掲載日:2023.01.10

うさぎ肉ってどんな味?世界のうさぎ料理をご紹介!

みなさんこんにちは!
今日は今年の干支としておなじみの、うさぎを使った料理についてお話します。
うさぎを食べる?と思われる方もいるかもしれません。でも実は、うさぎ肉は世界的には結構ポピュラーで色々な料理にされているんですよ。

うさぎ肉の特徴

うさぎ肉の特徴

うさぎ肉には種類があり、人間が飼育した家うさぎのことを『ラパン』、野生のうさぎのことを『リエーブル』と呼びます。ジビエとしてはリエーブルの方がレベルが高いと言われています。
ラパンは脂肪分が少なめで淡泊、鶏肉のささみに近い味をしています。一方リエーブルは全体的に癖が強めで、ジビエ肉らしさが強いものになっています。

うさぎ肉は高タンパク質低カロリー。ビタミンB12、ビタミンB6などが多く含まれ、疲労回復や貧血改善に効果的だと言われているんですよ。

うさぎ料理はどこの国で食べられているの?

うさぎ肉は世界的に見てもかなり多くの地域で食べられています。
アジア地域では中国はもちろんタイやマレーシア、ヨーロッパ地域ではスペインやフランス、北米諸国やアフリカ諸国など多岐に渡っています。

むしろ、うさぎ肉をあまり食べない日本のような国が珍しいと言えるでしょう。
日本でも昔はうさぎ肉を食す文化は全国的にあったのですが、この話は後にするとして。ここからは世界のうさぎ料理を紹介していこうと思います。

フランス『リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル』

この料理を日本語訳するのならば、『王家の野うさぎ』。ジビエ料理の最高峰であり、フランス料理の特徴がぎゅっとつまった一皿と言われています。
18世紀に考案されたとされ、丸のままのハーブに漬け込んだ野うさぎの中に野うさぎの内臓やフォアグラのペーストを詰めて焼いた料理です。

非常に手間がかかることから近年レシピの喪失が危ぶまれていましたが、近年の伝統料理の見直しにより復活を遂げました。
この料理に近いものはローマ帝国時代のレシピ本『アピシウス』に記載のファルシがあり、肉に内蔵を詰めるという食文化は昔から脈々とつながるものなのかもしれません。

スペイン『パエリア』

スペイン『パエリア』

パエリアと言えば皆さんは恐らく魚介で作られたものが一般的ですよね。
ですが、パエリア発祥の地であるスペインバレンシアでは、元々は山の恵みであるうさぎ肉を用いた男の料理として知られています。

肉全てに骨まで出汁をとる為に使うため、うさぎのパエリアの上にはうさぎの頭蓋骨が鎮座している!なんてことも……。味は淡泊ながら肉々しさを感じられるもので非常においしいとされています。

フェニキア語でうさぎを意味する『Span』に接頭辞『in』をつけたものが国名となった、という説があるくらいスペインはうさぎと関係が深い国。
他にも様々な形でうさぎ肉は食されています。

イタリア『カチャトーラ』

イタリア『カチャトーラ』

カチャトーラは南イタリアでよく食べられている肉料理です。
イタリア語で狩人を意味し、元々は狩りの後に食べる料理でしたが、現在では鶏肉やうさぎ肉を使って作られることがポピュラー。

うさぎ肉をイタリアンの定番であるトマトソースや香味野菜と共に煮込むだけのこの料理は、しっかりと味がしみ込んで非常においしい。骨の部分からも出汁が出るため、骨付きの半身肉を入れて作る場合が多いようです。

元々南ヨーロッパを中心に、狩猟した肉を食す他に、皮を剥いで服飾品として使用する文化があります。うさぎの毛皮は『ラビットファー』と呼ばれ、保温性に優れ防寒具として現在でも多く使用されています。

近年うさぎの毛皮を取る為だけにうさぎを殺していると問題視され、ラビットファーに波紋が広がるなどしています。
ですが、こういった昔から伝わる狩猟においては、肉だけでなく毛皮や内臓、骨までも無駄にせず生活の一部として利用されており、一つの生活様式として確立されていると言えるでしょう。だからこそ、一点だけ見るのではなく、うさぎ肉の食肉を伝統的な文化として残していきたいですね。

マレーシア『サテ』

マレーシア『サテ』

お次はアジアから。マレーシアで食べられているサテです。

これは、マレーシア風の串焼きのようなもので、うさぎ肉の他に山羊や牛、鶏など様々な肉をスパイスでマリネし、火であぶります。
ここにたっぷりのピーナッツソースをつけて食べるのですが、つけすぎると肉の味やスパイスの風味がなんだか全く分からなくなるようなので、注意が必要かもしれません。

サテ自体は伝統的に食べられている料理なのですが、ここにうさぎ肉が参入してきたのは最近のこと。
うさぎは繁殖がしやすく、マレーシア政府は鶏肉消費を約20%うさぎ肉に置き換える方針でうさぎの養殖を推進しています。うさぎを使った料理がさらに増えるのは、時間の問題かもしれません。

中国『兔子头(トゥーヅゥトウ)』

えっ。と思われた方もいるかもしれませんが、文字通り、うさぎの頭が中国では好んで食されています。

中国四川省では、山がちな地形からか昔からうさぎを多く食べていました。特にうさぎの頭は珍味とされ、夜市で大量に売られているそう。うさぎを捌いた後に血抜きし、辛味の利いたスープに数時間漬け込み煮込んだもので、あひるの頭などに味が似ているそうです。

現在では中国国内でうさぎを賄うことが難しくなり、海外から輸入することも増えているそう。
さすが、美食大国中国、といったところでしょうか。

日本とうさぎ食

世界各国で食べられているうさぎ肉ですが、日本ではスーパーで見かけることは殆どありません。
しかしながら、日本でうさぎ肉を食べなくなったのは最近のこと。何故食べなくなったのか、昔はどう食べていたのか?
まずは日本でのうさぎ肉の歴史を紹介していきます。

伝統的に日本でもうさぎ料理は食べられていた

日本とうさぎの関係性は非常に深いと言えます。歴史は長く、狩猟や採集を行っていた縄文時代の貝塚からもうさぎの骨が出土し、実際に食べられていたことが分かっています。

この時代は料理方法が確立されていたわけではありませんから、鍋で煮たり火であぶったりして食べる、貴重なたんぱく源だったと想像できます。
今昔物語集(平安時代末期成立)の中にもうさぎの肉を食すような場面が記され、狩猟によって取られたうさぎ肉が食事に供されていたことが分かりますね。

また、昔からお寺でもうさぎ肉は食されていたようです。
仏教の食事は鎌倉時代前後から精進料理に変化し、この中では肉食が原則的に禁じられていました。

しかし、鳥の肉は食してもいいとされていることから、うさぎの耳を羽に見立ててうさぎ肉を食べていたと言われています。所説ありますが、うさぎを1羽、2羽……と数えるのはここに由来するそうです。
さらに、江戸時代にはうさぎが縁起の良い食べ物とされ、徳川家では正月にうさぎ肉の入ったお雑煮を食べる文化もあったそう。

そんなこんなで多く食べられていたうさぎ肉ですが、戦前戦後から徐々に様相が変わっていきます。
戦時中、日本陸軍向けにうさぎの毛皮を調達する目的でうさぎが大量に飼育されました。その結果うさぎ肉は毛皮の副産物となったのですが、戦争が終わり毛皮の需要がなくなっていくと、うさぎの生産農家が大きく減少してしまいます。

結果、狩猟文化の衰退なども相まって現在のようにうさぎの肉を見かけることは殆どなくなったのではないかと考えられています。

今でもうさぎ肉を食べている地域はあるの?

現在でも、秋田県の一部地域ではマタギによるうさぎの狩猟が行われ、うさぎ汁が食べられています。
うさぎ汁はうさぎの肉や骨を細かくすりつぶし、つみれ状にしたものを汁に落としたもので熊肉などと比べると非常に癖がなく食べやすいです。

ですが、マタギの人口も現在では大きく減少傾向にあり、この先うさぎ汁の文化も衰退していくかもしれません。

うさぎ肉が今後広がる可能性は?

うさぎ肉については、近年食肉用うさぎを飼育する取り組みなどが推進され徐々に食材として出てくるようになってきています。

しかしながら、うさぎがいわゆる『ペット』として多く飼われるようになった結果、『可愛い動物を食べるなんて可哀想!』という抵抗が現代日本には根強くあり、中々うさぎ食が広がるのは難しいかもしれません。事実、海外においてはうさぎに関するデモが起きたという事例も報告されています。

まとめ

いかがでしたか?
うさぎは日本ではペットとしてのイメージが強いですが、食用としての側面も世界に目を向けると多くあるようです。
2023年は卯年。いつもと違う視点で楽しんで、飛躍の年にしていきたいですね!

飛躍の年

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