2023.04.10

卯月とは?なぜ草花が芽吹く4月を日本では卯月と呼ぶのか

寒さ厳しい冬が過ぎて、窓から降り注ぐ柔らかい日差しがポカポカしてくると、それだけで気持ちがほっとしませんか? 4月はどことなく心もワクワクしてきます。新しい何かが始まることへの期待感などもあり、足取りも軽くなる方も多いことでしょう。

こちらでは、旧暦でなぜ4月を卯月と呼ぶようになったのか、その謎に迫ります。ほっと一息つきながら、日本の暦の歴史に触れてみませんか?

日本独特の暦について

日本には旧暦と呼ばれる暦があります。旧暦では、月を和風の名で呼ぶことを意味する和風月名を使用していました。
どことなく雅なイメージのある四文字熟語に見えますね。和風月名が誕生したのは、旧暦にある季節に合わせたことがきっかけとなりました。

  • 1月:睦月(むつき)
  • 2月:如月(きさらぎ)
  • 3月:弥生(やよい)
  • 4月:卯月(うづき)
  • 5月:皐月(さつき)
  • 6月:水無月(みなづき、みなつき)
  • 7月:文月(ふみづき、ふづき)
  • 8月:葉月(はづき、はつき)
  • 9月:長月(ながつき、ながづき)
  • 10月:神無月(かんなづき)
  • 11月:霜月(しもつき)
  • 12月:師走(しわす)
卯月01

現在も和風月名が印字されているカレンダーなどが和風月名使われる場面が多くありますが、今の暦と旧暦では季節感にズレがあります。例えば、旧暦で4月は今の暦で言うところの4月下旬から6月上旬ごろになります。

旧暦は、かつて明治初期まで使われていた太陰太陽暦を意味するもので、太陰暦は月を、太陽暦は太陽を用いて暦を読むものです。

ちなみに、この和風月名は日本書紀の中で訓読み明記されていることから、かなり古い時代から使われていることは分かっていますが、なぜ和風月名を使うようになったのかその理由は未だ解明されていません。

なぜ4月は卯月と呼ばれるようになったのか

日本の暦で4月が卯月と呼ばれるようになった由来はいくつもあります。

■卯の花が咲く季節

4月は卯の花が咲く季節であるため、卯月と呼ばれるようになったという説もあります。さまざまな由来が伝わる中でもっとも有力とされている説のひとつです。

卯月02

昔のライフスタイルは現代に比べると、より自然と密接に暮らしていた時代です。そのため、卯の花が咲き誇る4月を卯月と呼びたくなったのでしょう。

少し話は脱線しますが、卯の花と聞いて豆腐を作るときにでてくる「おから」を想像する方も多いかもしれませんね。豆腐を作るときにでてくる「おから」は、卯の花に見た目が似ています。そのため、おからを「卯の花」と呼ぶようになりました。

■日本の十二支

日本には十二支があり、その中で卯月に使われている卯(う)が4番目の干支であるため、4月を卯月と呼ぶようになったという説があります。しかし、他の十二支が和風月名に登場していないところを見ると、この十二支から来ている説は間違いであると唱える声も少なくないようです。

■田植えの季節も関係あり

4月になると稲を植える地域が多くなります。春の風物詩のひとつですね。この田植えの時期から転じて、4月を種月(うづき)、植月(うえつき)とも呼んでいます。和風月名のひとつで、種月や植月が転じて卯月になったという説もあります。

卯月03

■最初を意味する「う」

日本では4月というと新学期や新生活など、新しい何かがスタートする季節でもあります。そのため、「初産(ういざん)」や「産(う)まれる」「生(う)まれる」などから卯月と呼ばれるようになったという説も残っています。

他にも雅な呼び方がある4月

4月と言えば卯月が代表的ではありますが、実は他にも別の呼び方があります。

  • 木葉採月(このはとりつき):蚕のえさとなる桑の葉が採れる時期のため。
  • 花残月(はなのこりづき):北日本地域ではまだ桜が見ごろの時期であるため。

また、春という漢字とは縁遠い、一風変わった呼び名も存在します。

  • 初夏月(なつはづき):12ヵ月を春夏秋冬で分けたとき、春は1~3月、夏は4~6月、秋は7~9月、冬は10~12月となり、4月は夏の始まりの月になることから。
  • 首夏(しゅか):夏の始まりだから。
  • 孟夏:孟という字は「はじめ」という意味を持っており、4月は夏の始まりであるため。
  • 乏月(ぼうげつ):前年度の米が底をつきそうになる時期なため。
  • 鳥待月(とりまちづき):寒い冬を超えて春になったら飛来してくる鳥を待つ時期なため。

どの呼び名もその風景がふわっと頭を過るような気がしてきますね。自分だったら4月にどんな和風月名をつけるだろうか、などと考える時間も楽しくなりそうです。

日本に伝わる花歴

  • 1月:松(まつ)
  • 2月:梅(うめ)
  • 3月:桜(さくら)
  • 4月:藤(ふじ)
  • 5月:菖蒲(しょうぶ)
  • 6月:牡丹(ぼたん)
  • 7月:萩(はぎ)
  • 8月:薄(すすき)
  • 9月:菊(きく)
  • 10月:紅葉(もみじ)
  • 11月:柳(やなぎ)
  • 12月:桐(きり)
卯月04
4月/藤(ふじ)

これらの花がそれぞれの月に使われるようになったきっかけは、かつて農作業をする際に目安のひとつにしたことです。花が咲く時期を用いて花暦を誕生させたのは、漢字の国ならではの風情を感じられますね。

4月と言えば思い浮かべるもの

4月と聞いて何を思い浮かべますか? 子供のころの想い出や、大人になってからの楽しい時間も蘇ってくるのではないでしょうか。

■新年度がスタートする子供時代

4月と言えば、子供のころは運動会や遠足などのイベントが行われる季節ですね。子供にとってクラス替えや新学期は緊張感もありますが、胸が躍る季節がやってくるという期待感にワクワクするものです。

卯月05

■日本人ならやっぱり花見

桜の木の下でお花見をするのは日本ならではの風習のようですね。4月は花見の季節として親しまれるようになります。満開の桜の木の下で、花より団子状態で気の合う仲間たちと心行くまで春を満喫できるのも4月ならではでしょう。

卯月06

■自然の恵みを堪能できる時期

春になれば山々には山菜が芽吹きます。山菜は天ぷらや、きんぴらなどで日本の食卓を彩るのも日本の春ですね。4月はスーパーにたくさんの野菜が並ぶようになる、嬉しい季節でもあります。

気になる4月の誕生石は?

4月の誕生石も人々の心をワクワクと踊らせてくれるアイテムとして愛されています。4月の誕生石と言えばダイヤモンドやクォーツ(水晶)などが有名です。

ダイヤモンドは屈折率が高く、とても希少価値の高い宝石のひとつです。宝石と言えばカラットやカラー、クラリティ、カットなどの4Cが有名ですが、これらはダイヤモンドの価値を定めるための数値を表すものであり、数値の高さに比例してダイヤモンドの価値も高くなります。
ダイヤモンドと言えば透明なタイプをイメージしますが、ピンクやイエローなど、カラーのあるダイヤモンドもあり、透明のダイヤモンド同様とても人気を呼んでいます。

卯月07

クォーツ(水晶)は、多くの人から愛されており、他の石との相性も良く、浄化や調和をもたらす石として身に着ける人も増えてきました。ブレスレットとして身に着けるだけでなく、アクセサリーとしてオシャレを楽しむこともできますし、クォーツ(水晶)そのものを部屋に飾ってインテリアとして楽しむこともできます。

  • 卯月08
  • 卯月09

その他、クォーツアイテムはこちら

卯月10

まとめ

4月が卯月と呼ばれるようになった意味を知り、日本の暦に改めて魅力を覚えることで、ほかの月の和風月名にも関心を持ったのではないでしょうか。
4月には4月ならではの魅力が満載です。一年に一度訪れる卯月になったら、春をめいっぱい感じるよう意識して過ごしてみませんか?

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