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身近な暮らしの道具にまつわる文化を紹介する、「暮らしの工芸そぞろ話」第一回目は「お箸の文化」です。
日本人の生活に溶け込んだお箸にはさまざまな意味が込められ、結婚や誕生日などのお祝いごとに贈られることも多くあります。その歴史は古く、時代によってお箸の使い方も進化してきました。
ここでは、知っているようで知らないお箸の歴史や由来、日本人なら知っておきたい正しい作法や、選び方のポイントなどをご紹介します。
お箸が誕生したのは、今から3000年以上前の中国とされています。人間が火を使って調理するようになってから、熱いものを掴むときに木の枝などを折って使用したことが始まりです。
お箸が日本に伝わったのは、卑弥呼が邪馬台国を支配していた弥生時代。始めは食事をするためではなく、神事の中で神様へお供えをする道具として使われていました。
お箸が食事に使われるようになったのは、今からおよそ1400年前の飛鳥時代です。小野妹子が使節団として隋に行った際に、中国の文化を持ち帰ったのがきっかけでした。この時期までお箸は木製ではなく竹製が主流だったとみられています。
日本のお箸文化が広く浸透したのは平安時代で、お箸で商売をする人も出てきました。鎌倉時代から江戸時代には、お箸の表面を漆でコーティングした漆塗りも登場します。
外食産業が発展した江戸時代には割り箸も作られるなど、今と変わらないお箸の文化が定着しました。
正しいお箸の作法は、大人になった今だからこそ気になる部分だと思います。いざというときに失敗しないよう、ここでしっかりとおさらいしておきましょう。
正しいお箸の持ち方を3ステップで紹介します。
ステップ①上の箸を持つ
上の箸は箸先から3分の2あたりを目安に持ちます。ペンを持つようなイメージで、人差し指の腹と中指の爪の横で挟み、親指を添えて押さえましょう。人差し指と中指を曲げてお箸が軽く上下すればOKです。
ステップ②下の箸を持つ
上の箸を持ったまま、下の箸を親指の付け根に通します。そのままでは不安定になっているところを薬指の第一関節で支えましょう。
ステップ③上の箸を動かして使う
お箸を動かすときは、下の箸は固定し、上の箸だけを動かして使います。親指は箸が横にズレたり遊ばないように支える役割です。
お箸の使い方には、やってはいけないNG集も多くあります。場合によっては相手を不快にさせてしまう可能性もあるので、ここでしっかりチェックしておきましょう。
箸渡し
箸と箸で料理を受け渡しすること。葬儀でのお骨拾いに似ている。
指し箸
自分が使っている箸を人に向けること。
移り箸
一度料理を取りかけたのに、別の料理に箸を移すこと。
探り箸
器から好きなものだけを選んで食べること。
寄せ箸
食器のふちに箸をかけて手前に寄せること。
刺し箸
掴みづらい食材を箸で突き刺して食べること。
ねぶり箸
箸についたものを口で舐めること。
なみだ箸
箸先から汁が垂れたままにすること。
これらを見て、心当たりがある方もいるのではないでしょうか。癖づいた習慣は意識しないとなかなか直らないものです。
やってはいけないお箸の使い方とは反対に、美しいお箸の所作もあります。美しいお箸の所作とは、正しいお箸の使い方をブラッシュアップすることです。ここでは、お箸の上げ下ろしで心がけたい「三手」についてお伝えします。
特に難しいとされるのは、器を持ちながら箸を取るときの所作です。こちらも「三手」でクリアできます。
このように、お箸の美しい所作とは、心がけ次第ですぐにできることばかりです。知っているのと知らないのとでは大違いですね。
お箸にはさまざまな願いが込められています。相手を思う気持ちを橋渡しする「幸せの橋(箸)渡し」や、2本揃って1膳となる様子から「夫婦円満」などが有名です。
また、仏教の教えにも「天国と地獄の長い箸」という話があります。天国と地獄ではどちらも1mもある長い箸を使って食事をしなければいけません。同じように豪華な食事が出されますが、なぜか地獄の人たちは痩せ細り、イライラしています。反対に天国の人たちは笑いが絶えず幸せそうです。なぜなら、地獄の人たちは長い箸を自分の口に運ぶことができず、隣の人に当たってケンカを始める一方、天国の人たちは長い箸で「どうぞ」と相手に食べさせてあげているからです。この話から「思いやり」の大切さが伝えられています。
ちょっと贅沢な高級箸は、自分では選ばないからこそ贈り物としてもらうと嬉しいものです。お箸は小さくて軽く、持ち運びやすいので、結婚式や2次会などでもスマートに渡せます。さまざまな願いが込められたお箸は、心が伝わる贈り物としておすすめです。
オシドリ柄
仲睦まじい夫婦を象徴したおしどり柄は、結婚式や銀婚式など夫婦の記念日に最適です。
サクラ柄
桜は草木が芽吹く春を連想させることから、豊かさや繁栄の意味があります。
ダルマ柄
だるまは病気や災難を防ぐ縁起物として知られています。
ツルカメ柄
鶴は千年、亀は万年といわれ、長寿を象徴する縁起物です。
ヒョウタン柄
ひょうたんは邪気を吸い込んで逃さないことから、魔除けやお守りの意味があります。
フジサン柄
末広がりの富士山は、子孫繁栄・商売繁盛・無病息災などさまざまな意味が込められた縁起物です。。
3種類から長さが選べる八角箸は、家族おそろいで新調したいときにおすすめのアイテム。お揃いのお箸で食卓を囲めば、ご飯がさらにおいしくなること間違いなしです。
この記事では、日本にお箸が伝わった歴史や正しい持ち方、すぐに実践できる美しい所作からお箸に込められた願いまでお伝えしました。
普段から何気なく使っているお箸には、私たち日本人の歴史や信念がつまっています。夫婦円満・健康・長寿・蓄財など、さまざまな願いが込められたお箸。
ぜひ『倭物や カヤ』で、心のこもったお箸を大切な人へプレゼントしてみませんか?
身近な暮らしの道具にまつわる文化を紹介する、「暮らしの工芸そぞろ話」第一回目は「お箸の文化」です。
日本人の生活に溶け込んだお箸にはさまざまな意味が込められ、結婚や誕生日などのお祝いごとに贈られることも多くあります。
その歴史は古く、時代によってお箸の使い方も進化してきました。
ここでは、知っているようで知らないお箸の歴史や由来、日本人なら知っておきたい正しい作法や、選び方のポイントなどをご紹介します。
日本人とお箸の歴史
お箸が誕生したのは、今から3000年以上前の中国とされています。
人間が火を使って調理するようになってから、熱いものを掴むときに木の枝などを折って使用したことが始まりです。
お箸が日本に伝わったのは、卑弥呼が邪馬台国を支配していた弥生時代。始めは食事をするためではなく、神事の中で神様へお供えをする道具として使われていました。
お箸が食事に使われるようになったのは、今からおよそ1400年前の飛鳥時代です。小野妹子が使節団として隋に行った際に、中国の文化を持ち帰ったのがきっかけでした。この時期までお箸は木製ではなく竹製が主流だったとみられています。
日本のお箸文化が広く浸透したのは平安時代で、お箸で商売をする人も出てきました。鎌倉時代から江戸時代には、お箸の表面を漆でコーティングした漆塗りも登場します。
外食産業が発展した江戸時代には割り箸も作られるなど、今と変わらないお箸の文化が定着しました。
正しいお箸の作法を知ろう
正しいお箸の作法は、大人になった今だからこそ気になる部分だと思います。いざというときに失敗しないよう、ここでしっかりとおさらいしておきましょう。
正しいお箸の持ち方と使い方
正しいお箸の持ち方を3ステップで紹介します。
ステップ①上の箸を持つ
上の箸は箸先から3分の2あたりを目安に持ちます。ペンを持つようなイメージで、人差し指の腹と中指の爪の横で挟み、親指を添えて押さえましょう。人差し指と中指を曲げてお箸が軽く上下すればOKです。
ステップ②下の箸を持つ
上の箸を持ったまま、下の箸を親指の付け根に通します。そのままでは不安定になっているところを薬指の第一関節で支えましょう。
ステップ③上の箸を動かして使う
お箸を動かすときは、下の箸は固定し、上の箸だけを動かして使います。親指は箸が横にズレたり遊ばないように支える役割です。
お箸でやってはいけない事
お箸の使い方には、やってはいけないNG集も多くあります。
場合によっては相手を不快にさせてしまう可能性もあるので、ここでしっかりチェックしておきましょう。
箸渡し
箸と箸で料理を受け渡しすること。葬儀でのお骨拾いに似ている。
指し箸
自分が使っている箸を人に向けること。
移り箸
一度料理を取りかけたのに、別の料理に箸を移すこと。
探り箸
器から好きなものだけを選んで食べること。
寄せ箸
食器のふちに箸をかけて手前に寄せること。
刺し箸
掴みづらい食材を箸で突き刺して食べること。
ねぶり箸
箸についたものを口で舐めること。
なみだ箸
箸先から汁が垂れたままにすること。
これらを見て、心当たりがある方もいるのではないでしょうか。癖づいた習慣は意識しないとなかなか直らないものです。
美しいお箸の所作
やってはいけないお箸の使い方とは反対に、美しいお箸の所作もあります。美しいお箸の所作とは、正しいお箸の使い方をブラッシュアップすることです。
ここでは、お箸の上げ下ろしで心がけたい「三手」についてお伝えします。
お箸を持ち上げるときの「三手」
お箸を置く場合は、上記を反対に
特に難しいとされるのは、器を持ちながら箸を取るときの所作です。
こちらも「三手」でクリアできます。
このように、お箸の美しい所作とは、心がけ次第ですぐにできることばかりです。
知っているのと知らないのとでは大違いですね。
「お箸」に込められた願い
お箸にはさまざまな願いが込められています。
相手を思う気持ちを橋渡しする「幸せの橋(箸)渡し」や、2本揃って1膳となる様子から「夫婦円満」などが有名です。
また、仏教の教えにも「天国と地獄の長い箸」という話があります。
天国と地獄ではどちらも1mもある長い箸を使って食事をしなければいけません。同じように豪華な食事が出されますが、なぜか地獄の人たちは痩せ細り、イライラしています。反対に天国の人たちは笑いが絶えず幸せそうです。
なぜなら、地獄の人たちは長い箸を自分の口に運ぶことができず、隣の人に当たってケンカを始める一方、天国の人たちは長い箸で「どうぞ」と相手に食べさせてあげているからです。
この話から「思いやり」の大切さが伝えられています。
心が伝わるお箸の贈り物
ちょっと贅沢な高級箸は、自分では選ばないからこそ贈り物としてもらうと嬉しいものです。お箸は小さくて軽く、持ち運びやすいので、結婚式や2次会などでもスマートに渡せます。
さまざまな願いが込められたお箸は、心が伝わる贈り物としておすすめです。
オシドリ柄
仲睦まじい夫婦を象徴したおしどり柄は、結婚式や銀婚式など夫婦の記念日に最適です。
サクラ柄
桜は草木が芽吹く春を連想させることから、豊かさや繁栄の意味があります。
ダルマ柄
だるまは病気や災難を防ぐ縁起物として知られています。
ツルカメ柄
鶴は千年、亀は万年といわれ、長寿を象徴する縁起物です。
ヒョウタン柄
ひょうたんは邪気を吸い込んで逃さないことから、魔除けやお守りの意味があります。
フジサン柄
末広がりの富士山は、子孫繁栄・商売繁盛・無病息災などさまざまな意味が込められた縁起物です。。
3種類から長さが選べる八角箸は、家族おそろいで新調したいときにおすすめのアイテム。お揃いのお箸で食卓を囲めば、ご飯がさらにおいしくなること間違いなしです。
まとめ
この記事では、日本にお箸が伝わった歴史や正しい持ち方、すぐに実践できる美しい所作からお箸に込められた願いまでお伝えしました。
普段から何気なく使っているお箸には、私たち日本人の歴史や信念がつまっています。
夫婦円満・健康・長寿・蓄財など、さまざまな願いが込められたお箸。
ぜひ『倭物や カヤ』で、心のこもったお箸を大切な人へプレゼントしてみませんか?