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10代から20代にかけて気ままに世界中を旅し、29歳の時に外国で知り合った外国人の男の人と結婚しました。いわゆる「国際結婚」です。今回はこの「国際結婚」に関して、私の体験をもとにQ&A方式で紹介します!
前回の記事は こちら
Lucia Travel連載一覧は こちら
私が国際結婚したとき、本当によく聞かれました。「国籍どうしたの?」と。 でも、国際結婚と国籍は全くの別問題。国際結婚したくらいでは国籍は変わりません(変えたくても変えられません)。
アメリカ人と結婚したからといってアメリカ国籍を取得できる訳ではないし、逆に外国人が日本人と結婚したからといって日本国籍が取得できる訳ではないんです。 国籍を取得するのは本当にハード。長くその国に住んだ実績が必要ですし、志望動機を含めかなり厳格に審査されます。言葉の壁もクリアしなければなりません。自分の国籍を捨てる選択を迫られる場合もあります。
そもそも論として、日本国籍が無くてもVISAを取得していれば日本に住むことができます。これは英国やフランスなど他の国も同様のシステム。だから、国籍が問題になることは早々ありません。 ここで覚えておいて欲しいのは「国際結婚と国籍は別問題」これだけです。全く別のお話なので混合しないようにしましょう。
これも勘違いが多い事例の一つです。 先ほどの国籍と同様、国際結婚とVISAは別問題。国際結婚したからといって、一緒に住める訳ではありません。一緒に暮らすためには別途、配偶者ビザを取得する必要があります。 そして、結婚したら無条件にビザが許可される訳でもありません。配偶者ビザの申請には膨大な量の書類が必要になってきますし、申請しても通らない場合があるんです。 つまり配偶者ビザを取得するのは、なかなかハード。
(相手国で先に結婚した)私の場合は、まず国際結婚するために10ヵ月程度かかり、そこからさらに半年ほどの年月をかけて配偶者ビザを取得しています。 日本で出会って日本で国際結婚した場合には、もっとスムーズにいくかもしれませんが、申請には双方の母国でしか取得できない公的な書類が必要になってきます。 なので「ひと時も離れたくないから今すぐ結婚!」というのは、本や映画の世界のお話。実際には難しいのが現実です。
歌手の浜崎あゆみがオーストラリア人とアメリカで結婚&離婚したとき、ちょっと話題になったこの謎。覚えている方いますか? 謎かけみたいなこの問題「アメリカでは結婚したけれど、日本では結婚していないってどういうこと?」と何度か訊かれたことがありました。
国際結婚は主に3パターンあります。
私は②のパターン、浜崎あゆみは③のパターンで結婚しています。 ②と③は共通していて、その国の方式に従って結婚の届け出を出します。受理されればその国での結婚は成立。
でもこれだけでは、その国で結婚したことにしかなりません(自動的に日本の戸籍に反映されたりはしません)。大切なのはその後のワンアクション。 「結婚しましたよ」という証明書を持って、日本の大使館あるいは帰国後に日本の役所に出向いて、結婚の事実を届け出る必要があります。 この届け出を怠ると、いつまでも日本の戸籍上は未婚のまま。浜崎あゆみはこの届け出を怠ったケースですね。
私のケースですが、結婚しようと決めてから実際に結婚するまで10ヵ月もの時間が必要でした。それ位、大変です。 まず書類。双方の母国でしか手に入らない書類がたくさん必要になってきます。役所に行って簡単に手に入る書類だけではありません。
いくつかピックアップすると、まず私は日本には存在しない「独身証明書」なる、自分が独身であることを証明する公的な書類を用意するために奔走しました。 日本には公的な独身証明書は無いので、何かで代用しなければならないのですが、その何かを何にしたら良いか分かりませんでした。大使館の職員に尋ねても、職員によって違うことを指示してくる始末。 ( タイのお話 と ジプチのお話 でも書きましたが大使館あるあるです★)とても苦労しました。
また、自分が犯罪者ではないという証明をするために、県の警察署に行って指紋を採取してもらったりもしました(10本ある全ての指の指紋を採取。アメリカのTV番組CSIにハマっていたので、ちょっとドキドキしちゃいました)。 さらに、この時は警察から「無犯罪証明書の必要性が確認できる書類」の提出を求められました。 国際離婚するために無犯罪証明書が必要なのに、その無犯罪証明書をもらうために国際結婚をする証明書を提出しなければならない。なんとも奇妙な難しい数学の公式みたいな証明をしたのを覚えています。
こんな風に国際結婚では、これまでの人生で触れたことも聞いたこともないような書類をたくさん用意しなくてはなりません。全て揃ったらやっと相手国へ行けるのですが、そこでも更なる書類を用意しなければなりません。 「この書類は〇〇県の裁判所でしか発行されません」とか「書類の発行のためには、まず病院に行ってください」とか「担当者は雨が降ってるから来てません」とか「貢物をしないと中には入れません」とか。今思い返しても、なんで?ということの連続で、紙一枚を得るために本当に苦労しました。
「書類を用意するだけでしょ?」そう言われればそれまでですが、紙一枚を手に入れるための苦労は相当なもので、お金も時間も手間もかかります。そんな思いをして書類をかき集め、さらに相手国の公式言語に書類を翻訳し、やっと結婚の審査へ…。 結婚できて嬉しいより、やっと終わった!開放された!が強かった記憶があります。
はい、本当です。ちょっと前までは3組に1組は離婚、今は2組に1組が離婚すると言われています。 私もそのお仲間。約5年で離婚しました。離婚の理由は文化の違い、言葉の違い、金銭問題、定職に就かない…。ありがちですね。
夫婦2人だけで生活しているときは、まだ折り合いを保っていられましたが、子どもが生まれるとお互い許容できないことが増え、結果、子どもが2才になる前に離婚しました。 決定的な理由は、私が妊娠し産休に入った途端、元夫が「自分だけ働きたくない」と勝手に仕事を辞めてきたことでした。これから出産・育児でお金がかかる時に、無職なんて…ですよね。
私たちが結婚する前、国際結婚20年のカップルからアドバイスを受けました。 「あの人もこの人も、外国人の旦那さんが働かなくて離婚したよ。あなたもきっと苦労するよ。」「大学の教授だった女性は、私が稼ぐから旦那が働かないんだって仕事を辞めてた。でも結局その旦那は働かないままで今は夫婦で無職に…」 そのアドバイスから6年で我が家も夫婦ともに無職になり(私は産休でしたが)、私もやはり離婚の道を選びました。
離婚して私の生活はグッと楽になりました。なんでもっと早く離婚しなかったのかと、今でも後悔するほどです。 国際結婚は離婚率が高い。けれどそれで良いと思っています。その数字は再出発する人が多いという証でもあるのですから。
大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。 マイナーな国をメインに、世界中を旅する。 旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。 出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。 公式HP: Lucia Travel
10代から20代にかけて気ままに世界中を旅し、29歳の時に外国で知り合った外国人の男の人と結婚しました。いわゆる「国際結婚」です。今回はこの「国際結婚」に関して、私の体験をもとにQ&A方式で紹介します!
前回の記事は こちら
Lucia Travel連載一覧は こちら
目次
Q.国際結婚したら国籍はどうなるの?
私が国際結婚したとき、本当によく聞かれました。「国籍どうしたの?」と。
でも、国際結婚と国籍は全くの別問題。国際結婚したくらいでは国籍は変わりません(変えたくても変えられません)。
アメリカ人と結婚したからといってアメリカ国籍を取得できる訳ではないし、逆に外国人が日本人と結婚したからといって日本国籍が取得できる訳ではないんです。
国籍を取得するのは本当にハード。長くその国に住んだ実績が必要ですし、志望動機を含めかなり厳格に審査されます。言葉の壁もクリアしなければなりません。自分の国籍を捨てる選択を迫られる場合もあります。
そもそも論として、日本国籍が無くてもVISAを取得していれば日本に住むことができます。これは英国やフランスなど他の国も同様のシステム。だから、国籍が問題になることは早々ありません。
※日本の法律が適応される場合のお話です。ここで覚えておいて欲しいのは「国際結婚と国籍は別問題」これだけです。全く別のお話なので混合しないようにしましょう。
Q.国際結婚すればパートナーと一緒に暮らせる?
これも勘違いが多い事例の一つです。
先ほどの国籍と同様、国際結婚とVISAは別問題。国際結婚したからといって、一緒に住める訳ではありません。一緒に暮らすためには別途、配偶者ビザを取得する必要があります。
そして、結婚したら無条件にビザが許可される訳でもありません。配偶者ビザの申請には膨大な量の書類が必要になってきますし、申請しても通らない場合があるんです。
つまり配偶者ビザを取得するのは、なかなかハード。
(相手国で先に結婚した)私の場合は、まず国際結婚するために10ヵ月程度かかり、そこからさらに半年ほどの年月をかけて配偶者ビザを取得しています。
日本で出会って日本で国際結婚した場合には、もっとスムーズにいくかもしれませんが、申請には双方の母国でしか取得できない公的な書類が必要になってきます。
なので「ひと時も離れたくないから今すぐ結婚!」というのは、本や映画の世界のお話。実際には難しいのが現実です。
Q.外国では結婚しているのに日本では結婚していないってどういうこと?
歌手の浜崎あゆみがオーストラリア人とアメリカで結婚&離婚したとき、ちょっと話題になったこの謎。覚えている方いますか?
謎かけみたいなこの問題「アメリカでは結婚したけれど、日本では結婚していないってどういうこと?」と何度か訊かれたことがありました。
国際結婚は主に3パターンあります。
私は②のパターン、浜崎あゆみは③のパターンで結婚しています。
②と③は共通していて、その国の方式に従って結婚の届け出を出します。受理されればその国での結婚は成立。
でもこれだけでは、その国で結婚したことにしかなりません(自動的に日本の戸籍に反映されたりはしません)。大切なのはその後のワンアクション。
「結婚しましたよ」という証明書を持って、日本の大使館あるいは帰国後に日本の役所に出向いて、結婚の事実を届け出る必要があります。
この届け出を怠ると、いつまでも日本の戸籍上は未婚のまま。浜崎あゆみはこの届け出を怠ったケースですね。
Q.国際結婚の手続きって実際何が大変なの?
私のケースですが、結婚しようと決めてから実際に結婚するまで10ヵ月もの時間が必要でした。それ位、大変です。
まず書類。双方の母国でしか手に入らない書類がたくさん必要になってきます。役所に行って簡単に手に入る書類だけではありません。
いくつかピックアップすると、まず私は日本には存在しない「独身証明書」なる、自分が独身であることを証明する公的な書類を用意するために奔走しました。
日本には公的な独身証明書は無いので、何かで代用しなければならないのですが、その何かを何にしたら良いか分かりませんでした。大使館の職員に尋ねても、職員によって違うことを指示してくる始末。
( タイのお話 と ジプチのお話 でも書きましたが大使館あるあるです★)とても苦労しました。
また、自分が犯罪者ではないという証明をするために、県の警察署に行って指紋を採取してもらったりもしました(10本ある全ての指の指紋を採取。アメリカのTV番組CSIにハマっていたので、ちょっとドキドキしちゃいました)。
さらに、この時は警察から「無犯罪証明書の必要性が確認できる書類」の提出を求められました。
国際離婚するために無犯罪証明書が必要なのに、その無犯罪証明書をもらうために国際結婚をする証明書を提出しなければならない。なんとも奇妙な難しい数学の公式みたいな証明をしたのを覚えています。
こんな風に国際結婚では、これまでの人生で触れたことも聞いたこともないような書類をたくさん用意しなくてはなりません。全て揃ったらやっと相手国へ行けるのですが、そこでも更なる書類を用意しなければなりません。
「この書類は〇〇県の裁判所でしか発行されません」とか「書類の発行のためには、まず病院に行ってください」とか「担当者は雨が降ってるから来てません」とか「貢物をしないと中には入れません」とか。今思い返しても、なんで?ということの連続で、紙一枚を得るために本当に苦労しました。
「書類を用意するだけでしょ?」そう言われればそれまでですが、紙一枚を手に入れるための苦労は相当なもので、お金も時間も手間もかかります。そんな思いをして書類をかき集め、さらに相手国の公式言語に書類を翻訳し、やっと結婚の審査へ…。
結婚できて嬉しいより、やっと終わった!開放された!が強かった記憶があります。
Q.国際結婚したカップルの2組に1組は離婚するって本当!?
はい、本当です。ちょっと前までは3組に1組は離婚、今は2組に1組が離婚すると言われています。
私もそのお仲間。約5年で離婚しました。離婚の理由は文化の違い、言葉の違い、金銭問題、定職に就かない…。ありがちですね。
夫婦2人だけで生活しているときは、まだ折り合いを保っていられましたが、子どもが生まれるとお互い許容できないことが増え、結果、子どもが2才になる前に離婚しました。
決定的な理由は、私が妊娠し産休に入った途端、元夫が「自分だけ働きたくない」と勝手に仕事を辞めてきたことでした。これから出産・育児でお金がかかる時に、無職なんて…ですよね。
私たちが結婚する前、国際結婚20年のカップルからアドバイスを受けました。
「あの人もこの人も、外国人の旦那さんが働かなくて離婚したよ。あなたもきっと苦労するよ。」「大学の教授だった女性は、私が稼ぐから旦那が働かないんだって仕事を辞めてた。でも結局その旦那は働かないままで今は夫婦で無職に…」
そのアドバイスから6年で我が家も夫婦ともに無職になり(私は産休でしたが)、私もやはり離婚の道を選びました。
離婚して私の生活はグッと楽になりました。なんでもっと早く離婚しなかったのかと、今でも後悔するほどです。
国際結婚は離婚率が高い。けれどそれで良いと思っています。その数字は再出発する人が多いという証でもあるのですから。
このころ元夫が勝手に仕事を辞めてしまい頭の中はパニック状態でした。あまり記憶がない…
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筆者プロフィール:R.香月(かつき)
大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。
マイナーな国をメインに、世界中を旅する。
旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。
出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。
公式HP: Lucia Travel