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ガイドブックそのままの見事な景色を見せてくれるマチュピチュ遺跡。一生に一度は訪れておきたい憧れの地でもありますよね。 でも、マチュピチュは実は怖い場所でもあります。今回は、マチュピチュ遺跡を旅した時に実際に見聞きした怖い話をお届けします。
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マチュピチュ遺跡を存分に堪能して帰るときでした。 余韻にひたり夢見心地の私は遺跡の出入口付近で、男性に声をかけられたのです。年は60代くらい、ザ日本人観光客という背格好でした。
「ここから遺跡まで遠いですか?」
頭の中は???でいっぱい。ただ、ただ、不思議でした。 日本から遠路はるばるマチュピチュまで来たというのに、なぜ何もない入口に座りこんでいるの?この人は?
「ここから、どれくらい歩けばマチュピチュ見れますか?」 疑問でいっぱいの私をよそに、質問は続きます。
マチュピチュ遺跡は広大です。 出入口から、私たちが思い描くあの光景に辿りつくまで15~20分ほど歩かないといけません。正直に伝えると「そうか…諦めます」と
え?でした。時間やお金を調整してペルーまできているのに、旅のハイライトであるマチュピチュ遺跡まであと一歩のところまで来ているのに、なのに後15分が頑張れない、歩けないの?と。でも、彼は高山病でした。
聞けば大手旅行会社のツアーでここまで来たとのこと。仕方のないことかもしれませんが、かなりハードなスケジュールでした。 日本から長時間のフライト(乗り継ぎで30時間くらい)でペルーへ来てその足でリマを観光→標高が3400mあるクスコ→標高2,400mのマチュピチュ遺跡と、休む間もなく観光を続けていました。
高山病は最悪の場合、死に至ります。 たっぷり休養をして予防することが大切ですが、こんなスケジュールで休養するのは不可能どころか、睡眠不足、時差ぼけ、移動による体力低下…と高山病になる要素が満載だと、素人ながらに思いました。
「ペルーに着いてすぐ高山病になってさ。今日は頑張って起きて、バスに揺られて何とかここまできたんだけど、やっぱりダメだ。仕方がないけれど、集合時間までここに留まるよ」。彼の声は悔しさよりも諦めに近いものでした。
彼が参加しているのは、日本から添乗員が付くちゃんとしたツアーでした。彼が高山病で苦しんでいることは、もちろんガイドさんが知っています。 でもツアーは旅の工程通りに進まなければなりません。マチュピチュ観光は自由行動なので、ホテルで休んでいていいよと言われたそうです。
「でもさ、ここまで来たんだよ。見たいじゃない?頑張ったんだけどさ…」
彼ほどではありませんが、高山病で苦しんでいる日本人は結構みました。遺跡観光の途中で歩けなくなっている年配の女性、頭が痛いとうずくまる若い男の子…。
だからアドバイスさせてください。 高山病は年齢や性別に関係なく、誰もがなってしまうものです。
脱力感で動けない、吐き気でグルグルする、寝ても覚めても頭が痛い、息苦しい。軽い症状ですめば良いのですが、恐ろしいことに高山病は全く動けなくなったり、命に関わる状態に陥ったりします。
旅行会社が手がける南米ツアーの相場は大体20万円前後。なかでも弾丸ツアーは比較的値段が安くまた日数も短いため参加しやすいのが特徴です。 でもパンフレットには書かれていませんが、短期間でたくさんの観光地を巡る行程だと、高山病になる可能性は高まります。南米の標高はとても高く、クスコに至っては富士山より高い標高となっています。
自分だけは大丈夫と過信せず、ぜひ日程に余裕のあるものを選んで欲しいな、と思います。
先にも書きましたがマチュピチュ遺跡は広大です。 遺跡の面積は約5㎞。そして見どころが随所にあるため、サラっと観光するだけでも3時間ほどかかります。
じっくり観光しようと思ったら、さらに時間が必要。でも、遺跡の中は飲食が禁止なので売店はありません。観光地によくあるようなお土産屋さんも飲食店も何もありません。ただ遺跡があるだけ。そしてなんと、トイレもありません!
トイレはどこにあるのかというと、なんとマチュピチュ遺跡の出入口の外まで行かなければいけないんです。 チケットを提示すれば何度でも出入り可能ですが、出入口から遺跡までは15~20分。遺跡の奥まで行ってしまうとさらに時間はかかります。
また山なので、険しい階段があったり急な斜面を長時間登らなければならない場面も多々あります。結構な距離を歩くので、トイレのためにイチイチ出入口まで戻るのは、時間も体力も使います。
「みんなどうしているのだろう?」私はただ疑問でした。
メイン遺跡の観光だけなら3時間、まあ我慢できる時間です。でもマチュピチュ遺跡をより美しくみるための山ワイナピチュ山に登るなど、少し足を延ばすと5~6時間位滞在することになります。「トイレや水分補給のためだけに片道1時間かけて戻るの?」と。
水分補給の問題は、すぐ解決しました。遺跡内では飲食は禁止です。でも、暗黙の了解として水分は持ち込みOK。コソコソ隠したりせずとも、ペットボトル片手に観光する人々も普通にいました。
トイレは…。ビックリする話ですが、トイレは茂みでがこちらも暗黙のルールでした。これは遺跡の修復や発掘を行っている現地人を見て知りえた情報です。
出入口から2時間ほど歩いたところでしょうか、遺跡の奥深くを目指して進んでいると、10人位のペルー人が遺跡で何やら作業をしていました。ここまで来ると観光客はまばらです。
「そうだ!一日作業している彼らに聞いてみよう。従業員用のトイレがあるのかも」
思いついた私の前を、一人の作業員が横切っていきました。「チャンス!」と思って目で追っていると、遺跡の反対側にある茂みの奥深くに入って行き、そこでなんと、用を足していたのです。
遺跡の奥は手つかずの木々が生い茂っていて、ちょっとしたジャングルみたいになっています。だから人目にはつきません。でも、ここでするんだ…。
後に再会した一緒に線路を歩いたバックパッカー仲間に聞くと「そうだよ。俺もしたよ」と。どうやらトイレは茂みで、が暗黙の了解のようでした。
それは、不思議な言い伝え。
高い山々に隠れるようにして建っているマチュピチュ遺跡。その奥に続く険しい山の先には、さらに素晴らしい遺跡が眠っており、そこにはとても美しい人魚が住んでいます。 遺跡を見つけた人だけが出会える人魚…。これまで何人もの旅人が幻の遺跡を探し求め道を進みました。でも、誰一人帰ってきませんでした。
これはペルーを旅していたとき、複数の安宿で聞いた逸話です。
「作り話でしょ?」そう思いますか? でも実際2012年には、マチュピチュ周辺でインカラカイという新たな遺跡が発見されました。また2017年にはメキシコでマヤ文明史上最大と呼ばれる遺跡が、2021年にはエジプトで古代都市が丸ごとが発見され100年に一度の大発見と騒がれました。
マチュピチュも1911年に発見されるまで、その存在そのものが人々に忘れられていた不思議な遺跡です。発見から100年以上たった今でも、いつ造られたのか、どうやって造られたのか、なぜ造られたのかなど、多くの謎が残っています。
現代の技術を持ってしても解明されない謎を抱えるマチュピチュ遺跡。そして近年続々と発見される新たな遺跡たち。 そう考えると、まだ見ぬ遺跡があっても不思議ではない…ですよね。
マチュピチュ遺跡には、たくさんの観光客が訪れます。でも広大な敷地なので、それほど混雑したりしません。 見どころが点在しているので、人込みでいっぱいで良い写真が撮れない、遺跡がちゃんと見れない、なんて残念な思いをすることもありません。
そして嬉しいことにアルパカがたくさんいます! アルパカは群れになって行動していることが多いので、感覚的には観光客より多いイメージ。完全なる放し飼いで人を全く怖がらないので遺跡を巡っているとアルパカ自ら近付いてきてくれることもあります。
草を食む姿、座りこんでボーっとしている姿、遺跡を悠然と歩き回る姿…。 マチュピチュ遺跡では、たくさんのアルパカの姿を見ることができます。また愛らしい見た目通りに温厚な性格をしているので、襲われる心配もありません。
ただ「可愛い」と言っていれば良いから安心!(余談ですが愛らしい印象があるカバやカンガルー、エミュウなどは、時に凶暴で襲われたりもしますのでご注意を)
遺跡とふわふわモフモフの毛を持つアルパカの共演。ぜひ楽しんでくださいね。
大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。 マイナーな国をメインに、世界中を旅する。 旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。 出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。 公式HP:Lucia Travel
ガイドブックそのままの見事な景色を見せてくれるマチュピチュ遺跡。一生に一度は訪れておきたい憧れの地でもありますよね。
でも、マチュピチュは実は怖い場所でもあります。今回は、マチュピチュ遺跡を旅した時に実際に見聞きした怖い話をお届けします。
前回の記事はこちら
Lucia Travel連載一覧はこちら
目次
怖い話①無念!高山病で動けない
歩けなくなった男性
マチュピチュ遺跡を存分に堪能して帰るときでした。
余韻にひたり夢見心地の私は遺跡の出入口付近で、男性に声をかけられたのです。年は60代くらい、ザ日本人観光客という背格好でした。
「ここから遺跡まで遠いですか?」
頭の中は???でいっぱい。ただ、ただ、不思議でした。
日本から遠路はるばるマチュピチュまで来たというのに、なぜ何もない入口に座りこんでいるの?この人は?
「ここから、どれくらい歩けばマチュピチュ見れますか?」
疑問でいっぱいの私をよそに、質問は続きます。
マチュピチュ遺跡は広大です。
出入口から、私たちが思い描くあの光景に辿りつくまで15~20分ほど歩かないといけません。正直に伝えると「そうか…諦めます」と
え?でした。時間やお金を調整してペルーまできているのに、旅のハイライトであるマチュピチュ遺跡まであと一歩のところまで来ているのに、なのに後15分が頑張れない、歩けないの?と。でも、彼は高山病でした。
聞けば大手旅行会社のツアーでここまで来たとのこと。仕方のないことかもしれませんが、かなりハードなスケジュールでした。
日本から長時間のフライト(乗り継ぎで30時間くらい)でペルーへ来てその足でリマを観光→標高が3400mあるクスコ→標高2,400mのマチュピチュ遺跡と、休む間もなく観光を続けていました。
高山病は最悪の場合、死に至ります。
たっぷり休養をして予防することが大切ですが、こんなスケジュールで休養するのは不可能どころか、睡眠不足、時差ぼけ、移動による体力低下…と高山病になる要素が満載だと、素人ながらに思いました。
「ペルーに着いてすぐ高山病になってさ。今日は頑張って起きて、バスに揺られて何とかここまできたんだけど、やっぱりダメだ。仕方がないけれど、集合時間までここに留まるよ」。彼の声は悔しさよりも諦めに近いものでした。
彼が参加しているのは、日本から添乗員が付くちゃんとしたツアーでした。彼が高山病で苦しんでいることは、もちろんガイドさんが知っています。
でもツアーは旅の工程通りに進まなければなりません。マチュピチュ観光は自由行動なので、ホテルで休んでいていいよと言われたそうです。
「でもさ、ここまで来たんだよ。見たいじゃない?頑張ったんだけどさ…」
最悪の場合は死に至ることも
彼ほどではありませんが、高山病で苦しんでいる日本人は結構みました。遺跡観光の途中で歩けなくなっている年配の女性、頭が痛いとうずくまる若い男の子…。
だからアドバイスさせてください。
高山病は年齢や性別に関係なく、誰もがなってしまうものです。
脱力感で動けない、吐き気でグルグルする、寝ても覚めても頭が痛い、息苦しい。軽い症状ですめば良いのですが、恐ろしいことに高山病は全く動けなくなったり、命に関わる状態に陥ったりします。
旅行会社が手がける南米ツアーの相場は大体20万円前後。なかでも弾丸ツアーは比較的値段が安くまた日数も短いため参加しやすいのが特徴です。
でもパンフレットには書かれていませんが、短期間でたくさんの観光地を巡る行程だと、高山病になる可能性は高まります。南米の標高はとても高く、クスコに至っては富士山より高い標高となっています。
自分だけは大丈夫と過信せず、ぜひ日程に余裕のあるものを選んで欲しいな、と思います。
怖い話②まさか!!トイレがない!!
先にも書きましたがマチュピチュ遺跡は広大です。
遺跡の面積は約5㎞。そして見どころが随所にあるため、サラっと観光するだけでも3時間ほどかかります。
じっくり観光しようと思ったら、さらに時間が必要。でも、遺跡の中は飲食が禁止なので売店はありません。観光地によくあるようなお土産屋さんも飲食店も何もありません。ただ遺跡があるだけ。そしてなんと、トイレもありません!
トイレは一体どこ!?
トイレはどこにあるのかというと、なんとマチュピチュ遺跡の出入口の外まで行かなければいけないんです。
チケットを提示すれば何度でも出入り可能ですが、出入口から遺跡までは15~20分。遺跡の奥まで行ってしまうとさらに時間はかかります。
また山なので、険しい階段があったり急な斜面を長時間登らなければならない場面も多々あります。結構な距離を歩くので、トイレのためにイチイチ出入口まで戻るのは、時間も体力も使います。
「みんなどうしているのだろう?」私はただ疑問でした。
メイン遺跡の観光だけなら3時間、まあ我慢できる時間です。でもマチュピチュ遺跡をより美しくみるための山ワイナピチュ山に登るなど、少し足を延ばすと5~6時間位滞在することになります。「トイレや水分補給のためだけに片道1時間かけて戻るの?」と。
水分補給の問題は、すぐ解決しました。遺跡内では飲食は禁止です。でも、暗黙の了解として水分は持ち込みOK。コソコソ隠したりせずとも、ペットボトル片手に観光する人々も普通にいました。
人目につかない場所でこっそりと
トイレは…。ビックリする話ですが、トイレは茂みでがこちらも暗黙のルールでした。これは遺跡の修復や発掘を行っている現地人を見て知りえた情報です。
出入口から2時間ほど歩いたところでしょうか、遺跡の奥深くを目指して進んでいると、10人位のペルー人が遺跡で何やら作業をしていました。ここまで来ると観光客はまばらです。
「そうだ!一日作業している彼らに聞いてみよう。従業員用のトイレがあるのかも」
思いついた私の前を、一人の作業員が横切っていきました。「チャンス!」と思って目で追っていると、遺跡の反対側にある茂みの奥深くに入って行き、そこでなんと、用を足していたのです。
遺跡の奥は手つかずの木々が生い茂っていて、ちょっとしたジャングルみたいになっています。だから人目にはつきません。でも、ここでするんだ…。
後に再会した一緒に線路を歩いたバックパッカー仲間に聞くと「そうだよ。俺もしたよ」と。どうやらトイレは茂みで、が暗黙の了解のようでした。
怖い話③世界七不思議の一つとして知られる”旅人の疾走”
それは、不思議な言い伝え。
高い山々に隠れるようにして建っているマチュピチュ遺跡。その奥に続く険しい山の先には、さらに素晴らしい遺跡が眠っており、そこにはとても美しい人魚が住んでいます。
遺跡を見つけた人だけが出会える人魚…。これまで何人もの旅人が幻の遺跡を探し求め道を進みました。でも、誰一人帰ってきませんでした。
これはペルーを旅していたとき、複数の安宿で聞いた逸話です。
人魚が住む遺跡を求めて
「作り話でしょ?」そう思いますか?
でも実際2012年には、マチュピチュ周辺でインカラカイという新たな遺跡が発見されました。また2017年にはメキシコでマヤ文明史上最大と呼ばれる遺跡が、2021年にはエジプトで古代都市が丸ごとが発見され100年に一度の大発見と騒がれました。
マチュピチュも1911年に発見されるまで、その存在そのものが人々に忘れられていた不思議な遺跡です。発見から100年以上たった今でも、いつ造られたのか、どうやって造られたのか、なぜ造られたのかなど、多くの謎が残っています。
現代の技術を持ってしても解明されない謎を抱えるマチュピチュ遺跡。そして近年続々と発見される新たな遺跡たち。
そう考えると、まだ見ぬ遺跡があっても不思議ではない…ですよね。
~番外編~アルパカがいっぱい
マチュピチュ遺跡には、たくさんの観光客が訪れます。でも広大な敷地なので、それほど混雑したりしません。
見どころが点在しているので、人込みでいっぱいで良い写真が撮れない、遺跡がちゃんと見れない、なんて残念な思いをすることもありません。
そして嬉しいことにアルパカがたくさんいます!
アルパカは群れになって行動していることが多いので、感覚的には観光客より多いイメージ。完全なる放し飼いで人を全く怖がらないので遺跡を巡っているとアルパカ自ら近付いてきてくれることもあります。
草を食む姿、座りこんでボーっとしている姿、遺跡を悠然と歩き回る姿…。
マチュピチュ遺跡では、たくさんのアルパカの姿を見ることができます。また愛らしい見た目通りに温厚な性格をしているので、襲われる心配もありません。
ただ「可愛い」と言っていれば良いから安心!(余談ですが愛らしい印象があるカバやカンガルー、エミュウなどは、時に凶暴で襲われたりもしますのでご注意を)
遺跡とふわふわモフモフの毛を持つアルパカの共演。ぜひ楽しんでくださいね。
前回の記事はこちら
Lucia Travel連載一覧はこちら
筆者プロフィール:R.香月(かつき)
大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。
マイナーな国をメインに、世界中を旅する。
旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。
出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。
公式HP:Lucia Travel