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毎年、慌ただしくもにぎやかな正月を終えると、あっという間にやってくる節分。 この時期になると毎年必ず耳にする「恵方」とは、どのようなルールで決まるのでしょうか。 そもそも、恵方って何?恵方巻きはなぜ節分に食べるの?という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、そんな恵方巻きにまつわる疑問や恵方巻きの由来、さらに食べ方やその楽しみ方を深掘りしていくので、ぜひ最後までお読みください。
きっと今年の節分が楽しみになりますよ。
節分といったら鬼をはらうために豆をまき、年の数だけ食べて、そして「恵方」を向いて太巻きを食べる…といった流れがポピュラーですよね。節分の晩ご飯として恵方巻を食べる方もいるのではないでしょうか。 また、地域によっては落花生などを使うこともある「豆まき」は、手順すべてに意味が込められていて、きっちり遂行しようとすると中々面白いです。豆まきの手順について解説した記事がありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
節分とは?日本の季節行事を解説
2024年の恵方は「東北東」の方角、方位や角度で言うと「75度」です。
しかし、「東北東」「75度」といってもピンとこない方の方が多いですよね。かといって方位磁石がお手元にある方少ないのではないでしょうか。
実は、お手持ちのスマートフォンで簡単に確認できてしまう場合が多いのです。だいたいの方角がわかればいいという方は、GoogleMAPを開くとコンパスが表示されるので、それを目安にしても良いでしょう。
毎年恵方の方角を知るのは、スーパーやコンビニの売り場で。という方も多いのではないのでしょうか。かなり早いうちから貼り出されていますが、決定された瞬間が速報として上がるのは見たことがありませんよね…。一体、いつ、誰がどのようにして決めているのでしょうか。
「恵方」とは、「歳徳神(としとくじん)」という神様の居場所を指します。歳徳神の場所が毎年変わるため、恵方も同様に毎年変わるのです。 歳徳神は歳神様とも呼ばれています。年末の大掃除は穢れを嫌う歳徳神を迎えるために行い、きちんと招くことができると、年始に果報・福徳を持って現れるといいます。そんな一年の福徳を司る歳徳神がいる方向にある社寺にお参りすることを「恵方詣(えほうまいり)」ともいい、現代の主流である「初詣」が流行る明治時代より前は「恵方詣」行われてが行われていたこともあったようです。
そんな歳徳神がいらっしゃるありがたい方角ですが、現代では一定のルールに則って決められています。
恵方は、「四方」と「十干」の組み合わせで決まります。「四方」とは東西南北、「十干(じっかん)」とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の事で、昔の中国の暦を活用した決め方です。
実は、恵方は4つの方角しかないのです。
また、西暦での確認方法もあります。
現代では、数字の方がわかりやすいかもしれませんね。このように、恵方はルールによって毎年変わるだけなので来年も再来年も方角は決まっています。 そのため、スーパーやコンビニなどでは早くに告知できるのですね。
節分が2月3日以外だった年の記憶がありませんか?節分は固定日ではないのです。過去で言うと以下の年が該当しますね。
そもそも節分は季節を分ける節目を意味し、本来は立春・立夏・立秋・立冬の各前日を指すものでした。つまり、立春の日が変われば節分の日も変わります。二十四節気という太陽と地球の位置関係で決まる暦でいうと、立春は新年の始まりのような扱いで、4つのうち立春の前日だけが残ったようです。
地球の軌道周期は正確に1年ではなく、わずかなズレがあり徐々に蓄積されます。 このズレを補正するため、4年に1度1日を追加するうるう年があり、帳尻を合わせているのです。そのため、立春は必ず2月4日にならず、立春の前日である節分も日程が変わります。
恵方巻きは日本の伝統的な行事と思っている方も多いかもしれませんが、実はまだその歴史は新しく、そんなに遠いものではありません。
前述した恵方詣は、主に関西で行われていたともいわれていて、恵方巻きも関西発祥の文化とされています。しかし恵方巻の方はおもに花街などで流行ったものだったため、関西でもかなりローカル文化だったようです。
恵方巻きの原型となる「まるかぶり寿司、太巻き寿司」が定着したのは、2000年頃のこと。 全国のセブンイレブンで恵方巻きが販売され、それに伴い他のコンビニ店などが参入し現在の形に定着していきました。 大きな太巻きを、決まった方角を向きだまって完食する内容は、子どもから大人まで楽しめます。 冷静になって他から見るとちょっと笑ってしまうような光景ですが、肩の力が抜けたようなこの行事は、現代の日本に受け入れやすいものだったのかもしれませんね。
恵方巻きは節分に食べる太巻きというだけでなく、中に入れる具材にも決まりがあります。 7種類の縁起の良い具材を巻くことが良いとされており、これは七福神に由来しています。 「七福神」とは福をもたらす神様たち、つまり大黒天、毘沙門天、恵比寿天、寿老人、弁財天、福禄寿、布袋のことです。 特にどの具材がどの神様に該当する、というわけではないのですが、具材自体に込められた意味はあります。
この7種の具材を恵方巻きに入れて、「福を巻き込む」、そして食べることで「体内に福を取り込む」という意味が込められています。
近年の恵方巻には変わり種が多く、揚げ物や肉、ロールケーキ、キンパなどさまざまな形で見かけることが多くなりました。 なかでも楽しいのは、ご当地グルメを取り入れた恵方巻きです。 ここでは、香川県と青森県、愛知県にある3種類の恵方巻をご紹介します。
香川県さぬき市の津田の松原SAに「うどん恵方巻き」というものがあります。 なんと、酢飯の代わりにうどんを使った変わり種です。 中心の具材はえびや肉を使っており、『うどん県ならではの恵方巻きを作りたい』と始めたそうです。
青森県出身の文豪、太宰治が好きだったという「筋子納豆」を巻きずしにした「太宰の恵方巻き」というものがあります。 筋子納豆とは、しょうゆ漬けの筋子とひき割り納豆を合わせたもので、「太宰の恵方巻き」にはこの筋子納豆とキュウリが入っています。 ヘルシーにいただけそうですね。
愛知県には『矢場とん特製 みそかつ恵方巻』というものがあります。 みそで有名な愛知県ですが、なかでも「矢場とん」はみそカツで有名な店舗です。 ごはんに染みたみそが食欲をそそります。
あっさりもこってりもあり。 他にも、まだまだ楽しいご当地恵方巻きはありそうです。
せっかく恵方巻きを食べるなら、神様の恩恵をしっかり受けたいですよね。 難しいことは特にありません。恵方巻きを食べるときのルールを知って、節分当日に焦らないようにしましょう。
恵方巻きを食べる手順は2ステップです。
願い事や、今年の抱負を心の中で誓ったり、歳徳神に思いをはせながらかぶりつきましょう。 このとき、恵方巻きは切らずに、長いままで丸ごと食べ、可能な限り一言も話さずに一本を完食しましょう。恵方巻きを切ったり、食べかけで止めたりすることは「縁を切る」とされ、口を開いて話してしまうと「福を離す」と考えられるためです。
また、「口を離さないで食べ切る」という説もありますが、離したところから福が逃げてしまうという思いから生まれたようです。これは太巻きという形状上かなり難度も高く、何より危険です。これではお醤油もつけられないですしね。
神社に行ってお参りするときやご神事では、心穏やかに・しゃべることなく静かに祈るものですよね。それと同じように、恵方の先におわす歳徳神様のことを思いながら食べてみましょう。 切ると・話すと福が逃げる、とはいうものの、結局はゲン担ぎとして楽しむ行事の側面もあります。一番大事なのはのどに詰まらせてしまわないことですから、適度に飲み物をのみつつ、お子さんがいる場合は適宜カットを挟み、無理のない範囲で恵方巻を楽しんでみてくださいね。
日本の行事の多くは堅いイメージですが、節分は内容柄親しみやすい印象がありますよね。 近年では変わり種の恵方巻きも人気を集め自由度も高くなりました。今年の節分は、しっかり神様の方位を向いて恵方巻きを食べてはいかがでしょうか。ぜひご家族と楽しい節分をお過ごしください。
毎年、慌ただしくもにぎやかな正月を終えると、あっという間にやってくる節分。
この時期になると毎年必ず耳にする「恵方」とは、どのようなルールで決まるのでしょうか。
そもそも、恵方って何?恵方巻きはなぜ節分に食べるの?という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、そんな恵方巻きにまつわる疑問や恵方巻きの由来、さらに食べ方やその楽しみ方を深掘りしていくので、ぜひ最後までお読みください。
きっと今年の節分が楽しみになりますよ。
目次
節分と深いかかわりのある「恵方」
節分といったら鬼をはらうために豆をまき、年の数だけ食べて、そして「恵方」を向いて太巻きを食べる…といった流れがポピュラーですよね。節分の晩ご飯として恵方巻を食べる方もいるのではないでしょうか。
また、地域によっては落花生などを使うこともある「豆まき」は、手順すべてに意味が込められていて、きっちり遂行しようとすると中々面白いです。豆まきの手順について解説した記事がありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
節分とは?日本の季節行事を解説
今年の恵方は…
2024年の恵方は「東北東」の方角、方位や角度で言うと「75度」です。
しかし、「東北東」「75度」といってもピンとこない方の方が多いですよね。かといって方位磁石がお手元にある方少ないのではないでしょうか。
実は、お手持ちのスマートフォンで簡単に確認できてしまう場合が多いのです。だいたいの方角がわかればいいという方は、GoogleMAPを開くとコンパスが表示されるので、それを目安にしても良いでしょう。
恵方はどうやって決まるのか
毎年恵方の方角を知るのは、スーパーやコンビニの売り場で。という方も多いのではないのでしょうか。かなり早いうちから貼り出されていますが、決定された瞬間が速報として上がるのは見たことがありませんよね…。一体、いつ、誰がどのようにして決めているのでしょうか。
歳徳神がおられる方角「恵方」
「恵方」とは、「歳徳神(としとくじん)」という神様の居場所を指します。歳徳神の場所が毎年変わるため、恵方も同様に毎年変わるのです。
歳徳神は歳神様とも呼ばれています。年末の大掃除は穢れを嫌う歳徳神を迎えるために行い、きちんと招くことができると、年始に果報・福徳を持って現れるといいます。そんな一年の福徳を司る歳徳神がいる方向にある社寺にお参りすることを「恵方詣(えほうまいり)」ともいい、現代の主流である「初詣」が流行る明治時代より前は「恵方詣」行われてが行われていたこともあったようです。
そんな歳徳神がいらっしゃるありがたい方角ですが、現代では一定のルールに則って決められています。
知らなかった、恵方って実は…
恵方は、「四方」と「十干」の組み合わせで決まります。「四方」とは東西南北、「十干(じっかん)」とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の事で、昔の中国の暦を活用した決め方です。
実は、恵方は4つの方角しかないのです。
また、西暦での確認方法もあります。
現代では、数字の方がわかりやすいかもしれませんね。このように、恵方はルールによって毎年変わるだけなので来年も再来年も方角は決まっています。
そのため、スーパーやコンビニなどでは早くに告知できるのですね。
節分は毎年2月3日ではない
節分が2月3日以外だった年の記憶がありませんか?節分は固定日ではないのです。過去で言うと以下の年が該当しますね。
そもそも節分は季節を分ける節目を意味し、本来は立春・立夏・立秋・立冬の各前日を指すものでした。つまり、立春の日が変われば節分の日も変わります。二十四節気という太陽と地球の位置関係で決まる暦でいうと、立春は新年の始まりのような扱いで、4つのうち立春の前日だけが残ったようです。
地球の軌道周期は正確に1年ではなく、わずかなズレがあり徐々に蓄積されます。
このズレを補正するため、4年に1度1日を追加するうるう年があり、帳尻を合わせているのです。そのため、立春は必ず2月4日にならず、立春の前日である節分も日程が変わります。
恵方巻きのはじまり
恵方巻きは日本の伝統的な行事と思っている方も多いかもしれませんが、実はまだその歴史は新しく、そんなに遠いものではありません。
スタートは海苔巻きの風習
前述した恵方詣は、主に関西で行われていたともいわれていて、恵方巻きも関西発祥の文化とされています。しかし恵方巻の方はおもに花街などで流行ったものだったため、関西でもかなりローカル文化だったようです。
恵方巻きの原型となる「まるかぶり寿司、太巻き寿司」が定着したのは、2000年頃のこと。
全国のセブンイレブンで恵方巻きが販売され、それに伴い他のコンビニ店などが参入し現在の形に定着していきました。
大きな太巻きを、決まった方角を向きだまって完食する内容は、子どもから大人まで楽しめます。
冷静になって他から見るとちょっと笑ってしまうような光景ですが、肩の力が抜けたようなこの行事は、現代の日本に受け入れやすいものだったのかもしれませんね。
恵方巻きの中身にも意味がある?
恵方巻きは節分に食べる太巻きというだけでなく、中に入れる具材にも決まりがあります。
7種類の縁起の良い具材を巻くことが良いとされており、これは七福神に由来しています。
「七福神」とは福をもたらす神様たち、つまり大黒天、毘沙門天、恵比寿天、寿老人、弁財天、福禄寿、布袋のことです。
特にどの具材がどの神様に該当する、というわけではないのですが、具材自体に込められた意味はあります。
この7種の具材を恵方巻きに入れて、「福を巻き込む」、そして食べることで「体内に福を取り込む」という意味が込められています。
楽しい変わり種も
近年の恵方巻には変わり種が多く、揚げ物や肉、ロールケーキ、キンパなどさまざまな形で見かけることが多くなりました。
なかでも楽しいのは、ご当地グルメを取り入れた恵方巻きです。
ここでは、香川県と青森県、愛知県にある3種類の恵方巻をご紹介します。
香川県「うどん恵方巻き」
香川県さぬき市の津田の松原SAに「うどん恵方巻き」というものがあります。
なんと、酢飯の代わりにうどんを使った変わり種です。
中心の具材はえびや肉を使っており、『うどん県ならではの恵方巻きを作りたい』と始めたそうです。
青森県「太宰の恵方巻き」
青森県出身の文豪、太宰治が好きだったという「筋子納豆」を巻きずしにした「太宰の恵方巻き」というものがあります。
筋子納豆とは、しょうゆ漬けの筋子とひき割り納豆を合わせたもので、「太宰の恵方巻き」にはこの筋子納豆とキュウリが入っています。
ヘルシーにいただけそうですね。
愛知県『矢場とん特製 みそかつ恵方巻』
愛知県には『矢場とん特製 みそかつ恵方巻』というものがあります。
みそで有名な愛知県ですが、なかでも「矢場とん」はみそカツで有名な店舗です。
ごはんに染みたみそが食欲をそそります。
あっさりもこってりもあり。
他にも、まだまだ楽しいご当地恵方巻きはありそうです。
恵方巻きを食べるときのルールは?
せっかく恵方巻きを食べるなら、神様の恩恵をしっかり受けたいですよね。
難しいことは特にありません。恵方巻きを食べるときのルールを知って、節分当日に焦らないようにしましょう。
恵方巻きを食べる手順
恵方巻きを食べる手順は2ステップです。
願い事や、今年の抱負を心の中で誓ったり、歳徳神に思いをはせながらかぶりつきましょう。
このとき、恵方巻きは切らずに、長いままで丸ごと食べ、可能な限り一言も話さずに一本を完食しましょう。恵方巻きを切ったり、食べかけで止めたりすることは「縁を切る」とされ、口を開いて話してしまうと「福を離す」と考えられるためです。
また、「口を離さないで食べ切る」という説もありますが、離したところから福が逃げてしまうという思いから生まれたようです。これは太巻きという形状上かなり難度も高く、何より危険です。これではお醤油もつけられないですしね。
神社に行ってお参りするときやご神事では、心穏やかに・しゃべることなく静かに祈るものですよね。それと同じように、恵方の先におわす歳徳神様のことを思いながら食べてみましょう。
切ると・話すと福が逃げる、とはいうものの、結局はゲン担ぎとして楽しむ行事の側面もあります。一番大事なのはのどに詰まらせてしまわないことですから、適度に飲み物をのみつつ、お子さんがいる場合は適宜カットを挟み、無理のない範囲で恵方巻を楽しんでみてくださいね。
まとめ
日本の行事の多くは堅いイメージですが、節分は内容柄親しみやすい印象がありますよね。
近年では変わり種の恵方巻きも人気を集め自由度も高くなりました。今年の節分は、しっかり神様の方位を向いて恵方巻きを食べてはいかがでしょうか。ぜひご家族と楽しい節分をお過ごしください。