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1年を通して天岩戸神話に触れ、学び、伝えていくことを目的に展開する学びの場「あまのいわと学校」。
本記事は、令和5年10月21日(土)-22日(日)に長野県戸隠にて開催された、「あまのいわと学校 第2回/神話を繋ぐフィールドワーク」の様子をお届け!
レポートは学校皆勤賞の『スズキ』がお伝えいたします。
【過去のレポート記事はこちら】
令和5年第3期あまのいわと学校10月の舞台は、夏の緑深い高千穂から移動し、遠く信州戸隠で開催されました。今年で3回目の戸隠での学校、そもそも何故戸隠で開催するのか、答えは「天岩戸開き神話」にあります。
弟・須佐之男命の乱暴ぶりにお怒りになられた、姉・天照大御神は岩屋にお隠れになってしまいます。太陽の神であられる、天照大御神がお隠れになったことで、世の中は真っ暗に。八百万の神々の試行錯誤の結果、岩戸は飛ばされ、天照大御神は岩屋をでて、世の中に光がもたらされます。
この時、飛ばされた岩戸が落ちた場所が、この戸隠といわれており、戸隠山がその岩戸そのものだともいわれています。
あまのいわと学校では、高千穂と同じく、この天岩戸開き神話が古くから根付くこの戸隠でそこに暮らす人々、神職の方々からお話を伺い、また実際に縁のある場所をフィールドワークとして回っていきます。
今回のプログラムは戸隠神社中社、本殿での正式参拝から始まります。今年も学校が無事執り行われますように、また、参加者皆さんのご健康をご祈祷していただきます
戸隠神社中社境内にある参集館にお集まり頂き、学校の開催概要やこの学校でどんなことを学んでいくのかということを説明後、
の講師陣の紹介を行いました。
今回から新たに、天岩戸神社の神職の佐藤さんも研修として参加していただきました。その後、参加者の皆さまもそれぞれ自己紹介をして頂きます。
続いては昨年からおこなっている、戸隠神社禰宜の楠川さんによる境内案内です。この戸隠の里で生まれ、長年神社に御奉仕している楠川さんだからこそ聞ける、貴重なお話の数々、必聴です。
昨年もフィールドワークにてガイドを務めていただいた、戸隠在住のガイド吉本さんに今年は講義をお願いいたしました。
戸隠山はその昔、修験の地として栄え、多くの修験者がこの山を訪れたそうです。その名残として、修験者が使用した洞窟や岩屋である「三十三窟」が残されており、吉本さんはライフワークとしてこの窟を巡っているそうです。(一部しか現在は立ち入りできないとのこと)
吉本さんが実際に足を運んだそれぞれの窟の内部の様子、またそこまでの道のりなど、なかなか聞くことはできない貴重なお話をいただけました。
初日の締めくくりは今年も両宮司による対談です。
昨年に続き様々な興味深いお話を聴くことができましたが、今回印象に残ったのは、この夏戸隠神社の水野宮司ご一行が天岩戸神社に訪れる予定だった、という話でした。台風の影響で残念ながら中止になってしまったようですが、勝手かつ、僭越ながら、私たち「あまのいわと学校」の活動がきっかけで両神社・地域の交流が以前より活発になっていることを感じ感慨深いものがありました。
早朝6時。まだ薄暗い中社境内に一同集合します。
戸隠五社、と呼ばれる
のうち、中社から九頭龍社・奥社までの道のりを歩きます。
戸隠といえば、一般的に良く知られているのが杉並木の参道ですが、それはこの奥社まで続くおよそ2kmの道のりの途中にあります。今年も去年に引き続き、昨日講義もしていただいたガイドの吉本さんの案内で向かいます。
参道を1時間ほど歩き、奥社にたどり着きました。こちらの御祭神は天岩戸を投げ飛ばした張本人、天手力男命です。座学で学んだ神話に登場する神々の名前が次々と、知識が体験を経てそれぞれの身に沁みてきます。
また今年の戸隠は去年にも増して天候と紅葉の色付きが素晴らしく、参道を照らす朝日、また神々しく光る戸隠山の岩肌、とまた違った魅力を見せてくれました。
昼食後、午後もまた古道ガイド吉本さん案内の元、フィールドワークに向かいます。残すは宝光社・火之御子社です。
宝光社は明治以前、神仏習合のころまでは仏教寺院だったことから、本殿の構えにも仏教色を感じます。
神道と書いて「かんみち」と呼ばれる中社に続く参道を歩いて行きます。
その途中にあるのが火之御子社です。他のお社が神仏分離以前、仏教寺院だったのに対し、この火之御子社だけは一貫して神社であったとされています。
こちらもまた天岩戸開き神話で重要な役割を果たす、天鈿女命(アメノウズメノミコト)が御祭神として祭られています。こぢんまりとしていますが、歴史を感じさせる趣のある社殿。
五社全ての参拝を終え、2日間のプログラムが終了となりました。
それぞれ参加の証を捺印、また今回で3つのプログラム全てに参加してくださった生徒さんに向けて卒業証書の授与式を行いました。
2日間、天候にも恵まれ今年も無事終了することができました。わたしたちは「あまのいわと『学校』」と名を打って開催していますが、難しい歴史や神話の話を座学で教科書を通して学ぶのではなく、実際に神話の舞台になっている世界に飛び込こみ体験することで学ぶことを掲げています。
天岩戸開き神話を通じて伝えたいことはなんなのか、祈りや信仰を伝承していく大切さ、現代を生きる一人として、後世の為にできることはなんなのか、色々と考えさせられる2日間となりました。
さて、12月はいよいよ今年度の最終回、宮崎県高千穂・岩戸地区に戻り、注連縄張りの御神事に参列します。学びの集大成が年末、注連縄張り御神事として執り行われます。
わたしたち「あまのいわと学校」はただ参列するのではなく、御神事のお手伝いをするまさに当事者として、同地に赴きます。
あまのいわと学校は季節ごとに、座学やフィールドワークを交えた講義を開催し、1年を通して天岩戸神話に触れ、学び、伝えていくことを目的に展開する学びの場です。
次回はいよいよ「天岩戸注連縄御神事」編…。「天岩戸注連縄御神事」は、天岩戸の洞窟から天照大御神様が出られた後、再びお隠れにならないようにと布刀玉命様が天岩戸に注連縄を張られたという神話にならい、日本神話の継承と世の中が明るくあるようにとの願いをこめて、毎年冬至の日に行っております。
ここでしかできない貴重な体験が待っていると思います。ぜひご参加いただければと思います。
天岩戸注連縄御神事について詳細はこちら
1年を通して天岩戸神話に触れ、学び、伝えていくことを目的に展開する学びの場「あまのいわと学校」。
本記事は、令和5年10月21日(土)-22日(日)に長野県戸隠にて開催された、「あまのいわと学校 第2回/神話を繋ぐフィールドワーク」の様子をお届け!
レポートは学校皆勤賞の『スズキ』がお伝えいたします。
【過去のレポート記事はこちら】
目次
そもそもなぜ戸隠なの?
令和5年第3期あまのいわと学校10月の舞台は、夏の緑深い高千穂から移動し、遠く信州戸隠で開催されました。
今年で3回目の戸隠での学校、そもそも何故戸隠で開催するのか、答えは「天岩戸開き神話」にあります。
弟・須佐之男命の乱暴ぶりにお怒りになられた、姉・天照大御神は岩屋にお隠れになってしまいます。
太陽の神であられる、天照大御神がお隠れになったことで、世の中は真っ暗に。
八百万の神々の試行錯誤の結果、岩戸は飛ばされ、天照大御神は岩屋をでて、世の中に光がもたらされます。
この時、飛ばされた岩戸が落ちた場所が、この戸隠といわれており、戸隠山がその岩戸そのものだともいわれています。
あまのいわと学校では、高千穂と同じく、この天岩戸開き神話が古くから根付くこの戸隠でそこに暮らす人々、神職の方々からお話を伺い、また実際に縁のある場所をフィールドワークとして回っていきます。
1日目/10月21日(土)
正式参拝
今回のプログラムは戸隠神社中社、本殿での正式参拝から始まります。
今年も学校が無事執り行われますように、また、参加者皆さんのご健康をご祈祷していただきます
天岩戸学校説明&講師紹介
戸隠神社中社境内にある参集館にお集まり頂き、学校の開催概要やこの学校でどんなことを学んでいくのかということを説明後、
の講師陣の紹介を行いました。
今回から新たに、天岩戸神社の神職の佐藤さんも研修として参加していただきました。
その後、参加者の皆さまもそれぞれ自己紹介をして頂きます。
戸隠神社中社境内ご案内
続いては昨年からおこなっている、戸隠神社禰宜の楠川さんによる境内案内です。
この戸隠の里で生まれ、長年神社に御奉仕している楠川さんだからこそ聞ける、貴重なお話の数々、必聴です。
【座学】山岳ガイドさんによる戸隠山について
昨年もフィールドワークにてガイドを務めていただいた、戸隠在住のガイド吉本さんに今年は講義をお願いいたしました。
戸隠山はその昔、修験の地として栄え、多くの修験者がこの山を訪れたそうです。
その名残として、修験者が使用した洞窟や岩屋である「三十三窟」が残されており、吉本さんはライフワークとしてこの窟を巡っているそうです。(一部しか現在は立ち入りできないとのこと)
吉本さんが実際に足を運んだそれぞれの窟の内部の様子、またそこまでの道のりなど、なかなか聞くことはできない貴重なお話をいただけました。
天岩戸神社・戸隠神社 両宮司対談
初日の締めくくりは今年も両宮司による対談です。
昨年に続き様々な興味深いお話を聴くことができましたが、今回印象に残ったのは、この夏戸隠神社の水野宮司ご一行が天岩戸神社に訪れる予定だった、という話でした。
台風の影響で残念ながら中止になってしまったようですが、勝手かつ、僭越ながら、私たち「あまのいわと学校」の活動がきっかけで両神社・地域の交流が以前より活発になっていることを感じ感慨深いものがありました。
2日目/10月22日(日)
【参拝フィールドワーク】戸隠奥社・九頭龍社
早朝6時。
まだ薄暗い中社境内に一同集合します。
戸隠五社、と呼ばれる
のうち、中社から九頭龍社・奥社までの道のりを歩きます。
戸隠といえば、一般的に良く知られているのが杉並木の参道ですが、それはこの奥社まで続くおよそ2kmの道のりの途中にあります。
今年も去年に引き続き、昨日講義もしていただいたガイドの吉本さんの案内で向かいます。
参道を1時間ほど歩き、奥社にたどり着きました。
こちらの御祭神は天岩戸を投げ飛ばした張本人、天手力男命です。座学で学んだ神話に登場する神々の名前が次々と、知識が体験を経てそれぞれの身に沁みてきます。
また今年の戸隠は去年にも増して天候と紅葉の色付きが素晴らしく、参道を照らす朝日、また神々しく光る戸隠山の岩肌、とまた違った魅力を見せてくれました。
【参拝フィールドワーク】戸隠宝光社・火之御子社
昼食後、午後もまた古道ガイド吉本さん案内の元、フィールドワークに向かいます。残すは宝光社・火之御子社です。
宝光社は明治以前、神仏習合のころまでは仏教寺院だったことから、本殿の構えにも仏教色を感じます。
神道と書いて「かんみち」と呼ばれる中社に続く参道を歩いて行きます。
その途中にあるのが火之御子社です。
他のお社が神仏分離以前、仏教寺院だったのに対し、この火之御子社だけは一貫して神社であったとされています。
こちらもまた天岩戸開き神話で重要な役割を果たす、天鈿女命(アメノウズメノミコト)が御祭神として祭られています。
こぢんまりとしていますが、歴史を感じさせる趣のある社殿。
五社全ての参拝を終え、2日間のプログラムが終了となりました。
閉校式・おわりに
それぞれ参加の証を捺印、また今回で3つのプログラム全てに参加してくださった生徒さんに向けて卒業証書の授与式を行いました。
2日間、天候にも恵まれ今年も無事終了することができました。
わたしたちは「あまのいわと『学校』」と名を打って開催していますが、難しい歴史や神話の話を座学で教科書を通して学ぶのではなく、実際に神話の舞台になっている世界に飛び込こみ体験することで学ぶことを掲げています。
天岩戸開き神話を通じて伝えたいことはなんなのか、祈りや信仰を伝承していく大切さ、現代を生きる一人として、後世の為にできることはなんなのか、色々と考えさせられる2日間となりました。
さて、12月はいよいよ今年度の最終回、宮崎県高千穂・岩戸地区に戻り、注連縄張りの御神事に参列します。
学びの集大成が年末、注連縄張り御神事として執り行われます。
わたしたち「あまのいわと学校」はただ参列するのではなく、御神事のお手伝いをするまさに当事者として、同地に赴きます。
次回「天岩戸注連縄御神事」編はいつ開催?
あまのいわと学校は季節ごとに、座学やフィールドワークを交えた講義を開催し、1年を通して天岩戸神話に触れ、学び、伝えていくことを目的に展開する学びの場です。
次回はいよいよ「天岩戸注連縄御神事」編…。
「天岩戸注連縄御神事」は、天岩戸の洞窟から天照大御神様が出られた後、再びお隠れにならないようにと布刀玉命様が天岩戸に注連縄を張られたという神話にならい、日本神話の継承と世の中が明るくあるようにとの願いをこめて、毎年冬至の日に行っております。
ここでしかできない貴重な体験が待っていると思います。ぜひご参加いただければと思います。
天岩戸注連縄御神事について詳細はこちら