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立春も過ぎ、暦の上では春となりました。 春と言えば桜。桜は美しく咲き、そしてはかなく散っていきます。
桜の語源となったと言われているコノハナサクヤヒメという神様はご存知でしょうか? 本記事では、日本の神様「コノハナサクヤヒメ」についてご紹介いたします。
コノハナサクヤヒメは日本神話に登場する大変重要な神様のひとりで、大いなる山の神であるオオヤマツ(ヅ)ミノカミの娘で、とても美しい女神でした。
コノハナサクヤヒメは神話の物語から幅広いご神徳がある神様でもあります。 火の中で子どもを産んだことや、父親が山の神の代表であるオオヤマツミノカミであることなどから、富士山の神とされ、信仰されています。そのほかにも、火の神、酒造の神として祀られています。
『古事記』では「大山津見神(オオヤマツミノカミ)の女(むすめ)、名は神阿多都比売(カムアタツヒメ)。またの名は木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)と謂ふ」と書かれており、 『日本書紀』では、「大山祇神の娘で、名は神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)またの名を木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)」と書かれています。
むしろ「コノハナサクヤヒメ」が別名で、本名は「神阿多都比売(カムアタツヒメ)」もしくは「神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)」が本当の名前です。
コノハナサクヤヒメは名前の通り、花が咲くように、盛美で短命で散ってしまう神様です。まさに美しく短命な花の代表ともいえるサクラの語源となったと言われています。
桜の語源は、実際にははっきりしておらず、動詞「咲く」に接尾語「ら」が付き、名詞になったものという説や、「さ」は「神霊」を意味する「さ」を表し、「くら」は「座」を表すといった説もあります。
「コノハナサクヤヒメ」という名前はいかにも桜をイメージさせますし、美しく咲くけれども短命であるという点も桜をイメージさせますね。
コノハナサクヤヒメは物語の中で重要な神様です。 このお話の時代は、まだ天皇という位のない神代の時代ですが、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの子孫が後の初代天皇につながっていきます。
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の孫にあたるニニギノミコトが吾田の笠沙を散歩しているとき、水汲みに来ていたコノハナサクヤヒメに出会い、コノハナサクヤヒメの美しさに一目惚れしたニニギノミコトは結婚を申し込みます。
コノハナサクヤヒメの父であるオオヤマツミノカミは喜んで、コノハナサクヤヒメを嫁がせることにしました。その時、もう一人の娘である、姉のイワナガヒメ(石長比売)も共に嫁がせようとしました。 しかしイワナガヒメはとても醜い容姿だったため、ニニギノミコトは醜いイワナガヒメを送り返し、美しいコノハナサクヤヒメとだけ結婚しました。
神代の時代は一夫多妻も問題なかったのですが、見た目だけで返してしまうというのはあんまりですね…。
父のオオヤマツミノカミは使者をつかわせ、 「イワナガヒメと結婚されたならば、お生まれになった天つ神のご子孫の寿命は、雪が降り風が吹いても、常に固くある岩のように永遠不変でいらっしゃるでしょう。またコノハナサクヤヒメと結婚されたならば、天つ神のご子孫は花の咲き栄えるよう栄えることでしょう、と祈りを込めて二人を差し上げました。しかしイワナガヒメをお返しになり、コノハナサクヤヒメだけをもらわれました。 このために、天つ神のご子孫のご寿命は、花の盛りの間だけとなるでしょう」 と言いました。
このため、今に至るまで天つ神の子孫である天皇に寿命がうまれた、とされています。
コノハナサクヤヒメとニニギノミコトは結婚し、一夜を共にし、子どもを身ごもります。 しかし、たった一夜で身ごもったことに対してニニギノミコトは、「自分の子ではなく国つ神の子なのだろう」と言います。あらぬ疑いをかけられたコノハナサクヤヒメは、悲しみながら「もしこの子が国つ神の子ならば無事には産めないでしょう。あなたの子なら安産に違いありません」と言い、出入り口のない産屋を作り、火を放ち、その火が燃え盛る中、出産しました。
その時に生まれたのが火照命(ホデリノミコト)、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホヲリノミコト)です。 コノハナサクヤヒメは自らの潔白を証明するために業火の中で出産するなど、美しいだけではない神様ということが伝わりますね。
兄弟は成長し、火照命(ホデリノミコト)は海幸彦となり、火遠理命(ホヲリノミコト)は山幸彦となります。この山幸彦の孫が、初代の天皇神武天皇です。
この兄弟のお話もおもしろいので、別の機会にふれられたら…と思います。
コノハナサクヤヒメは父親が山の神であるため、同じように山の神として祀られています。 一番有名なのは富士山本宮浅間大社です。浅間神社は全国に1,300社以上もあり、コノハナサクヤヒメが祀られています。
また、火の中でも無事出産をしたことから、安産、子育ての神様としても祀られており、伊勢神宮内宮の子安神社や、宮崎県の木花神社・高千穂神社、鹿児島県の新田神社、愛媛県今治市の大山祇神社、京都府宇治市の縣神社など、全国各地にたくさん祀られています。そのなかで、4社ほどご紹介します。
静岡県にある、富士山本宮浅間大社は、富士山信仰の広まりと共に全国に祀られた1300ほどの浅間神社の総本宮です。 主祭神をコノハナサクヤヒメとし、夫のニニギノミコト、父のオオヤマツミノカミも一緒に祀られています。 コノハナサクヤヒメの名前から桜をご神木とし、境内には500本もの桜が植えられています。
山梨県にある北口本宮冨士浅間神社もまた富士山を祀る神社です。主祭神はコノハナサクヤヒメ。 そしてニニギノミコト、オオヤマツミノカミも祀られています。
奈良県にある当麻山口神社は全ての山の神として、オオヤマツミノカミを祀り、コノハナサクヤヒメ、ニニギノミコトも祀っています。
山梨県の甲斐国一宮浅間神社は、貞観7年の富士山大噴火の翌年にコノハナサクヤヒメをお遷しし、祀っています。山の神様として、また農業、酒造の守護神、結婚、子授け、安産の神様として信仰されています。
岩座では、日本神話に登場する神様を表紙にデザインしたアイテムをご用意しております。 その中に今回のお話の主役であったコノハナサクヤヒメのアイテムもございますので、ぜひお手に取ってみてください。
コノハナサクヤヒメは美しいだけではなく、火の中でも出産をするという、強い女神でもあります。花の盛りは一時ですが、素晴らしい花を咲かせ、周囲に幸せな気持ちをもたらしてくれるものです。
美しく、強いコノハナサクヤヒメのように、素敵な女性でいたいものですね。
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立春も過ぎ、暦の上では春となりました。
春と言えば桜。桜は美しく咲き、そしてはかなく散っていきます。
桜の語源となったと言われているコノハナサクヤヒメという神様はご存知でしょうか?
本記事では、日本の神様「コノハナサクヤヒメ」についてご紹介いたします。
目次
コノハナサクヤヒメはどんな神様?
コノハナサクヤヒメは日本神話に登場する大変重要な神様のひとりで、大いなる山の神であるオオヤマツ(ヅ)ミノカミの娘で、とても美しい女神でした。
コノハナサクヤヒメは神話の物語から幅広いご神徳がある神様でもあります。
火の中で子どもを産んだことや、父親が山の神の代表であるオオヤマツミノカミであることなどから、富士山の神とされ、信仰されています。そのほかにも、火の神、酒造の神として祀られています。
コノハナサクヤヒメの別名
『古事記』では「大山津見神(オオヤマツミノカミ)の女(むすめ)、名は神阿多都比売(カムアタツヒメ)。またの名は木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)と謂ふ」と書かれており、
『日本書紀』では、「大山祇神の娘で、名は神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)またの名を木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)」と書かれています。
むしろ「コノハナサクヤヒメ」が別名で、本名は「神阿多都比売(カムアタツヒメ)」もしくは「神吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)」が本当の名前です。
これが酒を造ったはじまりであるとして、大山津見神を酒解神、コノハナサクヤヒメを酒解子と呼び、酒の守護神として信仰されるようになった。
桜の語源と言われるのはなぜ?
コノハナサクヤヒメは名前の通り、花が咲くように、盛美で短命で散ってしまう神様です。まさに美しく短命な花の代表ともいえるサクラの語源となったと言われています。
桜の語源は、実際にははっきりしておらず、動詞「咲く」に接尾語「ら」が付き、名詞になったものという説や、「さ」は「神霊」を意味する「さ」を表し、「くら」は「座」を表すといった説もあります。
「コノハナサクヤヒメ」という名前はいかにも桜をイメージさせますし、美しく咲くけれども短命であるという点も桜をイメージさせますね。
コノハナサクヤヒメに関する神話
コノハナサクヤヒメは物語の中で重要な神様です。
このお話の時代は、まだ天皇という位のない神代の時代ですが、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの子孫が後の初代天皇につながっていきます。
コノハナサクヤヒメにニニギノミコトが一目惚れ
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の孫にあたるニニギノミコトが吾田の笠沙を散歩しているとき、水汲みに来ていたコノハナサクヤヒメに出会い、コノハナサクヤヒメの美しさに一目惚れしたニニギノミコトは結婚を申し込みます。
父は姉のイワナガヒメも差し出したがニニギノミコトは送り返す
コノハナサクヤヒメの父であるオオヤマツミノカミは喜んで、コノハナサクヤヒメを嫁がせることにしました。その時、もう一人の娘である、姉のイワナガヒメ(石長比売)も共に嫁がせようとしました。
しかしイワナガヒメはとても醜い容姿だったため、ニニギノミコトは醜いイワナガヒメを送り返し、美しいコノハナサクヤヒメとだけ結婚しました。
神代の時代は一夫多妻も問題なかったのですが、見た目だけで返してしまうというのはあんまりですね…。
父のオオヤマツミノカミは使者をつかわせ、
(※『古事記』より。現代語訳筆者)「イワナガヒメと結婚されたならば、お生まれになった天つ神のご子孫の寿命は、雪が降り風が吹いても、常に固くある岩のように永遠不変でいらっしゃるでしょう。またコノハナサクヤヒメと結婚されたならば、天つ神のご子孫は花の咲き栄えるよう栄えることでしょう、と祈りを込めて二人を差し上げました。しかしイワナガヒメをお返しになり、コノハナサクヤヒメだけをもらわれました。
このために、天つ神のご子孫のご寿命は、花の盛りの間だけとなるでしょう」
と言いました。
このため、今に至るまで天つ神の子孫である天皇に寿命がうまれた、とされています。
コノハナサクヤヒメは業火の中で出産するほど強い女神
コノハナサクヤヒメとニニギノミコトは結婚し、一夜を共にし、子どもを身ごもります。
しかし、たった一夜で身ごもったことに対してニニギノミコトは、「自分の子ではなく国つ神の子なのだろう」と言います。あらぬ疑いをかけられたコノハナサクヤヒメは、悲しみながら「もしこの子が国つ神の子ならば無事には産めないでしょう。あなたの子なら安産に違いありません」と言い、出入り口のない産屋を作り、火を放ち、その火が燃え盛る中、出産しました。
その時に生まれたのが火照命(ホデリノミコト)、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホヲリノミコト)です。
コノハナサクヤヒメは自らの潔白を証明するために業火の中で出産するなど、美しいだけではない神様ということが伝わりますね。
兄弟は成長し、火照命(ホデリノミコト)は海幸彦となり、火遠理命(ホヲリノミコト)は山幸彦となります。この山幸彦の孫が、初代の天皇神武天皇です。
この兄弟のお話もおもしろいので、別の機会にふれられたら…と思います。
コノハナサクヤヒメが祀られる神社
コノハナサクヤヒメは父親が山の神であるため、同じように山の神として祀られています。
一番有名なのは富士山本宮浅間大社です。浅間神社は全国に1,300社以上もあり、コノハナサクヤヒメが祀られています。
また、火の中でも無事出産をしたことから、安産、子育ての神様としても祀られており、伊勢神宮内宮の子安神社や、宮崎県の木花神社・高千穂神社、鹿児島県の新田神社、愛媛県今治市の大山祇神社、京都府宇治市の縣神社など、全国各地にたくさん祀られています。そのなかで、4社ほどご紹介します。
富士山本宮浅間大社
静岡県にある、富士山本宮浅間大社は、富士山信仰の広まりと共に全国に祀られた1300ほどの浅間神社の総本宮です。
主祭神をコノハナサクヤヒメとし、夫のニニギノミコト、父のオオヤマツミノカミも一緒に祀られています。
コノハナサクヤヒメの名前から桜をご神木とし、境内には500本もの桜が植えられています。
北口本宮冨士浅間神社
山梨県にある北口本宮冨士浅間神社もまた富士山を祀る神社です。主祭神はコノハナサクヤヒメ。
そしてニニギノミコト、オオヤマツミノカミも祀られています。
当麻山口神社
奈良県にある当麻山口神社は全ての山の神として、オオヤマツミノカミを祀り、コノハナサクヤヒメ、ニニギノミコトも祀っています。
一宮浅間神社
山梨県の甲斐国一宮浅間神社は、貞観7年の富士山大噴火の翌年にコノハナサクヤヒメをお遷しし、祀っています。山の神様として、また農業、酒造の守護神、結婚、子授け、安産の神様として信仰されています。
コノハナサクヤヒメが描かれた御朱印帳・お守り袋
岩座では、日本神話に登場する神様を表紙にデザインしたアイテムをご用意しております。
その中に今回のお話の主役であったコノハナサクヤヒメのアイテムもございますので、ぜひお手に取ってみてください。
まとめ
コノハナサクヤヒメは美しいだけではなく、火の中でも出産をするという、強い女神でもあります。花の盛りは一時ですが、素晴らしい花を咲かせ、周囲に幸せな気持ちをもたらしてくれるものです。
美しく、強いコノハナサクヤヒメのように、素敵な女性でいたいものですね。
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