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私たちの住まうこの国には、現代に繋がるたくさんの神話が残されています。 その中でもひときわ有名な「天岩戸開き」神話を、日本人の心の物語としてつたえたい。 そんな思いから「あまのいわと学校」は開校し、今回で第二期を迎え、昨年12月にとうとう最後の御神事編へ。
第二期のあまのいわと学校最後の「御神事編」をあまのいわと学校情報局がレポートとしてお届けいたします♪
8月ぶりに訪れた天岩戸神社は小雨降る曇天。 構えていたほどの寒さではなくしっとりとした薄い霧が漂っておりました。
御神事の前日のこの日 まるで天照大御神がお隠れになった物語の中にいるかのような天候でした。
13時に集合し、簡単な自己紹介と東本宮参拝。 今回初めて受講してくださった生徒さんもいらっしゃり、新たな仲間とともに学んで参ります。
参拝した方から裏の七本杉を拝見し、それぞれがどこで分けて七本とするかなどの会話が弾んでおりました。
この後正式参拝の為西本宮へ移動します。
西本宮では霧の演出で神秘的な雰囲気。
夏は長鳴鶏(ながなきとり)の東天紅が境内をお散歩していた姿が見られましたが、お天気のせいか見ることができず…。明日の「鳴き声の奉納」勇姿楽しみにしております…!と心の中でつぶやきました。
長鳴鶏は奈良からやってきたのですが、今は天岩戸神社西本宮の境内の小屋で飼育されています。順調に繁殖しているとか…。
西本宮に移動し、佐藤宮司よりあまのいわと学校の生徒さんが無事に修めることができるように祈願して頂きました。
安全祈願祭が終わり、後取りの竹内さん方は岩戸の方へ向かわれ、私たちは遥拝所から注連縄を外してくださる様子を見ることが出来ました。 初めは霧が濃く、かろうじて注連縄がぼんやり浮き上がって見えるという様子でしたが、佐藤宮司が祝詞を唱え、皆様と一緒に拝礼し終えると辺りの霧がフッと引いたのです。 この時には神がかり的なものを感じざるをえませんでした。
ゆっくりと注連縄が外れ岩戸の前には何もかかっていない状態になりました。 さぁ私たち「あまのいわと学校メンバー」にはまだ大きな仕事が待っております。
16時ごろ、今まで掛かっていた注連縄を全員でリレーのようにして受け取りました。本殿まで持って参り、中の麻紐を抜く作業のお手伝いです。
なんと長さ20m!
そしてその注連縄は御神門にかけられ、また一年のあいだ見守って頂きます。
注連縄の中へ麻紐を編み込みます。学校メンバーにとって最後の大仕事です!
神聖な麻紐を注連縄の中に、また一年ご神体の1番近くでこの世界を見守って下さるよう願いと共に麻を込めます。 佐藤宮司、竹内さん、学校メンバーの皆様、全員で込めました。
そして新しい注連縄は明日の御神事に向けて本殿の方へ…。
いよいよ明日12月22日の冬至に向けて準備が整って参りました!
時刻は朝6時半。 いよいよ、御神事本番の日になりました。 天気予報は曇りのち雨、、、、寒空の中遥拝殿前に皆で向かいます。
昨年と同じく、西行庵円位流 花輪竹峯様による献茶式で始まります。 静寂の中、参列者は皆、茶を立てる一連の動作を見守ります。 立てられた茶は宮司に渡され、神前へ奉納されます。
天岩戸神話の中では、アマテラスオオミカミが岩戸にお隠れになった時、八百万の神が相談して常世長鳴鶏(とこよのながなきどり)を鳴かせた後、アメノウズメが踊りを披露したといわれています。 そのことにちなんで、長鳴鶏の鳴き声の奉納があります。
2022年8月に訪れたときも元気に境内を闊歩し、長鳴を披露してくれた東天紅。 さて、今年の御神事では、どのタイミングで鳴いてくれるのか…。
皆、固唾を呑んで見守ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
コケコッコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(最後が長い)
登場から5分ぐらいでしょうか、見事に鳴いてくれました! この後も1分置きぐらいに鳴き続け、参列者は笑顔と安堵に包まれたのでした。
・武道家 荒谷卓様による奉納演武 ・音楽家 梶原徹也様、篠笛奏者 阿部一成様による奉納演奏 ・舞踊家 島地保武様、酒井はな様による奉納演舞 ・書道家 永山玳潤様による奉納揮毫
と、各業界のトップクラスの方々の奉納行事が続きます。
いよいよ注連縄張り神事が執り行われます。
昨夜、あまのいわと学校のメンバーで願いを込めた麻紐を入れ、神前にお供えをした真新しい注連縄が運び出されます。
今回も注連縄を掛ける役割「注連縄後取(しどり)」を勤める、プロ登山家の竹内洋岳様、山岳ガイド・クライマーの天野和明様が注連縄に深く一礼。 竹内様は今回が後取としての最後の年となるようです。後取の役割はまた別の方に引き継がれていきます。2年前に始まった、今回3度目の御神事ですが、こうやってさまざまな方の思いが受け継がれ、100年、1000年と続く行事になっていくのだろうと感じました。
掛け替えの様子を学校メンバー一同で遥拝所から見守ります。 昨年と同様、地元・高千穂高校 弓道部主将による鏑矢(音の鳴る矢)の合図で注連縄が掛かっていきます。
この瞬間からまた1年後まで、皆の思いが詰まった注連縄は御神体である岩戸を守る結界として飾られていきます。
直会(なおらい:祭りの終了後に、神前に供えた御饌御酒を神職をはじめ参列者の方々で頂くこと)を経て、この岩戸地区に古くから今日まで伝承されている「天岩戸神楽」を鑑賞します。
天鈿女命(あめのうずめのみこと)様が踊り、手力男命(たぢからをのみこと)様が岩戸を開き投げる、までの様子を演舞します。 手力男命の力強い動き、そして威嚇をするような睨みに圧倒されます。全国様々な土地で神楽の演目として描かれている岩戸開き神話ですが、まさに神話の舞台である、ここ高千穂岩戸地区でこの神楽を鑑賞できることは、一際特別なことだと痛感しました。
去年には無かったプログラム、岩戸投げ大会が今回は執り行われました。 さすがに本物の岩戸を投げることは、われわれ人間には難しい、そこで投げるのは畳です。
男性はおよそ1畳の畳を、女性・子供は半畳以下の畳を投げ、その距離を競います。 新たに始めた大会、ではなく、以前よりこの土地で定期的に行われていたそうです。地元・岩戸小学校6年生の生徒たちもこの大会には参加し、競い合っていました。
学校メンバーも受付の手伝いや、実際に競技者として参加したりと大忙し。 1畳を10m以上投げ、最長記録を出すツワモノまで現れました。(私は5m台。日々の運動不足を痛感しました)
昨日の悪天候により、行けなかった周辺散策フィールドワークにも合間をぬって出かけました。
西本宮より徒歩10分ほどの天安河原、そして車にて八大龍王水神様へと向かいます。
8月とは違う、冬の姿に参加者もまた違った感想を得たのではないかと思われます。
フィールドワークから戻り、遥拝殿にて玉串奉納、閉校式が行われました。
ちなみに、冒頭で「天気予報は曇りのち雨」と書きましたが、なんとこの時間まで雨が降ることは無く、天気は持ちこたえていました。(解散後は大雪)
1年を通して、すべての回に参加された生徒さんには卒業記念として、 ・卒業証書 ・東本宮旧鳥居の木材で作られたお守り ・高千穂で昔ながらの技法で作られている注連縄 が、贈呈されました。
第一期に続き、今回もまた、複数名の方が天岩戸開き神話を伝える「語りべ」として巣立っていきました。
最後に恒例の寄せ書きを頂き、記念撮影をして解散。
辛いときこそ咲き笑い、闇に光がさす。 この集合写真の皆の笑顔が、あまのいわと学校で学んだなによりの証拠だと思います。
あまのいわと学校は引き続き世の中に岩戸開き神話を伝えるべく、今年も開催いたします。詳しい詳細が決まりましたら、ホームページ・SNSにお知らせさせていただきます。
是非皆さんも神話の世界へ踏み入れてみてはいかがでしょうか。 高千穂・戸隠の地でお待ちしております!
前回のレポート記事はこちら▼
【第二期】あまのいわと学校 第2回レポート
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私たちの住まうこの国には、現代に繋がるたくさんの神話が残されています。
その中でもひときわ有名な「天岩戸開き」神話を、日本人の心の物語としてつたえたい。
そんな思いから「あまのいわと学校」は開校し、今回で第二期を迎え、昨年12月にとうとう最後の御神事編へ。
第二期のあまのいわと学校最後の「御神事編」をあまのいわと学校情報局がレポートとしてお届けいたします♪
目次
12月21日(水) 宮崎県高千穂の地にて
8月ぶりに訪れた天岩戸神社は小雨降る曇天。
構えていたほどの寒さではなくしっとりとした薄い霧が漂っておりました。
御神事の前日のこの日
まるで天照大御神がお隠れになった物語の中にいるかのような天候でした。
東本宮へ集合
13時に集合し、簡単な自己紹介と東本宮参拝。
今回初めて受講してくださった生徒さんもいらっしゃり、新たな仲間とともに学んで参ります。
参拝した方から裏の七本杉を拝見し、それぞれがどこで分けて七本とするかなどの会話が弾んでおりました。
この後正式参拝の為西本宮へ移動します。
西本宮正式参拝
西本宮では霧の演出で神秘的な雰囲気。
夏は長鳴鶏(ながなきとり)の東天紅が境内をお散歩していた姿が見られましたが、お天気のせいか見ることができず…。明日の「鳴き声の奉納」勇姿楽しみにしております…!と心の中でつぶやきました。
長鳴鶏は奈良からやってきたのですが、今は天岩戸神社西本宮の境内の小屋で飼育されています。順調に繁殖しているとか…。
西本宮に移動し、佐藤宮司よりあまのいわと学校の生徒さんが無事に修めることができるように祈願して頂きました。
安全祈願祭が終わり、後取りの竹内さん方は岩戸の方へ向かわれ、私たちは遥拝所から注連縄を外してくださる様子を見ることが出来ました。
初めは霧が濃く、かろうじて注連縄がぼんやり浮き上がって見えるという様子でしたが、佐藤宮司が祝詞を唱え、皆様と一緒に拝礼し終えると辺りの霧がフッと引いたのです。
この時には神がかり的なものを感じざるをえませんでした。
ゆっくりと注連縄が外れ岩戸の前には何もかかっていない状態になりました。
さぁ私たち「あまのいわと学校メンバー」にはまだ大きな仕事が待っております。
注連縄の受け取り
16時ごろ、今まで掛かっていた注連縄を全員でリレーのようにして受け取りました。本殿まで持って参り、中の麻紐を抜く作業のお手伝いです。
なんと長さ20m!
そしてその注連縄は御神門にかけられ、また一年のあいだ見守って頂きます。
新注連縄の中に新しい麻紐を
注連縄の中へ麻紐を編み込みます。学校メンバーにとって最後の大仕事です!
神聖な麻紐を注連縄の中に、また一年ご神体の1番近くでこの世界を見守って下さるよう願いと共に麻を込めます。
佐藤宮司、竹内さん、学校メンバーの皆様、全員で込めました。
そして新しい注連縄は明日の御神事に向けて本殿の方へ…。
いよいよ明日12月22日の冬至に向けて準備が整って参りました!
12月22日(木) 2日目、御神事会場へ
時刻は朝6時半。
いよいよ、御神事本番の日になりました。
天気予報は曇りのち雨、、、、寒空の中遥拝殿前に皆で向かいます。
献茶式
昨年と同じく、西行庵円位流 花輪竹峯様による献茶式で始まります。
静寂の中、参列者は皆、茶を立てる一連の動作を見守ります。
立てられた茶は宮司に渡され、神前へ奉納されます。
長鳴鶏の鳴き声奉納
天岩戸神話の中では、アマテラスオオミカミが岩戸にお隠れになった時、八百万の神が相談して常世長鳴鶏(とこよのながなきどり)を鳴かせた後、アメノウズメが踊りを披露したといわれています。
そのことにちなんで、長鳴鶏の鳴き声の奉納があります。
2022年8月に訪れたときも元気に境内を闊歩し、長鳴を披露してくれた東天紅。
さて、今年の御神事では、どのタイミングで鳴いてくれるのか…。
皆、固唾を呑んで見守ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
コケコッコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(最後が長い)
登場から5分ぐらいでしょうか、見事に鳴いてくれました!
この後も1分置きぐらいに鳴き続け、参列者は笑顔と安堵に包まれたのでした。
ご奉納行事
・武道家 荒谷卓様による奉納演武
・音楽家 梶原徹也様、篠笛奏者 阿部一成様による奉納演奏
・舞踊家 島地保武様、酒井はな様による奉納演舞
・書道家 永山玳潤様による奉納揮毫
と、各業界のトップクラスの方々の奉納行事が続きます。
天岩戸注連縄張り神事
いよいよ注連縄張り神事が執り行われます。
昨夜、あまのいわと学校のメンバーで願いを込めた麻紐を入れ、神前にお供えをした真新しい注連縄が運び出されます。
今回も注連縄を掛ける役割「注連縄後取(しどり)」を勤める、プロ登山家の竹内洋岳様、山岳ガイド・クライマーの天野和明様が注連縄に深く一礼。
竹内様は今回が後取としての最後の年となるようです。後取の役割はまた別の方に引き継がれていきます。2年前に始まった、今回3度目の御神事ですが、こうやってさまざまな方の思いが受け継がれ、100年、1000年と続く行事になっていくのだろうと感じました。
掛け替えの様子を学校メンバー一同で遥拝所から見守ります。
昨年と同様、地元・高千穂高校 弓道部主将による鏑矢(音の鳴る矢)の合図で注連縄が掛かっていきます。
この瞬間からまた1年後まで、皆の思いが詰まった注連縄は御神体である岩戸を守る結界として飾られていきます。
天岩戸神楽奉納
直会(なおらい:祭りの終了後に、神前に供えた御饌御酒を神職をはじめ参列者の方々で頂くこと)を経て、この岩戸地区に古くから今日まで伝承されている「天岩戸神楽」を鑑賞します。
天鈿女命(あめのうずめのみこと)様が踊り、手力男命(たぢからをのみこと)様が岩戸を開き投げる、までの様子を演舞します。
手力男命の力強い動き、そして威嚇をするような睨みに圧倒されます。全国様々な土地で神楽の演目として描かれている岩戸開き神話ですが、まさに神話の舞台である、ここ高千穂岩戸地区でこの神楽を鑑賞できることは、一際特別なことだと痛感しました。
岩戸投げ大会
去年には無かったプログラム、岩戸投げ大会が今回は執り行われました。
さすがに本物の岩戸を投げることは、われわれ人間には難しい、そこで投げるのは畳です。
男性はおよそ1畳の畳を、女性・子供は半畳以下の畳を投げ、その距離を競います。
新たに始めた大会、ではなく、以前よりこの土地で定期的に行われていたそうです。地元・岩戸小学校6年生の生徒たちもこの大会には参加し、競い合っていました。
学校メンバーも受付の手伝いや、実際に競技者として参加したりと大忙し。
1畳を10m以上投げ、最長記録を出すツワモノまで現れました。(私は5m台。日々の運動不足を痛感しました)
周辺散策フィールドワーク
昨日の悪天候により、行けなかった周辺散策フィールドワークにも合間をぬって出かけました。
西本宮より徒歩10分ほどの天安河原、そして車にて八大龍王水神様へと向かいます。
8月とは違う、冬の姿に参加者もまた違った感想を得たのではないかと思われます。
閉校式
フィールドワークから戻り、遥拝殿にて玉串奉納、閉校式が行われました。
ちなみに、冒頭で「天気予報は曇りのち雨」と書きましたが、なんとこの時間まで雨が降ることは無く、天気は持ちこたえていました。(解散後は大雪)
1年を通して、すべての回に参加された生徒さんには卒業記念として、
・卒業証書
・東本宮旧鳥居の木材で作られたお守り
・高千穂で昔ながらの技法で作られている注連縄
が、贈呈されました。
第一期に続き、今回もまた、複数名の方が天岩戸開き神話を伝える「語りべ」として巣立っていきました。
最後に恒例の寄せ書きを頂き、記念撮影をして解散。
辛いときこそ咲き笑い、闇に光がさす。
この集合写真の皆の笑顔が、あまのいわと学校で学んだなによりの証拠だと思います。
あまのいわと学校は引き続き世の中に岩戸開き神話を伝えるべく、今年も開催いたします。詳しい詳細が決まりましたら、ホームページ・SNSにお知らせさせていただきます。
是非皆さんも神話の世界へ踏み入れてみてはいかがでしょうか。
高千穂・戸隠の地でお待ちしております!
前回のレポート記事はこちら▼
【第二期】あまのいわと学校 第2回レポート
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