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夏の遊び着としてすっかり定着している浴衣。今ではカラフルでおしゃれな柄のものも沢山あり、夏祭りや夕涼みにぜひ装いたいという方も多いでしょう。 でも浴衣をきちんと着られないかもと、その度に美容院に着付けをお願いするのは面倒ですよね。
そこで、今回は初心者でもきちんと浴衣が着られる簡単な方法をご紹介していきます。 浴衣の歴史や装いポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
浴衣の着方に入る前に、まず浴衣ってそもそもどうやって誕生したものなのか、どのように庶民に広まっていったものなのか、みていきましょう。
我々が今「浴衣」と言っている着物は、もともと湯帷子(ゆかたびら)と言われる単衣の着物だったのです。
室町時代、将軍など高貴な身分の人が湯上りに着た麻の着物を帷子(かたびら)と呼び、これが今の浴衣の原点になったと言われています。
室町時代から江戸時代にかけて、着物の素材が絹だけではなく、綿や麻など様々な素材に広がっていったことを受け、麻の帷子もより吸湿性の高い木綿の帷子へと進化していきました。
木綿は絹よりも安価だったこともあり、江戸庶民の間で夏のくつろぎ着として大流行したのです。これが夏のくつろぎ着、遊び着の浴衣になっていきました。
浴衣も着物の一種と考えられますが、帯もしっかり締めて装う着物とはどこか違う印象がありますよね。
浴衣と着物の大きな違いは3つあります。
まず、浴衣と着物の素材の違いです。着物の生地素材の多くは絹なのに対し、浴衣の生地素材の基本は木綿になります。
そして、装う場面も木綿の浴衣は夏の遊び着であるのに対し、着物はランクによってフォーマルからカジュアルな場面まで幅広く着こなされます。
また、浴衣はくつろぎ着から発展してきている着物ということもあり、装いの工程も少なく、着心地も楽です。それに対し着物は、しっかり長襦袢も着た上で着物を羽織、帯もTPOに合わせてお太鼓結びしなくてはいけません。洋装で言うところの、家ではダボダボのTシャツ1枚でくつろぐ感じがまさに浴衣を装う感覚であり、お友達とランチするのにおしゃれな服を選んで行く感じが着物を装う感覚なのです。
ここまで浴衣の歴史について軽く触れてきましたが、ここからは実際に浴衣を着る時に必要になってくるものをご紹介します。
浴衣を装う時に必要なものは以下の通りです。
帯や紐はゴム付などがきつくなくておすすめです。
また和装下着に関しては、特に透けやすい色目の浴衣を装う時に必要です。しかし、濃い目の浴衣で特に下着は必要ないという方は長めのキャミソールで代用しても問題ありません。
着物を着ると、洋服よりも手を上に上げにくくなります。 そのため、浴衣を着る時も、メイクやヘアセットは浴衣を着る前に済ませます。 この時、被るタイプの洋服を着てメイクやヘアセットをしてしまうと、いざ洋服を脱ぐ時にせっかくのメイクやヘアが台無しになってしまう恐れがあるので注意して下さい。
浴衣用のメイクやヘアを行う前に洋服は前開きタイプのものに着替えるようにしましょう。 ブラジャーなどの下着もワイヤータイプのものではなくスポーツタイプのもので被るタイプのものに替える予定がある方は、このタイミングで下着の交換も行うのが良いでしょう。
着物を着る際に右が上か左が上か分からなくなってしまうことがあります。
裾の柄行を見て左が上(右が前)だと分かる場合もありますが、浴衣の場合は総柄なので分かりにくいのも事実です。間違って右を上(左前)に着てしまうと死に装束と同じで縁起が悪くなってしまうので、左が上(右前)であることをしっかり頭に入れておきましょう。 ちなみに、浴衣に限らず着物全般必ず左が上になるように装います。
浴衣を着る際に必要なものの確認ができたら、実際に一人でどのように浴衣を着るのか、着方をみていきましょう。ここでは一人で着られる簡単な方法をご紹介しているので、ぜひトライしてみて下さい。
①下着は浴衣用のものに替えたか確認しましょう。
通常のものを使っても良いですが、ワイヤーが入ったブラジャー、立体的なブラジャーなどは衿元の着崩れを誘発しやすいです。浴衣を装う際には、できるだけ胸の主張を抑え、衿元が着崩れないようにすると美しいです。
②浴衣を装う際に使うものが全てセットされているか、確認しましょう。
特に腰紐の長さ調整ができているかどうかの確認をして下さい。腰紐は前から当て、後ろで交差させて一締めし、また前に戻ってきたところでフックを掛けて使います。緩すぎてしまうと着物が落ちてくる原因になりますし、きつすぎると気分が悪くなる原因になります。ちょうど良い加減に長さ調整を済ませておきましょう。
①下着の上にばさっと浴衣を羽織ります。
②羽織った浴衣の衿先同士をそろえて軽く持ち、首の真後ろの衿部分を少し浮かせながら首から離し、衿と首の間にげんこつ一つ分ぐらい間が空くように調整します。難しかったら、少し首から着物が離れるぐらいで十分です。
(ポイント 片手で両衿先を持ったまま、もう片方の手で背中から腰にかけての辺りの着物をつまみ、下にぐっと引くと、首と着物の間に空間ができます)
③首と着物の位置を確認したら、両手でそれぞれの衿先を持ち、前に腕を突き出してピンと張ります。この時着物の衿部分がたるんでいないことを確認して下さい。そのまま、着物の裾の位置が足のくるぶしあたりになるよう、着物をピンと張りながらゆっくり上げて下さい。
(ポイント背中部分に沿わせている着物がぴったり身体にくっついていることが大事です。少しでも余裕があると美しく着ることができないので、前にピンと張る力を緩めないようにして下さい。)
④裾の位置が確認できたら、今度は上前の位置確認をします。③のピンと張った状態のまま、左手の力を抜かずに左側の着物(上前)を動かし、右の腰骨のところに浴衣の衿下線がくるように位置調整します。位置確認ができたら一度左手を広げ、右側の下前を先に左に入れ込みます。この時、ちょっと上に引っ張り気味に挿しこむと裾が美しく決まります。
⑤下前を入れたところを左の肘で押さえながら、上前を体にぴったり沿わせて右腰骨に持っていきます。右手で引き気味に上前の衿先を押さえ、左手腰紐の中心をおへその位置に当てながら、右手にも腰紐の紐を持たせます。
⑥紐でしっかり衿先を押さえたことを確認しながら、両手で後ろに紐を持っていき、少し高めの位置で交差させ、一締めします。そのまま力を抜かずに前に持ってきてフックを掛けます。腰紐がしっかり両方の腰骨に乗っていることを確認して下さい。
⑦浴衣の下部分が決まったので、次は上半身部分を整えていきます。身八つ口と呼ばれる脇下の空いた部分からそれぞれ手を入れ、前のお腹部分のしわを取り除きます。お腹部分の真ん中に両手を、指先を立てて入れ、そのままそれぞれ脇に沿わせれば大丈夫です。同様に後ろの部分のしわも取り除きます。
⑧次に衿合わせを行います。右側の衿を体に沿わせ、左側の衿を上に被せ、深く被るように合わせます。衿がバストトップにかかる位置が目安です。位置が決まったら崩さないように押さえ、胸紐の真ん中をアンダーバストの中央に当て、後ろで紐を高めの位置で交差させて締めます。前に戻して結びますが、結び目は中央より左右どちらかに調整すると苦しくありません。
⑨最後に背中のしわを取ります。背中側の着物(後身頃)を両脇から前に引きますが、この時左右同時に引かないと背中の中心線がずれるので注意します。また、脇の下部分(身八つ口)が開いていると地肌が見えるため、後身頃の端に前身頃を軽く重ねます。この時、前身頃を引っ張らないようにして、整えた衿元が崩れないように注意します。
⑩最後に、胸紐の上から伊達締めを、胸紐の要領と同じように結んで完成です。
浴衣の着方について説明してきましたが、「問題は帯」という方も少なくないのではないでしょうか。ここでは簡単に結べる帯結びについてご紹介していきます。
①伊達締めの上にゴム付きの帯板をします。帯板は緩すぎないよう、ゴムの位置調整をして下さい。
②次に帯の長さを測ります。まず、帯の端(どちらでも可)から60cmから70cmほど測って下さい。測った部分を身体の中心に当て、残りの短い帯(60cmから70cm)は右肩に預けておきます。以下、この短い方の帯の先端を「て先」と呼び、逆の帯端を「たれ先」と呼び分けていきます。ちなみに、すでに一度使用したことがある帯を使う場合、帯幅が半分の位置に折線が付いていることがあります。折線が付いている帯端はて先として使用しましょう。
③て先を上にしたまま、たれ部分(て先とは逆の部分)を胴にしっかり巻き付けます。一周できたら、右手でて先を、左手でたれ先を持って、真横に引っ張り、苦しくなり過ぎない程度に締めます。この時、下の伊達締めがしっかり隠れていることを確認し、帯が下にならないようにします。少々高い位置で、アンダーバストに上の帯線が被るぐらいを目指しましょう。
④たれをもう一回巻き、中心でたれとて先を引いてしっかり締めます。
⑤締めたら、て先が上になるように体の中心で一結びします。この時、それぞれの帯幅を半分にしておくと結びやすいです。
⑥て先は右肩に乗せて、たれ先を結び目部分からきれいに広げていきます。たれ先で身幅分+握りこぶし2つ分を測り、それを基準に結び目まで畳んでいきます。
⑦畳んだものが羽になるので、羽の中心で一つ山ひだを作れたら作りますが、無理な場合はギュッとまとめるだけで大丈夫です。その部分にて先を被せ、リボンのようにします。て先が長い場合は2回ぐるぐる巻いて、帯板と帯の間に余りを挿しこみます。て先が長くて帯の下線から出る場合は、出た部分を下から折り上げて帯の中に隠します。
⑧帯の結び部分と帯の下線を持って、ぐるっと背中に帯を回し、位置調整をすれば完成です。
浴衣に合わせる帯結びは、文庫結びや一文字結びが最も知られています。最近では既に結びの形になっている作り帯も出てきているので、どうしても帯が結べそうにないという時には作り帯を使うのも手です。
ちなみに、他の帯結びには「貝の口」、「蝶結び」、「片蝶流し」、「角出し」、「のし結び」などもあります。文庫も左右の長さをあえて変えて、アンシンメトリーにしてみるのもお洒落です。帯結びはアレンジがどんどんできるので、文庫結びや一文字結びなどの基本的な型をマスターした方はどんどん違ったアレンジにも挑戦してみて下さいね。
浴衣の柄や帯の色味にこだわるのはもちろん、せっかくの浴衣ヘアスタイルにも何か遊び心を加えたいという時にお勧めしたいのが、「ゆれヨーヨーかんざし」です。 夏祭りの定番商品であるヨーヨーをモチーフにしたシンプルなかんざしで、ヨーヨー部分はガラスで作られているため清涼感満点です。
ありそうでない素敵なヨーヨーかんざしは、夏祭りでも人目を引くアイテムになることでしょう。
バンブー素材の手持ちが涼しさを演出してくれる、浴衣との相性も抜群なバッグです。「和」を感じさせるがま口はお財布だけではなく、バッグでも人気が高いです。 しかし、がま口バッグは小ぶりなものが多い印象で、容量がないからと避けられてきた方も多いのではないでしょうか。
その点、「倭物やカヤ」の夏華手持ちバッグは長財布もセンスもすっぽり入れられる優れものなのです。縦17cm、横25cmと、小さすぎず大きすぎず、使いやすい大きさというのが本当に嬉しいところですね。 ワンポイントの揺れるタッセルもおしゃれで、おすすめです。
下駄の鼻緒選びもなかなか難しいものがありますよね。浴衣に合わせたいけれどちょっと個性が欲しいという方におすすめしたいのが、「北斎小紋下駄」です。北斎模様を明るい色で染め上げて作られた鼻緒は、ちょっと見かけない色柄で人目を引くこと間違いありません。
日本の伝統的な技法で染められた一品で、高級感があるのも素敵です。鼻緒の色柄にこだわりたい方はぜひ「倭物やカヤ」をのぞいてみて下さいね。
浴衣について、歴史から着方、浴衣に合わせるおすすめアイテムに至るまで色々と解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
浴衣の着方は難しいと感じる部分もあったかもしれませんが、上前と下前が間違っていないこと(向かって右が上)、裾が開きすぎていないこと、衿が崩れていないこと、帯が結べていることさえきちんとできていれば大丈夫です。本記事を参考に、ぜひ、自分らしい浴衣の装いを楽しんでみて下さいね。
夏の遊び着としてすっかり定着している浴衣。今ではカラフルでおしゃれな柄のものも沢山あり、夏祭りや夕涼みにぜひ装いたいという方も多いでしょう。
でも浴衣をきちんと着られないかもと、その度に美容院に着付けをお願いするのは面倒ですよね。
そこで、今回は初心者でもきちんと浴衣が着られる簡単な方法をご紹介していきます。
浴衣の歴史や装いポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
浴衣っていつから着られているの?歴史を紹介
浴衣の着方に入る前に、まず浴衣ってそもそもどうやって誕生したものなのか、どのように庶民に広まっていったものなのか、みていきましょう。
起源は?いつ誕生した?
我々が今「浴衣」と言っている着物は、もともと湯帷子(ゆかたびら)と言われる単衣の着物だったのです。
室町時代、将軍など高貴な身分の人が湯上りに着た麻の着物を帷子(かたびら)と呼び、これが今の浴衣の原点になったと言われています。
どのように庶民に広まったのか解説
室町時代から江戸時代にかけて、着物の素材が絹だけではなく、綿や麻など様々な素材に広がっていったことを受け、麻の帷子もより吸湿性の高い木綿の帷子へと進化していきました。
木綿は絹よりも安価だったこともあり、江戸庶民の間で夏のくつろぎ着として大流行したのです。これが夏のくつろぎ着、遊び着の浴衣になっていきました。
浴衣と着物の違いって何?
浴衣も着物の一種と考えられますが、帯もしっかり締めて装う着物とはどこか違う印象がありますよね。
浴衣と着物の大きな違いは3つあります。
まず、浴衣と着物の素材の違いです。着物の生地素材の多くは絹なのに対し、浴衣の生地素材の基本は木綿になります。
そして、装う場面も木綿の浴衣は夏の遊び着であるのに対し、着物はランクによってフォーマルからカジュアルな場面まで幅広く着こなされます。
また、浴衣はくつろぎ着から発展してきている着物ということもあり、装いの工程も少なく、着心地も楽です。それに対し着物は、しっかり長襦袢も着た上で着物を羽織、帯もTPOに合わせてお太鼓結びしなくてはいけません。洋装で言うところの、家ではダボダボのTシャツ1枚でくつろぐ感じがまさに浴衣を装う感覚であり、お友達とランチするのにおしゃれな服を選んで行く感じが着物を装う感覚なのです。
【必見】着付けには何が必要なの? 準備・知識について解説
ここまで浴衣の歴史について軽く触れてきましたが、ここからは実際に浴衣を着る時に必要になってくるものをご紹介します。
着付けに必要なもの一式
浴衣を装う時に必要なものは以下の通りです。
帯や紐はゴム付などがきつくなくておすすめです。
また和装下着に関しては、特に透けやすい色目の浴衣を装う時に必要です。しかし、濃い目の浴衣で特に下着は必要ないという方は長めのキャミソールで代用しても問題ありません。
浴衣を着る前にヘアとメイクを整えよう!
着物を着ると、洋服よりも手を上に上げにくくなります。
そのため、浴衣を着る時も、メイクやヘアセットは浴衣を着る前に済ませます。
この時、被るタイプの洋服を着てメイクやヘアセットをしてしまうと、いざ洋服を脱ぐ時にせっかくのメイクやヘアが台無しになってしまう恐れがあるので注意して下さい。
浴衣用のメイクやヘアを行う前に洋服は前開きタイプのものに着替えるようにしましょう。
ブラジャーなどの下着もワイヤータイプのものではなくスポーツタイプのもので被るタイプのものに替える予定がある方は、このタイミングで下着の交換も行うのが良いでしょう。
もう間違えない!右と左どっちが上か
着物を着る際に右が上か左が上か分からなくなってしまうことがあります。
裾の柄行を見て左が上(右が前)だと分かる場合もありますが、浴衣の場合は総柄なので分かりにくいのも事実です。間違って右を上(左前)に着てしまうと死に装束と同じで縁起が悪くなってしまうので、左が上(右前)であることをしっかり頭に入れておきましょう。
ちなみに、浴衣に限らず着物全般必ず左が上になるように装います。
【簡単】一人で浴衣を着る方法とポイントを分かりやすく解説
浴衣を着る際に必要なものの確認ができたら、実際に一人でどのように浴衣を着るのか、着方をみていきましょう。ここでは一人で着られる簡単な方法をご紹介しているので、ぜひトライしてみて下さい。
浴衣を羽織る前に確認すること
①下着は浴衣用のものに替えたか確認しましょう。
通常のものを使っても良いですが、ワイヤーが入ったブラジャー、立体的なブラジャーなどは衿元の着崩れを誘発しやすいです。浴衣を装う際には、できるだけ胸の主張を抑え、衿元が着崩れないようにすると美しいです。
②浴衣を装う際に使うものが全てセットされているか、確認しましょう。
特に腰紐の長さ調整ができているかどうかの確認をして下さい。腰紐は前から当て、後ろで交差させて一締めし、また前に戻ってきたところでフックを掛けて使います。緩すぎてしまうと着物が落ちてくる原因になりますし、きつすぎると気分が悪くなる原因になります。ちょうど良い加減に長さ調整を済ませておきましょう。
簡単!自分で着られる浴衣の着方
①下着の上にばさっと浴衣を羽織ります。
②羽織った浴衣の衿先同士をそろえて軽く持ち、首の真後ろの衿部分を少し浮かせながら首から離し、衿と首の間にげんこつ一つ分ぐらい間が空くように調整します。難しかったら、少し首から着物が離れるぐらいで十分です。
(ポイント 片手で両衿先を持ったまま、もう片方の手で背中から腰にかけての辺りの着物をつまみ、下にぐっと引くと、首と着物の間に空間ができます)
③首と着物の位置を確認したら、両手でそれぞれの衿先を持ち、前に腕を突き出してピンと張ります。この時着物の衿部分がたるんでいないことを確認して下さい。そのまま、着物の裾の位置が足のくるぶしあたりになるよう、着物をピンと張りながらゆっくり上げて下さい。
(ポイント背中部分に沿わせている着物がぴったり身体にくっついていることが大事です。少しでも余裕があると美しく着ることができないので、前にピンと張る力を緩めないようにして下さい。)
④裾の位置が確認できたら、今度は上前の位置確認をします。③のピンと張った状態のまま、左手の力を抜かずに左側の着物(上前)を動かし、右の腰骨のところに浴衣の衿下線がくるように位置調整します。位置確認ができたら一度左手を広げ、右側の下前を先に左に入れ込みます。この時、ちょっと上に引っ張り気味に挿しこむと裾が美しく決まります。
⑤下前を入れたところを左の肘で押さえながら、上前を体にぴったり沿わせて右腰骨に持っていきます。右手で引き気味に上前の衿先を押さえ、左手腰紐の中心をおへその位置に当てながら、右手にも腰紐の紐を持たせます。
⑥紐でしっかり衿先を押さえたことを確認しながら、両手で後ろに紐を持っていき、少し高めの位置で交差させ、一締めします。そのまま力を抜かずに前に持ってきてフックを掛けます。腰紐がしっかり両方の腰骨に乗っていることを確認して下さい。
⑦浴衣の下部分が決まったので、次は上半身部分を整えていきます。身八つ口と呼ばれる脇下の空いた部分からそれぞれ手を入れ、前のお腹部分のしわを取り除きます。お腹部分の真ん中に両手を、指先を立てて入れ、そのままそれぞれ脇に沿わせれば大丈夫です。同様に後ろの部分のしわも取り除きます。
⑧次に衿合わせを行います。右側の衿を体に沿わせ、左側の衿を上に被せ、深く被るように合わせます。衿がバストトップにかかる位置が目安です。位置が決まったら崩さないように押さえ、胸紐の真ん中をアンダーバストの中央に当て、後ろで紐を高めの位置で交差させて締めます。前に戻して結びますが、結び目は中央より左右どちらかに調整すると苦しくありません。
⑨最後に背中のしわを取ります。背中側の着物(後身頃)を両脇から前に引きますが、この時左右同時に引かないと背中の中心線がずれるので注意します。また、脇の下部分(身八つ口)が開いていると地肌が見えるため、後身頃の端に前身頃を軽く重ねます。この時、前身頃を引っ張らないようにして、整えた衿元が崩れないように注意します。
⑩最後に、胸紐の上から伊達締めを、胸紐の要領と同じように結んで完成です。
帯ってどうやって結ぶの?結び方を解説
浴衣の着方について説明してきましたが、「問題は帯」という方も少なくないのではないでしょうか。ここでは簡単に結べる帯結びについてご紹介していきます。
初心者におススメ「文庫結び」
①伊達締めの上にゴム付きの帯板をします。帯板は緩すぎないよう、ゴムの位置調整をして下さい。
②次に帯の長さを測ります。まず、帯の端(どちらでも可)から60cmから70cmほど測って下さい。測った部分を身体の中心に当て、残りの短い帯(60cmから70cm)は右肩に預けておきます。以下、この短い方の帯の先端を「て先」と呼び、逆の帯端を「たれ先」と呼び分けていきます。ちなみに、すでに一度使用したことがある帯を使う場合、帯幅が半分の位置に折線が付いていることがあります。折線が付いている帯端はて先として使用しましょう。
③て先を上にしたまま、たれ部分(て先とは逆の部分)を胴にしっかり巻き付けます。一周できたら、右手でて先を、左手でたれ先を持って、真横に引っ張り、苦しくなり過ぎない程度に締めます。この時、下の伊達締めがしっかり隠れていることを確認し、帯が下にならないようにします。少々高い位置で、アンダーバストに上の帯線が被るぐらいを目指しましょう。
④たれをもう一回巻き、中心でたれとて先を引いてしっかり締めます。
⑤締めたら、て先が上になるように体の中心で一結びします。この時、それぞれの帯幅を半分にしておくと結びやすいです。
⑥て先は右肩に乗せて、たれ先を結び目部分からきれいに広げていきます。たれ先で身幅分+握りこぶし2つ分を測り、それを基準に結び目まで畳んでいきます。
⑦畳んだものが羽になるので、羽の中心で一つ山ひだを作れたら作りますが、無理な場合はギュッとまとめるだけで大丈夫です。その部分にて先を被せ、リボンのようにします。て先が長い場合は2回ぐるぐる巻いて、帯板と帯の間に余りを挿しこみます。て先が長くて帯の下線から出る場合は、出た部分を下から折り上げて帯の中に隠します。
⑧帯の結び部分と帯の下線を持って、ぐるっと背中に帯を回し、位置調整をすれば完成です。
他にもある!人気な帯結びを紹介
浴衣に合わせる帯結びは、文庫結びや一文字結びが最も知られています。最近では既に結びの形になっている作り帯も出てきているので、どうしても帯が結べそうにないという時には作り帯を使うのも手です。
ちなみに、他の帯結びには「貝の口」、「蝶結び」、「片蝶流し」、「角出し」、「のし結び」などもあります。文庫も左右の長さをあえて変えて、アンシンメトリーにしてみるのもお洒落です。帯結びはアレンジがどんどんできるので、文庫結びや一文字結びなどの基本的な型をマスターした方はどんどん違ったアレンジにも挑戦してみて下さいね。
浴衣を着飾ろう!浴衣に合わせたい商品を紹介
ゆれヨーヨーかんざし
浴衣の柄や帯の色味にこだわるのはもちろん、せっかくの浴衣ヘアスタイルにも何か遊び心を加えたいという時にお勧めしたいのが、「ゆれヨーヨーかんざし」です。
夏祭りの定番商品であるヨーヨーをモチーフにしたシンプルなかんざしで、ヨーヨー部分はガラスで作られているため清涼感満点です。
ありそうでない素敵なヨーヨーかんざしは、夏祭りでも人目を引くアイテムになることでしょう。
夏華手持ちBAG
バンブー素材の手持ちが涼しさを演出してくれる、浴衣との相性も抜群なバッグです。「和」を感じさせるがま口はお財布だけではなく、バッグでも人気が高いです。
しかし、がま口バッグは小ぶりなものが多い印象で、容量がないからと避けられてきた方も多いのではないでしょうか。
その点、「倭物やカヤ」の夏華手持ちバッグは長財布もセンスもすっぽり入れられる優れものなのです。縦17cm、横25cmと、小さすぎず大きすぎず、使いやすい大きさというのが本当に嬉しいところですね。
ワンポイントの揺れるタッセルもおしゃれで、おすすめです。
北斎小紋下駄
下駄の鼻緒選びもなかなか難しいものがありますよね。浴衣に合わせたいけれどちょっと個性が欲しいという方におすすめしたいのが、「北斎小紋下駄」です。北斎模様を明るい色で染め上げて作られた鼻緒は、ちょっと見かけない色柄で人目を引くこと間違いありません。
日本の伝統的な技法で染められた一品で、高級感があるのも素敵です。鼻緒の色柄にこだわりたい方はぜひ「倭物やカヤ」をのぞいてみて下さいね。
この夏は自分で浴衣を着て、お祭りに出かけよう!
浴衣について、歴史から着方、浴衣に合わせるおすすめアイテムに至るまで色々と解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
浴衣の着方は難しいと感じる部分もあったかもしれませんが、上前と下前が間違っていないこと(向かって右が上)、裾が開きすぎていないこと、衿が崩れていないこと、帯が結べていることさえきちんとできていれば大丈夫です。本記事を参考に、ぜひ、自分らしい浴衣の装いを楽しんでみて下さいね。