われるシヴァートリーが、『マハー・シヴァラトリー』(偉大なシヴァの夜)です。太陽暦の2月か3月、春の訪れの前に『マハー・シヴァラートリー』が開催されます。
シヴァに関係する地方のお祭りにマドゥライのチッティライ祭があります。 4月か5月に開催され、南インドでは最大級のお祭りとなっています。ミナクシ(バールヴァティの化身)とシヴァの結婚を祝うお祭りだそうです。
日本でも形を変えて崇拝されるシヴァ神を今回はご紹介させていただきました。インドで破壊の神として崇められているシヴァ神。ですが、民衆には男根の姿で親しまれていたり、ダンスが好きでリズムの神として崇められていたりと様々な側面を持つ神さまでもありましたね。 また、個性的な家族がいるのも楽しいです。 そんな神さまが海を渡って日本で崇拝されていたり、今でも盛大なお祭りで敬われているのを知ると、ぐっとシヴァ神が身近な存在に思えてきますよね。 今回は、そんなシヴァ神の魅力について解説させていただきました。
インドといったら、ヒンドゥー教を思い浮かべる人が多いでしょう。
そんなインドでも有名な神さまが、破壊の神シヴァではないでしょうか?
今回は、そんなシヴァ神について詳しく解説していきます。
目次
シヴァ神とはどのような神なのか
シヴァは世界の破壊を司るとされています。
世界の破壊を司るシヴァ神。彼は、具体的にどんな神さまなのでしょうか?
何の神様?(シヴァ神話の基本)
シヴァはヒンドゥー三神のひとりで、破壊を司る神です。彼はブラフマーやビシュヌと三位一体の関係にあるとされ、ブラフマーが世界の創造を、ヴィシュヌが世界の維持を、そしてシヴァが世界の破壊をつかさどる神とされてきました。
破壊と再生
ヒンドゥー教において彼は破壊を司る神とされていますが、同時に破壊によって再生を促す神とも捉えられているのです。そのため彼は、破壊だけでなく豊穣や民衆の間では生殖を司る神としても親しまれてきました。
修行僧とヨガ
古代インドでは苦行が重視されていました。今では美容の一環としておこなわれているヨガも、もとはインドの苦行者が修行のためにしていたものです。ヨガによる瞑想により、苦行者は力を得て神々より強い力を手に入れることすらありました。
シヴァもまた苦行に身を捧げ、力を得ていたとされています。そのため彼は、苦行者の姿として描かれることがよくありました。
リンガ
そんな破壊神としての顔を持つシヴァですが、民衆の間では生殖の神として広く崇められてもいました。彼は『リンガ』と呼ばれる、男性の生殖器の姿で崇拝されることも多くあるそうです。
踊りの王ナタラージャ
また、彼は踊りの王ナタラージャの別名でも知られています。彼はリズムの神としての側面も持っているのです。シヴァは踊ることを好み、彼の踊りは彼の栄光と宇宙の永遠運動をシンボル化したものともいわれています。
シヴァのシンボルと象徴
シヴァは一般的に雪のように白い顔を持ち、苦行僧の格好をしているとされています。彼は裸、あるいは虎の毛皮を纏っただけの姿でいることが多かったようです。髪も縮れており、手入れもあまりされていなかったとか。ここではシヴァの外見とシンボルについて解説していきます。
外見とシンボル
彼は薄汚い僧侶の格好をしているだけでなく、5つの顔と4つの腕、3つの目を持つかなり個性的な見た目をしているそうです。
特に彼の額にある第三の瞳は強力なものでした。この瞳で、彼は敵を倒すことができたのです。彼は三日月型の飾りをつけて、この瞳を覆っているとされています。三日月は、彼の乗り物である牝牛ナンディの象徴でもありました。
彼はピナーカと呼ばれる恐ろしい三叉戟も持っています。このピナーカは光のシンボルでもあり、嵐の神としてのシヴァの重要なアイテムでもあるそうです。
さらに彼は、アジャガヴァと呼ばれる弓や、先端に頭がい骨をつけたこん棒も武器として装備していました。
彼の強力な武器はまだまだあります。それは、お供である3匹の蛇。この蛇の1匹はシヴァの頭の中に隠れているそうです。
もう1匹は彼の肩や首におり、最後の1匹は聖なる紐になってシヴァに纏わりついています。そして、戦いとなると敵に牙を剥くんだとか。
また、振鼓であるダマルはシヴァの太鼓としても知られています。宇宙創造の踊りを踊るさいに、シヴァはダマルを使用したといわれていました。
彼の瞑想の場所はヒマラヤ山脈に聳えるカイラス山とされています。
そのヒマラヤ山脈から流れるガンジス川も、ヒンドゥー教ではガンガーという女神として崇められてきました。
その昔、彼女は地上が干ばつになりひあがったことにより、天から降ろされることになったのです。
そのときにシヴァが彼女の流れを長い髪で支え、地上が水没するのを防いだといいます。
また、菩提樹の実はルドラクシャとも呼ばれ、シヴァの涙が大地に落ちたものだとされています。
どうして人気があるの?
シヴァは世界を維持する三位一体の神のひとりとされています。そのため、維持の神ビシュヌ、創造神ブラフマーとともに高い人気を誇っているのです。また彼は、ダンスや生殖の神として古くから親しまれていました。
様々な側面を持つことが、シヴァの魅力のひとつともいえるでしょう。
個性的なシヴァの家族を大紹介
もちろん彼にも素敵な家族がいます。彼の個性的な家族をご紹介しましょう。
バールヴァティー
彼の妻はバールヴァティーという女神です。彼女は前世でもサティという女神で、シヴァの妻でもありました。ある日、シヴァと仲の悪い彼女の父が夫であるシヴァを招かず祈祷をおこなってしまいます。それに抗議するため、サティは祈祷のために焚かれていた炎に身を投じ亡くなってしまうのです。
彼女は山の神ヒラーヤマの娘バールヴァティーとして生まれ変わり、再びシヴァの妻となって彼と結ばれたのでした。
富と繁栄 象頭のガネーシャ
ガネーシャは象の頭を持ったヒンドゥー教の神様です。彼は富と栄光を司るとされ、女神バールヴァティーの息子であるとされています。
シヴァはバールヴァティーが入浴中に彼女を訪ねる悪癖を持っていました。
それを嫌った彼女はボディーガードであるガネーシャを造り出します。このガネーシャの存在に激怒したシヴァは彼の頭を跳ねてしまうのです。
これにバールヴァティーは悲しみました。それを見たシヴァはガネーシャに象の首をつけ、彼を生き返らせたのです。
戦いの神スカンダ
彼はインドの叙事詩マハーラバタに出てくる軍神です。彼は父親にシヴァが、母親にバールヴァティーが乗り移った状態で誕生したとされています。そのため、彼はシヴァの子であるとされているのです。
乗り物 牡牛ナンディン
シヴァの乗り物は乳白色の牝牛であるナンディンだといわれています。ナンディンは四足の生き物の守護者であり、シヴァの寺院の正面入り口によく描かれる存在でもあります。
シヴァの女神たちの信仰~シャクティズムについて
シヴァの女神たちもシヴァと共にヒンドゥー教では崇拝され、愛されている存在です。そんな彼女たちについて解説していきます。
シャクティズムとは
シャクティズムとは男神の妻である女神たちの信仰を差す言葉です。シャクティはエネルギーや性を意味する言葉です。シャクティズムは男神の妻たちの性力に対する崇拝を特徴としています。
ここでは、シャクティズムで崇められているシヴァの妻たちを紹介します。
サティーとバールヴァティー
サティーとバールヴァティーはいずれもシヴァの妻であり、サティーが生まれ変わった姿がバールヴァティーだとされています。バールヴァティーはデーヴィーと呼ばれる女神の化身ともいわれています。
また、バールヴァ―ティーの誕生には、別の話も伝わっています。
ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァが敵対する悪魔について話し合っているときです。
彼らが顔をあげ、お互いに目が合うと、視線が重なった場所に美しい女神が生じました。
白、赤、黒に染まった彼女はとても美しく、3人の神様たちは彼女を妻に迎えたいと思ったのです。そのため、彼女は3人の女神になって、彼らの妻になったと伝えられています。
この3人の女神は過去、現在、未来を現わしており、白い女神サラスヴァティー、赤い女神ラクシュミー、そして黒い女神バールヴァティーになったといわれています。
戦いの女神 ドゥルガー
デーヴィーの化身の1つが戦いの女神であるドゥルガーです。彼女は武器を持って戦場に赴き、神々の敵である悪魔を退治する役割を担っています。インドでは、水牛の悪魔を倒すドゥルガーの題材が芸術作品に好んでもちいられます。
黄金に輝く彼女は、10本の腕を持ち、それぞれの腕に神々から与えられた武器を持っているのです。
彼女の10の武器は、維持神ヴィシュヌの円盤、海神ヴァルナの巻貝、火神アグニの燃える投げ槍、風神ヴァーユの弓、太陽神スーリヤの箙(矢を入れる入れ物)と矢、黄泉の神マヤの鉄棒、雷神インドラの金剛杵、富の神クベーラの棒、蛇の神シェシャの蛇の花輪、山の神ヒマーラヤの虎だとされています。10の武器は、いずれも神々の大切なシンボルです。自分たちの大切なものを武器として与えるなんて、彼女がいかに戦士として信頼されてるのかがわかりますね。
殺戮の女神 カーリー
カーリーはもともとインドのベンガル地方で崇拝されていた女神です。彼女はドゥルガーの化身とされ、血を好む好戦的な女神であるとされています。
彼女は黒い地母神の異名を持っており、黒い肌をしていました。そして、顔は血塗られ、口からは牙がのぞき、額には第三の目が輝いていたといいます。
彼女の腕は4本あり、鋭い鉤爪を持つとされました。1本の手には武器を、もう1本の手には巨人の生首を持ち、残りの2本の手は上に掲げられ、彼女を崇拝する者たちを祝福しているとされていました。
そして恐ろしいことに彼女は人骨で作られたイヤリングやネックレスを身に着けているのです。そして悪魔の腕で作られた帯を腰に巻いているとされていました。
日本に渡ってきたシヴァ
シヴァの信仰は大陸を渡り日本にも伝わってきました。ここでは、シヴァにルーツを持つ日本の神々を紹介いたします。
大黒天
大黒天は、食料や財産を司る福の神として知られています。彼は七福神のひとりであり、もとは仏教に取り入れられたシヴァ神であるマハーカーマと呼ばれる守護神でした。それが日本の天台宗では厨房の神として中国から迎えられ、寺院の守護神として祀られたのです。
以来、大黒天は日本各地で崇拝され、身近な神さまになっていきました。
不動明王
不動明王はお不動様の名前で親しまれている仏教の信仰対象です。敵国退散の守護神、薬液退散の守護神ともされていました。一説によるとシヴァ神がその起源ではないかといわれています。
シヴァを讃える祭りの数々
ヒンドゥー教で熱い信仰を集めるシヴァ神。彼を讃える祭りも毎年開かれています。その祭りをいくつかご紹介しましょう。
マハー・シヴァラートリー
マハー・シヴァラートリーは毎年開催されるシヴァのお祭りです。太陰暦で毎月の13日の夜と14日に『シヴァラートリー』と呼ばれるお祭りが開催されます。
そのなかでも最も神聖な日に執り行われるシヴァートリーが、『マハー・シヴァラトリー』(偉大なシヴァの夜)です。太陽暦の2月か3月、春の訪れの前に『マハー・シヴァラートリー』が開催されます。
マドゥライのチッティライ祭
シヴァに関係する地方のお祭りにマドゥライのチッティライ祭があります。
4月か5月に開催され、南インドでは最大級のお祭りとなっています。ミナクシ(バールヴァティの化身)とシヴァの結婚を祝うお祭りだそうです。
まとめ
日本でも形を変えて崇拝されるシヴァ神を今回はご紹介させていただきました。インドで破壊の神として崇められているシヴァ神。ですが、民衆には男根の姿で親しまれていたり、ダンスが好きでリズムの神として崇められていたりと様々な側面を持つ神さまでもありましたね。
また、個性的な家族がいるのも楽しいです。
そんな神さまが海を渡って日本で崇拝されていたり、今でも盛大なお祭りで敬われているのを知ると、ぐっとシヴァ神が身近な存在に思えてきますよね。
今回は、そんなシヴァ神の魅力について解説させていただきました。