人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
ラジャスタンと聞いて、あなたはどんな景色を想像しますか? インドで最もエキゾチックで幻想的な場所と言われている、インド北西部に位置する州・ラジャスタン。 インドの玄関口である首都デリー、タージマハルで有名なアグラと並んで、インドで大人気の三大観光地「ゴールデントライアングル」のひとつで、インド旅行に行くならば絶対に外したくない魅力がぎっしり詰まった場所。
今回は、そんなラジャスタンの魅力をたっぷりお伝えしたいと思います♪
インドで一番大きな州であるラジャスタン、西側には広大なタール砂漠が広がりますが、トラやヒョウなどが生息する丘陵地帯やジャングルもあります。
ラジャスタン州は、パキスタンと国境を接するインド北西部の州。日本からは飛行機で10時間ほどでインドの玄関口デリーに着きます。 州都のジャイプールはそこから260km南西に位置し、国内線で1時間ほどで到着します。
インドで最も面積の大きい州で、日本の国土とほとんど変わらない大きさの土地に、日本の人口の半分より少し多い、およそ6850万人が暮らしています。
ラジャスタン州を訪れるならば、10月〜3月頃がおすすめです。4月以降は暑さが大変厳しくなり、その後は雨季もやってきます。
ラジャスタンとは「ラージプータナー=ラージプート族の地」が語源となっています。 5世紀中頃から、中央アジアより侵入してきた異民族やこの地の支配者層が融合、インド化してラージプート族が住み着いたことからこの名称になり、8~18世紀頃にこの地に王朝を築き栄えました。
なぜラジャスタンはインドで一番幻想的と言われるのでしょうか。いくつかの有名な街を見てゆきましょう。
「ゴールデンシティ」と呼ばれるのがジャイサルメール。 世界遺産にもなっているジャイサルメール城塞をはじめ、たくさんの建物がここの大地と同じ黄色い砂岩で出来ていて、夕日に照らされると黄金に輝き、それはそれは幻想的な景観であります。 人口の四分の一が、現在も城塞の中で暮らしていて、中世の城下町そのままの姿でありながら、観光地としてだけでなく寺院や商店などもあり、地元民の日常の暮らしが営まれているのが特徴です。
「ブルーシティ」ジョードプル。州都ジャイプールから西へおよそ300km。タール砂漠の入り口にあります。 長さ10kmもの城壁に囲まれた旧市街のほとんどの建物が青色に統一されているため、「ブルーシティ」と呼ばれています。 なぜ青色の建物が多いかには諸説ありますが、もともとはバラモン階級(僧侶、祭司)の家であることを示すために青色にしていた、害虫駆除目的で青色に塗った、涼をとるために青色に塗ったなどと言われています。現在ではバラモン以外の人も青く塗ることが出来る上に、ペンキが薄くなると自由に重ね塗りをするので、様々なトーンの青色があり、見る人を楽しませてくれます。
街が一望できるメヘランガール城は、漫画『ワンピース』のアラバスタ編のモデルにもなっていて、ワンピースファンにも大変人気だそうです。
白い建物が多いことから「ホワイトシティ」とも呼ばれるウダイプールは、ラジャスターン州南部の行政・商業の中心地。王族が住む白亜の宮殿、シティパレスは、王の代がかわるごとに増築され、今では巨大な宮殿コンプレックスとなっており、外観だけでなく内部も豪華絢爛。随所に施された細密なレリーフやタイルの装飾は、実に色とりどりで華麗です。 河を堰き止めて作った人工の湖・ピチョーラー湖があることから、「湖の都市」との呼び名もあります。
「ピンクシティ」と呼ばれるのは、ラジャスタン州の州都・ジャイプール。 壁や旧市街の建物が赤砂岩で造られていて、町全体がローズピンクに輝いて見えます。 マハラジャによって1729年に建設された王宮がシティパレスで、薔薇色の美しい建物は、クジャクやハスをモチーフにした門のデザインも素晴らしく必見です。
また「風の宮殿」は、姿を見られることを禁じられていた宮中女性のために1799年、マハラジャが建てました。5階建ての正面部分に並ぶ小部屋にはどの方角からも風が入るように工夫されています。ローズピンクの小部屋が並ぶ景観はジャイプールのランドマーク的観光地。 まるでおとぎ話の中にいるような気分になります。
どうですか? 美しい色で統一された中世の街並みにタイムトリップできるラジャスタンの街の数々。きっと幻想的な気分に浸れることでしょう。 次にも紹介しますが、ピンクシティは世界遺産に登録されています。
インドには42もの世界遺産があり、その数は世界第6位。 ラジャスタン州にはそのうち3つがあり、先に紹介したピンクシティと呼ばれるジャイプール市街もその1つ。 他の2つをご紹介します。
ジャンタル・マンタル天文台は、最も規模が大きい天体観測施設で、2010年に世界文化遺産に登録されました。造られたのが18世紀とは信じがたい最先端で革新的な技術を駆使した設計なのだとか。 そして、まるでアートのような美しい造形が特徴。しかもなんと、現在も正確な計測が可能で、天体観測に使用されています。
次に、ラジャスタン州の丘陵要塞群として、6つの城塞都市が世界遺産に指定されています。それぞれの土地に築かれた圧巻のお城の建築美と歴史が楽しめます。全てを巡ってみたいですよね♪ その中でも、観光で最もポピュラーなのはアンベール城なのだとか。とあるツアーでは、像に乗ってお城の中を回れるらしいですよ♪
クンバルガル・フォート、ジャイサルメール・フォート、チットールガル・フォート
アンベール・フォート、ガングロン・フォート、ランタンボール・フォート
古くから様々な文化が混ざり合い栄えてきたラジャスタンは、伝統芸術の宝庫。その一部を紹介します。
今や世界中で人気のあるブロックプリントはインドの伝統工芸のひとつで、ラジャスタン州に工房がたくさんあります。 手彫りの木版を使って布にインクを押し付けていくブロックプリントは、何種類もの木版を使いインクを重ねてゆくので、複雑な柄になるとその作業工程は果てしないものになります。
その分機械では決して出せないハンドメイドならではの温かい風合いが魅力です。
ブロックプリントと同じく、世界に輸出されているラジャスタ州ンの伝統工芸のひとつに絞り染めの「バンダニ」があります。みなさんも知らず知らずのうちに一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
豆知識ですが、18世紀にはすでに海外へ輸出されるようになり、それが「バンダナ」の語源にもなりました。インド国内でも晴れ着から普段着まで、あるいは生活の布として、人びとの暮らしの中で利用され続けています。
ラジャスタンには、いくつもの伝統舞踊があります。その中でもユネスコ無形文化遺産に登録された「カルベリアダンス」は、ラジャスタンを代表する踊り。
カルベリア族=蛇遣い族の女性たちによって生まれた踊りで、コブラに見立てた黒い華やかな衣装を見に纏い、激しいステップとともに手先や上半身などで蛇を表現します。
旅先での食事は大きな楽しみのひとつですよね。 民族や信仰により、厳格な菜食から肉食まで幅広い食習慣の人々が暮らすラジャスタン州。 食事も実に多様で、極端な乾燥や高温といった気候的条件が影響した個性的な料理がたくさんあります。
ラジャスタン州独特の料理のひとつに「ケル・サングリ」があります。 干したケルの実とサンリ豆という、あまり聞き慣れない食材が使われるベジタリアン料理。ケルの実は、ラジャスタンの中でも特に乾燥地帯で育ち、長い飢餓の際、多くの植物が枯れる中でも実が豊かに実っていたと言われている植物です。 生だと酸味が強いので、塩水に浸して洗い、干してから調理します。サンリ豆は生で収穫したものを、茹でてから干します。このような植物が育ちにくい乾燥地帯ならではの知恵の詰まった食材を、スパイスやチリで味付けして、インドのパンとともに食べます。
また、ラジャスタン州独特の飲み物として有名なのが「マカニヤ・ラッシー」。 ラッシーはインド全土で飲まれているヨーグルトドリンクですが、マカニヤ・ラッシーは、ヨーグルト、砂糖、カルダモンなどとサフランを浸した牛乳が混ぜ合わさったものに、クリームやナッツ、ドライフルーツなどがトッピングされていて、よりリッチなフレイバーと豪華さが特徴。 トロトロで飲み物というよりは、スプーンですくって食べるデザートのような感覚で、ラジャスタンを旅行中にハマる人も多いとか。
駆け足でラジャスタンを紹介してきました。 正直これはごく一部で、まだまだたくさんの魅力が詰まったラジャスタンですが、みなさんはどんなところに惹かれましたか?
みなさんのいつか訪れたい旅先リストにラジャスタンが加われば、嬉しい限りです。
ラジャスタンと聞いて、あなたはどんな景色を想像しますか?
インドで最もエキゾチックで幻想的な場所と言われている、インド北西部に位置する州・ラジャスタン。
インドの玄関口である首都デリー、タージマハルで有名なアグラと並んで、インドで大人気の三大観光地「ゴールデントライアングル」のひとつで、インド旅行に行くならば絶対に外したくない魅力がぎっしり詰まった場所。
今回は、そんなラジャスタンの魅力をたっぷりお伝えしたいと思います♪
目次
インドのラジャスタン州の基礎知識
インドで一番大きな州であるラジャスタン、西側には広大なタール砂漠が広がりますが、トラやヒョウなどが生息する丘陵地帯やジャングルもあります。
ラジャスタン州はインドのどこにあるの? 日本からのアクセスは?
ラジャスタン州は、パキスタンと国境を接するインド北西部の州。日本からは飛行機で10時間ほどでインドの玄関口デリーに着きます。
州都のジャイプールはそこから260km南西に位置し、国内線で1時間ほどで到着します。
ラジャスタン州の面積や人口
インドで最も面積の大きい州で、日本の国土とほとんど変わらない大きさの土地に、日本の人口の半分より少し多い、およそ6850万人が暮らしています。
ラジャスタン州の気候 おすすめのシーズン
ラジャスタン州を訪れるならば、10月〜3月頃がおすすめです。4月以降は暑さが大変厳しくなり、その後は雨季もやってきます。
ラジャスタンの語源と歴史
ラジャスタンとは「ラージプータナー=ラージプート族の地」が語源となっています。
5世紀中頃から、中央アジアより侵入してきた異民族やこの地の支配者層が融合、インド化してラージプート族が住み着いたことからこの名称になり、8~18世紀頃にこの地に王朝を築き栄えました。
ラジャスタン州がインドで一番幻想的と言われるのはなぜ?
なぜラジャスタンはインドで一番幻想的と言われるのでしょうか。いくつかの有名な街を見てゆきましょう。
「ゴールデンシティ」ジャイサルメール
「ゴールデンシティ」と呼ばれるのがジャイサルメール。
世界遺産にもなっているジャイサルメール城塞をはじめ、たくさんの建物がここの大地と同じ黄色い砂岩で出来ていて、夕日に照らされると黄金に輝き、それはそれは幻想的な景観であります。
人口の四分の一が、現在も城塞の中で暮らしていて、中世の城下町そのままの姿でありながら、観光地としてだけでなく寺院や商店などもあり、地元民の日常の暮らしが営まれているのが特徴です。
「ブルーシティ」ジョードプル
「ブルーシティ」ジョードプル。州都ジャイプールから西へおよそ300km。タール砂漠の入り口にあります。
長さ10kmもの城壁に囲まれた旧市街のほとんどの建物が青色に統一されているため、「ブルーシティ」と呼ばれています。
なぜ青色の建物が多いかには諸説ありますが、もともとはバラモン階級(僧侶、祭司)の家であることを示すために青色にしていた、害虫駆除目的で青色に塗った、涼をとるために青色に塗ったなどと言われています。現在ではバラモン以外の人も青く塗ることが出来る上に、ペンキが薄くなると自由に重ね塗りをするので、様々なトーンの青色があり、見る人を楽しませてくれます。
街が一望できるメヘランガール城は、漫画『ワンピース』のアラバスタ編のモデルにもなっていて、ワンピースファンにも大変人気だそうです。
「ホワイトシティ」ウダイプール
白い建物が多いことから「ホワイトシティ」とも呼ばれるウダイプールは、ラジャスターン州南部の行政・商業の中心地。王族が住む白亜の宮殿、シティパレスは、王の代がかわるごとに増築され、今では巨大な宮殿コンプレックスとなっており、外観だけでなく内部も豪華絢爛。随所に施された細密なレリーフやタイルの装飾は、実に色とりどりで華麗です。
河を堰き止めて作った人工の湖・ピチョーラー湖があることから、「湖の都市」との呼び名もあります。
「ピンクシティ」ジャイプール
「ピンクシティ」と呼ばれるのは、ラジャスタン州の州都・ジャイプール。
壁や旧市街の建物が赤砂岩で造られていて、町全体がローズピンクに輝いて見えます。
マハラジャによって1729年に建設された王宮がシティパレスで、薔薇色の美しい建物は、クジャクやハスをモチーフにした門のデザインも素晴らしく必見です。
また「風の宮殿」は、姿を見られることを禁じられていた宮中女性のために1799年、マハラジャが建てました。5階建ての正面部分に並ぶ小部屋にはどの方角からも風が入るように工夫されています。ローズピンクの小部屋が並ぶ景観はジャイプールのランドマーク的観光地。
まるでおとぎ話の中にいるような気分になります。
どうですか? 美しい色で統一された中世の街並みにタイムトリップできるラジャスタンの街の数々。きっと幻想的な気分に浸れることでしょう。
次にも紹介しますが、ピンクシティは世界遺産に登録されています。
ラジャスタン州にある世界遺産
インドには42もの世界遺産があり、その数は世界第6位。
ラジャスタン州にはそのうち3つがあり、先に紹介したピンクシティと呼ばれるジャイプール市街もその1つ。
他の2つをご紹介します。
ジャンタル・マンタル天文台は、最も規模が大きい天体観測施設で、2010年に世界文化遺産に登録されました。造られたのが18世紀とは信じがたい最先端で革新的な技術を駆使した設計なのだとか。
そして、まるでアートのような美しい造形が特徴。しかもなんと、現在も正確な計測が可能で、天体観測に使用されています。
次に、ラジャスタン州の丘陵要塞群として、6つの城塞都市が世界遺産に指定されています。それぞれの土地に築かれた圧巻のお城の建築美と歴史が楽しめます。全てを巡ってみたいですよね♪
その中でも、観光で最もポピュラーなのはアンベール城なのだとか。とあるツアーでは、像に乗ってお城の中を回れるらしいですよ♪
―ラジャスタン州の丘陵要塞群―
クンバルガル・フォート、ジャイサルメール・フォート、チットールガル・フォート
アンベール・フォート、ガングロン・フォート、ランタンボール・フォート
ラジャスタン州の芸術文化
古くから様々な文化が混ざり合い栄えてきたラジャスタンは、伝統芸術の宝庫。その一部を紹介します。
伝統技術ブロックプリント
今や世界中で人気のあるブロックプリントはインドの伝統工芸のひとつで、ラジャスタン州に工房がたくさんあります。
手彫りの木版を使って布にインクを押し付けていくブロックプリントは、何種類もの木版を使いインクを重ねてゆくので、複雑な柄になるとその作業工程は果てしないものになります。
その分機械では決して出せないハンドメイドならではの温かい風合いが魅力です。
カラフルな絞り染め・バンダニ
ブロックプリントと同じく、世界に輸出されているラジャスタ州ンの伝統工芸のひとつに絞り染めの「バンダニ」があります。みなさんも知らず知らずのうちに一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
豆知識ですが、18世紀にはすでに海外へ輸出されるようになり、それが「バンダナ」の語源にもなりました。インド国内でも晴れ着から普段着まで、あるいは生活の布として、人びとの暮らしの中で利用され続けています。
ラジャスタンの伝統舞踊
ラジャスタンには、いくつもの伝統舞踊があります。その中でもユネスコ無形文化遺産に登録された「カルベリアダンス」は、ラジャスタンを代表する踊り。
カルベリア族=蛇遣い族の女性たちによって生まれた踊りで、コブラに見立てた黒い華やかな衣装を見に纏い、激しいステップとともに手先や上半身などで蛇を表現します。
ラジャスタン州の食事
旅先での食事は大きな楽しみのひとつですよね。
民族や信仰により、厳格な菜食から肉食まで幅広い食習慣の人々が暮らすラジャスタン州。
食事も実に多様で、極端な乾燥や高温といった気候的条件が影響した個性的な料理がたくさんあります。
ラジャスタン州独特の料理のひとつに「ケル・サングリ」があります。
干したケルの実とサンリ豆という、あまり聞き慣れない食材が使われるベジタリアン料理。ケルの実は、ラジャスタンの中でも特に乾燥地帯で育ち、長い飢餓の際、多くの植物が枯れる中でも実が豊かに実っていたと言われている植物です。
生だと酸味が強いので、塩水に浸して洗い、干してから調理します。サンリ豆は生で収穫したものを、茹でてから干します。このような植物が育ちにくい乾燥地帯ならではの知恵の詰まった食材を、スパイスやチリで味付けして、インドのパンとともに食べます。
また、ラジャスタン州独特の飲み物として有名なのが「マカニヤ・ラッシー」。
ラッシーはインド全土で飲まれているヨーグルトドリンクですが、マカニヤ・ラッシーは、ヨーグルト、砂糖、カルダモンなどとサフランを浸した牛乳が混ぜ合わさったものに、クリームやナッツ、ドライフルーツなどがトッピングされていて、よりリッチなフレイバーと豪華さが特徴。
トロトロで飲み物というよりは、スプーンですくって食べるデザートのような感覚で、ラジャスタンを旅行中にハマる人も多いとか。
まとめ
駆け足でラジャスタンを紹介してきました。
正直これはごく一部で、まだまだたくさんの魅力が詰まったラジャスタンですが、みなさんはどんなところに惹かれましたか?
みなさんのいつか訪れたい旅先リストにラジャスタンが加われば、嬉しい限りです。