ハワイのジンジャー(アワプヒ)の花はハワイの文化に欠かせないもの!ジンジャーの歴史や種類など徹底紹介

ハワイの代表的な花の1つであるジンジャー(アワプヒ)は、大昔からハワイの人たちに愛されてきた植物です。ハワイの色々な場所で見られ、甘く爽やかな香りを放つジンジャーは、じつはハワイの歴史に深く関係している植物なのです。

ジンジャー(アワプヒ)の花とは

ハワイのジンジャーの花といえば、花がレイに使われたり良い香りが香料として使われたりと、ハワイを象徴する植物の1つです。ハワイ語では「アワプヒ」とよばれており、大昔からハワイに住む人たちに愛されてきました。
ここでは、ハワイのジンジャー(アワプヒ)の特徴や花言葉などについて詳しく解説していきましょう。

ジンジャー(アワプヒ)の特徴

ジンジャー(アワプヒ)とは、ショウガ科の植物です。
根っこが日本で食べられている生姜と同じような形をしていますが、食用としては利用できません。
ユリのような形の花と甘くて爽やかな香りが特徴で、英名を「ジンジャーリリー」といいます。
原産地は熱帯アジアで、7月から11月にかけて白・赤・ピンク・黄色・オレンジなど花を咲かせます。
中でも香りのよいホワイトジンジャーと呼ばれる白い花のジンジャーはハワイを代表する花の1つとされ、赤い松ぼっくりの様な形の花苞を付けるジンジャーはハワイアンキルトなどの美術工芸品のモチーフとして使われるなど、ジンジャーはハワイの文化に欠かせない植物となっています。

ジンジャー(アワプヒ)の香り

ジンジャー(アワプヒ)の香り

ハワイのジンジャー(アワプヒ)に中でも、白いホワイトジンジャーリリーと呼ばれるものは、甘くてハーブのような爽やかな香りを持ち、昔から香水や香料などに使われてきました。
ホワイトジンジャーリリーは、夕方に最も香りを強く放ち、夜の間に香り続けるという特性を持つため、ハワイの街では散策するだけでも甘い香りが漂っているのだそうです。
ホワイトジンジャーリリーの香りはアロマオイルのも使用され、心を落ち着かせる作用や体を温める作用、食欲不振や消化不良など消化器官に作用する効果などがあるとされています。

ジンジャー(アワプヒ)の花言葉

ジンジャー(アワプヒ)の花言葉は「豊かな心」「慕われる愛」「信頼」「無駄なこと」です。
「豊かな心」の由来は夜になると甘い香りが広がっていくことから、「慕われる愛」の由来はジンジャー(アワプヒ)の魅惑的な香りからだとされています。
「信頼」はいつでもそばに置いておきたくなる心地よい香りが由来とされています。
また、「無駄なこと」は、ショウガの仲間なのに食べることができないことや、ジンジャー(アワプヒ)は丈夫で枯れる心配をする必要がないことなどが由来となっているそうです。

ジンジャー(アワプヒ)の歴史

ジンジャー(アワプヒ)は、ハワイが原産ではなく、古代のポリネシア人が他の島々から持ち込んで植えたものです。
ジンジャー以外にも古代ポリネシア人が日常生活に必要不可欠として持ち込んだ植物がいくつかあり、これらを「カヌープランツ」や「伝統植物」と呼びます。
ここでは、ジンジャー(アワプヒ)がなぜハワイに持ち込まれたかなどハワイのジンジャーの歴史について解説していきましょう。

カヌープランツとは

カヌープランツとは

カヌープランツとは、6世紀から12世紀にかけてハワイに移ってきたタヒチやマルケサスなどのポリネシア人によって持ち込まれた植物です。
カヌーに積んで運ばれたことから「カヌープランツ」と呼ばれるようになった植物たちは、カロ(タロイモ)やウアラ(サツマイモ)などの主食になるものや、コー(サトウキビ)やマイア(コショウ科)などの調味料となるもの、ミロ(サキシマハマボウ)やハウ(オオハマボウ)などの薬やロープの材料になるもの、ニウ(ココヤシ)やイプ(ヒョウタン)などの器や楽器になるものなど日常生活に必要不可欠なものでした。
カヌープランツはその後のハワイの生活を支え、文化を作るのに重要な植物となったのです。

ジンジャー(アワプヒ)はなぜ持ち込まれたの?

ジンジャー(アワプヒ)はカヌープランツとともにハワイに持ち込まれましたが、ほかの植物とは少し違った理由から持ち込まれました。
ジンジャーはもともとシャンプーとして持ち込まれました。
昔のハワイの人たちは、シャンプージンジャーと呼ばれる種類のものやホワイトジンジャーと呼ばれる種類の花を絞った液体で髪を洗っていたとされ、ハワイの女性の神が黒く美しいのは、ジンジャーで髪を洗っていたからだともいわれています。
その後、ジンジャーの香りの良さや花の美しさから18世紀に色々な種類のものがハワイに持ち込まれるようになり、現在も様々な種類のジンジャーの花がハワイのあちらこちらで見られるようになりました。

ハワイで見られるジンジャー(アワプヒ)の種類

ハワイで生息しているジンジャー(アワプヒ)には様々な種類があります。
全てハワイの外の土地から持ち込まれたものですが、ハワイの土地に根付いたものです。
色とりどりで花の形もそれぞれ美しいハワイのジンジャーを紹介していきましょう。

スモールシェルジンジャー

スモールシェルジンジャー

ショウガ科ハナミョウガ属のジンジャーです。
原産地はインド・中国・マレー半島・ボルネオ島などで、ハワイに持ち込まれた外来種です。
貝殻のような楕円形のつぼみが名前の由来で、麦の穂のように連なって花を付けます。
草丈は1~2mで、花の咲きの方に向かって白から薄ピンクの花びらの小さな花を咲かせます。
ゲットウ(月桃)によく似ていますが、ゲットウよりも葉や花が小さいです。

レッドジンジャー

レッドジンジャー

ショウガ科ハナミョウガ属のジンジャーです。
原産地はニューカレドニア・ソロモン諸島・ビスマルク諸島などの南太平洋の島々などで、1928年に観賞用としてハワイに持ち込まれました。
草丈は1~5mで松ぼっくりのような形に赤い苞(ほう:花を守るために変形した葉)連なっているのが特徴で、開花すると苞の間から白い花を咲かせます。
和名をアカホゲットウ(赤穂月桃)といい、日本でも人気のジンジャーです。

ウコン

ウコン

ショウガ科ウコン属のジンジャーです。
原産地はインドで、古代ポリネシア人によってハワイに持ち込まれました。
ハワイでは「オーレナ」や「レナ」「マーレナ」と呼ばれ、昔から薬や染料、調味料などに利用され、日常生活には欠かせない植物としてハワイに根付いていきました。
草丈は0.5~1.5mで、根本近くに白やピンクの苞を花の様に開き、その下にほんのりと甘い香りのする蘭のような形の小さな黄色い花を沢山咲かせます。

トーチジンジャー

トーチジンジャー

ショウガ科エトリンゲラ属のジンジャーで、別名「カンタン」といいます。
原産地はタイやマレーシアなどの亜熱帯アジアで、ハワイでは観賞用として昔から人気の高いジンジャーです。
草丈は3~4mで、葉が細く茎や葉が赤みを帯びているのが特徴です。
真っすぐ伸びた花茎の先に、大きく鮮やかな赤色やピンク色の松ぼっくりのような形の苞を付け、苞の間から小さくて黄色い花を咲かせます。
赤やピンクの苞がトーチ(松明)の炎のように見えることが名前の由来となっています。
花は香味野菜として、実は小さなパイナップルのような形をしていて生食用として、種は香辛料として利用されています。

シュクシャ(ホワイトジンジャー)

シュクシャ(ホワイトジンジャー)

ショウガ科シュクシャ属のジンジャーです。
正式な学名を「ジンジャーリリー」和名を「ハナシュクシャ(花縮砂)」といい、その名前の通り、ユリのような甘い香りで蘭のような形の花を咲かせます。
原産地はインドやマレーシアなどの熱帯アジアです。
草丈は1~1.5mで、爽やかでスパイシーな甘い香りが特徴で、香りを楽しむために18世紀ごろハワイに持ち込まれたといわれています。
ホワイトジンジャーの花の香りはハワイではポピュラーな香料として使われ、白い花はフラダンスや結婚式の花嫁にかけるレイとして使われています。

キバナシュクシャ(カーヒリジンジャー)

キバナシュクシャ(カーヒリジンジャー)

ショウガ科シュクシャ属のジンジャーです。
原産地はヒマラヤとその周辺地域で、ハワイには香りと花を楽しむために持ち込まれたとされています。
草丈は1~2mで、めしべが長く鮮やかな黄色の花を沢山咲かせます。
花の形がカーヒリ(鳥の羽で作られた装飾品で、王族の権威を象徴したもの)に似ていることが名前の由来となっていて、レイによく使われるハワイではポピュラーなジンジャーの1つです。
しかし、繁殖力が強すぎるため、ハワイでは在来種の生態家を脅かす有害な外来種として指定されています。

ビーハイブジンジャー

ビーハイブジンジャー

ショウガ科ショウガ属のジンジャーです。
原産地はマレーシアで、ハワイでは商業用として栽培されています。
草丈は1.5~2mで、沢山の小さな花が集まった花序が蜂の巣のような形をしていることからこの名前が付けられました。
日本人が見ると大きなツクシのようにも見えます。
花の色は黄色で、紫色のまだら模様が付いています。
花は生け花の材料として人気が高く、根は香辛料、葉は薬に利用されています。

シャンプージンジャー

シャンプージンジャー

ショウガ科ショウガ属のジンジャーです。
原産地はインドで、ハワイには古代ポリネシア人によって持ち込まれました。
草丈は0.75~2mで、卵型のツクシの頭のような苞葉を花茎の先に付けるのが特徴的です。
苞は初め緑色ですが、成長していくと赤くなっていきます。
苞の隙間から白くて小さい蘭のような花を咲かせます。
花や苞を絞ると泡立った香りのよい水分がでるため、古代のハワイ人はシャンプーやボディソープとして利用していました。
また、根は痛み止めの薬として利用されていたとされています。

ジンジャー(アワプヒ)はハワイの文化を作ってきた大切な植物

ハワイのジンジャーは、日本の生姜と違い花や香りを楽しんだり、薬や染料として利用されたりしてきた植物です。
しかし、じつはハワイの在来種ではなく、古代ポリネシア人がシャンプーや薬として持ち込んだカヌープランツと呼ばれる外来種でした。
その後もジンジャーの仲間は香りを楽しんだり花の美しさを楽しんだりするために次々にハワイに持ち込まれ、ハワイの伝統文化に欠かせない植物となっていきました。
ハワイのジンジャーの花の中には、日本の家庭でも育てることができる種類もあるので、みなさんもハワイの文化を感じつつ、育ててみてはいかがでしょうか。

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