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みなさんは、「民話」と聞いてどのようなイメージを持ちますか? いくつか有名な民話を知っているという方もいるかもしれませんね。
このコラムでは、民話とは何かといった基本的なことから、地域別の代表的な民話、世界の民話に共通するテーマや教えなどをわかりやすく解説します。 世界の民話に興味がある方、民話から見えてくる国や地域の文化を知りたい方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
そもそも「民話って何?」という方も多いかもしれません。 ここでは、民話の基本的な知識から確認していきましょう。
民話は、一般的に、民衆の生活の中から生まれ、民衆によって口から口へと伝えられてきた説話のことを指します。 長い年月をかけて、先祖から受け継いできた物語でもあります。
民話と昔話の違いについてはさまざまな説があります。 たとえば、昔話はその名のとおり「昔の出来事や経験などの話、主に子どもに向けて聞かせる、空想的な話」を指しますが、民話は「人々の生活の中で生まれ、地域性が高く、民衆により口頭で伝えられてきた話」を指します。 また、民話はその範囲が広いため、昔話は民話の一種という考え方もあります。
世界中には多くの民話が存在していますが、それは、民話が大切な教えを人々にわかりやすく伝えることができるからです。
たとえば、「良い行いをすべき、悪いことをしてはいけない(=勧善懲悪)」という教えを、そのまま直接的に伝えるよりも、ストーリーを通じて伝える方が、人々の心に響きやすいのです。 大切な教えを受け継いでいくことは大切なため、どの地域でも民話が残っているのです。
民話の基本的なことがわかったところで、さっそく世界の有名な民話をチェックしてきましょう。
まずは、日本で暮らす私たちにも身近な話が多いヨーロッパの民話から。
とても有名な話であるシンデレラ。実は発祥については諸説あり、古代ギリシアの歴史家ヘロドトス、ストラボン、アイリアノスらの記述によると、紀元前五〜六世紀には最も古いシンデレラの物語が存在していたことが明らかになっています。
現在私たちが知っているシンデレラのストーリーは、17世紀後半、フランスの童話作家シャルル・ペローによって書かれた「サンドリヨン、あるいは小さなガラスの靴」が原作といわれています。
こちらも起源については諸説あり、11世紀のベルギーの詩に由来するという説、スウェーデンの民話「黒い森の乙女」に由来するという説などがあります。 物語として正式に書かれたのは、1697年にフランスで出版されたペロー童話集の中の「赤ずきん」が最初といわれています。
なお、ペローの童話「赤ずきん」は宮廷・サロンで過ごす女性たちのために書かれました。
物語の起源は北欧神話にあるといわれていますが、現在私たちが親しんでいるものは、イギリスに古くから伝わる民話です。
1890年に民話学者のジョセフ・ジェイコブスがそのほかの民話あわせて「English Fairy Tales(『イングランド民話集』)」として出版し、世界中に広まりました。
グリム童話でおなじみの、グリム兄弟が作者です。兄弟の住居の近くにあった薬局のヴィルト家という家族から伝え聞いた、ヘッセン州に伝わる民話のひとつが発祥といわれています。
長く続いた飢饉で困った親が口減らしのために子捨てをするという少し悲しいお話ですが、これは中世ヨーロッパの大飢饉(1315年から1317年の大飢饉)の記憶を伝える目的だった、という見方があります。
続いて、日本を含めたアジアの有名な民話を見ていきましょう。
浦島太郎の物語は、昔の伝説に基づいており、浦島太郎伝説は日本国内に十数箇所もあるといわれています。なかでも、発祥として有名なのが、日本最古の「浦島伝説」が残る京都府伊根町です。浦嶋神社に残る「浦島伝説」は風土記や日本書紀、万葉集にも記されています。
現在私たちが親しんでいる「浦島太郎」の民話は、これは童話作家の巖谷小波が1896年に発表した『日本昔噺』の中に収められています。これが国語の教科書などに掲載され、広まっていきました。
桃から生まれた桃太郎が、動物たちを引き連れて、鬼退治に行くという物語ですが、原型(口承文学)の発祥は室町時代末期から江戸時代初期頃と考えられています。話のルーツは、鬼ケ島に渡る源為朝の武勇を描いた『保元物語』(鎌倉時代初期)にあるという説も。
現在の桃太郎の民話は、江戸時代の黄表紙『桃太郎』『桃太郎昔話』などの出版により広まりました。
インドの説話集であり、世界一古い童話として知られています。ヴィシュヌ・シャルマーという人物が、西暦200年ごろに制作したといわれています。全部で5巻、84の民話が収められており、王族の子どもたちに対し、動物などを擬人化して政治、処世、倫理を教示する目的で作られました。
『牛郎織女(ぎゅうろうしょくじょ)』は中国に古くから伝わるお話で、七夕伝説の起源といわれています。紀元前600年ごろの中国最古の詩集「詩経」に収められています。
中国では、「織女のように手先が器用になりたい」という女性の願いと重なり、「乞巧奠(きっこうでん)」という裁縫や手芸、書道などの上達を祈る祭りが誕生。そしてそれが奈良時代に日本に伝わり、現在の七夕へとつながっていったといわれています。
ここからは、中東やアフリカ地域にまつわる民話をご紹介します。
ディズニーでもおなじみのアラビアンナイトは、「千夜一夜物語」という名前でも知られています。アラビアを中心とした民間伝承物語集で、発祥については、9世紀のバグダード(現イラク)で原型が成立したと考えられています。
「アラジンと魔法のランプ」「アリ・ババ」「船乗りシンドバット」などの冒険物語が有名ですが、実は多くは男女の恋愛物語なんです。
アラビアンナイトについてより詳しく知りたい方は コチラ
続いて、日本では少しなじみがないかもしれませんが、南北アメリカの代表的な民話をご紹介していきましょう!
南米アンデス地方の先住民のあいだで古くから伝わる民話です。 森で火事が起き、他の動物たちが逃げる中、ハチドリの「クリキンディ」だけは、ひたすら水のしずくを運んだというストーリーで、「今自分にできることをする」ことの大切さを説いています。
世界には、地域ごとにさまざまな魅力あふれる民話があることがわかりましたね。 ここからは、その中でも特に有名な民話のあらすじと教訓をご紹介します。
あらすじ:
いじわるな継母と義理の姉たちに雑用をさせられていたシンデレラ。あるとき、舞踏会に継母と義理の姉2人が招待されます。着飾り楽しそうに出ていく彼女たち。ひとり留守番をさせられるシンデレラのそばに、魔法使いのおばあさんが現れます。ドレスやガラスの靴をもらったシンデレラは、舞踏会に参加しました。そこで、王子様はシンデレラにひとめぼれ。シンデレラが落とした片方の靴を頼りに、後日王子様は彼女を探します。 そして、ついにその靴がぴったり合うシンデレラに出会います。王子さまはすぐに求婚し、二人は結婚し幸せに暮らしました。
教訓:
このお話には、「困難に耐えまじめに働き、良い行いをすればきっと幸せになれる」という教訓が込められています。また、現代では「努力やスキルによって格差を乗り越える」という解釈もされています。
母親と二人で貧しく暮らしていた農家の少年ジャック。ある日、不思議な老人から牛と交換に神秘的な豆を与えられます。豆を持ち帰ったことに母は怒り、豆を外に投げてしまいましたが、豆は巨大な豆の木となり、天まで伸びていったのです。 ジャックは木を登り天界に到達し、金貨や宝石、財宝を手に入れます。しかし、巨人に追われ木を切り倒して逃げ延びます。 ジャックは豆の木から落下しても無事で、母と一緒に豊かに暮らしました。
この民話は、貧しい環境から抜け出すための冒険心と勇気の大切さを教えてくれます。また、現代的解釈では、「ジャックが実利ではなく可能性を選んだ(牛とお金を交換するのではなく、不思議な豆をもらう)」ことにも注目が集まっています。
暑い夏の間、これからやってくる冬のために勤勉にエサを集めるアリと、楽しみながらひまつぶしをするキリギリスの対照的な性格を描いた寓話です。アリはひたすら働き続けるのに対し、キリギリスは歌を歌いながら遊び続け、働き続けるアリのことを笑っていました。 やがて冬が訪れ、アリは準備したエサで過ごせましたが、何も準備をしていないキリギリスは飢えに苦しみました。
この物語は、日々の努力と計画の大切さ、そして勤勉さと楽観主義のバランスを保つことを教訓として伝えています。なお、現代では「キリギリスのように人生を謳歌するのも悪くない」という解釈も広がっています。
3匹の子ぶたは、それぞれ自分の家を建てようとしていました。1番上の子ぶたはすぐにできる「わら」で、2番目の子ぶたは簡単にできる「木」で家を作りますが、オオカミに壊されてしまいます。一方、3番目の子ぶたは、時間がかかるけれど丈夫なレンガの家を作り、無事にオオカミを追い払うことができました。
この物語は、努力や賢明さ、責任感、自立心が大切であることを教えてくれています。また、現代では「簡単にできるものにはリスクが潜んでいること、情報をつかみ、上手に活かした者が生き残れること」などが大切なメッセージとしてとらえられています。
牛郎と織女という、天の川を挟んで向かい合う恋人がいました。夫婦になってから仕事をおろそかにした織女に天から万物を支配する神「天帝」は怒り、二人を引き離します。 しかし、悲しむ二人を見かねて、1年に一度、7月7日の夜だけは会うことを許しました。それ以来、この日が訪れるとカササギが羽を広げて天の川に橋を架けたそうです。
この物語は、愛と運命、そして人間と神様の関係性について教えてくれます。物語にとどまらず、現代の社会においても価値観や行動規範を形成する要素となっています。
地域によってさまざまな民話がありますが、世界の民話にはいくつか共通するテーマや教えがあります。
多くの民話では、勧善懲悪と正義がテーマとして取り扱われています。良い行いをする人は報われ幸せになり、悪いことをするとバチが当たるというのは、次の世代にも大切に受け継いでいきたい教えですよね。
また、正しいこと、自分が正しいと信じたことを貫く大切さも描かれます。たとえば「桃太郎」では、鬼退治が正義として描かれ、桃太郎はそれを達成するために勇気を持って立ち向かうのです。
困難な場面にあっても、勇気を出し、知恵をしぼることで解決できる、状況がよくなるという教えも多いです。たとえば、ジャックと豆の木の主人公ジャックは、貧困のなかでも、勇敢に巨大な豆の木の上まで登っていったことで、母親と二人で幸せに暮らすことができるようになりました。
愛と絆の大切さも、民話が教えてくれることの大きなテーマです。特に、牛郎織女のストーリーからは、愛とは何か、運命とは何かといったことを私たちに考えさせてくれます。シンデレラも、困難に耐えながらまじめに働いていたからこそ、王子様との素敵な愛に出会えたのです。
最後に、世界の民話についての素朴な疑問を一緒に解決していきましょう!
世界には、「三大童話」と呼ばれる童話があります。それは、「イソップ童話」「グリム童話」「アンデルセン童話」の3つです。
イソップ童話は、古代ギリシャ時代から伝わる寓話集で、「北風と太陽」などが有名。 グリム童話は19世紀にドイツのグリム兄弟がドイツ周辺に伝わるストーリーをまとめたもので、「白雪姫」などが代表的です。 アンデルセン童話は童話作家のアンデルセンによって書かれた創作童話で、「人魚姫」などが知られています。
神話や童話も、民話との違いが少しわかりにくいですよね。 神話は、一般的に神々や超自然的な存在が登場する話で、世界や人間の起源をモチーフとすることが多いです。
童話は、基本的に子ども向けに創作された話で、道徳的な教えなどが含まれています。
一方、民話は子どもから大人まで対象が広く、民衆の生活の中で生まれた話という特徴があります。
世界で一番読まれている本は、「聖書」といわれています。明確な数字はわかっていませんが、推定50~60億部以上売れているとされています。
童話・物語では、グリム童話が最も読まれています。1812年に第1巻が刊行されて以降、現在では170以上の言語に翻訳され世界中で親しまれています。
民話という言葉は知っていても、神話や童話、昔話との違いなどは新しい発見だったという方も多いのではないでしょうか。
世界にはたくさんの民話があり、そのストーリーや、そこに込められた考え方・価値観・教えなどは多様性にあふれています。そして、民話を楽しみながら、その国や地域の文化を学び、理解するのも素敵ですね。
このコラムが、みなさんが世界の民話や、民話の奥深い世界に興味を持つきっかけになれば嬉しいです!
ハワイ四大神による創生神話や有名な民話▼
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みなさんは、「民話」と聞いてどのようなイメージを持ちますか?
いくつか有名な民話を知っているという方もいるかもしれませんね。
このコラムでは、民話とは何かといった基本的なことから、地域別の代表的な民話、世界の民話に共通するテーマや教えなどをわかりやすく解説します。
世界の民話に興味がある方、民話から見えてくる国や地域の文化を知りたい方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
民話とは?昔話との違い
そもそも「民話って何?」という方も多いかもしれません。
ここでは、民話の基本的な知識から確認していきましょう。
民話とは何か
民話は、一般的に、民衆の生活の中から生まれ、民衆によって口から口へと伝えられてきた説話のことを指します。
長い年月をかけて、先祖から受け継いできた物語でもあります。
昔話との違い
民話と昔話の違いについてはさまざまな説があります。
たとえば、昔話はその名のとおり「昔の出来事や経験などの話、主に子どもに向けて聞かせる、空想的な話」を指しますが、民話は「人々の生活の中で生まれ、地域性が高く、民衆により口頭で伝えられてきた話」を指します。
また、民話はその範囲が広いため、昔話は民話の一種という考え方もあります。
世界中に民話が存在する理由
世界中には多くの民話が存在していますが、それは、民話が大切な教えを人々にわかりやすく伝えることができるからです。
たとえば、「良い行いをすべき、悪いことをしてはいけない(=勧善懲悪)」という教えを、そのまま直接的に伝えるよりも、ストーリーを通じて伝える方が、人々の心に響きやすいのです。
大切な教えを受け継いでいくことは大切なため、どの地域でも民話が残っているのです。
世界の有名な民話一覧【地域別まとめ】
民話の基本的なことがわかったところで、さっそく世界の有名な民話をチェックしてきましょう。
ヨーロッパの有名な民話
まずは、日本で暮らす私たちにも身近な話が多いヨーロッパの民話から。
シンデレラ
とても有名な話であるシンデレラ。実は発祥については諸説あり、古代ギリシアの歴史家ヘロドトス、ストラボン、アイリアノスらの記述によると、紀元前五〜六世紀には最も古いシンデレラの物語が存在していたことが明らかになっています。
現在私たちが知っているシンデレラのストーリーは、17世紀後半、フランスの童話作家シャルル・ペローによって書かれた「サンドリヨン、あるいは小さなガラスの靴」が原作といわれています。
赤ずきん
こちらも起源については諸説あり、11世紀のベルギーの詩に由来するという説、スウェーデンの民話「黒い森の乙女」に由来するという説などがあります。
物語として正式に書かれたのは、1697年にフランスで出版されたペロー童話集の中の「赤ずきん」が最初といわれています。
なお、ペローの童話「赤ずきん」は宮廷・サロンで過ごす女性たちのために書かれました。
ジャックと豆の木
物語の起源は北欧神話にあるといわれていますが、現在私たちが親しんでいるものは、イギリスに古くから伝わる民話です。
1890年に民話学者のジョセフ・ジェイコブスがそのほかの民話あわせて「English Fairy Tales(『イングランド民話集』)」として出版し、世界中に広まりました。
ヘンゼルとグレーテル
グリム童話でおなじみの、グリム兄弟が作者です。兄弟の住居の近くにあった薬局のヴィルト家という家族から伝え聞いた、ヘッセン州に伝わる民話のひとつが発祥といわれています。
長く続いた飢饉で困った親が口減らしのために子捨てをするという少し悲しいお話ですが、これは中世ヨーロッパの大飢饉(1315年から1317年の大飢饉)の記憶を伝える目的だった、という見方があります。
アジアの有名な民話
続いて、日本を含めたアジアの有名な民話を見ていきましょう。
浦島太郎
浦島太郎の物語は、昔の伝説に基づいており、浦島太郎伝説は日本国内に十数箇所もあるといわれています。なかでも、発祥として有名なのが、日本最古の「浦島伝説」が残る京都府伊根町です。浦嶋神社に残る「浦島伝説」は風土記や日本書紀、万葉集にも記されています。
現在私たちが親しんでいる「浦島太郎」の民話は、これは童話作家の巖谷小波が1896年に発表した『日本昔噺』の中に収められています。これが国語の教科書などに掲載され、広まっていきました。
桃太郎
桃から生まれた桃太郎が、動物たちを引き連れて、鬼退治に行くという物語ですが、原型(口承文学)の発祥は室町時代末期から江戸時代初期頃と考えられています。話のルーツは、鬼ケ島に渡る源為朝の武勇を描いた『保元物語』(鎌倉時代初期)にあるという説も。
現在の桃太郎の民話は、江戸時代の黄表紙『桃太郎』『桃太郎昔話』などの出版により広まりました。
パチャタントラ
インドの説話集であり、世界一古い童話として知られています。ヴィシュヌ・シャルマーという人物が、西暦200年ごろに制作したといわれています。全部で5巻、84の民話が収められており、王族の子どもたちに対し、動物などを擬人化して政治、処世、倫理を教示する目的で作られました。
牛郎織女
『牛郎織女(ぎゅうろうしょくじょ)』は中国に古くから伝わるお話で、七夕伝説の起源といわれています。紀元前600年ごろの中国最古の詩集「詩経」に収められています。
中国では、「織女のように手先が器用になりたい」という女性の願いと重なり、「乞巧奠(きっこうでん)」という裁縫や手芸、書道などの上達を祈る祭りが誕生。そしてそれが奈良時代に日本に伝わり、現在の七夕へとつながっていったといわれています。
中東・アフリカの代表的な民話
ここからは、中東やアフリカ地域にまつわる民話をご紹介します。
アラビアンナイト
ディズニーでもおなじみのアラビアンナイトは、「千夜一夜物語」という名前でも知られています。アラビアを中心とした民間伝承物語集で、発祥については、9世紀のバグダード(現イラク)で原型が成立したと考えられています。
「アラジンと魔法のランプ」「アリ・ババ」「船乗りシンドバット」などの冒険物語が有名ですが、実は多くは男女の恋愛物語なんです。
アラビアンナイトについてより詳しく知りたい方は コチラ
南北アメリカの代表的な民話
続いて、日本では少しなじみがないかもしれませんが、南北アメリカの代表的な民話をご紹介していきましょう!
ハチドリのひとしずく
南米アンデス地方の先住民のあいだで古くから伝わる民話です。
森で火事が起き、他の動物たちが逃げる中、ハチドリの「クリキンディ」だけは、ひたすら水のしずくを運んだというストーリーで、「今自分にできることをする」ことの大切さを説いています。
世界で特に有名な民話5選【あらすじと教訓】
世界には、地域ごとにさまざまな魅力あふれる民話があることがわかりましたね。
※数ある民話の中から、筆者が選定した5つを紹介。ここからは、その中でも特に有名な民話のあらすじと教訓をご紹介します。
シンデレラ ―【あらすじと教訓】―
「Cinderella by Gustav Doré」
あらすじ:
いじわるな継母と義理の姉たちに雑用をさせられていたシンデレラ。あるとき、舞踏会に継母と義理の姉2人が招待されます。着飾り楽しそうに出ていく彼女たち。ひとり留守番をさせられるシンデレラのそばに、魔法使いのおばあさんが現れます。ドレスやガラスの靴をもらったシンデレラは、舞踏会に参加しました。そこで、王子様はシンデレラにひとめぼれ。シンデレラが落とした片方の靴を頼りに、後日王子様は彼女を探します。
そして、ついにその靴がぴったり合うシンデレラに出会います。王子さまはすぐに求婚し、二人は結婚し幸せに暮らしました。
教訓:
このお話には、「困難に耐えまじめに働き、良い行いをすればきっと幸せになれる」という教訓が込められています。また、現代では「努力やスキルによって格差を乗り越える」という解釈もされています。
ジャックと豆の木 ―【あらすじと教訓】―
「Journeys through Bookland (1922)」
あらすじ:
母親と二人で貧しく暮らしていた農家の少年ジャック。ある日、不思議な老人から牛と交換に神秘的な豆を与えられます。豆を持ち帰ったことに母は怒り、豆を外に投げてしまいましたが、豆は巨大な豆の木となり、天まで伸びていったのです。
ジャックは木を登り天界に到達し、金貨や宝石、財宝を手に入れます。しかし、巨人に追われ木を切り倒して逃げ延びます。
ジャックは豆の木から落下しても無事で、母と一緒に豊かに暮らしました。
教訓:
この民話は、貧しい環境から抜け出すための冒険心と勇気の大切さを教えてくれます。また、現代的解釈では、「ジャックが実利ではなく可能性を選んだ(牛とお金を交換するのではなく、不思議な豆をもらう)」ことにも注目が集まっています。
アリとキリギリス ―【あらすじと教訓】―
「The Ant and the Grasshopper」
あらすじ:
暑い夏の間、これからやってくる冬のために勤勉にエサを集めるアリと、楽しみながらひまつぶしをするキリギリスの対照的な性格を描いた寓話です。アリはひたすら働き続けるのに対し、キリギリスは歌を歌いながら遊び続け、働き続けるアリのことを笑っていました。
やがて冬が訪れ、アリは準備したエサで過ごせましたが、何も準備をしていないキリギリスは飢えに苦しみました。
教訓:
この物語は、日々の努力と計画の大切さ、そして勤勉さと楽観主義のバランスを保つことを教訓として伝えています。なお、現代では「キリギリスのように人生を謳歌するのも悪くない」という解釈も広がっています。
三匹の子ぶた ―【あらすじと教訓】―
「Journeys through Bookland (1922)」
あらすじ:
3匹の子ぶたは、それぞれ自分の家を建てようとしていました。1番上の子ぶたはすぐにできる「わら」で、2番目の子ぶたは簡単にできる「木」で家を作りますが、オオカミに壊されてしまいます。一方、3番目の子ぶたは、時間がかかるけれど丈夫なレンガの家を作り、無事にオオカミを追い払うことができました。
教訓:
この物語は、努力や賢明さ、責任感、自立心が大切であることを教えてくれています。また、現代では「簡単にできるものにはリスクが潜んでいること、情報をつかみ、上手に活かした者が生き残れること」などが大切なメッセージとしてとらえられています。
牛郎織女 ―【あらすじと教訓】―
「牛郎織女」より
あらすじ:
牛郎と織女という、天の川を挟んで向かい合う恋人がいました。夫婦になってから仕事をおろそかにした織女に天から万物を支配する神「天帝」は怒り、二人を引き離します。
しかし、悲しむ二人を見かねて、1年に一度、7月7日の夜だけは会うことを許しました。それ以来、この日が訪れるとカササギが羽を広げて天の川に橋を架けたそうです。
教訓:
この物語は、愛と運命、そして人間と神様の関係性について教えてくれます。物語にとどまらず、現代の社会においても価値観や行動規範を形成する要素となっています。
世界の民話に共通するテーマとは?
地域によってさまざまな民話がありますが、世界の民話にはいくつか共通するテーマや教えがあります。
勧善懲悪と正義
多くの民話では、勧善懲悪と正義がテーマとして取り扱われています。良い行いをする人は報われ幸せになり、悪いことをするとバチが当たるというのは、次の世代にも大切に受け継いでいきたい教えですよね。
また、正しいこと、自分が正しいと信じたことを貫く大切さも描かれます。たとえば「桃太郎」では、鬼退治が正義として描かれ、桃太郎はそれを達成するために勇気を持って立ち向かうのです。
勇気と知恵
困難な場面にあっても、勇気を出し、知恵をしぼることで解決できる、状況がよくなるという教えも多いです。たとえば、ジャックと豆の木の主人公ジャックは、貧困のなかでも、勇敢に巨大な豆の木の上まで登っていったことで、母親と二人で幸せに暮らすことができるようになりました。
愛と絆
愛と絆の大切さも、民話が教えてくれることの大きなテーマです。特に、牛郎織女のストーリーからは、愛とは何か、運命とは何かといったことを私たちに考えさせてくれます。シンデレラも、困難に耐えながらまじめに働いていたからこそ、王子様との素敵な愛に出会えたのです。
世界の民話に関する疑問
最後に、世界の民話についての素朴な疑問を一緒に解決していきましょう!
世界三大童話とは?
世界には、「三大童話」と呼ばれる童話があります。それは、「イソップ童話」「グリム童話」「アンデルセン童話」の3つです。
イソップ童話は、古代ギリシャ時代から伝わる寓話集で、「北風と太陽」などが有名。
グリム童話は19世紀にドイツのグリム兄弟がドイツ周辺に伝わるストーリーをまとめたもので、「白雪姫」などが代表的です。
アンデルセン童話は童話作家のアンデルセンによって書かれた創作童話で、「人魚姫」などが知られています。
神話・童話との違いは?
神話や童話も、民話との違いが少しわかりにくいですよね。
神話は、一般的に神々や超自然的な存在が登場する話で、世界や人間の起源をモチーフとすることが多いです。
童話は、基本的に子ども向けに創作された話で、道徳的な教えなどが含まれています。
一方、民話は子どもから大人まで対象が広く、民衆の生活の中で生まれた話という特徴があります。
世界一読まれている物語は
世界で一番読まれている本は、「聖書」といわれています。明確な数字はわかっていませんが、推定50~60億部以上売れているとされています。
童話・物語では、グリム童話が最も読まれています。1812年に第1巻が刊行されて以降、現在では170以上の言語に翻訳され世界中で親しまれています。
まとめ|民話を通して世界の文化に親しもう
民話という言葉は知っていても、神話や童話、昔話との違いなどは新しい発見だったという方も多いのではないでしょうか。
世界にはたくさんの民話があり、そのストーリーや、そこに込められた考え方・価値観・教えなどは多様性にあふれています。そして、民話を楽しみながら、その国や地域の文化を学び、理解するのも素敵ですね。
このコラムが、みなさんが世界の民話や、民話の奥深い世界に興味を持つきっかけになれば嬉しいです!
関連記事
ハワイ四大神による創生神話や有名な民話▼
世界の文化や習慣の違いについて、より深く知りたい方!▼