日本三大弁財天の一つ、江島神社へ!江の島を巡り、光を探す参拝レポート!

全国を巡ってお届けする【ライフスタイル神社学ツアー】。
2023年より、座学に加えて参拝フィールドワークが始まりました!

初回に訪れたのは京都。京都の参拝ツアーでは2つの神社に訪れ、磐座(いわくら)を巡りました。

そして今回訪れたのは、神奈川県にある江の島(江島神社)
修験道の開祖・役行者が修業の地として開いたと言われる江の島を全体的に巡っていきます!

そもそも参拝フィールドワークってどんなもの?と思う方も少なくないはず…。
より参加のイメージがつきやすくなるように、COTOAGE情報局が江の島編をレポートとしてお届けさせていただきます!

<このレポートを書いている「私」のステータス>
インドアな20代後半。2022年に御朱印デビュー。
ライフスタイル神社学 キ編3講義受講済み。
楽しみながら勉強中!な初心者です。

<引率いただく「中村さん」について>
全国各地にあるソーシャル大学にて「神社学」を展開。
【COTOAGE】では「ライフスタイル神社学」「あまのいわと学校」の『ともに学ぶ委員長』として活躍中。

今回訪れる江島神社(江の島)について

所在地 神奈川県藤沢市江の島2丁目3番8号
神祇 国津神(くにつかみ)
御祭神 田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)
市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)
多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)
創建年 欽明天皇十三年(552年)

冒頭で江の島を全体的に巡るとお伝えしたとおり、島全体に江島神社の聖域があります。

辺津宮(へつみや)・中津宮(なかつみや)・奥津宮(おくつみや)、それぞれの社で三女神をお祀りしております。

辺津宮…田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)
中津宮…市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)
奥津宮…多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)

ほかには龍宮大神が祀られている龍宮(わだつのみや)や、奥には岩屋という江の島弁財天信仰の発祥の地も。

午前10時 片瀬江ノ島駅に集合

片瀬江ノ島駅

江の島参拝ツアーが開催されたのは6月25日。
この付近は6月とは思えないほど暑い日が続いておりました…。当日は熱中症に気を付け、帽子と飲み物を用意して向かいます。

10時頃、参加者の皆様が揃うと簡単な自己紹介が始まりました。

今回の江の島参拝ツアーは合計で7名の方に参加いただきました。すでにライフスタイル神社学を受講済みの方や、初めてライフスタイル神社学に触れるという方、観光地である江の島をどう巡るのかが気になったという方など、参加の理由は様々です。

江の島に向かう前に少しプチ講義

江の島に向かう前に、ライフスタイル神社学についてすこし立ち話。

この日は引率いただく中村さんが早朝の時点で江の島を巡ったとのことで、江島神社さんのご由緒書きなどの冊子を人数分入手してくださっていました。(ありがたい…!)
ご由緒書きを見ながら、江島神社で祀られている御祭神についてや江の島についてのお話があります。(江島神社のご由緒が気になる方は公式サイトをご覧ください><)

私が特に興味を感じたのは「光を観る」というお話でした。
私たちは普段「観光」という言葉の意味を考えずに使っていると思うのですが、なぜ「光を観る」という漢字があてられているか気になったことはありますか?

中村さん曰く、「光」とはその地における信仰であるといいます。
その話を聞いたとき、確かに「観光」という字は「観行」とは書かないもんな…。と自分の中の無自覚に気づけた感覚になりました。観光地として非常に有名な江の島を巡るにあたり、とても大切だと感じるお話でした。

冒頭にも記載したように、江の島は江島神社ができるよりも以前から、修験道の開祖・役行者が修業の地として開いたと言われております。中村さんは、さらにその前よりも祈りの信仰はあったのではないかという考えを私たちに伝えてくださりました。

ここからは土地の人たちが大切にしてきたもの(=信仰)を観る、江の島参拝ツアーが始まります。

いざ江の島へ!

江島弁天橋

江島弁天橋を歩きながら島に向かいます。

この日の天気予報は曇りだったのですが、島に向かって歩いていると、どんどん雲が晴れて青空に…。地方出身の私にとって、青い空の江の島は一層「らしさ」を高めてくれて気分も上がります。

道中は中村さんへの質問コーナーでした。
・江の島に龍モチーフが多いのはなぜなのか
・江島神社も含まれている日本三大弁財天について
・岩屋について
など、15分程度歩く中で色々な質問が出てきていました。

江ノ島写真01
左:橋にある灯篭のようなオブジェ/右:青銅の鳥居(市指定文化財)

青銅の鳥居の前まで来たときに、またプチ講義が行われました。
三女神や古事記日本書紀について、龍大神(わだつみ)についてなどなど…
今から入る江島神社に関わるお話をメインに、日本神話についても少し触れた内容でした。

その後青銅の鳥居をくぐり仲見世通りを歩いていきます。

江ノ島写真02
左:江島神社の仲見世通り/右:瑞心門

辺津宮

階段をのぼり、田寸津比賣命が祀られている辺津宮に到着しました。

辺津宮01

私の最近のマイブームは社の装飾を見ることなのですが、辺津宮の社には「青海波」や江島神社の社紋である「向かい波に三つ鱗」が掘られており、海に囲まれている島の神社ならではだな~と感じました。

辺津宮02

辺津宮では茅の輪くぐりができるようになっていました!
訪れた時期が夏越しの大祓に近いからかな~と思っていたのですが、どうやら江島神社では一年中くぐれるようになっているみたいです。

ほかにも
・奉安殿(国指定重要文化財である八臂弁財天が祀られている)
・八坂神社(三女神の父親である建速須佐之男命が祀られている)
・稲荷社・秋葉社(豊受気毘賣命、火之迦具土神が祀られている)
が辺津宮付近にありました。

辺津宮03

それぞれの社に関係する中村さんのお話があったり、参拝の作法を教えていただき実践したりしました。
個人的に八坂神社の社に鏡があったことから鏡と神の話がでたのですが、その話がとても興味深かったです。

中津宮に向かう途中に…

次にある中津宮に向かうため、階段を上っていきます。江の島は階段が多いため、有料のエスカレーターがありますが、今回は自分の足を使ってのぼりました。

その道中に見つけたものをご紹介いたします。

猿田彦大神
猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)

みちひらきの大神と言われている猿田彦大神。天孫降臨の際にニニギノミコトを導いたとされています。個人的に気になっている神様なので、お話が聞くことができてすごく楽しかった…!

亀
亀!!!

亀が何匹かのんびり泳いでおり、参加者の皆様とほっこり。

階段から見える景色
階段から見える景色

このころにはもう雲もあまりないくらいに晴れています。向こう側は少し曇っているのではっきり見えていませんが、気持ちのいい景色でした。

中津宮

中津宮01

熱中症が怖いので、こまめに声掛けし水分補給しながら中津宮に到着…。
青い空と緑と社の赤色がきれいです。

彫り物の中に亀
彫り物の中に亀が!

こちらでも参拝し、さらに奥へ進みます。

山ふたつ
山ふたつ 高所恐怖症の人はこの道を通るのが大変そう…

奥津宮

奥津宮01

中津宮に10分弱ほど歩き、奥津宮に到着しました。
時刻は11時30分ごろ。道のりの途中で食事処が何店舗かありましたが、せっかくなので奥の岩屋まで行ってから食事にしようということに。

亀石
亀石

奥津宮の社に行く前に小道に入ります。初めて通る道だったのでワクワクしながら進むと亀石が!

奥津宮02
奥津宮

戻って奥津宮で参拝します。
天井画には「八方睨みの亀」の絵がありました。

帰ってから知ったのですが、奥津宮に向かって右側の燈籠には「竜宮の乙姫」、左側の燈籠には「亀に乗った浦島太郎」が精巧に掘り出されているのだそう。完全に見落としていたので次回リベンジしたいです!

岩屋の中へ

奥津宮から龍宮(わだつみのみや)も参拝し、その後稚児ヶ淵で10分ほど自由時間兼休憩をとりました。
休憩後、入場料を支払い岩屋の中に。

岩屋の中へ

岩屋は江の島弁財天信仰の発祥の地とされていますが、現在は何もお祀りされていないとのこと。しかし多くの石仏や奇岩、句碑などを見ることができますし、先人が岩屋の中でお籠りしていたんだと想像しながら入ることで楽しさが倍増します。

第一岩屋では蝋燭の灯りを頼りに洞内を進みます。

蝋燭写真
1人1つ渡される蝋燭。消えないように歩きます
蛇が掘られた石
蛇が掘られた石も発見!

最初の質問コーナーで江の島に龍モチーフが多いことについて尋ねた際に、蛇のお話を聞いていたので、伏線を回収した気持ちになりました。

石で掘られた狛犬写真

富士山の氷穴に繋がっているとされる穴や、社もここで見れます。社には狛犬もいるのですが、片方の狛犬が小さい子供を抱えており、個人的にそれがすごくかわいくて好きです。

第一岩屋を出て第二岩屋のほうに向かいます。

亀石
亀石

第二岩屋に向かう途中に亀石を見ることができます。
波があることで、まるで亀が海に帰っている様に見えませんか?私にはそう見えました…(笑)

第二岩屋は最深部まで行くと龍神様がおり、ここで手をたたくと龍の声のような音が響きます。遊園地に来たような楽しさ…!

昼食は質問タイム

ひとしきり江の島を巡ったのでここでお昼休憩を取ります。ずっと階段を上ったり下りたりしていたので滝汗状態…。

食事を各自注文し、質問タイム。
1人1問中村さんに質問を投げかけます。

皆様元々から気になっていることだったり、江島神社に来たことで感じた疑問や、道中にあった中村さんの話を掘り下げるような内容だったりと、面白い質問がたくさん。

今回、質問の1つに富士山の話がありましたが、そこから熊本の阿蘇山の話になり、熊本が火の国と呼ばれていたことについての考察のお話がありました。
私の地元が九州なので阿蘇山は知っているのですが、今度行く機会があればこの話を思い出しながら想像して登ってみたい…!

辺津宮に戻り御祈祷

今回の江島参拝ツアーでは何と御祈祷が…!これには参加者の皆様もびっくりされていました。

私自身、御祈祷を受けるのは小学生ぶり…しかも江の島で…!ドキドキワクワクしながら受付を済ませ、控室に向かいます。

第二控室

名前が呼ばれ社殿のほうに案内されました。
それぞれ座り、御祈祷を受けます。
神職が祝詞を捧げられているのを聴きながら自身も祈ります。社殿の中央にある鈴の音がすごく心地よかった…!

最後に中村さんの笛の音を捧げ、御祈祷が終了いたしました。
中々社殿の中に入ることや御祈禱を受ける機会がないので、終わった後はなんだか夢心地のような感覚に。

本当に貴重な体験をさせていただきました。
貴重な体験と表現しておりますが、頻繁には無理でも自分も子どもができた時などの節目には御祈祷を受けたいなあと感じました。

私が最後に御祈祷を受けたのはおそらく従妹のお宮参りで、小さかった私は意味が分からず何かを聞かせられているという感覚でした。そこから20年ほどたった今も何もわかっていないのは変わらずだと思うのですが(笑)、何かを祈る時間や文化を大切にしたいなという気持ちが強まった体験でした。

参拝フィールドワークを受けてみて

前回同様、今回もかなり楽しい活動でした!

中村さんは参加者の皆様が全員江の島に来たことがあったため、プレッシャーを感じていたと言われていたのですが、中村さんと一緒に行動することで新しく気づけたことがありましたし、何より最初に話があった「光を観る」を常に意識しながら歩いていたので、今までとは違った感じ方で江の島を巡ることができました。

ライフスタイル神社学の講義説明文章にも「当たり前は本当に当たり前なのか?」とあるように、ライフスタイル神社学を受けていると、物事を当たり前だと感じていた自分に気付ける瞬間があります。

かなり個人的な感想になりますが、便利になっていく世の中で、自分自身何かを深く考える・感じる・触れる機会がどんどん減っていると感じます。なので、単純に知らないものを知る・気づけることが楽しい…!
得た知識は次につながりますし、そうすることでどんどん疑問も増えていくんだろうなあと思います。

参加者様の感想をご紹介

今回は観光地の神社ということもあり、観光の由来のお話しがとても心に沁みました。
また、基礎的なお話になりますが、作法のお話、参拝の方法など、身近なお話はすっと入ってきて、心がけようという自身の気持ちもあり印象に残っています。そし
て、中村さんが最後におっしゃられていた、科学や技術の進む現代まで、神様のお話が残っているその事実。現代だからこそ目には見えないものを信じるということはとても大切なことではないかなと感じました。

中村さんが駅で「昔の観光地として建物が並んでない状態の江ノ島を思い浮かべながら今日は参拝しましょう」と言ってくれたおかげで江ノ島神社にいつもとは違う印象がもてた。その後、お昼の質問タイムで聞きたいことが聞けて良かったです。

今回初めて参加させていただきましたが、楽しく学びあるフィールドワークを体験させていただきありがとうございました。
江ノ島には何回も行ったことがありましたが、祀られている神様のことや、歴史を学びながらまわってみると見えているものだけでなく、昔の情景を想像したり思いを馳せたり、改めてしっかり観光することができたのではないかなと思いました。
また、フィールドワークだけでも素晴らしい体験でしたが、加えて御祈祷という大変貴重な体験をさせていただき誠にありがとうございました。

次のライフスタイル神社学の開催予定は?

本レポートでは中村さんのお話をあえて細かく書いておりません!
当日は、日本神話を知れるだけでなく、日本の歴史や人類学などを踏まえて考察された中村さんならではの解釈も交えてお話が聞けるので、自分が生きてきた日本の歴史や暮らしを感じられる、とても楽しいものになっております。

神社巡りが楽しくなる雑学が満載!?ライフスタイル神社学オンライン

神社学

昔から日本の神さまは私たちの暮らしの中にあり、その神さまと出会い語らう場所が神社だったのかもしれません。それは神社が建てられるずっと以前からあった祈りの地であり、自然と共に生きてきた日本人にとって、もっと根源的な空間だったのではないかと思います。

神社学では、奥深い神社の魅力を、「古事記」などに記された神話や伝説を紐解きながら、日本の神さまや歴史的背景、先人との対話を意識して、神社学ならではの楽しみ方をシェアしていきます。 。

オンライン講義スケジュールLIFE STYLE神社学

まずは気軽に参加!ライフスタイル神社学ツアー

全国を巡って講義と体験をお届けする【ライフスタイル神社学ツアー】。
今回のレポートにもなった「参拝フィールドワーク」もこちらに含まれます。
はじめての方にも楽しく体験していただけるものになっています。ぜひお気軽にご参加ください!

<座学入門編>

座学入門編は、「ライフスタイル神社学」の魅力を体感してもらいたいという思いから生まれた、気軽にお楽しみいただける体験版です。
とてもお得な価格となっておりますので、ぜひこの機会にご受講してみてください。

<参拝フィールドワーク編>

フィールドワークでは、中村さんと一緒に祈りの土地へ訪れて参拝をします。
道中では、中村さんによるプチ講義や雑学が飛び出すため、実際に何度も訪れたことがある神社の場合でも、新たな発見が見つかるかもしれません

※参拝ツアーは野外での活動がメインになります。お申し込みの前に開催地の様子をご確認いただき、ご自身の体に無理のないものかどうかを判断いただくことを推奨いたします。
※御祈祷は毎回必ず行われるわけではございません。都合により無い場合がございます。

天岩戸神話の世界にダイブする!あまのいわと学校

参拝フィールドワークは1つの神社にスポットを当てたものですが、こちらのあまのいわと学校は、「天岩戸神話」にスポットを当てた、実際の神話の舞台へ赴き学ぶ体験型コンテンツです。

季節ごとに、座学やフィールドワークを交えた講義を開催し、1年を通して天岩戸神話に触れ、学び、伝えていくことを目的に学んでいきます。

体験し学ぶことで神話の語り部となり、古来より紡がれた「咲き笑う」神さま達の物語を大切な方々に伝えて頂ける事を目的としています。

スケジュールあまのいわと学校
あまのいわと学校 詳しくはこちら
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