人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
「稲荷神社にはどんな神様が祀られているの?」「どうして稲荷神社には狐がいるの?」今回は、稲荷神社に祀られている神様の正体や狐との関係、ご利益の種類、一般の神社との違いまでをわかりやすく解説します。悩みがちな「お礼参り」のルールもご紹介しているので、ぜひ開運のヒントとしてお役立てください。
稲荷神社を訪れると、鳥居のそばに鎮座する狐の像が目に留まります。「どうして神社に狐が?」と、ふと疑問に思ったことはありませんか。
稲荷神社は、日本全国に約3万社も存在すると言われており、日本でもっとも身近な神社のひとつです。主祭神は、食物や農耕を司る「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」で、五穀豊穣をはじめ、商売繁盛・家内安全・芸能成就など、さまざまな願いにご利益があると伝えられています。
「稲荷神社」と名が付く神社は、すべて稲荷信仰に基づいており、祀られている神様が他の神社と異なるのが 特徴です。とはいえ、稲荷神社が特別というわけではなく、神社の種類の一つとして、誰でも気軽に参拝できる 身近な存在です。
稲荷神社を訪れると、そこには静かに鎮座する狐の姿が。その神秘的な佇まいに、「もしかして、狐が神様なの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。「お狐様」とも呼ばれる狐の像は、神様ではなく稲荷神社に祀られている稲荷大神に仕える神使(しんし)・眷属(けんぞく)としての役割を担っています。
稲荷神社には、主に五穀豊穣を司る宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)別名「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」が祀られています。稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社には、主祭神の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)のほかに、五柱で祀られています。
●佐田彦大神(さたひこのおおかみ)
道案内の神であるサルタヒコと同一神とされる。
●大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
アマテラスに仕える巫女が神格化されたとされる。
●田中大神(たなかのおおかみ)
●四大神(しのおおかみ)
稲荷神の一柱であり、宇迦之御魂大神と一緒にまつられることが多い。
これらの神々が全国の稲荷神社における信仰の中心的存在となっているのです。
稲荷信仰の始まりは、米や穀物が収穫できることへの感謝と祈りを捧げていたことが原形だと伝えられています。「稲荷(いなり)」という言葉の語源は、「稲がなる」などに由来するとされ、「稲」と深く結びついた信仰であることがうかがえますね。
稲荷神社の狐は神使や眷属と呼ばれていますが、そもそも神使とはどのような存在なのでしょうか。神使とは、神様と人とを結ぶ、とても重要な役割を担う存在です。私たちは、神使である狐を通して神様からのメッセージを受け取り、また、私たちの願いを神様へと届けてもらっているのです。
つまり「神使」とは、神様のおつかいとして働く存在ということですね!稲荷神社では狐が神使として広く知られていますが、神使とされる動物は狐だけではありません。たとえば伊勢神宮の鶏、春日大社の鹿、日吉大社の猿、八幡宮の鳩など、その神社にふさわしい動物が神使として祀られているのです。
神使を祀る神社は、縁ある動物をそれぞれ選んでいるとされていますが、稲荷神が狐を選ぶ理由はどのようなものだったのでしょう。その背景には、いくつかの理由や由来があるとされています。
田畑を荒らすネズミを捕食する狐は、昔から農村にとって頼もしい存在でした。そのため、穀物の神である稲荷神の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)が、狐を稲荷の使いとして選んだと伝えられています。狐が稲荷の使いとなった理由には、農作物を守るという役割が深く結びついているのかもしれませんね。
稲荷神の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)は、別名で「御饌津神(みけつかみ)」とも呼ばれています。この「みけつ」という名がのちに「御狐」や「三狐神」と記されるようになったことが、稲荷の使いに狐が選ばれた由来のひとつとされています。かつては、狐のことを「ケツ(けつ)」と呼んでいた時代があったそうですよ!
日本では古くから「狐憑き」などの信仰があり、狐は霊的な存在として知られてきました。稲荷神社に祀られている狐は白い毛並みで覆われた「白狐(びゃっこ)」と呼ばれ、神秘性の象徴とされています。また、神仏習合により稲荷大神と同一視されている仏教の神「茶枳尼天(だきにてん)」が白狐に乗った姿で描かれていることから、白狐が神の使いとされるようになったとも言われています。
稲荷神社に並ぶ狐の像は、ただ置かれているというわけではありません。それぞれの狐には、神様の使いとしての特別な意味や役割が込められているのです。
神社に参拝した際に 、必ずと言っていいほど目にする「狛犬」。稲荷神社には狛犬の代わりとして狛狐(こまぎつね)が置かれている場合がほとんどで、天満宮では牛になります。神社ごとの縁故によってその姿は変わりますが、お祀りされている神さまの神使であり、守護をしている姿にほかなりません。
狐は神様の思いを伝えるだけでなく、私たちの願いを神様へ届けてくれる、神と人との懸け橋のような存在です。そのため、狐の置き場には厳密な決まりはなく境内のさまざまな場所に祀られています。また、狛犬のように一対で並ぶものだけではなく、一体だけのものや複数体で並ぶものもありその数や配置もさまざまです。
稲荷神社に鎮座する狐の多くは、火を表す火難除けの赤い飾りを首につけているほか、口にも何かをくわえた姿をしています。おおまかに4種類あり、単なる飾りではなく、それぞれ違った意味がこめられています。
神秘的で優れた徳(霊徳)の象徴。願いを神様に届け叶えるとされている。稲荷神の御霊(ミタマ)の力が燃え上がる様子を表している玉には、模様がついていると考えられている。
五穀豊穣・農作の恵みをもたらすといわれ、狐が稲穂をくわえることで、神からの恵みを人々に届ける役割を表しているとも言われています。
深い知恵や知識、神の言葉の象徴。商売繁盛の意味を持つと言われています。
財・繁栄を開く象徴。恵みや富、知恵を授ける入り口を開く存在。
古くから五穀豊穣や商売繁盛を祈願する場として親しまれてきた稲荷神社。神様に敬意をもって願いを届けるためにも、正しい作法や心構えを知っておくことは大切です。ここでは、稲荷神社を参拝する際に気をつけたいことや、気になることをいくつかご紹介します。
「稲荷神社に参拝すると通い続けなければいけない」といった話を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。こうした噂が、稲荷神社に対して「怖い」という印象を与えてしまう理由のひとつかもしれませんね。
確かに神様との縁を大切にするという意味で、願いが叶った際に「お礼参り」に訪れる方は多くいるのは事実ですが、通い続けなければならないという決まりはありません。大切なのは、心を込めて参拝することです。一度の参拝にも感謝の気持ちで誠実にお参りするようにしましょう。
「稲荷神社で願いが叶ったら、お礼参りをしないとたたられる」と聞いたことがあると言う方は意外と多いと思います。もちろん、俗説のひとつで実際に祟りがあるというわけではありません。
とはいえ、願いが叶った際に感謝の気持ちを神様に伝えるという礼儀の文化は古くから大切にされていました。感謝の気持ちを伝えるのは神様だけではなく、私たちの願いを神様に届けてくれた神使の狐にもしっかりと伝えたいものですね。
お礼参りには厳格なルールはないのですが、願いが成就してから3か月以内にお礼参りをすることが理想とされています。参拝の際には、神使である狐の好物とされる油揚げや稲荷ずしなどを供えることで、感謝の気持ちを形にして伝えることができますよ。
神社を覆う緑が美しく、ペットを飼っている方なら散歩に行きたいと感じるかたも少なくないはず。とはいえ、基本的には神社は神様のおわす場所です。神様は「犬や動物などの四つ足のものを忌避する」という考え方が昔から信じられていたため、基本的にほとんどの神社はペットの立ち入りを禁止しています。
特に稲荷神社では、神使とされる狐が犬を嫌うと言われていることもあり、その傾向が強くあります。実際に稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社では、令和4年1月1日より、ペット同伴での参拝が全面的に禁止となりました。
この禁止には、抱っこやキャリーバッグに入れている場合も含まれているので、飼い主の方は十分に注意してくださいね。ペット同伴で参拝できる神社では、リードは短く持つことや、フンを持ち帰るなど、ほかの参拝者の迷惑にならないように配慮しましょう。
稲荷神社は全国に約3万社以上あるとされ、日本の各地に分布しています。日本でもっとも信仰されている神社と言われているのも納得ですね!
日本は昔から農業と切っても切り離せない国でした。江戸時代になるまでは、なんと国民の8割が農業に携わっていたといわれています。そのため、豊穣を司る稲荷神は身近な神様として広く信仰されていったようです。
たくさんの稲荷神社がある中で、京都府京都市伏見区に鎮座する稲荷神社の総本宮・伏見稲荷大社は稲荷神社の始まりであり、稲荷信仰の源流とも言える存在です。
有名なのは、朱色の鳥居が連なる『千本鳥居』。多くのメディアやSNSでも取り上げられているので、「見たことがある」という方も多いかもしれませんね。その幻想的な景観は訪れる人々の心を惹きつけ、静かで神聖な空気に包まれていく感覚を味わえます。
稲荷大神は、御分霊という形で神様の霊(神璽〈おみたま〉)を分けて、各地に祀られ信仰は全国に広がっていきましたが、実はその御分霊は国内にとどまらず、ハワイやブラジルなど移住者の多い国々にも祀られているのです。
神様の霊的な力が宿る象徴的な存在、神様そのものを意味します。
実は2月に「初午の日」という特別な日があります。稲荷神が鎮座された日が2月最初の午の日とされており、伏見稲荷大社はもちろん全国の稲荷神社でも「初午大祭」という催しが行われます。2026年の「初午の日」は、2月1日(日曜日)になっているので、是非お近くの稲荷神社でも催しが行われるかチェックしてみてくださいね。
初午の日に関してはこちらで詳しく紹介しております。
岩座・倭物やカヤでは、狐をモチーフにしたアイテムを取り扱っています。
稲荷神をおまもりすると言われる狐のおきもの。ご商売をされている方にぴったりのお守りです。一対として神棚の前に置くだけでなく、御守り代わりのインテリアとしてもおすすめ。
日本の家紋や漢字をリデザインし、贅沢に刺繍したキルト生地の2WAYバッグです。それぞれ、「狐福」「招猫」「虎翼」と開運を招いてくれそうな文字がデザインされています。
日本神話に登場する神様を表紙にデザインした御朱印帳です。ウカノミタマノカミと一緒に鍵をくわえた狐のデザインは、稲荷神社への参拝にぴったり。
稲荷神社にまつわる信仰は、神様への敬意と、神使である狐との神秘的なつながりによって育まれてきました。このコラムを通して、古くから受け継がれてきた日本の風習や礼儀の心にも触れていただけたのではないでしょうか。
願いを込めて参拝し、感謝を忘れずに手を合わせる…ただそれだけ。神様にもお狐さまにも、きっと想いは届いているはずです。
多くの移民の拠り所となり、現在もハワイで大切にされている「ハワイ出雲大社」▼
参拝するときの服装はどんなものが正しいの?なぜマナーがあるのかも解説します。▼
「稲荷神社にはどんな神様が祀られているの?」「どうして稲荷神社には狐がいるの?」
今回は、稲荷神社に祀られている神様の正体や狐との関係、ご利益の種類、一般の神社との違いまでをわかりやすく解説します。
悩みがちな「お礼参り」のルールもご紹介しているので、ぜひ開運のヒントとしてお役立てください。
目次
なぜ狐がいる神社があるの?
稲荷神社を訪れると、鳥居のそばに鎮座する狐の像が目に留まります。
「どうして神社に狐が?」と、ふと疑問に思ったことはありませんか。
稲荷神社とは?
稲荷神社は、日本全国に約3万社も存在すると言われており、日本でもっとも身近な神社のひとつです。
主祭神は、食物や農耕を司る「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」で、五穀豊穣をはじめ、商売繁盛・家内安全・芸能成就など、さまざまな願いにご利益があると伝えられています。
「稲荷神社」と名が付く神社は、すべて稲荷信仰に基づいており、祀られている神様が他の神社と異なるのが 特徴です。
とはいえ、稲荷神社が特別というわけではなく、神社の種類の一つとして、誰でも気軽に参拝できる 身近な存在です。
狐は神様ではない?
稲荷神社を訪れると、そこには静かに鎮座する狐の姿が。
その神秘的な佇まいに、「もしかして、狐が神様なの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
「お狐様」とも呼ばれる狐の像は、神様ではなく稲荷神社に祀られている稲荷大神に仕える神使(しんし)・眷属(けんぞく)としての役割を担っています。
稲荷神はどんな神様?
稲荷神社には、主に五穀豊穣を司る宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)別名「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」が祀られています。
稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社には、主祭神の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)のほかに、五柱で祀られています。
●佐田彦大神(さたひこのおおかみ)
道案内の神であるサルタヒコと同一神とされる。
●大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
アマテラスに仕える巫女が神格化されたとされる。
●田中大神(たなかのおおかみ)
●四大神(しのおおかみ)
稲荷神の一柱であり、宇迦之御魂大神と一緒にまつられることが多い。
これらの神々が全国の稲荷神社における信仰の中心的存在となっているのです。
稲荷信仰の歴史的な背景
稲荷信仰の始まりは、米や穀物が収穫できることへの感謝と祈りを捧げていたことが原形だと伝えられています。「稲荷(いなり)」という言葉の語源は、「稲がなる」などに由来するとされ、「稲」と深く結びついた信仰であることがうかがえますね。
神使とは?
稲荷神社の狐は神使や眷属と呼ばれていますが、そもそも神使とはどのような存在なのでしょうか。
神使とは、神様と人とを結ぶ、とても重要な役割を担う存在です。
私たちは、神使である狐を通して神様からのメッセージを受け取り、また、私たちの願いを神様へと届けてもらっているのです。
つまり「神使」とは、神様のおつかいとして働く存在ということですね!
稲荷神社では狐が神使として広く知られていますが、神使とされる動物は狐だけではありません。
たとえば伊勢神宮の鶏、春日大社の鹿、日吉大社の猿、八幡宮の鳩など、その神社にふさわしい動物が神使として祀られているのです。
なぜ稲荷の使いは「狐」だったのか?
神使を祀る神社は、縁ある動物をそれぞれ選んでいるとされていますが、稲荷神が狐を選ぶ理由はどのようなものだったのでしょう。
その背景には、いくつかの理由や由来があるとされています。
農作物を守る象徴
田畑を荒らすネズミを捕食する狐は、昔から農村にとって頼もしい存在でした。
そのため、穀物の神である稲荷神の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)が、狐を稲荷の使いとして選んだと伝えられています。
狐が稲荷の使いとなった理由には、農作物を守るという役割が深く結びついているのかもしれませんね。
御饌津神(みけつかみ)と御狐(みきつね)
稲荷神の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)は、別名で「御饌津神(みけつかみ)」とも呼ばれています。
この「みけつ」という名がのちに「御狐」や「三狐神」と記されるようになったことが、稲荷の使いに狐が選ばれた由来のひとつとされています。
かつては、狐のことを「ケツ(けつ)」と呼んでいた時代があったそうですよ!
神秘性
日本では古くから「狐憑き」などの信仰があり、狐は霊的な存在として知られてきました。
稲荷神社に祀られている狐は白い毛並みで覆われた「白狐(びゃっこ)」と呼ばれ、神秘性の象徴とされています。
また、神仏習合により稲荷大神と同一視されている仏教の神「茶枳尼天(だきにてん)」が白狐に乗った姿で描かれていることから、白狐が神の使いとされるようになったとも言われています。
稲荷神社の狐像にはどんな意味があるの?
稲荷神社に並ぶ狐の像は、ただ置かれているというわけではありません。
それぞれの狐には、神様の使いとしての特別な意味や役割が込められているのです。
狛犬との違いは?
神社に参拝した際に 、必ずと言っていいほど目にする「狛犬」。
稲荷神社には狛犬の代わりとして狛狐(こまぎつね)が置かれている場合がほとんどで、天満宮では牛になります。
神社ごとの縁故によってその姿は変わりますが、お祀りされている神さまの神使であり、守護をしている姿にほかなりません。
神使は神と人の架け橋
狐は神様の思いを伝えるだけでなく、私たちの願いを神様へ届けてくれる、神と人との懸け橋のような存在です。
そのため、狐の置き場には厳密な決まりはなく境内のさまざまな場所に祀られています。
また、狛犬のように一対で並ぶものだけではなく、一体だけのものや複数体で並ぶものもありその数や配置もさまざまです。
稲荷神社の狛狐が口にくわえている物
稲荷神社に鎮座する狐の多くは、火を表す火難除けの赤い飾りを首につけているほか、口にも何かをくわえた姿をしています。
おおまかに4種類あり、単なる飾りではなく、それぞれ違った意味がこめられています。
宝珠(ほうじゅ)
神秘的で優れた徳(霊徳)の象徴。願いを神様に届け叶えるとされている。
稲荷神の御霊(ミタマ)の力が燃え上がる様子を表している玉には、模様がついていると考えられている。
稲穂
五穀豊穣・農作の恵みをもたらすといわれ、狐が稲穂をくわえることで、神からの恵みを人々に届ける役割を表しているとも言われています。
巻物
深い知恵や知識、神の言葉の象徴。
商売繁盛の意味を持つと言われています。
鍵
財・繁栄を開く象徴。
恵みや富、知恵を授ける入り口を開く存在。
稲荷神社でやってはいけないことはある?
古くから五穀豊穣や商売繁盛を祈願する場として親しまれてきた稲荷神社。
神様に敬意をもって願いを届けるためにも、正しい作法や心構えを知っておくことは大切です。
ここでは、稲荷神社を参拝する際に気をつけたいことや、気になることをいくつかご紹介します。
稲荷神社には通い続けないといけない?|お礼参りは必要?
「稲荷神社に参拝すると通い続けなければいけない」といった話を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。こうした噂が、稲荷神社に対して「怖い」という印象を与えてしまう理由のひとつかもしれませんね。
確かに神様との縁を大切にするという意味で、願いが叶った際に「お礼参り」に訪れる方は多くいるのは事実ですが、通い続けなければならないという決まりはありません。
大切なのは、心を込めて参拝することです。一度の参拝にも感謝の気持ちで誠実にお参りするようにしましょう。
稲荷神社にはお礼参りをしないとたたられる?
「稲荷神社で願いが叶ったら、お礼参りをしないとたたられる」と聞いたことがあると言う方は意外と多いと思います。もちろん、俗説のひとつで実際に祟りがあるというわけではありません。
とはいえ、願いが叶った際に感謝の気持ちを神様に伝えるという礼儀の文化は古くから大切にされていました。感謝の気持ちを伝えるのは神様だけではなく、私たちの願いを神様に届けてくれた神使の狐にもしっかりと伝えたいものですね。
お礼参りのルール
お礼参りには厳格なルールはないのですが、願いが成就してから3か月以内にお礼参りをすることが理想とされています。参拝の際には、神使である狐の好物とされる油揚げや稲荷ずしなどを供えることで、感謝の気持ちを形にして伝えることができますよ。
ペットを連れて行ってはいけない
神社を覆う緑が美しく、ペットを飼っている方なら散歩に行きたいと感じるかたも少なくないはず。とはいえ、基本的には神社は神様のおわす場所です。神様は「犬や動物などの四つ足のものを忌避する」という考え方が昔から信じられていたため、基本的にほとんどの神社はペットの立ち入りを禁止しています。
特に稲荷神社では、神使とされる狐が犬を嫌うと言われていることもあり、その傾向が強くあります。実際に稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社では、令和4年1月1日より、ペット同伴での参拝が全面的に禁止となりました。
この禁止には、抱っこやキャリーバッグに入れている場合も含まれているので、飼い主の方は十分に注意してくださいね。ペット同伴で参拝できる神社では、リードは短く持つことや、フンを持ち帰るなど、ほかの参拝者の迷惑にならないように配慮しましょう。
稲荷神社はどこにある?
稲荷神社は全国に約3万社以上あるとされ、日本の各地に分布しています。
日本でもっとも信仰されている神社と言われているのも納得ですね!
稲荷神社はなぜ全国にたくさんあるの?
日本は昔から農業と切っても切り離せない国でした。
江戸時代になるまでは、なんと国民の8割が農業に携わっていたといわれています。そのため、豊穣を司る稲荷神は身近な神様として広く信仰されていったようです。
総鎮宮|伏見稲荷大社
たくさんの稲荷神社がある中で、京都府京都市伏見区に鎮座する稲荷神社の総本宮・伏見稲荷大社は稲荷神社の始まりであり、稲荷信仰の源流とも言える存在です。
有名なのは、朱色の鳥居が連なる『千本鳥居』。多くのメディアやSNSでも取り上げられているので、「見たことがある」という方も多いかもしれませんね。
その幻想的な景観は訪れる人々の心を惹きつけ、静かで神聖な空気に包まれていく感覚を味わえます。
お住まいの近くにも
稲荷大神は、御分霊という形で神様の霊(神璽〈おみたま〉)を分けて、各地に祀られ信仰は全国に広がっていきましたが、実はその御分霊は国内にとどまらず、ハワイやブラジルなど移住者の多い国々にも祀られているのです。
神璽〈おみたま〉とは
神様の霊的な力が宿る象徴的な存在、神様そのものを意味します。
稲荷神社参拝におすすめの日
実は2月に「初午の日」という特別な日があります。
稲荷神が鎮座された日が2月最初の午の日とされており、伏見稲荷大社はもちろん全国の稲荷神社でも「初午大祭」という催しが行われます。
2026年の「初午の日」は、2月1日(日曜日)になっているので、是非お近くの稲荷神社でも催しが行われるかチェックしてみてくださいね。
初午の日に関してはこちらで詳しく紹介しております。
狐のおすすめアイテム
岩座・倭物やカヤでは、狐をモチーフにしたアイテムを取り扱っています。
稲荷神をおまもりすると言われる狐のおきもの。ご商売をされている方にぴったりのお守りです。一対として神棚の前に置くだけでなく、御守り代わりのインテリアとしてもおすすめ。
日本の家紋や漢字をリデザインし、贅沢に刺繍したキルト生地の2WAYバッグです。それぞれ、「狐福」「招猫」「虎翼」と開運を招いてくれそうな文字がデザインされています。
日本神話に登場する神様を表紙にデザインした御朱印帳です。ウカノミタマノカミと一緒に鍵をくわえた狐のデザインは、稲荷神社への参拝にぴったり。
稲荷神社と神使・狐の神秘的な信仰の世界
稲荷神社にまつわる信仰は、神様への敬意と、神使である狐との神秘的なつながりによって育まれてきました。このコラムを通して、古くから受け継がれてきた日本の風習や礼儀の心にも触れていただけたのではないでしょうか。
願いを込めて参拝し、感謝を忘れずに手を合わせる…ただそれだけ。
神様にもお狐さまにも、きっと想いは届いているはずです。
関連記事
多くの移民の拠り所となり、現在もハワイで大切にされている「ハワイ出雲大社」▼
参拝するときの服装はどんなものが正しいの?なぜマナーがあるのかも解説します。▼