初午を祝おう!食べ物や稲荷祭の由来や、いつが初午の日なのかを徹底解説!

日本には古くから伝わる行事がたくさんありますが、その中でも「初午(はつうま)」は意外と知られていない文化の一つ。稲荷神社でお祭りをやっているのを見たことがありませんか?何を祝う日なのか、初午の由来とおすすめの楽しみ方を解説します。

初午の由来と歴史

言葉だけは聞いたことがある!と思ったかたもいらっしゃるかもしれません。
この行事、実はかなり歴史が深く、奈良時代にさかのぼります。

そもそも初午とは?

初午(はつうま)は、毎年2月の最初の午(うま)の日のことです。では、「午の日」とは一体どういったものを指すのでしょうか。

かつて日本では、日付を表すために「干支」を使っていました。
この干支とは、「十干」と「十二支」を組み合わせたもののことをいいます。

◆十干十二支とは◆

六曜の書いてあるようなカレンダーに、「丙寅(ひのえとら)」などと記載があるのを見たことはありませんか?それが十干十二支(干支)です。
十干は、「申(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」と順になっていて、二つずつ五行(木・火・土・日・水)の陰と陽という意味があてはめられています。甲は木・陽に対応し、乙は木・陰に対応。丙は火・陽に……あとは順繰りです。
そこに干支が組み合わせられ、60通りになります。

つまり、二月の一日から十二支をあてはめていって、初めにくる午の日が初午という訳なのです。

十干十二支とは

なぜ二月なの?初午の由来

この行事の始まりは、京都にある伏見稲荷大社が深くかかわっています。
実は全国にある「稲荷神社」の総本社は、京都にある伏見稲荷大社。
千本鳥居の美しさやそのご利益からとても人気のある神社として名高いですよね。ここには五柱の神さまが祀られています。

主祀神として宇迦之御魂大神(ウマノミタマ)を中央の下社に、佐田彦大神を中社・大宮能売大神を上社に祀り、その後1499年に田中大神・四大神ともに1つの社殿へ祀られました。
この神さまたちは、稲を象徴する穀物の神様、稲荷大神として祭られています。

どんな時に食べるの?

そして、一番最初に稲荷大神様が鎮座された日が二月の初午の日。
つまり和銅4年(711)2月初午の日だったそうです。
このことから、日本のほとんどの稲荷神社では初午をお祝いするようになりました。

どんな時に食べるの?

ちなみに日本の稲荷神社にはこのウカノミタマが主に祀られていることが多いですが、ほかにも保食神(うけもちのかみ)、御食津神(みけつのかみ)が祀られていることもあります。
いずれにしても食べ物等を意味する名前のついた神様です。

おいなりさんは狐ではない?「稲荷」とは何を指すのか

そもそも、いなりとは何を意味するものなのでしょう。
おいなりさん、というと狐の神様を思い浮かべるかたが多いかもしれませんが、元々は狐のことを指す言葉ではありませんでした。

おいなりさんは狐ではない?「稲荷」とは何を指すのか

「稲荷」はお米をはじめとする農作物の神様、稲荷大神(いなりのおおかみ)に由来しています。所説ありますが、稲荷の語源は「稲がなる」という意味からとされています。
昔は農業が生活の中心だったため、稲作の豊凶は生活、ひいては命に係わる大切なことでした。そのために日本では広く稲荷の神さまが愛され、信仰されてきたようです。

そして狐は稲荷の神様の御使い、あるいは眷属とされている動物です。
人間の立場で、神様に直接お願いするのは恐れ多いと感じた昔の人々は、神様と自分たち人間の間に「使い」という立場の存在を設けてお願いや感謝を伝えるようになったといいます。

2025年の初午はいつ?日付と決め方

では、そんな初午は今年いつ訪れるのでしょうか。
2025年の初午の日は、2月6日(木曜日)です。

この日に稲荷神社を訪れると、参拝者が稲荷寿司やお団子、しもつかれなどの手作りのお供え物を持ち寄る光景が見られます。このお供え物には、豊作や商売繁盛を祈る意味が込められています。これらのお供え物については、後ほどさらに詳しくご紹介いたします。

地域によっては、初午ならではの特別なイベントや出店が出ることもあります。明るく活気にあふれた雰囲気の中、日本の伝統を楽しめる一日です。初午祭は、古くから続く大切な文化であり、地域の人々が集まり心を通わせる機会でもあります。

初午のお供え物と食べ物

初午には、神様への感謝を込めて特別なお供え物や食べ物を用意する習慣があります。
初午の日に食べる定番の料理といえば「稲荷寿司」「しもつかれ」、そして「初午だんご」です。それぞれの食べ物には意味があり、楽しく味わいながら初午の文化を感じることができます。

稲荷寿司

稲荷寿司

稲荷寿司は、油揚げに酢飯を詰めたシンプルな料理です。油揚げは、稲荷神社の神使である狐が好む食べ物だとされています。稲荷寿司は豊作を願う意味も込めて、神様への感謝の気持ちを表す料理として親しまれています。

しもつかれ

しもつかれ

しもつかれは、主に北関東地方で初午の日に食べられる郷土料理です。鮭や野菜、大豆を煮込んだ栄養たっぷりの料理で、初午の日に神様にお供えした後、家族で食べるのが一般的です。この料理には深い伝承があり、もともとは農作業後の「エネルギー源」として作られていました。鮭は生命力を象徴する縁起の良い食材として、健康や長寿を願う意味も込められています。

初午だんご

初午だんご

初午だんごは、神様への感謝を込めて作られる丸い形のだんごです。神様に感謝の気持ちを伝えるために作られたとされています。あんこは「赤色」が魔除けや厄除けを象徴し、きなこは豊穣を祈る食材として親しまれています。

特に「稲荷寿司」が人気の理由

お供え物の中でも特に人気なのが「稲荷寿司」。
稲荷寿司が初午の日のお供え物として選ばれる理由には、複数の説があります。
主な説は狐が油揚げを好むと言われているため。

ただこの油揚げ、もともとは現在の豆腐を揚げた形ではなかったそうです。
先述した通り農耕が主だった日本人は、作物や稲をかじるネズミが天敵。ネズミを食べる狐がとても重宝されたといいます。そこで油であげたネズミを餌付けし、狐に常駐してもらったのが始まりといわれています。

狐の小便はネズミの忌避剤としてうってつけだった、ということから話は始まっているようです。

「ウカノミタマ」のご朱印帳

そんな昔から愛されて祀られてきた稲荷の神様、ウカノミタマをかわいらしく描いたご朱印帳が販売中です。
ぜひお近くの稲荷神社に足を運んでみてくださいね。

「ウカノミタマ」のご朱印帳

初午に訪れたい人気の稲荷神社

伏見稲荷大社:千本鳥居の魅力

伏見稲荷大社は、初午の日に特に多くの人々が訪れる人気のスポットです。
その魅力の一つがみなさんご存じの「千本鳥居」と呼ばれる無数の赤い鳥居です。この鳥居が連なるトンネルのような光景は、まるで別世界に迷い込んだかのような神秘的な雰囲気を作り出しています。

千本鳥居は、商売繁盛や家内安全を願う人々によって奉納されてきました。それぞれの鳥居には奉納者の名前が刻まれており、その数の多さが伏見稲荷大社の信仰の厚さを物語っています。
鳥居をくぐるたびに願いが叶うという言い伝えもあり、多くの参拝者が足を運んでいます。

初午の日にはお祭りも行われ、境内は華やかな雰囲気に包まれます。

祐徳稲荷神社:九州随一の初午祭
祐徳稲荷神社は、九州で最も有名な稲荷神社の一つとして知られています。その美しい建築と広大な敷地で普段から人気の高い神社です。

商売繁盛や家内安全を願う人々が初午の日を特別な機会として訪れます。参道にはたくさんの屋台が並び、初午にちなんだ稲荷寿司などの食べ物を楽しむこともできます。

祐徳稲荷神社のもう一つの魅力は、その壮大な建築です。朱色の社殿は丘の中腹に立ち、神秘的な景観を作り出しています。

初午と日本

稲荷神社への信仰を大切にする日本人の生活や思いを感じられる特別な機会である「初午」。
由来を知ると、自然や神様に対する感謝の気持ちが込められているのがわかります。

ぜひこの機会に初午祭に訪れて、楽しみながら日本の歴史の一端に触れてみてくださいね。

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