人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
南国の楽園ハワイにも、「雪の女神」がいるのをご存じですか? ハワイ神話に登場する雪の女神ポリアフは、ハワイ島マウナケア山に住むといわれています。
マウナケア山は、標高4,205m。温暖なハワイとはいえ、富士山よりも高い山の頂上には、冬になると雪が積もります。
そのため、冬にハワイ島に訪れると、山ではスキー、ビーチでは水着でサーフィンと1日で両方楽しむことができるんです。
今回は、常夏の島ハワイに住む雪の女神、ポリアフについてお届けします。
白いマントを羽織った美しい雪の女神。ポリアフとはいったいどんな女神なのでしょう?他にも雪の女神はいるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
ハワイ神話に出てくる雪の女神ポリアフは、ハワイ四大神の一人であるカーネの娘。強くて大変美しく、冷静沈着な女神としてハワイの人々に愛されています。
ポリアフが白いマントをひるがえすと、煮えたぎる溶岩も一瞬で冷え固まってしまいます。また、その美貌に嫉妬した火の神ペレが、何度も戦いを挑みますがペレはどうしてもポリアフに勝つことができません。
ポリアフが住むマウナケア山は、古代から神聖な場所。多くのヘイアウ(古代の祭壇)や王族の遺骨が埋葬されており、ポリアフによって守られています。
ポリアフは4姉妹の長女。姉妹全員が雪の女神だという説もありますが、他の3人の女神は、それぞれに違った役割を持っています。
次女のリリノエは「霧の女神」。姉であるポリアフの身だしなみを整える係。リリノエのおかげで、ポリアフの長い髪は、マウナケアに漂う雲のように柔らかく輝いているのだとか。
リリノエは「マウイ島ハレアカラの雪の女神」という説もあります。また、大洪水で生き残ったナナヌウと結婚し、マウナケアの斜面の洞窟に住んでいるともいわれています。
三女のワイカウは「湖と清流の女神」。マウナケア山頂付近にあるワイメア湖の守り神で、ポリアフの水浴びや飲み水を担当しています。ひょうたんに入れた甘く美味しい水をポリアフに飲ませます。
古代ハワイでは、ワイメア湖は大変神聖な場所とされ、王族に子どもが生まれると、湖にへその緒を投げ入れ子どもの健康を祈願したといわれています。
四女のカホウポカネは「衣の女神」で、カパ(樹皮布)作りの名人です。フアラライ山に住み、ポリアフをはじめ4人の女神が着ている純白のカパを作っています。
カホウポカネがカパを作る際、木の棒で木の皮を打つ音は「雷鳴」、カパを裏返す動作は「稲妻」を表します。晴れた日には、山肌に純白のカパを広げて乾かしているのが見えるそうです。
ポリアフを描いた伝説で、有名なエピソードを2つ紹介します。どちらも、美しくクールで愛情深いポリアフの魅力が垣間見える物語です。
カウアイ島の王子アイオヒクプアが、ある日ハワイ島のハマクア海岸で岩に腰掛けているポリアフを見かけます。
あまりの美しさに一目惚れしたアイオヒクプアはポリアフに声をかけます。2人は恋に落ち、結婚することになりました。ハワイ島で式を挙げた後、カウアイ島でも祝宴を挙げるため、ハワイを出発。
しかしカウアイ島での祝宴の最中、トラブルが起こります。実はアイオヒクプアは、すでにマウイ島の女王と婚約していて、ポリアフのことを知った婚約者が怒って乗り込んできたのです。
修羅場と化した現場を冷ややかに見つめるポリアフ。するとカウアイ中が冷気に包まれ、寒さのあまり婚約者はマウイ島へ逃げ帰ってしまいました。ポリアフはさらに冷たい風をアイオヒクプアに浴びせかけると、自ら身を引きハワイ島へと帰って行きました。
ある日、ポリアフは3人の姉妹と一緒にマウナケアの斜面で「ホルア」を楽しんでいました。ホルアとは、長い木製のソリに寝そべり斜面を滑り降りる古代ハワイのスポーツのこと。
そこへ黒髪の美しい女性が現れ、一緒に滑ろうと声をかけてきます。彼女は猛スピードで滑走路を滑り下り得意気な様子。ホルアには絶対の自信があるポリアフは「私と競争しましょう!」と黒髪の女に勝負を挑みました。
2人は見事な滑りを見せますが、わずかな差でポリアフが勝利。黒髪の女が地団駄を踏み悔しがると、地面が揺れ、地下から溶岩が吹き出し、山は炎に包まれてしまいます。そう、黒髪の女は火の女神ペレだったのです。
ポリアフはあわてて白いマントを広げ、ペレが放った炎を消して回ります。2人の戦いは激しさを増し、ハワイ島全土を揺るがすほどの事態に。最後はポリアフが降らせた吹雪によって、溶岩は冷たい岩へと変わり、火口を塞いでしまいました。
戦いに勝利したにもかかわらず、ポリアフはペレをハワイ島から追い出すことはありませんでした。この戦い以降、マウナケアより南をペレの領域、北をポリアフの領域とし、それぞれが統治することにしました。
ハワイ諸島には、ポリアフに関係のある場所がいくつかあります。その中で特に有名なスポットをご紹介します。
ハワイ諸島の最高峰、ハワイ島にあるマウナケア山は、雪の女神ポリアフが住む場所。「マウナケア=白い山」の意味で、冬には雪が降ることでも知られています。
前述の「ペレとポリアフの戦い」以来マウナケアは噴火したことはなく、現在は死火山とされています(最後に噴火したのは約4,500年前)。頂上への登山ルートは観光ツアーとしても人気があります。
山の中腹のオニヅカ・ビジターセンターの裏にはポリアフを祀った小さな祭壇があります。山頂に登る際、ここでツアーの無事を祈願するそうです。
ラウパホエホエはハワイ島ヒロの北側、ハマクアコーストにある小さな町。ラウパホエホエ・ビーチには不思議な形をしたたくさんの岩が海から顔を出しています。
これらは「ペレとポリアフの戦い」で、ペレが流した溶岩がポリアフの力で冷やされ固まってできたものだとか。「ラウパホエホエの奇岩」と呼ばれ、観光スポットになっています。
カウアイ島東部ワイルア川を見下ろす断崖に、ポリアフ・ヘイアウがあります。石垣の高さ約1.5m、広さ約80m x 55m、カウアイで最大規模のヘイアウです。
かつては戦勝祈願のため、いけにえが捧げられていた宗教的な遺跡。ハワイの小人メネフネが一夜にして造り上げたという伝説も残っています。
古代ハワイでは、死者の魂はここから冥界へ旅立つと考えられていたそう。雪の女神ポリアフにちなんでつけられた名前ですが、残念ながら詳しい由来はわかっていません。
曲名/アーティスト
雪の女神ポリアフを讃える曲。去っていった恋人への切ない思いを歌っています。
雪に覆われたマウナケア山とポリアフの美しい姿を讃え「大切にしよう」と伝えています。
マウナケア山に住む女神、美しいポリアフへの愛が、マウナケアの雨、花、鳥の名前とともに歌われています。
ハワイ神話の中では、火の女神ペレのライバル的存在として描かれている、雪の女神ポリアフ。2人はともに強く美しい女神である上、「火」と「雪」という対極をつかさどるため相性が悪いのかもしれませんね。
ポリアフを讃えた曲は、しっとり心に染みるものが多く、フラダンサーの間でもポリアフ推しの方は多いのではないでしょうか?
冷静沈着で絶世の美女、圧倒的な強さを持ち、愛情深い雪の女神。多くの人に愛されるポリアフの魅力をお届けしました。
南国の楽園ハワイにも、「雪の女神」がいるのをご存じですか?
ハワイ神話に登場する雪の女神ポリアフは、ハワイ島マウナケア山に住むといわれています。
マウナケア山は、標高4,205m。温暖なハワイとはいえ、富士山よりも高い山の頂上には、冬になると雪が積もります。
そのため、冬にハワイ島に訪れると、山ではスキー、ビーチでは水着でサーフィンと1日で両方楽しむことができるんです。
今回は、常夏の島ハワイに住む雪の女神、ポリアフについてお届けします。
目次
雪の女神
白いマントを羽織った美しい雪の女神。ポリアフとはいったいどんな女神なのでしょう?他にも雪の女神はいるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
雪の女神ポリアフとは
ハワイ神話に出てくる雪の女神ポリアフは、ハワイ四大神の一人であるカーネの娘。強くて大変美しく、冷静沈着な女神としてハワイの人々に愛されています。
ポリアフが白いマントをひるがえすと、煮えたぎる溶岩も一瞬で冷え固まってしまいます。また、その美貌に嫉妬した火の神ペレが、何度も戦いを挑みますがペレはどうしてもポリアフに勝つことができません。
ポリアフが住むマウナケア山は、古代から神聖な場所。多くのヘイアウ(古代の祭壇)や王族の遺骨が埋葬されており、ポリアフによって守られています。
他3人の雪の女神
ポリアフは4姉妹の長女。姉妹全員が雪の女神だという説もありますが、他の3人の女神は、それぞれに違った役割を持っています。
リリノエ
次女のリリノエは「霧の女神」。姉であるポリアフの身だしなみを整える係。リリノエのおかげで、ポリアフの長い髪は、マウナケアに漂う雲のように柔らかく輝いているのだとか。
リリノエは「マウイ島ハレアカラの雪の女神」という説もあります。また、大洪水で生き残ったナナヌウと結婚し、マウナケアの斜面の洞窟に住んでいるともいわれています。
ワイカウ
三女のワイカウは「湖と清流の女神」。マウナケア山頂付近にあるワイメア湖の守り神で、ポリアフの水浴びや飲み水を担当しています。ひょうたんに入れた甘く美味しい水をポリアフに飲ませます。
古代ハワイでは、ワイメア湖は大変神聖な場所とされ、王族に子どもが生まれると、湖にへその緒を投げ入れ子どもの健康を祈願したといわれています。
カホウポカネ
四女のカホウポカネは「衣の女神」で、カパ(樹皮布)作りの名人です。フアラライ山に住み、ポリアフをはじめ4人の女神が着ている純白のカパを作っています。
カホウポカネがカパを作る際、木の棒で木の皮を打つ音は「雷鳴」、カパを裏返す動作は「稲妻」を表します。晴れた日には、山肌に純白のカパを広げて乾かしているのが見えるそうです。
ポリアフの伝説と物語
ポリアフを描いた伝説で、有名なエピソードを2つ紹介します。どちらも、美しくクールで愛情深いポリアフの魅力が垣間見える物語です。
アイオヒクプアとの結婚式
カウアイ島の王子アイオヒクプアが、ある日ハワイ島のハマクア海岸で岩に腰掛けているポリアフを見かけます。
あまりの美しさに一目惚れしたアイオヒクプアはポリアフに声をかけます。2人は恋に落ち、結婚することになりました。ハワイ島で式を挙げた後、カウアイ島でも祝宴を挙げるため、ハワイを出発。
しかしカウアイ島での祝宴の最中、トラブルが起こります。実はアイオヒクプアは、すでにマウイ島の女王と婚約していて、ポリアフのことを知った婚約者が怒って乗り込んできたのです。
修羅場と化した現場を冷ややかに見つめるポリアフ。するとカウアイ中が冷気に包まれ、寒さのあまり婚約者はマウイ島へ逃げ帰ってしまいました。ポリアフはさらに冷たい風をアイオヒクプアに浴びせかけると、自ら身を引きハワイ島へと帰って行きました。
ペレとポリアフの戦い
ある日、ポリアフは3人の姉妹と一緒にマウナケアの斜面で「ホルア」を楽しんでいました。ホルアとは、長い木製のソリに寝そべり斜面を滑り降りる古代ハワイのスポーツのこと。
そこへ黒髪の美しい女性が現れ、一緒に滑ろうと声をかけてきます。彼女は猛スピードで滑走路を滑り下り得意気な様子。ホルアには絶対の自信があるポリアフは「私と競争しましょう!」と黒髪の女に勝負を挑みました。
2人は見事な滑りを見せますが、わずかな差でポリアフが勝利。黒髪の女が地団駄を踏み悔しがると、地面が揺れ、地下から溶岩が吹き出し、山は炎に包まれてしまいます。そう、黒髪の女は火の女神ペレだったのです。
ポリアフはあわてて白いマントを広げ、ペレが放った炎を消して回ります。2人の戦いは激しさを増し、ハワイ島全土を揺るがすほどの事態に。最後はポリアフが降らせた吹雪によって、溶岩は冷たい岩へと変わり、火口を塞いでしまいました。
戦いに勝利したにもかかわらず、ポリアフはペレをハワイ島から追い出すことはありませんでした。この戦い以降、マウナケアより南をペレの領域、北をポリアフの領域とし、それぞれが統治することにしました。
ポリアフにまつわる有名なスポット
ハワイ諸島には、ポリアフに関係のある場所がいくつかあります。その中で特に有名なスポットをご紹介します。
マウナケア
ハワイ諸島の最高峰、ハワイ島にあるマウナケア山は、雪の女神ポリアフが住む場所。「マウナケア=白い山」の意味で、冬には雪が降ることでも知られています。
前述の「ペレとポリアフの戦い」以来マウナケアは噴火したことはなく、現在は死火山とされています(最後に噴火したのは約4,500年前)。頂上への登山ルートは観光ツアーとしても人気があります。
山の中腹のオニヅカ・ビジターセンターの裏にはポリアフを祀った小さな祭壇があります。山頂に登る際、ここでツアーの無事を祈願するそうです。
ラウパホエホエ
ラウパホエホエはハワイ島ヒロの北側、ハマクアコーストにある小さな町。ラウパホエホエ・ビーチには不思議な形をしたたくさんの岩が海から顔を出しています。
これらは「ペレとポリアフの戦い」で、ペレが流した溶岩がポリアフの力で冷やされ固まってできたものだとか。「ラウパホエホエの奇岩」と呼ばれ、観光スポットになっています。
ポリアフ・ヘイアウ
カウアイ島東部ワイルア川を見下ろす断崖に、ポリアフ・ヘイアウがあります。石垣の高さ約1.5m、広さ約80m x 55m、カウアイで最大規模のヘイアウです。
かつては戦勝祈願のため、いけにえが捧げられていた宗教的な遺跡。ハワイの小人メネフネが一夜にして造り上げたという伝説も残っています。
古代ハワイでは、死者の魂はここから冥界へ旅立つと考えられていたそう。雪の女神ポリアフにちなんでつけられた名前ですが、残念ながら詳しい由来はわかっていません。
ポリアフを歌った曲
曲名/アーティスト
①Poliʻahu(ポリアフ)/Brothers Cazimero
雪の女神ポリアフを讃える曲。去っていった恋人への切ない思いを歌っています。
②Ku'u Poliʻahu(クウ・ポリアフ)/Kalani Peʻa
雪に覆われたマウナケア山とポリアフの美しい姿を讃え「大切にしよう」と伝えています。
③E 'Ike I Ka Nani A 'O Poliahu(エ・イケ・イ・カ・ナニ・ア・オ・ポリアフ)/Waipuna
マウナケア山に住む女神、美しいポリアフへの愛が、マウナケアの雨、花、鳥の名前とともに歌われています。
まとめ
ハワイ神話の中では、火の女神ペレのライバル的存在として描かれている、雪の女神ポリアフ。2人はともに強く美しい女神である上、「火」と「雪」という対極をつかさどるため相性が悪いのかもしれませんね。
ポリアフを讃えた曲は、しっとり心に染みるものが多く、フラダンサーの間でもポリアフ推しの方は多いのではないでしょうか?
冷静沈着で絶世の美女、圧倒的な強さを持ち、愛情深い雪の女神。多くの人に愛されるポリアフの魅力をお届けしました。