火山と神話が生んだ奇跡の入り江|ハワイのハナウマ湾で熱帯魚に囲まれる

「ハナウマ湾って名前は聞くけど、なぜ人気なの?」「よく情報が変わるけど、最新情報はどうなっている?」「そもそもどこにあるの?」
そんな疑問を持つあなたに、ハナウマ湾が特別な理由、120%楽しむ方法、ロマンあふれる歴史や伝説を分かりやすく紹介します。

この記事を読めば、ハワイの魅力がぐっと深まりますよ♪

ハナウマ湾とは

数あるハワイのビーチのなかでも、奇跡的な透明度と、無数の海洋生物で人気のハナウマ湾(ハナウマベイ)。
この静かな入り江には、ハワイの大地と文化、そして美しい伝説の記憶が刻まれているのです。

ハナウマ湾の場所

ハナウマ湾は、オアフ島のほぼ南東端にあります。
ホノルルのワイキキから東へ約10kmのところにあり、アクセスも良好です。
一帯は70種類以上のサンゴが生息し、ハナウマ湾自然保護区として保全されています。

名前の由来

「ハナウマ湾」。なんだか親しみのある名前ですね!
「ハナ」はハワイの言葉で「湾」の意味です。
そして「ウマ」が何をさすのかについては、大きく2つの説があります。

地形に由来する説

地形に由来する説

ハワイの言葉で「ウマ」は「曲がった」という意味で、「ハナウマ」は「曲がった湾」です。
その名の通り、ハナウマ湾は馬蹄形に曲がった地形が特徴。
全米でも類を見ない美しく雄大な景観が、ハナウマ湾の魅力の一つなのです。

伝統競技に由来する説

「ウマ」は、ハワイ式の腕相撲をさす言葉でもあります。
となると、ハナウマは「腕相撲の湾」?
一見すると奇妙ですが、この名前にも由来があるのです。

19世紀、カメハメハ大王の妃カアフマヌがこの地を訪れました。
地元の人々はウマやフラダンスで歓迎し、宴は1ヶ月も続く歴史的大イベントになりました。
こうして、この入江は「ウマの湾」と呼ばれるようになったのです。

そして、「腕相撲の湾」説には、もう一つ有名な逸話があります。
ある美しい神話でも、この地でウマの勝負が行われたとされるのです。この神話については後で紹介します!

ハナウマ湾の歴史

宝石のような美しい湾は、先史時代から現代にいたる壮大な歴史の記憶を秘めています。

ハナウマ湾の誕生

ハナウマ湾が誕生したのは、約32,000年前のこと。
当時、オアフ島では火山活動が活発で、噴火によってクレーターが形成されました。
その後、風雨や海からの波の浸食によって、現在の美しい馬蹄形の景観が生まれたのです。

古代ハワイの聖地に

ハワイの人々は、西暦500年~700年頃にマルケサス諸島からやってきたと考えられています。
ハナウマ湾周辺では、約1,000年前のものとされる祭壇や絵文字が見つかっており、神聖な場所だったことが伺えます。

また、避難所らしい洞窟や釣りの道具なども見つかっています。
波の穏やかなハナウマ湾は、カヌーの船出の場所だったのでしょう。

1800年代のハワイ王朝時代になると、ハナウマ湾は王族しか立ち入ることができず、現在の人気観光地とは異なる趣の場所でした。
カメハメハ大王の娘や孫、ひ孫たちは、ハナウマ湾を所有地とし、釣りやレクリエーションの場として愛したのです。

世界的リゾートに

20世紀に入ってから第二次世界大戦後にかけて、周辺の道路やトイレなどの施設ができ、観光地として整備され始めました。

1959年にハワイがアメリカ50番目の州になった2年後に公開されたのが、エルビス・プレスリー主演の映画『ブルー・ハワイ』です。
映画も主題歌も大ヒットし、ハワイは南国の楽園として人気が爆発!
ロケ地の一つとなったハナウマ湾も一気に知名度が高まり、全米でも注目されるビーチとなったのです。

環境保護の最前線として

環境保護の最前線として

1967年、豊かな生態系をもつハナウマ湾は海洋生物保護区および水中公園に指定されました。
しかし多くの観光客が押し寄せて環境悪化が進み、1990年代以降、さらなる環境保護の努力が進められています。

近年も、新型コロナウィルスにより一時的にハナウマ湾が閉鎖された結果、さらなる環境回復の予知があることが明らかになりました。
なんと、水の透明度がさらに42%も上昇し、絶滅危惧種のモンクアザラシやアオウミガメの数が増え、魚も大きく育つようになったのです!

現在、ハナウマ湾は入場や利用にさまざまな規制がありますが、それはこうした経緯によるものです。
ここは、人と自然の理想的な関係が模索される最前線なのです。

他の湾と比べた特徴

ハワイに数ある美しいビーチのなかでも、ハナウマ湾の存在感は際立っています。
どんな特徴があるのか、みてみましょう!

全米ベストビーチランキング二冠

ハナウマ湾は、全米のベストビーチランキングで2004年と2016年の2回、1位に選ばれています。

澄んだ海に多様な生物がみられる、白砂とサンゴのビーチ。
この時点で魅力はトップクラスですが、それに加えてハナウマ湾は、安全性が高く、環境管理が徹底され、それでいて施設やアクセスも優秀なのです。

地形がもたらす数々の恩恵

火山の噴火によって生まれたハナウマ湾は、独特の馬蹄形の地形が美しい景観をもたらしています。
さらに、入り江ならではの波が静かで浅瀬が続く環境は、安全性も高く、シュノーケリングにも最適!

保護区ならではの静かな環境と充実の施設

海洋生物保護区に指定されているハナウマ湾は、徹底した環境保全の取り組みが積み重ねられてきました。
そのことが抜群の透明度や生物の多さにつながっているのはいうまでもありません。
それだけでなく、入場制限があるため、大人気スポットにもかかわらず、混雑を避け、のんびりとした時間を過ごせます♪

海洋自然保護区として、施設も充実しています。
エントランスにある海洋教育センターではハナウマ湾の地質や生態、歴史、環境保護の取り組みが紹介されており、ハワイの歴史や文化に浸ることができます。

ハナウマ湾の見どころと楽しめるアクティビティ

ハナウマ湾には、数々の見どころと楽しみ方があります。
来たら絶対にはずせない、おすすめのアクティビティを紹介しましょう!

驚異の透明度と海洋生物の楽園

驚異の透明度と海洋生物の楽園

まず驚かされるのは、海の透明度の高さ!
海に入るまでもなく、カラフルな熱帯魚たちがはっきり見えます。
入場制限や海底の砂を巻き上げてはならないなどの規制が徹底されていることで、奇跡的に透明な海が維持されているのです。

海洋生物保護区のハナウマ湾には、400種類以上の魚が生息しています。
チョウチョウウオやモンガラカワハギ、ブダイなどの熱帯魚は、視界を埋め尽くすほどたくさんいます。
ウツボ、タコ、カニといったおなじみの磯の生物もみられます。

なかでも人気なのが、アオウミガメ(ホヌ)。
運がよければ、のんびり海藻を食べる姿が見られるかも!

ハナウマ湾を120%楽しむアクティビティ

シュノーケリング

シュノーケリング

ハナウマ湾で最も人気のアクティビティは、なんといってもシュノーケリングです。
訪れたからにはぜひチャレンジしたい、名物といってよいでしょう。
現地でもシュノーケルのセット一式をレンタルでき、気軽にシュノーケリング体験ができます。

ハナウマ湾のなかでも「キーホール」というポイントは、浅瀬が広がり、波が穏やかで、子どもや初心者もシュノーケリングの醍醐味をフルに味わえます♪

穏やかなハナウマ湾ですが、赤いコーンや看板で注意喚起されている場所には要注意。
離岸流と呼ばれる危険な流れがあるので、近づかないようにしましょう。

ダイビング

透明度の高い海ではダイビングを楽しむ人もいます。
ダイビングをする場合は、ツアーに参加するとよいでしょう。日本語ガイド付きのツアーも少なくありません。

ビーチでのんびり過ごす

ビーチでのんびり過ごす

もちろん、透き通った水と魚たちを見ながらビーチでのんびり過ごすのも最高の贅沢です。
ビーチバレーをする人や、芝生でヨガやピクニックをしている観光客もよくいます。
楽園のなかで波の音だけに耳を傾けながら、穏やかに流れる時間を満喫しましょう!

絶景を堪能する

ハナウマ湾には絶景スポットがあります。
駐車場入口近くにある階段を上った先に展望台があり、馬蹄形の湾の全景とその先の大海原を一望できるのです。

また、オアフ島遊覧ヘリコプターツアーでは、ハナウマ湾がコースになっていることも少なくありません。
上空からでも海底の地形が分かるほど海が透明と評判です。

ハナウマ湾の伝説【丘になった大トカゲの半神・モオの娘】

ハナウマ湾の伝説【丘になった大トカゲの半神・モオの娘】

ハナウマ湾を取り巻く丘には、神秘的な伝説が残っています。
この湾一帯の守護者とされるモオには、ケオヒナニという美しい娘がいました。
2人の若い酋長、ココとハナがケオヒナニに求婚し、ハワイ式の腕相撲「ハナ」で勝負を着けることになったのです。

しかし勝負は何日も決着がつかず、心を痛めたケオヒナニは神に祈りました。
自分を丘に変えて、2人がいつもその姿を見られるようにしてほしい、と…。
その願いは聞き入れられ、ケオヒナニは湾を見下ろす丘になったのです。それを嘆いた父親のモオも、娘と同じように丘に姿を変えました。

こうしてケオヒナニとモオは、今も観光客でにぎわう入江を見守っているのです。

この伝説には、いくつかのバリエーションがあります。
あるバージョンでは、決着がつかない勝負に心を痛める娘を見かねたモオが、魔法でココとハナの両方を大トカゲに変えたとも伝わっています。
そして大トカゲになった二人は、ケオヒナニが愛するハナウマ湾を守るために、丘へと姿を変えたのです。

ハナウマ湾へのアクセス方法

ハナウマ湾への行き方や周辺のスポットを紹介しましょう。

ワイキキからの行き方

●レンタカー

レンタカーの場合、ワイキキからハナウマベイまで20〜30分前後です。
ハナウマ湾の駐車場代は3ドル。ただし台数は約300台と限られており、朝8時〜9時には満車になることもあるので注意しましょう。

●タクシー・Uber

この場合も、所要時間はワイキキから20〜30分前後。
タクシーの料金は30ドル〜45ドル前後、Uberの場合は25ドル〜55ドル前後です(別途チップが必要)。
帰りの交通手段はその場で呼ぶか、時間指定で予約しておきましょう。

●バス

以前はハナウマ湾の入り口まで直通の路線がありましたが、現在は廃止されています。
現在は1Lバスに乗り、ルナリオ・ホームロード+カラニアナオレ・ハイウェイ交差点で下車。
所要時間は1時間前後で、運賃は3ドルです。そこから徒歩約25分でハナウマベイの入り口に着きます。

●送迎パッケージ

ワイキキのホテルとの往復送迎がセットになった直通シャトルサービスがあり、ハナウマ湾の公式サイトでもおすすめとして紹介されています。
料金は1人54.95ドルで、シュノーケルセットのレンタルも含まれています。ただし、別途25ドルの入園料が必要です。

ハナウマ湾の周辺スポット

絶景の散策路【ハナウマベイ・リッジトレイルとココヘッド・トレイル】

ハナウマ湾の周辺には複数のトレイルがあり、絶景の散策路として人気です。
ハナウマ湾の右側の丘には、「ハナウマベイ・リッジトレイル」があります。
ハナウマ湾の全景と、ハナウマ湾の背後にある小高い山「ココヘッド」、さらにはダイヤモンドヘッド方面の絶景まで満喫できます。

ココヘッドにも、「ココヘッド・トレイル」があり、廃線路1,000段超の登山でオアフ島東岸の雄大な風景を味わえます。
ココヘッド山頂は、かつてハワイの人々が波や風を観察してハナウマ湾でのカヌーの発着を判断した場所とされます。

ココヘッド・トレイル

有名映画のロケ地にもなった【ハロナ・ブローホール】

ハナウマ湾から東へ約3kmの場所に「ハロナ・ブローホール」があります。
ここは溶岩に空いた穴から海水が吹き上がる「潮吹き岩」として知られる名物スポットです。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン3』などのロケ地にも使われ、冬にはザトウクジラが見えることも!

絶景日の出スポット【マカプウ・ポイント】

ハナウマ湾から約7km東にある「マカプウ・ポイント」も見逃せません。
ここはオアフ島の最東端にある岬で、絶景日の出スポット。
ここも冬にはホエールウォッチングができる場所として有名です。

マカプウ・ポイントの近くにある「シーライフパーク」は、イルカやアシカ、ウミガメなどの海洋生物とふれあえるレジャーパークとして人気です。

マカプウ・ポイント

ハナウマ湾を訪れる際の注意点・マナー

ここでは、ハナウマ湾の利用ガイドと注意点を解説します。

事前予約が必要

事前予約が必要

ハナウマ湾には1日1400人しか入園できません。
オンライン予約システムが導入されており、ハワイ在住者以外は入場に予約が必要です。

ハナウマ湾予約サイト

予約は入園希望日の2日前の7:00からです。
受付開始後すぐに完売になるので、予約を勝ち取るにはコツがいります。

まず、チケット予約には公式ホームページでアカウントを作成しておく必要があります。事前に作成しておきましょう。

ハナウマ湾公式ホームページ

予約ページには、受付開始の7時より前にアクセスしておき、開始と同時に予約できるようにしておきましょう。
支払い後に届くメールは、当日のチェックインで必要です。

当日枠もありますが、すぐに売り切れてしまいます。できるだけ事前予約をしておくのがおすすめです。

入園料と開園時間

入場料や開園時間の情報は以下の通りです。

入場料 25ドル(ハワイ在住者と12歳以下は無料)
開園 6:45
閉園 16:00
休園日 毎週月曜と火曜、クリスマスと元旦

実際にハナウマ湾に行く際には、前述の公式ホームページで最新情報を確認するようにしてください。

必要な持ち物と現地の施設

入園時に、身分証(実物のみ)と予約した際に発行されるチケットを提示する必要があります。
水着やビーチタオル、パラソルといったビーチ用品の貸し出しはないので、持参しましょう。

公園入口で飲食物を売っていますが、ビーチでは販売されていません。
クーラーボックスとある程度の飲食物は持参するとよいでしょう。

シュノーケルやマスク、フィンは、ビーチでレンタルできます。オンライン予約可能なので、在庫切れに備えて予約しておくと安心です。
ハワイ滞在中に何度もシュノーケルを楽しみたい方は、量販店でセット一式を購入してしまうのもよいでしょう。

トイレ、更衣室、シャワー、水飲み場、有料ロッカー(12ドル)はビーチにあります。
ビーチにはライフガードもいます。

また、エントランスからビーチまでの約200mの下り坂は、トラムが運行しており、料金は入園料に含まれています。
歩いてもすぐの距離ですが、荷物が多い場合や、ビーチで遊び疲れた後に坂を上るのがしんどい場合は、ありがたいですね!

入園前のビデオ鑑賞

来園者はビーチに行く前に、エントランスにあるシアターでビデオを鑑賞することが義務付けられています。
ビデオは約9分間で、ハナウマ湾の生態系や環境保護活動、安全規則にハナウマ湾についての内容です。

美しい海を守るために

ハナウマ湾では、いくつかの禁止事項があります。

  • ●サンゴを踏む
  • ●フィンで海底の砂を巻き上げる
  • ●砂や貝、サンゴ、魚を持ち帰る
  • ●生物に触れる、餌を与える
  • ●ゴミを残す
  • ●リーフセーフでない日焼け止めを使う

「生物に触れる」については、ハナウマ湾では魚の方から頻繁に体に触れてきますが、これは問題ありません。人間の方から手を伸ばして触れるのは禁止です。

「リーフセーフでない日焼け止めを使う」は、少し注意が必要かもしれません。
リーフセーフとは、サンゴに有害な化学物質を含んでいないこと。ハワイで販売されている日焼け止めはすべてリーフセーフなので、現地で購入すれば安心です。

ハナウマ湾はハワイの魅力が凝縮した奇跡の入江

ハナウマ湾はハワイの魅力が凝縮した奇跡の入江

オアフ島にあるビーチ「ハナウマ湾」は、美しい海と魚たちだけでなく、ハワイの大地と文化の記憶が息づく場所です。
環境が保護されてきたこの湾では、シュノーケリングやトレイル散策など多彩な楽しみ方ができます。
入場には事前予約やルールの理解が必要ですが、それを通じて人と自然の理想的な関係を模索する取り組みに貢献できます。

あなたも、ハナウマ湾で忘れられない思い出を作ってみませんか?


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