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ハワイの神話に出てくるイノシシの化身「カマプアア」。 ある時はハンサムな人間の酋長の姿、またある時は八つ目の恐ろしいイノシシの姿で登場する半神半人の男性神です。
若い女性を追いかけまわして困らせたり、盗みをはたらいたりと悪行を繰り返し、人々に恐れられる存在。一方、火の女神ペレと恋に落ち、かつては夫婦だったことでも知られています。 今回はちょっと困った荒くれ者の半神、カマプアアについてお届けします。
まずはカマプアアについて…どんな性格でどんな見た目?またその生い立ちや特徴についてご紹介します。
カマプアアはハワイの神話に出てくる半神で、イノシシ(野豚)の化身とされています。神話の中では、女好きで下品な乱暴者として描かれており、女性を執拗に追い回して困らせることもしばしば。
カマプアアはハワイ語で「豚の子」の意味。一説では、オアフ島の東部で生まれ、赤ん坊の頃からイノシシの姿に変化(へんげ)できたため、付いた名前だそうです。
その姿かたちから親や兄弟に疎まれ、コオラウ山脈のカリウヴァア渓谷に暮らす祖母の元で、ひっそりと育てられました。
成長したカマプアアは、近隣の村で略奪行為など悪行を繰り返し、村人たちに恐れられる存在になりました。一方で年老いた祖母を大切にしていて、盗んだタロイモや鶏は祖母に食べさせていたそうです。
※土地を手当たりしだい荒らす乱暴者のイメージは、イノシシの化身としての特徴だといわれています。
カマプアアが変化(へんげ)するのは、イノシシの姿だけではありません。燃える八つ目を持つ恐ろしいイノシシ、背が高くてハンサムな人間の酋長、豚に似た顔を持つ魚フムフムヌクヌクアプアア※の3つの姿に化けることができます。
ハワイの神話の中でも、女性に声をかける時はハンサムな人間に、怒った時は巨大なイノシシに、海や川に逃げ込む時はフムフムヌクヌクアプアアに…何度も姿を変えて登場しています。
またカマプアアは、自らの姿を変えるだけでなく、自在に雨を降らせ、大津波を起こすことができる神通力を持っていました。
※フムフムヌクヌクアプアアは和名タスキモンガラ。モンガラカワハギ科に属し、ハワイ州の州魚として親しまれています。
カマプアアが火の女神ペレと夫婦関係だったことは有名な話。 では、絶世の美女でプライドが高いといわれているペレが、なぜ乱暴者のイノシシの化身と結ばれたのでしょうか?
悪行三昧の末、オアフ島を追われたカマプアアは、フムフムヌクヌクアプアアに変身し、泳いでハワイ島へやってきました。
「ハワイ島の火山地帯に絶世の美女がいる」という噂を聞きつけたカマプアア。早速、噂の美女(ペレ)をゲットしようと、キラウエア火山に探しに出かけました。
ハンサムな人間の酋長の姿で溶岩大地を歩いていたカマプアアを見つけ、ペレの妹たちは「なんて素敵な男性なの!」と大はしゃぎ。しかしペレだけは、それがイノシシの半神であることを見抜いていました。
ペレが「豚の子!」と罵ると、カマプアアは怒り狂い、激しい戦いが勃発します。ペレの兄妹が仲裁に入ったことで、なんとか落ち着きを取り戻した2人。普段は美しい青年の姿をしたカマプアアにペレもいつしか恋に落ち、2人は夫婦となったのです。
キラウエア火山の麓のプナで仲良く暮らしていた2人は、やがて子供をさずかります。しかし赤ん坊は早くに亡くなってしまい、この頃から夫婦げんかが絶えなくなっていきます。
妻の激しい性格に辛抱していた夫のカマプアアでしたが、妻ペレもまた夫のイノシシとしての下品な嗜好にうんざりしていました。
もともと気性が荒い2人が長く続くはずもなく、夫婦げんかはエスカレート。ハワイ島全土を揺るがすほどの死闘へと発展していきました。
怒り狂ったペレが地割れを作り、そこから噴き出した溶岩流でカマプアアを襲うと、カマプアアは大津波を起こし溶岩を鎮火します。
ペレが火口に逃げ込み毒ガスを噴出すると、カマプアアが大雨を降らせ、火口へ大量の水を流し込みペレを徹底的に追い込みます。
カマプアアが優勢だった戦いは、地底の神々がペレに加勢したことで形勢は逆転!今までと比較にならないほどの大量の溶岩がカマプアアに襲いかかると、カマプアアは降参し、フムフムヌクヌクアプアアに姿を変えると、川に飛び込み海へと逃げていきました。
戦いの後、ペレはカマプアアに、よりを戻そうと懇願しますが願いは叶わず。2人はハワイ島を2分し、乾燥した風下をペレが、雨の多い風上をカマプアアが統治し、別々に暮らすことで合意したのだとか。
今でも「ペレ信仰」として、キラウエアの火口に豚の捧げ物をするのは、この伝説によるもの。豚が手に入らない時は代わりにフムフムヌクヌクアプアアを捧げるそうですよ。
カマプアアの伝説はハワイ各地に伝えられていますが、今も残るカマプアアゆかりの名所をご紹介しましょう。
ココ・クレーターとはオアフ島の東海岸、ハワイカイにある標高368mの火砕丘、ワイキキから車で約30分、ハナウマ湾から北東に見える山で、周辺一帯はココ・ヘッド地域公園となっています。
プルメリアやブーゲンビリアで有名な「ココ・クレーター植物園」があり、観光客にも人気の景勝地。実はこの場所にはカマプアアとペレにまつわる伝説が語り継がれています。
ある日ペレが妹のカポと散歩していると、女好きで知られるカマプアアが、美しいペレに目を付け追いかけてきたのです。
カマプアアがペレに襲いかかろうとしたその時、妹のカポが姉を守ろうと、自分の女性器を引きちぎり、はるか遠く、海に向かって放り投げました。
下品で女好きのカマプアアは、案の定カポの投げた物体を追いかけてどこかへ行ってしまいました。その間にペレとカポは無事に逃げきることができたのだとか。
その時カポが投げた物がココ・クレーターになったとされています。ココ・クレーターは、ハワイ語で「コヘレペレペ=飛ぶ女性器」と呼ばれています。
有名な観光スポットではありませんが、カマプアアが祖母と暮らしていたとされるオアフ島のカリウヴァア渓谷周辺にも多くの関連スポットがあります。
この地にはカマプアアの生誕地跡、祖母と暮らした洞窟、水浴びをした泉、祖母が隠れた岩など30カ所以上のカマプアアゆかりのスポットが点在。カマプアアを身近に感じることができる場所と言えるでしょう。
女好きで荒くれ者で知られるイノシシの化身「カマプアア」。 八つ目の恐ろしいイノシシ、ハンサムな人間の酋長、魚のフムフムヌクヌクアプアアと3つの顔を持つ、ハワイ神話に出てくる半神半人です。
かつて火の神ペレと恋に落ち、夫婦関係だったことは有名ですが、気性の激しい2人の夫婦げんかはハワイ島全土を揺るがすほど激しい戦いだったといいます。
カマプアアにまつわる伝説はハワイ各地に伝えられていますが、特にオアフ島東部には、カマプアアゆかりの地が集中しています。
ハワイの神話に出てくるイノシシの化身「カマプアア」。
ある時はハンサムな人間の酋長の姿、またある時は八つ目の恐ろしいイノシシの姿で登場する半神半人の男性神です。
若い女性を追いかけまわして困らせたり、盗みをはたらいたりと悪行を繰り返し、人々に恐れられる存在。一方、火の女神ペレと恋に落ち、かつては夫婦だったことでも知られています。
今回はちょっと困った荒くれ者の半神、カマプアアについてお届けします。
目次
半神カマプアア
まずはカマプアアについて…どんな性格でどんな見た目?またその生い立ちや特徴についてご紹介します。
半神カマプアアとは
カマプアアはハワイの神話に出てくる半神で、イノシシ(野豚)の化身とされています。神話の中では、女好きで下品な乱暴者として描かれており、女性を執拗に追い回して困らせることもしばしば。
カマプアアはハワイ語で「豚の子」の意味。一説では、オアフ島の東部で生まれ、赤ん坊の頃からイノシシの姿に変化(へんげ)できたため、付いた名前だそうです。
その姿かたちから親や兄弟に疎まれ、コオラウ山脈のカリウヴァア渓谷に暮らす祖母の元で、ひっそりと育てられました。
成長したカマプアアは、近隣の村で略奪行為など悪行を繰り返し、村人たちに恐れられる存在になりました。一方で年老いた祖母を大切にしていて、盗んだタロイモや鶏は祖母に食べさせていたそうです。
※土地を手当たりしだい荒らす乱暴者のイメージは、イノシシの化身としての特徴だといわれています。
いろんな姿に化ける?
カマプアアが変化(へんげ)するのは、イノシシの姿だけではありません。燃える八つ目を持つ恐ろしいイノシシ、背が高くてハンサムな人間の酋長、豚に似た顔を持つ魚フムフムヌクヌクアプアア※の3つの姿に化けることができます。
ハワイの神話の中でも、女性に声をかける時はハンサムな人間に、怒った時は巨大なイノシシに、海や川に逃げ込む時はフムフムヌクヌクアプアアに…何度も姿を変えて登場しています。
またカマプアアは、自らの姿を変えるだけでなく、自在に雨を降らせ、大津波を起こすことができる神通力を持っていました。
※フムフムヌクヌクアプアアは和名タスキモンガラ。モンガラカワハギ科に属し、ハワイ州の州魚として親しまれています。
女神ペレとの関係
カマプアアが火の女神ペレと夫婦関係だったことは有名な話。
では、絶世の美女でプライドが高いといわれているペレが、なぜ乱暴者のイノシシの化身と結ばれたのでしょうか?
女神ペレとの出会い
悪行三昧の末、オアフ島を追われたカマプアアは、フムフムヌクヌクアプアアに変身し、泳いでハワイ島へやってきました。
「ハワイ島の火山地帯に絶世の美女がいる」という噂を聞きつけたカマプアア。早速、噂の美女(ペレ)をゲットしようと、キラウエア火山に探しに出かけました。
ハンサムな人間の酋長の姿で溶岩大地を歩いていたカマプアアを見つけ、ペレの妹たちは「なんて素敵な男性なの!」と大はしゃぎ。しかしペレだけは、それがイノシシの半神であることを見抜いていました。
ペレが「豚の子!」と罵ると、カマプアアは怒り狂い、激しい戦いが勃発します。ペレの兄妹が仲裁に入ったことで、なんとか落ち着きを取り戻した2人。普段は美しい青年の姿をしたカマプアアにペレもいつしか恋に落ち、2人は夫婦となったのです。
女神ペレとの夫婦生活
キラウエア火山の麓のプナで仲良く暮らしていた2人は、やがて子供をさずかります。しかし赤ん坊は早くに亡くなってしまい、この頃から夫婦げんかが絶えなくなっていきます。
妻の激しい性格に辛抱していた夫のカマプアアでしたが、妻ペレもまた夫のイノシシとしての下品な嗜好にうんざりしていました。
もともと気性が荒い2人が長く続くはずもなく、夫婦げんかはエスカレート。ハワイ島全土を揺るがすほどの死闘へと発展していきました。
壮絶な夫婦げんかの果てに
怒り狂ったペレが地割れを作り、そこから噴き出した溶岩流でカマプアアを襲うと、カマプアアは大津波を起こし溶岩を鎮火します。
ペレが火口に逃げ込み毒ガスを噴出すると、カマプアアが大雨を降らせ、火口へ大量の水を流し込みペレを徹底的に追い込みます。
カマプアアが優勢だった戦いは、地底の神々がペレに加勢したことで形勢は逆転!今までと比較にならないほどの大量の溶岩がカマプアアに襲いかかると、カマプアアは降参し、フムフムヌクヌクアプアアに姿を変えると、川に飛び込み海へと逃げていきました。
戦いの後、ペレはカマプアアに、よりを戻そうと懇願しますが願いは叶わず。2人はハワイ島を2分し、乾燥した風下をペレが、雨の多い風上をカマプアアが統治し、別々に暮らすことで合意したのだとか。
今でも「ペレ信仰」として、キラウエアの火口に豚の捧げ物をするのは、この伝説によるもの。豚が手に入らない時は代わりにフムフムヌクヌクアプアアを捧げるそうですよ。
カマプアアゆかりの有名スポット
カマプアアの伝説はハワイ各地に伝えられていますが、今も残るカマプアアゆかりの名所をご紹介しましょう。
ココ・クレーター(オアフ島)
ココ・クレーターとはオアフ島の東海岸、ハワイカイにある標高368mの火砕丘、ワイキキから車で約30分、ハナウマ湾から北東に見える山で、周辺一帯はココ・ヘッド地域公園となっています。
プルメリアやブーゲンビリアで有名な「ココ・クレーター植物園」があり、観光客にも人気の景勝地。実はこの場所にはカマプアアとペレにまつわる伝説が語り継がれています。
ある日ペレが妹のカポと散歩していると、女好きで知られるカマプアアが、美しいペレに目を付け追いかけてきたのです。
カマプアアがペレに襲いかかろうとしたその時、妹のカポが姉を守ろうと、自分の女性器を引きちぎり、はるか遠く、海に向かって放り投げました。
下品で女好きのカマプアアは、案の定カポの投げた物体を追いかけてどこかへ行ってしまいました。その間にペレとカポは無事に逃げきることができたのだとか。
その時カポが投げた物がココ・クレーターになったとされています。ココ・クレーターは、ハワイ語で「コヘレペレペ=飛ぶ女性器」と呼ばれています。
カリウヴァア渓谷(オアフ島)
有名な観光スポットではありませんが、カマプアアが祖母と暮らしていたとされるオアフ島のカリウヴァア渓谷周辺にも多くの関連スポットがあります。
この地にはカマプアアの生誕地跡、祖母と暮らした洞窟、水浴びをした泉、祖母が隠れた岩など30カ所以上のカマプアアゆかりのスポットが点在。カマプアアを身近に感じることができる場所と言えるでしょう。
まとめ
女好きで荒くれ者で知られるイノシシの化身「カマプアア」。
八つ目の恐ろしいイノシシ、ハンサムな人間の酋長、魚のフムフムヌクヌクアプアアと3つの顔を持つ、ハワイ神話に出てくる半神半人です。
かつて火の神ペレと恋に落ち、夫婦関係だったことは有名ですが、気性の激しい2人の夫婦げんかはハワイ島全土を揺るがすほど激しい戦いだったといいます。
カマプアアにまつわる伝説はハワイ各地に伝えられていますが、特にオアフ島東部には、カマプアアゆかりの地が集中しています。