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ティアレは、南太平洋に浮かぶ島タヒチを象徴する花です。 清楚で愛らしい見た目とは裏腹に、甘く濃厚で官能的な香りが人々を魅了します。
その香りは、タヒチに魅せられたフランス人画家、ポール・ゴーギャンが「ティアレの香りをかいだ者は、必ずこの島に戻ってくる…」と自身の滞在記に綴るほど。
ティアレはタヒチのシンボルであり、タヒチの人々の生活になくてはならない特別な花。このコラムでは、タヒチ文化の中でのティアレの役割や効能、歴史など、ティアレの魅力に迫ってみたいと思います。
ティアレはタヒチ語で「花」の意味。正式にはティアレ・タヒチと呼ばれ、タヒチ(フランス領ポリネシア)の国花でもあります。ティアレ・タヒチはアカネ科クチナシ属の熱帯植物。日本のクチナシの仲間で、タヒチアン・ガーデニアと呼ばれることも。
樹高50cmから2m程度の常緑樹で、直径5cmほどの白い可憐な花を咲かせます。ティアレ・タヒチの花弁は通常5~7枚。8枚の花弁を持つ花は希少で、8枚の花弁のティアレが咲くと幸運が訪れると信じられています。
原産地は南太平洋のソシエテ諸島。タヒチでは昔から栽培されていますが、実は日本で流通しているティアレ・タヒチの多くはタイ産なんです。
ティアレ・タヒチは愛の象徴。花言葉には「私はあまりに幸せです」「幸せすぎて信じられない」など、とてもHappyな言葉であふれています。
ティアレ・タヒチなどクチナシの仲間であるガーデニアには、世界に約200種もの品種が存在します。ガーデニアの花から抽出される精油や、果実から抽出されるエキスには、様々な効能があり、古くから人々の暮らしに役立ってきました。
ガーデニアの甘くエキゾチックな香りは、気持ちを落ち着かせるのに効果的。ストレスや不安を和らげ、リラックス効果があるといわれています。
ネガティブな気分や興奮して眠れない時は、湯船にガーデニアの精油を一滴垂らし、ゆったりと浸かってみては? さらに枕元に精油を垂らしたティッシュを置くのもいいですね。
一方、ガーデニア特有の優雅な香りは、ポジティブな気分になりたい時やリフレッシュしたい時にもおすすめです。
化粧品に使用される成分としてクチナシ果実エキスがあります。この成分はガーデニアの実から抽出したもので、消炎や鎮静、保湿作用があります。
乾燥から肌を守り、肌荒れを予防するなど美肌効果が期待できるため、メイクアップ製品、化粧下地、ソープ、ヘアカラートリートメントなどに利用されています。また後ほど紹介するモノイオイルも美肌効果があり、タヒチの女性の美しさには欠かせません。
漢方に用いる生薬「山梔子(サンシシ)」は、ガーデニア(クチナシ)の果実を乾燥させたもの。消炎、抗菌、止血、解熱、精神安定などの作用があるといわれています。
また目の疲れを緩和する働きもあり、眼精疲労にも効果が期待できます。ガーデニアの実は、乾燥させ打ち身や捻挫を癒すシップ薬として昔から重宝されてきました。
古代ポリネシアでは、ティアレ・タヒチはとても神聖な花。かつては王室だけが摘むことを許されていたといいます。
ティアレの花は、つぼみから枯れるまでの10段階の過程に、それぞれ名前が付けられています。始めの4段階は「タアロア(ポリネシア天地創造の神)」、「アテア(世界創造の神)」、「タネ(美の神)」、「ヒナ(月の神)」。神の名を付けることで、人間には所有できないものと考えられてきました。
かつて身分の高い人が結婚する際に、寝室をはじめ家全体がティアレで埋め尽くされたそうです。現在でも新婚夫婦の家や寝室には、30日間ティアレ・タヒチを飾るという風習が残っています。
タヒチの人々はティアレの花をこよなく愛し、老若男女問わず日常的にティアレ・タヒチを身にまとっています。タヒチに行くとホテルやショップのスタッフ、行き交う人々の多くがティアレの花を身につけていることに驚くでしょう。
男性はつぼみを、女性は開花した花を耳の後ろに飾ります。右耳は未婚、左耳に飾ると既婚を意味するそう。また旅人や帰郷した家族を歓迎する際、ティアレで編んだレイ(首飾り)やハク(花の冠)を贈るのもタヒチの伝統文化です。
タヒチを代表する航空会社「エアタヒチヌイ」では、ティアレ・タヒチの花が機体の尾翼に描かれています。さらに、歓迎の印として乗客ひとりひとりにティアレのつぼみが手渡され機内は一足早く南国ムードでいっぱいに!
タヒチでは、昔からのティアレの花をココナッツオイルに漬け込んだ伝統的な香油が作られていました。モノイオイルと呼ばれ、強い日差しや海水から髪やボディを保護して身体を清潔に保ってくれるオイルです。
タヒチアンダンサーはステージに立つ際、モノイオイルを全身にたっぷり塗るのだとか。その理由は、激しいダンスで流れる汗がライトでキラキラと輝き、甘い香りで観客を魅了するためだそうです。
ちなみに「モノイ」はタヒチの古い言葉で「香る油」という意味。モノイオイルは市販されていますが、タヒチでは自家製のものを使う人も多いそうです。
ティアレには実に多様な種類があり、花びらの形や色、香りが異なります。中でも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
ナーヌはハワイの固有種。野生の状態ではハワイのごく限られた場所でしか見られない、絶滅危惧に指定された貴重な植物です。
ナーヌの花は白く、花びらは厚みがあるのが特徴。強い芳香があるため、ナーヌの香りが風に運ばれてきたら、良いことが起こるという言い伝えがあります。
イエローやオレンジのティアレは、タヒチアンティアレ・クラと呼ばれる品種。咲き始めは白い花弁が、時間とともに黄色からオレンジへとだんだん濃くなっていくのが特徴です。色の変化が楽しめるとても珍しい品種です。
ティアレ・アペタヒは、タヒチのライアテア島のテメハニ高原にだけ咲く非常に希少な品種。ティアレ・アペタヒの花を実際に見ることができたら、大変運が良いといえるでしょう。
5枚の花弁が手のような形をしているため「神の手」と呼ばれることも。また、つぼみから一気に開花するため、花が咲く時にポンッとかすかな音がするそうですよ。
ティアレを歌ったハワイアン・タヒチアンの曲の中から5曲をピックアップしました。まるでティアレの甘い香りに包まれたような、ゆったりと美しい音楽に癒されてください。
ティアレはタヒチのシンボル、その純白で可憐な花と甘い香りが最大の魅力です。 美しさ、純粋さ、愛の象徴とされるティアレ・タヒチ。
かつて王族しか摘むことを許されなかった高貴な花。タヒチに行くと老若男女問わず、多くの人がティアレを身に付けていることに驚きます。
ティアレを使い伝統的な製法で作られるモノイオイルは、世界的にも有名です。その甘い香りは心や体を癒す効果もあるのだとか。
タヒチやハワイの神話にも登場し、多くの曲の中で歌われてきたティアレは、タヒチの人々にとって愛すべき特別な存在なのです。
ティアレは、南太平洋に浮かぶ島タヒチを象徴する花です。
清楚で愛らしい見た目とは裏腹に、甘く濃厚で官能的な香りが人々を魅了します。
その香りは、タヒチに魅せられたフランス人画家、ポール・ゴーギャンが「ティアレの香りをかいだ者は、必ずこの島に戻ってくる…」と自身の滞在記に綴るほど。
ティアレはタヒチのシンボルであり、タヒチの人々の生活になくてはならない特別な花。このコラムでは、タヒチ文化の中でのティアレの役割や効能、歴史など、ティアレの魅力に迫ってみたいと思います。
目次
ティアレ・タヒチとは?
ティアレはタヒチ語で「花」の意味。正式にはティアレ・タヒチと呼ばれ、タヒチ(フランス領ポリネシア)の国花でもあります。ティアレ・タヒチはアカネ科クチナシ属の熱帯植物。日本のクチナシの仲間で、タヒチアン・ガーデニアと呼ばれることも。
樹高50cmから2m程度の常緑樹で、直径5cmほどの白い可憐な花を咲かせます。ティアレ・タヒチの花弁は通常5~7枚。8枚の花弁を持つ花は希少で、8枚の花弁のティアレが咲くと幸運が訪れると信じられています。
原産地は南太平洋のソシエテ諸島。タヒチでは昔から栽培されていますが、実は日本で流通しているティアレ・タヒチの多くはタイ産なんです。
ティアレ・タヒチは愛の象徴。花言葉には「私はあまりに幸せです」「幸せすぎて信じられない」など、とてもHappyな言葉であふれています。
ガーデニアの効果・効能
ティアレ・タヒチなどクチナシの仲間であるガーデニアには、世界に約200種もの品種が存在します。ガーデニアの花から抽出される精油や、果実から抽出されるエキスには、様々な効能があり、古くから人々の暮らしに役立ってきました。
心への効果
ガーデニアの甘くエキゾチックな香りは、気持ちを落ち着かせるのに効果的。ストレスや不安を和らげ、リラックス効果があるといわれています。
ネガティブな気分や興奮して眠れない時は、湯船にガーデニアの精油を一滴垂らし、ゆったりと浸かってみては?
さらに枕元に精油を垂らしたティッシュを置くのもいいですね。
一方、ガーデニア特有の優雅な香りは、ポジティブな気分になりたい時やリフレッシュしたい時にもおすすめです。
美容への効果
化粧品に使用される成分としてクチナシ果実エキスがあります。この成分はガーデニアの実から抽出したもので、消炎や鎮静、保湿作用があります。
乾燥から肌を守り、肌荒れを予防するなど美肌効果が期待できるため、メイクアップ製品、化粧下地、ソープ、ヘアカラートリートメントなどに利用されています。また後ほど紹介するモノイオイルも美肌効果があり、タヒチの女性の美しさには欠かせません。
健康への効果
漢方に用いる生薬「山梔子(サンシシ)」は、ガーデニア(クチナシ)の果実を乾燥させたもの。消炎、抗菌、止血、解熱、精神安定などの作用があるといわれています。
また目の疲れを緩和する働きもあり、眼精疲労にも効果が期待できます。ガーデニアの実は、乾燥させ打ち身や捻挫を癒すシップ薬として昔から重宝されてきました。
タヒチの人々にとってティアレとは?
ティアレにまつわる歴史
古代ポリネシアでは、ティアレ・タヒチはとても神聖な花。かつては王室だけが摘むことを許されていたといいます。
ティアレの花は、つぼみから枯れるまでの10段階の過程に、それぞれ名前が付けられています。始めの4段階は「タアロア(ポリネシア天地創造の神)」、「アテア(世界創造の神)」、「タネ(美の神)」、「ヒナ(月の神)」。神の名を付けることで、人間には所有できないものと考えられてきました。
かつて身分の高い人が結婚する際に、寝室をはじめ家全体がティアレで埋め尽くされたそうです。現在でも新婚夫婦の家や寝室には、30日間ティアレ・タヒチを飾るという風習が残っています。
タヒチ文化の一部としてのティアレ
タヒチの人々はティアレの花をこよなく愛し、老若男女問わず日常的にティアレ・タヒチを身にまとっています。タヒチに行くとホテルやショップのスタッフ、行き交う人々の多くがティアレの花を身につけていることに驚くでしょう。
男性はつぼみを、女性は開花した花を耳の後ろに飾ります。右耳は未婚、左耳に飾ると既婚を意味するそう。また旅人や帰郷した家族を歓迎する際、ティアレで編んだレイ(首飾り)やハク(花の冠)を贈るのもタヒチの伝統文化です。
タヒチを代表する航空会社「エアタヒチヌイ」では、ティアレ・タヒチの花が機体の尾翼に描かれています。さらに、歓迎の印として乗客ひとりひとりにティアレのつぼみが手渡され機内は一足早く南国ムードでいっぱいに!
モノイオイル
タヒチでは、昔からのティアレの花をココナッツオイルに漬け込んだ伝統的な香油が作られていました。モノイオイルと呼ばれ、強い日差しや海水から髪やボディを保護して身体を清潔に保ってくれるオイルです。
タヒチアンダンサーはステージに立つ際、モノイオイルを全身にたっぷり塗るのだとか。その理由は、激しいダンスで流れる汗がライトでキラキラと輝き、甘い香りで観客を魅了するためだそうです。
ちなみに「モノイ」はタヒチの古い言葉で「香る油」という意味。モノイオイルは市販されていますが、タヒチでは自家製のものを使う人も多いそうです。
代表的なティアレの種類
ティアレには実に多様な種類があり、花びらの形や色、香りが異なります。中でも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
ナーヌ
ナーヌはハワイの固有種。野生の状態ではハワイのごく限られた場所でしか見られない、絶滅危惧に指定された貴重な植物です。
ナーヌの花は白く、花びらは厚みがあるのが特徴。強い芳香があるため、ナーヌの香りが風に運ばれてきたら、良いことが起こるという言い伝えがあります。
タヒチアンティアレ・クラ
イエローやオレンジのティアレは、タヒチアンティアレ・クラと呼ばれる品種。咲き始めは白い花弁が、時間とともに黄色からオレンジへとだんだん濃くなっていくのが特徴です。色の変化が楽しめるとても珍しい品種です。
ティアレ・アペタヒ
ティアレ・アペタヒは、タヒチのライアテア島のテメハニ高原にだけ咲く非常に希少な品種。ティアレ・アペタヒの花を実際に見ることができたら、大変運が良いといえるでしょう。
5枚の花弁が手のような形をしているため「神の手」と呼ばれることも。また、つぼみから一気に開花するため、花が咲く時にポンッとかすかな音がするそうですよ。
ティアレを歌った曲
ティアレを歌ったハワイアン・タヒチアンの曲の中から5曲をピックアップしました。まるでティアレの甘い香りに包まれたような、ゆったりと美しい音楽に癒されてください。
※曲名/アーティスト① Tiare Apetahi/Eric Lee
② Te Tiare/Mailani
③ Ku’u Tiare/Josh Tatofi
④ Te ramaite te tiare/Robi Kahakalau
⑤ Tiare oe no Tahiti/Kapena
タヒチの象徴、ティアレの魅力
ティアレはタヒチのシンボル、その純白で可憐な花と甘い香りが最大の魅力です。
美しさ、純粋さ、愛の象徴とされるティアレ・タヒチ。
かつて王族しか摘むことを許されなかった高貴な花。タヒチに行くと老若男女問わず、多くの人がティアレを身に付けていることに驚きます。
ティアレを使い伝統的な製法で作られるモノイオイルは、世界的にも有名です。その甘い香りは心や体を癒す効果もあるのだとか。
タヒチやハワイの神話にも登場し、多くの曲の中で歌われてきたティアレは、タヒチの人々にとって愛すべき特別な存在なのです。