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春の行事であるイースターをご存知ですか? 日本ではテーマパークなどでイベントが開催されたことがきっかけとなり、徐々に広まりを見せているので、耳にすることが増えたのではないでしょうか。
この記事ではイースターとはどんなイベントなのか、またその楽しみ方などについてご紹介します。
イースターは「復活祭」という別名があるキリスト教の行事です。 イエス・キリストが十字架に磔にされ「3日後に復活する」と予言を残して命を落とし、そしてその3日後の日曜日に予言通り復活するお話をご存知でしょうか。
イースターは、そのキリストの復活を記念し、その奇跡を祝うお祭りであるためのものであり、キリスト教徒にとってはとても大切な行事の日となっています。 当日は教会で特別な礼拝が行われたり、前日の夕方から特別なミサが開かれ、イースターエッグをいただいたりします。
イースターを知る人の中には、テーマパークなどで春先にイベントが行われることから、春の行事かなと感じている人もいるかも知れません。 イースターは基本的に、春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日に祝うものなので、毎年日付は変わりますが基本的に日曜日にお祝いします。
元々太陰暦に従って決められたものであることや、西方教会と東方教会でも日付が変わるなど、少しややこしくはあるのですが、2024年のイースターはプロテスタントなどが属する西方教会では3月31日、ギリシャ正教などが属する東方教会は5月5日となっています。
イースターは、キリスト教が広まる前から春分の頃に行われていたお祭りなどが吸収され、今の形となったといわれています。 そのためイースターの由来となっているお祭りにはいくつか説があります。
有名なのはユダヤ教の過ぎ越しの祭である「Pessah(ペサハ)」が起源という説です。 ペサハはエジプトで奴隷になっていたユダヤの民を、モーゼが導きパレスチナに逃れる故事を祝うもので、フランスのイースター「Pâques (パック)」の語源にもなっているといわれています。
もう一つの有力な説は、ゲルマン文化で信仰を集めていた春の女神「エオストレ」にまつわるものです。
春は暖かくなって草木が芽吹いて花を咲かせ、動物たちが冬眠から目覚め繁殖の時期を迎える季節でもあります。 新たな生命を生む季節でもあることから、復活を遂げたイエス・キリストのイメージが近いため、いつしか両者が統合されてイースターとなったといわれています。
クリスマスにツリーを飾ることに由来があるように、イースターの飾り付けなどで見られる「カラフルなたまご」や「うさぎ」などにもきちんとその由来があります。ここではそのシンボルについて由来をご紹介します。
イースターの日に教会で行われる礼拝で配られるのがイースターエッグです。 たまごは新たな命を生み出すものでもあることから、キリスト教では「復活」や「生命」のシンボルとして扱われています。
カラフルに装飾されたイースターエッグは、中身を抜いた本物のたまごやゆでたまごを使う場合もありますが、近年ではチョコレートで作られたものやプラスチック製のたまごの中にお菓子が詰められたものなどが使われることが多いです。
うさぎは多産で知られる動物であるため、子孫繁栄の象徴とされています。それに加え、春の女神エオストレの使いであるとされているため、イースターのシンボルとなっています。
欧米ではイースターになるとうさぎがやってきて、良い子にだけプレゼントをくれるという言い伝えもあります。 クリスマスのサンタクロースと同様に、イースターは子どもたちがイースターバニーを心待ちにする日でもあるのです。
イースターで教会に飾られたり、花壇に植えられたりするのが「イースターリリー」です。 イースターリリーは「テッポウユリ」と呼ばれる日本原産の花ですが、今ではイースターのシンボルとして親しまれています。
元々白いユリの花は、キリスト教では純潔や復活を象徴するものとされていました。テッポウユリが伝わるまでは、ヨーロッパ原産のマドンナリリーがその役割を果たしていましたが、テッポウユリの球根が19世紀にイギリスに持ち込まれるとみるみるうちに世界中へと広まって、アメリカで盛んに生産されるようになりました。
そこからマドンナリリーと区別して、イースターリリーと呼ばれるようになりました。イースターの季節になったらぜひ飾ってみたいですね。
ではイースターの日は何をして過ごし、どんなものを食べたりするのでしょうか。ここではイースターの過ごし方や食べ物、遊びについてご紹介します。
イースターはキリスト教の特別なお祝いの日です。欧米などのキリスト教徒が多い国では、もちろん教会に行って礼拝に参列したり、前日の夜から始まるミサに参加して祈りを捧げて過ごします。
キリスト教を特に信仰していなくても、お祭りの日でもあるので家族みんなでそろって家で過ごしたりします。 そのため、イースターの時期にはクリスマスと同様に休暇が取れる国も多く、イースターの前後何日間かをお休みにして旅行に行ったりもします。
イースターの日はクリスマスと同様にごちそうを食べますが、やはりシンボルであるたまごやうさぎをモチーフにした料理を食べることもあります。 たまご料理はイースターの定番でもあり、中でもゆでたまごの黄身を取り出してマヨネーズなどと混ぜて白身のくぼみに絞り出した「デビルドエッグ」がよく食べられます。 また、聖書によく出てくる仔羊も、キリスト教では純潔や平和を意味することから、イースターの日にローストして振る舞われます。
イースターの日には、イースターエッグを使ったゲームをして遊ぶ習慣もあります。 伝統的なものでいうと、「エッグハント」や「エッグロール」、「エッグレース」が挙げられます。
エッグハントはイースターエッグを室内や庭などに隠し、それを見つけるゲームです。見つけた数に応じてプレゼントが用意されていたり、隠しているプラスチック製のイースターエッグにお菓子などが詰められている場合もあります。
エッグロールはたまごを柄の長い木のスプーンで転がして、ゴールまでの速さを競うゲームです。また、イースターエッグをスプーンに乗せ、落とさないようにゴールまで運ぶ「エッグレース」もポピュラーなゲームのひとつです。
クリスマスと同様に、イースターもイースターエッグやイースターバニーなどのシンボルを家に飾り付けます。ここではそうしたオーソドックスな楽しみ方についてご紹介します。
イースターの前にはイースターエッグを作ります。白い殻のたまごを用意してゆでたまごを作り、食紅を使って作った色水に10分ほどつけてたまごを色づけします。
白いクレヨンを使って文字や絵を書いたり、細く切ったマスキングテープを貼って模様を作ってから色水につけると、そこだけ色がつかずに模様のあるイースターエッグを作ることができます。 水分をきれいに拭き取ったら出来上がりです。
クリスマスにツリーやオーナメントを飾り付けるのと同様に、欧米ではイースターも家の中や庭に飾り付けをします。 手作りのイースターエッグ以外にも、市販のイースターエッグやうさぎをかたどったオーナメントが売られているので、購入して飾り付けを楽しみます。
イースターリリーに加えて春の花を生けてオーナメントを周りに飾ったり、春らしい装飾を楽しむ人が多いようです。
キリスト教圏の国では、イエス・キリストが生まれたクリスマスよりも、復活をしたイースターのほうが重要だと考えられています。
キリスト教には、イエスがアダムとイヴから受け継がれた原罪を背負い、その罪を自身が身代わりとなって死ぬことで贖ったという考え方があります。 罪をもって生まれる人間を救済するために、神の子が自ら生贄となるべく生誕し、十字架にかけられることで罪を贖い、神の許しを得るというものです。すべての人の罪を清めるという意味でイエスの復活は重要なのです。
イギリスでのイースターは、表面に白い十字を描いて焼く「ホットクロスバンズ」というスパイスやドライフルーツ入りの甘いパンを食べる習慣があります。親子で一緒に作り、イースター当日教会に行く前の朝食に食べるのだそう。
また、イギリスではこの時期「パンケーキデー」があります。パンケーキデーは、キリスト教の復活祭の期間の前日にあたる日で、伝統的に「Shrove Tuesday(懺悔の火曜日)」と呼ばれます。 復活の日まで肉や乳製品、卵を食さない簡素な食事で過ごすため、家庭で使い切りたい材料やお菓子を作る日として知られています。 パンケーキを焼く風習があるため「パンケーキデー」と呼ばれ、「パンケーキレース」というイベントまで行われています。
フランスのイースターは「Pâques (パック)」といいます。 パックは3月末から4月初旬に始まり7日間続きますが、1年の農作業の始まりを示すものでもあります。
また、南仏ではこの時期「巨大オムレツ作り」が行われます。おおよそ4,500個以上の卵を使って作られるのだとか。
フィンランドでは、イースターに魔女がやってくるという言い伝えがあります。 そのためイースター前日から、子どもたちは魔女の仮装して、路上でチョコレートエッグをおねだりするんだとか。 また、地域によっては魔女除けのために焚火をする地域も!
キリスト教を信仰しない人にはまだまだ馴染みのないイースターですが、キリスト教圏ではとても重要なキリスト教のお祭りです。 新たに来た春を祝い、イエス・キリストの復活を祝うことで罪を清める宗教行事ではありますが、春らしい色合いのイースターエッグやうさぎに加えて、イースターリリーや春の花を飾って、命が始まる春を祝いたいですね。
春の行事であるイースターをご存知ですか?
日本ではテーマパークなどでイベントが開催されたことがきっかけとなり、徐々に広まりを見せているので、耳にすることが増えたのではないでしょうか。
この記事ではイースターとはどんなイベントなのか、またその楽しみ方などについてご紹介します。
目次
イースターとは?
イースターは「復活祭」という別名があるキリスト教の行事です。
イエス・キリストが十字架に磔にされ「3日後に復活する」と予言を残して命を落とし、そしてその3日後の日曜日に予言通り復活するお話をご存知でしょうか。
イースターは、そのキリストの復活を記念し、その奇跡を祝うお祭りであるためのものであり、キリスト教徒にとってはとても大切な行事の日となっています。
当日は教会で特別な礼拝が行われたり、前日の夕方から特別なミサが開かれ、イースターエッグをいただいたりします。
イースターはいつ?
イースターを知る人の中には、テーマパークなどで春先にイベントが行われることから、春の行事かなと感じている人もいるかも知れません。
イースターは基本的に、春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日に祝うものなので、毎年日付は変わりますが基本的に日曜日にお祝いします。
元々太陰暦に従って決められたものであることや、西方教会と東方教会でも日付が変わるなど、少しややこしくはあるのですが、2024年のイースターはプロテスタントなどが属する西方教会では3月31日、ギリシャ正教などが属する東方教会は5月5日となっています。
イースターの起源・由来
イースターは、キリスト教が広まる前から春分の頃に行われていたお祭りなどが吸収され、今の形となったといわれています。
そのためイースターの由来となっているお祭りにはいくつか説があります。
ユダヤ教の祭日「ペサハ」を起源とする説
有名なのはユダヤ教の過ぎ越しの祭である「Pessah(ペサハ)」が起源という説です。
ペサハはエジプトで奴隷になっていたユダヤの民を、モーゼが導きパレスチナに逃れる故事を祝うもので、フランスのイースター「Pâques (パック)」の語源にもなっているといわれています。
春の女神から「イースター」と呼ばれるようになった説
もう一つの有力な説は、ゲルマン文化で信仰を集めていた春の女神「エオストレ」にまつわるものです。
春は暖かくなって草木が芽吹いて花を咲かせ、動物たちが冬眠から目覚め繁殖の時期を迎える季節でもあります。
新たな生命を生む季節でもあることから、復活を遂げたイエス・キリストのイメージが近いため、いつしか両者が統合されてイースターとなったといわれています。
イースターのシンボル
クリスマスにツリーを飾ることに由来があるように、イースターの飾り付けなどで見られる「カラフルなたまご」や「うさぎ」などにもきちんとその由来があります。ここではそのシンボルについて由来をご紹介します。
イースターエッグ
イースターの日に教会で行われる礼拝で配られるのがイースターエッグです。
たまごは新たな命を生み出すものでもあることから、キリスト教では「復活」や「生命」のシンボルとして扱われています。
カラフルに装飾されたイースターエッグは、中身を抜いた本物のたまごやゆでたまごを使う場合もありますが、近年ではチョコレートで作られたものやプラスチック製のたまごの中にお菓子が詰められたものなどが使われることが多いです。
イースターバニー
うさぎは多産で知られる動物であるため、子孫繁栄の象徴とされています。それに加え、春の女神エオストレの使いであるとされているため、イースターのシンボルとなっています。
欧米ではイースターになるとうさぎがやってきて、良い子にだけプレゼントをくれるという言い伝えもあります。
クリスマスのサンタクロースと同様に、イースターは子どもたちがイースターバニーを心待ちにする日でもあるのです。
イースターリリー
イースターで教会に飾られたり、花壇に植えられたりするのが「イースターリリー」です。
イースターリリーは「テッポウユリ」と呼ばれる日本原産の花ですが、今ではイースターのシンボルとして親しまれています。
元々白いユリの花は、キリスト教では純潔や復活を象徴するものとされていました。テッポウユリが伝わるまでは、ヨーロッパ原産のマドンナリリーがその役割を果たしていましたが、テッポウユリの球根が19世紀にイギリスに持ち込まれるとみるみるうちに世界中へと広まって、アメリカで盛んに生産されるようになりました。
そこからマドンナリリーと区別して、イースターリリーと呼ばれるようになりました。イースターの季節になったらぜひ飾ってみたいですね。
イースターではなにをするの?
ではイースターの日は何をして過ごし、どんなものを食べたりするのでしょうか。ここではイースターの過ごし方や食べ物、遊びについてご紹介します。
過ごし方
イースターはキリスト教の特別なお祝いの日です。欧米などのキリスト教徒が多い国では、もちろん教会に行って礼拝に参列したり、前日の夜から始まるミサに参加して祈りを捧げて過ごします。
キリスト教を特に信仰していなくても、お祭りの日でもあるので家族みんなでそろって家で過ごしたりします。
そのため、イースターの時期にはクリスマスと同様に休暇が取れる国も多く、イースターの前後何日間かをお休みにして旅行に行ったりもします。
食べ物・食事
イースターの日はクリスマスと同様にごちそうを食べますが、やはりシンボルであるたまごやうさぎをモチーフにした料理を食べることもあります。
たまご料理はイースターの定番でもあり、中でもゆでたまごの黄身を取り出してマヨネーズなどと混ぜて白身のくぼみに絞り出した「デビルドエッグ」がよく食べられます。
また、聖書によく出てくる仔羊も、キリスト教では純潔や平和を意味することから、イースターの日にローストして振る舞われます。
ゲーム
イースターの日には、イースターエッグを使ったゲームをして遊ぶ習慣もあります。
伝統的なものでいうと、「エッグハント」や「エッグロール」、「エッグレース」が挙げられます。
エッグハントはイースターエッグを室内や庭などに隠し、それを見つけるゲームです。見つけた数に応じてプレゼントが用意されていたり、隠しているプラスチック製のイースターエッグにお菓子などが詰められている場合もあります。
エッグロールはたまごを柄の長い木のスプーンで転がして、ゴールまでの速さを競うゲームです。また、イースターエッグをスプーンに乗せ、落とさないようにゴールまで運ぶ「エッグレース」もポピュラーなゲームのひとつです。
イースターの楽しみ方
クリスマスと同様に、イースターもイースターエッグやイースターバニーなどのシンボルを家に飾り付けます。ここではそうしたオーソドックスな楽しみ方についてご紹介します。
イースターエッグを作る
イースターの前にはイースターエッグを作ります。白い殻のたまごを用意してゆでたまごを作り、食紅を使って作った色水に10分ほどつけてたまごを色づけします。
白いクレヨンを使って文字や絵を書いたり、細く切ったマスキングテープを貼って模様を作ってから色水につけると、そこだけ色がつかずに模様のあるイースターエッグを作ることができます。
水分をきれいに拭き取ったら出来上がりです。
オーナメントを飾る
クリスマスにツリーやオーナメントを飾り付けるのと同様に、欧米ではイースターも家の中や庭に飾り付けをします。
手作りのイースターエッグ以外にも、市販のイースターエッグやうさぎをかたどったオーナメントが売られているので、購入して飾り付けを楽しみます。
イースターリリーに加えて春の花を生けてオーナメントを周りに飾ったり、春らしい装飾を楽しむ人が多いようです。
クリスマスより大事?その違いとは
キリスト教圏の国では、イエス・キリストが生まれたクリスマスよりも、復活をしたイースターのほうが重要だと考えられています。
キリスト教には、イエスがアダムとイヴから受け継がれた原罪を背負い、その罪を自身が身代わりとなって死ぬことで贖ったという考え方があります。
罪をもって生まれる人間を救済するために、神の子が自ら生贄となるべく生誕し、十字架にかけられることで罪を贖い、神の許しを得るというものです。すべての人の罪を清めるという意味でイエスの復活は重要なのです。
こんなに違う!世界各国でのイースター(復活祭)
イギリスのイースター
イギリスでのイースターは、表面に白い十字を描いて焼く「ホットクロスバンズ」というスパイスやドライフルーツ入りの甘いパンを食べる習慣があります。親子で一緒に作り、イースター当日教会に行く前の朝食に食べるのだそう。
また、イギリスではこの時期「パンケーキデー」があります。パンケーキデーは、キリスト教の復活祭の期間の前日にあたる日で、伝統的に「Shrove Tuesday(懺悔の火曜日)」と呼ばれます。
復活の日まで肉や乳製品、卵を食さない簡素な食事で過ごすため、家庭で使い切りたい材料やお菓子を作る日として知られています。
パンケーキを焼く風習があるため「パンケーキデー」と呼ばれ、「パンケーキレース」というイベントまで行われています。
フランスのイースター
フランスのイースターは「Pâques (パック)」といいます。
パックは3月末から4月初旬に始まり7日間続きますが、1年の農作業の始まりを示すものでもあります。
また、南仏ではこの時期「巨大オムレツ作り」が行われます。おおよそ4,500個以上の卵を使って作られるのだとか。
フィンランドのイースター
フィンランドでは、イースターに魔女がやってくるという言い伝えがあります。
そのためイースター前日から、子どもたちは魔女の仮装して、路上でチョコレートエッグをおねだりするんだとか。
また、地域によっては魔女除けのために焚火をする地域も!
まとめ
キリスト教を信仰しない人にはまだまだ馴染みのないイースターですが、キリスト教圏ではとても重要なキリスト教のお祭りです。
新たに来た春を祝い、イエス・キリストの復活を祝うことで罪を清める宗教行事ではありますが、春らしい色合いのイースターエッグやうさぎに加えて、イースターリリーや春の花を飾って、命が始まる春を祝いたいですね。