神話が伝えるヤマタノオロチ伝説!娘を喰らう大蛇の正体とは【日本の神話】

この国ではあらゆるもの、あらゆる自然現象にまで、八百万の神が宿っているとされています。

その神々によって紡がれる日本神話。
その中でも有名で、ドラマチックな物語として知られるのが、ヤマタノオロチ(八岐大蛇)伝説です。

スサノオは人々を困らせるヤマタノオロチを退治し、出雲国に平和をもたらします。
でも実はこの伝説、化け物を倒した英雄の話では収まらないようです。

この物語の舞台となった出雲の文化や豊かな自然、さらに時代背景などを織り交ぜながら読み解いていくと、文字で描かれている物語とはまた少し違う、さまざまな景色が見えてきます。

さあ、怪しげな大蛇ヤマタノオロチの正体を確かめに出かけましょう。

ヤマタノオロチ神話に登場する人物紹介

まず、ヤマタノオロチの物語に登場する人物を紹介しましょう。

ヤマタノオロチ神話に登場する人物紹介 月岡芳年『日本略史 素戔嗚尊』

右)ヤマタノオロチ(八岐大蛇)

毎年出雲国にやってきては、娘を喰っていく恐ろしい大蛇。八つの頭と八つの尾を持つ。

真ん中)スサノオ(須佐之男命) 

イザナギ・イザナミの子どもで、天照大御神の弟。ヤマタノオロチを退治し、クシナダヒメを妻とする。

左)クシナダヒメ(櫛名田比売)

アシナヅチ・テナヅチの末娘。7人いた姉はヤマタノオロチの犠牲となった。ヤマタノオロチ退治を条件に、スサノオの妻となる。

アシナヅチ・テナヅチ(足名椎命・手名椎命)

出雲国の国津神。クシナダヒメの父母。

天照大御神(アマテラスオオミカミ)

スサノオの姉。高天原(=神々の生まれる場所、天上の世界)を治める神。

古事記や日本書紀が伝えるヤマタノオロチ伝説

記紀のなかでも、ひときわドラマチックに、なぜか人々をひきつける物語として広く伝えられてきた、このヤマタノオロチの物語。
いったいどんなお話なのでしょうか?

高天原から追放されたスサノオ

スサノオは、イザナギが黄泉の国から戻り禊をした際、天照大御神、月読命(ツクヨミ)とともに生まれた神です。

そしてかの有名な、天照大御神が天岩戸にお隠れになった原因をつくった張本人。
高天原で狼藉の限りを尽くすスサノオに、天照大御神は大いに嘆き悲しみ岩戸に引きこもってしまい、世の中は真っ暗に。大事件となりました。

スサノオはその罪の償いとして、神々によって高天原を追放され、地上へと降り立ったのです。

出雲国、嘆き悲しむ親子に出会う

スサノオが降り立ったのは、出雲国、肥の川(現在の斐伊川)上流の、鳥髪(とりかみ)という地でした。

そこで出会ったのが、涙を流し悲しみに暮れるアシナヅチ・テナヅチ、そしてその娘のクシナダヒメの親子です。

ヤマタノオロチ神話に登場する人物紹介 豊原周延 作

なぜ泣いているのだ?

スサノオが泣いている訳を尋ねると、アシナヅチは答えます。

もともと私たちには8人の娘がおりました。
ところが高志(こし)に住む恐ろしいヤマタノオロチが毎年やってきては、娘たちを1人ずつ喰っていきました。
今年もまた、そのヤマタノオロチがやってくる季節がきました。それで泣いているのです。

幼いクシナダヒメは、8人娘の末っ子、最後に残った1人の娘でした。

結婚を条件に、化け物退治を申し出る

スサノオは尋ねました。

そのヤマタノオロチとは、どんな姿形をしているのか?

アシナヅチが答えたヤマタノオロチのさまは、なんともおぞましいものでした。

その目は、まるで加賀智(かがち=ほおずき)のように真っ赤。八つの頭と八つの尾があり、身体には苔や檜、杉が生えております。
その長さといったら、八つの谷、八つの尾根に渡るほどで、腹からはいつでも血が滴っているのでございます。

スサノオはクシナダヒメを妻とすることを条件に、このヤマタノオロチの退治を引き受けようと申し出ます。

恐れながら、あなたさまがどなたであるのか存じ上げません。

私は天照大御神の弟、今しがた高天原より降り立ったところです。

それは恐れ多いことでございます。それでしたら娘をあなたさまに差し上げましょう。

アシナヅチ・テナヅチは、娘クシナダヒメをスサノオの妻とすることを快諾しました。

大蛇ヤマタノオロチとの対峙

クシナダヒメとの結婚が認められると、スサノオは神通力でたちまちクシナダヒメを櫛に変え、自らの髪に挿し込みました。

そして、アシナヅチ・テナヅチにヤマタノオロチ退治の準備を申しつけます。

八塩折の酒(やしおりのさけ=何度も繰り返し醸造した強い酒)を醸しなさい。
そして、垣根を張り巡らせて、その垣根に八つの門を作り、それぞれに台を設え、酒樽を置きなさい。その樽に八塩折の酒を満たして、ヤマタノオロチを待ちなさい。

言われた通りにして待つと、スサノオの言ったとおり、恐ろしい姿のヤマタノオロチが姿を現しました。

そして、酒の豊かな匂いにつられるようにそれぞれ八つの頭を樽に突っ込み、酒を飲み干すと、正体を失いその場に倒れて眠り込んでしまいます。

その隙に、スサノオは身につけていた十拳の剣を抜き、ヤマタノオロチをズタズタに斬りつけると、肥の川は血となって流れました。

ちなみに、このヤマタノオロチの物語には「八」という漢字が何度も登場します。
八岐大蛇、八雲、八重垣。
この「八」は、もちろん具体的な8の数を表すこともありますが、漠然と「大きい数」を表すためにも用いられます。縁起のよい数字としても用いられてきました。

もしかしたら、ヤマタノオロチの頭や尾も、実はもっと数が多かったのかもしれません。

ヤマタノオロチの尾から出てきた神剣「草薙剣」!

ヤマタノオロチを退治している際、その尾をスサノオが斬りつけたところ、何か堅いものに当たってスサノオの剣の歯がこぼれてしまいました。

それを見たスサノオは不思議に思い、剣で尾を斬り裂いてみると、そこから都牟刈之大刀(ツムカリノオホタチ)が出てきます。

スサノオは、この大刀を取り出し、これはただものではない、不思議なものだと、天照大御神に献上しました。
これこそが、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)です。

この草薙剣は、伊勢神宮に納められ東征へ向かうヤマトタケルへ、そして尾張国へと伝わり、現在は熱田神宮に御神体として祀られているといわれています。

雑学

草薙剣

草薙剣は天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)とも呼ばれ、都牟刈之大刀などいくつかの名があります。
「八咫鏡(やたのかがみ)」、「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」と並び、三種の神器の一つとされる神剣です。

三種の神器とは、天孫降臨の際、天照大御神が瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に授け、葦原中国(あしはらのなかつくに=日本)にもたらされたと伝えられる宝物。

出雲国に宮を建てたふたり

ヤマタノオロチを退治したスサノオは、クシナダヒメとともに暮す場所を求め、出雲国を巡り歩きました。

そして今の島根県雲南市大東町に至ると、スサノオは

我が御心は 須賀須賀し
(心持ちが清々しいことだ)

と言い、この地に宮を造りました。
この宮が造られた地は、それ以来「須賀」と呼ばれるようになったといいます。

宮を建てこの地での暮らしが始まるとき、スサノオはこの地で雲が湧き立つさまを歌に詠みました。

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を

盛んに雲が湧き立ち幾重にも垣を巡らせている
妻を守るために私も雲を幾重にも巡らせて垣を造ろう、あの素晴らしい雲の八重垣のように

高天原を追われ居場所を失ったスサノオが、この地で穏やかな暮らしを始めようとしているさまが伝わるこの和歌は、日本で初めて詠まれた和歌ともいわれています。

その後、スサノオとクシナダヒメは子どもを授かりました。
その子どもは、古事記では八嶋士奴美神(ヤシマジヌミノカミ)と伝わり、日本書紀ではこの国の礎を築いたとされる大国主命(オオクニヌシノミコト)であったとされています。

ヤマタノオロチは何を表している?その正体とは

おぞましい姿で人々の暮らしを脅かしていたヤマタノオロチと、クシナダヒメを救い出雲国に平穏をもたらしたヒーロー、スサノオが繰り広げたこの物語。

実はこの物語にはさまざまな解釈があります。ヤマタノオロチの招待、実は…。

ヤマタノオロチは斐伊川だった?

ヤマタノオロチ神話に登場する人物紹介 斐伊川

中国山地、島根県と鳥取県の境にある船通山を源とし、宍道湖に注ぐ斐伊川。
出雲風土記には、「出雲大川」という名で記されています。

毎年のように暴れ、ひどい洪水を起こす斐伊川は、娘をさらいに毎年出雲国にやってくる化け物ヤマタノオロチに喩えられました。

この斐伊川、現在の流れは出雲平野を大きく湾曲しながら東に向かい宍道湖に出ますが、古くは出雲平野を西に向かって流れ、直接日本海に注いでいました。寛永年間の大洪水で、川筋が大きく変わったのだといいます。

そんなふうに川の流れが変わってしまうほどの大洪水。
人々の暮らしも、丹精込めた田んぼの稲穂も、すべて押し流してしまう圧倒的な力。
斐伊川の荒れ狂う姿に人間の非力さを痛感し、巨大な化け物に喩えたことでしょう。

ヤマタノオロチは水神様?クシナダヒメはそれを迎える巫女?

また、ヤマタノオロチは水神様であり、生贄となるところであった稲田の神クシナダヒメは水神様を迎える儀式のための巫女である、という解釈もあります。

八つの頭を持つ恐ろしい大蛇であるともいわれるヤマタノオロチ。
蛇や龍は、水や川を司る水神、または山神であるとされてきました。

米づくりと共に歩んできたこの国では、稲作になくてならない水、水神様はとても大切にされてきました。
稲田を司るクシナダヒメとの結びつきも強かったはず。

ヤマタノオロチは水神様?クシナダヒメはそれを迎える巫女?

それを考えると、恵みをもたらす水神様と、お酒を持って水神様をお迎えする巫女を象徴する物語であったのかもしれません。

ヤマタノオロチはたたら製鉄の技や部族?

もう一つ、興味深い解釈があります。
それはヤマタノオロチとは、たたら製鉄に関わるのではないかいうもの。
斐伊川の上流、奥出雲では古くからたたら製鉄が行われてきました。

確かに、なぜだかヤマタノオロチの尾からは剣が見つかっていますね。

また、ヤマタノオロチの姿。
その真っ赤な鬼灯のような目とは、たたら製鉄に用いる火、腹から滴る血は真っ赤に溶けた鉄を表しているのだとも解釈できるそう。
出雲でのたたら製鉄の歴史は1400年ほど前にまで遡るとされており、「出雲国風土記」には、出雲では質の高い鉄が生産され、農具にも使われると記されています。

中国山地に広く分布する、砂鉄を含む風化した花崗岩と、豊かな木材を利用して鉄を作るのがたたら製鉄。鉄鉱石の産出が少ない日本独自の製鉄技術です。

ヤマタノオロチ神話に登場する人物紹介 国の重要有形民俗文化財 「菅谷高殿」(島根県)

たたら製鉄のための砂鉄の採取には、山肌を削り、砕いた土砂を川に流して比重の高い砂鉄を分離する方法が使われました。
比重の軽い不要な土砂は、そのまま川に流れ込み、下流域はその土砂が堆積して川底が高くなり、斐伊川は頻繁に水を溢れさせることになります。

ヤマタノオロチは斐伊川上流域のたたら製鉄を営みとする部族、そしてスサノオとクシナダヒメは斐伊川下流に広がる稲田を守る人々、そんなふうにも捉えられるのだといいます。

また、ヤマタノオロチを退治し、取り出した草薙剣を天照大御神に献上したことで、この地をヤマト政権が手中に収めたとも解釈できます。
さまざまな角度から読むことで、この神話は想像を掻き立て、出雲の地、物語が生まれた時代にまで私たちを連れて行ってくれそうです。

ヤマタノオロチ、その正体と物語をもっと知りたくなりませんか?

ヤマタノオロチ神話を巡ろう

肥の川、現在の斐伊川流域には、上流から下流まで、スサノオとヤマタノオロチにまつわるさまざまな物語が散りばめられています。

出雲平野をうねる大蛇「斐伊川」

斐伊川を上空から撮影した、その姿。
下流域では至るところで砂洲が盛り上がって網目状の模様を作り、まさに平野を蛇行する大蛇のよう。
川底が周囲の平野よりも高い位置にある、いわゆる「天井川」です。

斐伊川下流の大きな湾曲の始まりあたりに、川向こうまでまっすぐに架かるどっしりとした井上(いあげ)橋があります。

橋桁は幅1メートル、水面からの高さも1メートルほど、400メートルの長さがありますが、私たちの想像する箸とは違い、手すりはなく、欄干もありません。

これは増水した際に川に沈むよう設計された橋。
沈下橋、潜水橋とも呼ばれます。斐伊川には、井上橋の他にもいくつかの沈下橋がかかります。

ヤマタノオロチにも喩えられ、人々の暮らしを脅かしてきた斐伊川。
沈下橋は、頻繁に大水を出す斐伊川を、それでも受け入れながら大切に思い暮らす人々の知恵でもあります。

ヤマタノオロチのすみかと伝わる「天が淵」

ヤマタノオロチのすみかだったといわれている、斐伊川の上流にある淵。
木次(きすき)町と吉田町の境あたり、国道314号線沿いにあります。

現在は整備され、淵近くまで降りられるようになっています。普段流れは緩やかだといいますが、深みもあるため危険な場所だそう。
でも、深みの色はとても印象的。吸い込まれそうな緑色をしています。

また、「蛇帯」と呼ばれる赤と青の筋が入った石があり、それがヤマタノオロチの足跡であるともいわれています。

【天が淵】

所在地:島根県雲南市木次町湯村

ヤマタノオロチの骨が伝わるという「須佐神社」

島根県中部を南北に流れる神戸川(かんどがわ)の支流、須佐川の辺りにあるのが、スサノオの名前を冠した須佐神社です。

『出雲風土記』によると、スサノオが諸国を開拓した後、最後に訪れたとされるのが須佐の地。
スサノオはこの地について「この国は小さいがよい国だ」といたく気に入り、自らの名をつけたといわれています。

日本で唯一スサノオの御霊を祀る神社です。
また、スサノオの妻クシナダヒメ、アシナヅチ・テナヅチも祀られており、宮司をつとめる須佐家の祖神はテナヅチであると伝えられています。

本殿の裏手には、天を衝くほどの杉の巨木があります。「大杉さん」と呼ばれ親しまれてるこの老木は、樹齢1300年ともいわれ、記紀が編まれた時代から、この出雲の地を見守り続けています。

そして、なんとこの神社には、あのヤマタノオロチの骨が代々伝わるともいわれているのです!

【須佐神社】

所在地:島根県出雲市佐田町須佐730

我が御心はすがすがし「須我神社」

クシナダヒメと暮らすための地を探し巡ったスサノオが、「この地は清々しい」と、この地に宮を作ったとされる地にあるのが須我神社です。
また、スサノオが初めて和歌を詠んだとされる地でもあります。

この神社は、本殿と奥宮の両方を詣でる二宮言詣りが習わしです。

奥宮は本殿の裏手、御室山の中腹にある三つの巨岩からなる磐座(いわくら)。
大小三つの岩には、それぞれスサノオ、クシナダヒメ、その子清之湯山主三名狭漏彦八島野命(スガノユヤマヌシミナサロヒコヤシマノミコト)が鎮座されています。

奧宮に登る途中には、八雲山から流れくる湧水があり、それが手水。
深い森の中ですが、光が入り、まさに清々しさを感じる場所なのだそうです。

【須我神社】

所在地:島根県雲南市大東町須賀260

その下にはヤマタノオロチの頭が眠ると伝わる「八本杉」

雲南市木次町、地元の氏神様として親しまれている斐伊神社。歴史はとても古く、紀元前にまで遡るともいわれる古社です。
関東一円に280社以上あるという「氷川神社」のルーツは、ここにあるともいわれています。

この神社には飛地境内があり、そこには立派な杉が8本。

これは、スサノオがヤマタノオロチを退治したのち、8つの首をはね土に埋めて、蘇ることがないようにそれぞれの上に杉を植えたものだと伝わります。

この地もまた、斐伊川の氾濫がたびたび襲い、現在植えられている杉は明治6年の水害後に植え直されたものです。

【八本杉】

所在地:島根県雲南市木次町里方字宮崎463(斐伊神社)

ヤマタノオロチが首を突っ込んだ?「印瀬の壺神」

地元では「壺神様」と呼ばれ親しまれているのが、ヤマタノオロチがその芳醇な香りにつられた八塩折の酒で満たされていたといわれる壺です。

昔、村人が触れたところ、空が俄かにかき曇って雷鳴が轟き、地鳴りがして山が揺れ動いたのだそう。
そこで8本の幣(ぬさ)と8品の供物を捧げてお祈りしたところ、ようやく鎮まったと伝えられます。

それ以来誰も壺に触れぬよう、土中に埋められ玉垣で囲い、注連縄をめぐらせて、安置するよう努められてきたのだそうです。

ところで、大きさは口径4寸5分、腹径6寸5分、深さ5寸なのだとか。
ヤマタノオロチが首を突っ込むには、少し小さいような気がしないでもない、壺神様です。

【印瀬の壺神】

所在地:島根県雲南市木次町西日登1524-1(八口神社)

八塩折の酒を醸した場所?「釜石」

御室山を御神体として祀る布須神社ほど近くに、「釜石」があります。
この釜石は、何度も醸した強いお酒を作るための竃(かまど)跡だとされています。

御室山は、スサノオが八塩折の酒を造らせたと伝わっている場所。
山頂付近には磐座があります。
鳥居をくぐり、山の斜面をまっすぐに登っていく急な階段の先に拝殿があります。

【釜石】

所在地:島根県雲南市木次町宇谷367(布須神社)

ヤマタノオロチが枕にして寝たという「草枕山」

多くの支流を持つ斐伊川。その支流の一つに赤川があります。その赤川が斐伊川と合流する少し手前、そこにあるのが「草枕山」。
この山は、ヤマタノオロチが八塩折の酒を飲み、正体をなくて寝てしまったときに枕にした山だといわれています。

それまではこの草枕山を迂回して流れていた赤川でしたが、たびたび氾濫を起こしたため、安政年間、山を真っ二つに切り開いて川筋を変えたのだそうです。
現在は、田んぼの真ん中に、山のほんの一部がぽこんと残るのみです。

【草枕山】

所在地:島根県雲南市加茂町神原121

実は身近なところにも?全国の「氷川神社」

埼玉をはじめ、関東に点在する氷川神社は、実はこの出雲の地にルーツを持つといわれています。

例えば2500年近い歴史があるとされる古社、さいたま市大宮区の武蔵一宮 氷川神社。
この神社は出雲の国の杵築大社(出雲大社)を遷して「氷川神社」の神号を賜ったと伝わり、その名は出雲国の斐伊川にまつわるといわれています。
また、この神社のある一帯は、出雲族により開拓されたとも伝わっているのです。

そのほか全国には、出雲国にルーツをもつ氷川神社が数多くあります。
お近くの氷川神社、スサノオとクシナダヒメが御祭神ではありませんか?

【武蔵一宮 氷川神社】

所在地:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1−407

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ヤマタノオロチは何者なのか

娘たちをさらう化け物の話は、私たちが目線を変えるだけで、出雲の豊かな自然と人々の暮らし、そして文化を色濃く伝える物語へと姿を変えていくようです。

その尾から取り出された剣は、三種の神器として祀られています。
出雲の地には、この物語にまつわる旧跡が大小数え切れないほど残され、その土地の人々によって大切に守り継がれています。

人々から恐れられ、忌み嫌われていたはずのヤマタノオロチ。
なんだか、すごく大切にされているみたい。あれ、そしてちょっと愛されてもいませんか?

さて、ヤマタノオロチの正体、あなたはいったい何だと思われますか?

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