熊手は奇跡のスーパー縁起物だった!2023酉の市レポート

2023年も残りわずかになり、来年はどんな年になるだろう…と、思いを巡らせる時期になりましたね。
2023年11月11日、浅草の大鷲神社で開催された、酉の市に行ってきました。

江戸時代から始まり、200年近い歴史があるといわれる酉の市。年末の風物詩として有名ですよね。歴史ある「酉の市」では何がおこなわれているのか?レポートしてみたいと思います!

酉の市って知ってる?

酉の市は11月の酉の日に開催される、次の年のの開運招福や商売繁盛を願うお祭りです。
江戸時代は日にちを干支の順番で数えていたので、「酉」の日が12日ごとにやってきます。年によって11月の「酉の日」の数が変わりますが、今年は一の酉:11月11日(土)、二の酉:11月23日(木)の2回でした。

この「酉の日」が3回あると火事や災い事が起こるといわれています。空気が乾燥し強い風が吹く時期なので、火の用心を促すためかもしれません。また昔は吉原遊郭が近くにあったので、酉の市帰りの男衆が引っかからないように、そういった俗信を広めたという話もあるようです。

酉の市は、令和の時代も大盛況

浅草駅から歩いて20分ほどでしょうか。まずは神社に入る前に、行列に並ばねばなりません。地元に住んでいるスタッフと話をしていたのですが、この時期は道が人でごった返して住人ですら家に入れないなんてことも。

酉の市

すごい活気です。酉の市は日付が変わった午前0時から始まるのですが、私達は18時ごろに行ったので、これでも並んだ時間は短かったのかもしれません。

酉の市

神社の中に入ると、目の前の光景が一変。ずらりと並んだ提灯の大迫力に圧倒されます。神社の入り口には巨大な熊手もお目見え。商売繁盛のお祭りというだけあって、なじみのある企業名もみられます。「いいなあ、来年はうちも提灯だしましょうよ~」と、社長にお願いタイムが始まっていました。(笑)

酉の市

熊手は不思議がいっぱい

突然ですが、熊手って、不思議なアイテムですよね…!熊手は「福をかき集める」という意味や、形が鷲の爪の形にも似ていることから「福をわし掴んで離さない」という意味が込められているものです。日本人は大人になるまでの過程のどこかで「これが熊手だ」という刷り込みがされている人が多いと思うので、なんとなく普通に認識してしまうのですが、ちょっと待ってください。冷静に見てみてください…

酉の市

すごくないですか?

いったい何個の縁起物がくっついているのでしょう。金ぴかの小槌、尾頭付きの鯛、ちりばめられた大判小判…。「熊手」といえば落ち葉などを集める掃除道具ですが、なぜかその熊手に溢れんばかりの縁起物が元気よくモリモリとくっついています。ただ無秩序に並べられているのではなく、きちんと左右対称に配置され、立体的なボリュームも計算され、これほど密度がありながらも全体が美しくまとめられていて…

見れば見るほど、そのデザインに見入ってしまう凄みがあるのです。
ひとつひとつの縁起物の意味を知りたくなってきました。

打出の小槌

打出の小槌

振ることで様々なものが出てくるとされる伝説上の槌。大黒天の持ち物であるともいわれ、富をもたらす象徴。欲しいもの、願い事を唱えて振ると願いどおりの物があらわれると云われています。

米俵

米俵

日本人の主食である米が詰まった米俵は古くから富の象徴。「五穀豊穣」「商売繁盛」などの意味があると言われています。お米の酌量・一升の約半分の量、「半升(はんじょう)」と、商売「繁盛(はんじょう)」をかけているという説もあるようです。

絵馬

絵馬

絵馬は、もともと、祈願成就や神恩感謝の思いを込めて神社に奉納するものです。このことから願いを神様のもとへ届ける象徴とされています。

大入袋

大入袋

大入袋とは、興行において「大入り」の場合に関係者に配られる袋。
大相撲・寄席・歌舞伎などで客が多く入った際に祝儀として配られることから、千客万来・商売繁盛の願いが込められています。

大黒様とえびす様

大黒様とえびす様

大黒様は大国主命(おおくにぬしのみこと)という神様と密教の大黒天が神仏習合された神様で、食物・財福を司る神様。えびす様は、遠方から福を運ぶ海の神様、豊漁の神様として信仰され、やがて農民や商人にも広まり、豊作・商売繁盛の神様として祀られる存在です。

銀の盃

銀の盃

古くから盃を交わすということは、祝いや、血縁関係を結ぶこと、また自らの意思で飲み干すことで神様の前で誓いを立てるといった意味があります。大相撲や天皇杯などの優勝杯のことを「賜杯」と呼びますが、これは天皇から下賜される特別な「杯」をいただくという意味。「盃・杯」は特別な祝い事の際に用いられるシンボルであるといえます。

しめ縄

しめ縄

しめ縄には神聖な領域とそうでない場所を隔てる結界の役割があります。熊手の周りをぐるりと囲んでいることから、神聖な熊手の縁起物領域にに不浄なものが入らないように守っているのです。

鯛

鯛は長生きな魚といわれており、それにあやかって長寿祈願の象徴になっています。また頭から尾っぽまでの鯛を「尾頭付き(おかしらつき)」と呼び「最初から最後まで物事や命を全うする」という意味からも長寿祈願などの象徴とされています。

稲穂

稲穂

「一粒万倍日」という吉日があるように 一粒が万倍になるという意味から、商売繁盛の象徴といわれています。
また、食の原点であるお米は命を繋げることから健康祈願の意味もあります。

狛犬

狛犬

魔除け・除災の守り神として、神社やお寺の門前などに左右一対(阿吽)で置かれることの多い想像上の霊獣です。神域に邪気が入るのを防ぐ魔除けとしての役割があるとされています。

賽銭箱

賽銭箱

お賽銭箱にお金を入れることは、供物をお供えすることと同様に神様に対するお供えや、祓いの意味があるともいわれています。大黒様とえびす様の前に据えられた賽銭箱にも、同じ意味があると言えそうです。

珊瑚

珊瑚

「七宝」とよばれる仏教における七種の宝のひとつで、富と繁栄・健康長寿をもたらす縁起物とされています。
また、珊瑚そのものにも、「成長祈願」「子宝に恵まれる」という意味があります。

この数の縁起物が全部載せになっている、このテンションの高さ。見ていると自然と笑顔になってしまう、不思議なパワー。奇跡のスーパー縁起物ではないでしょうか。この不思議さと楽しさを見てると、江戸時代から現代に至るまで人々に親しまれ、文化が受け継がれてきた理由もわかる気がします。

熊手の商いには「粋」がある

さて、お気に入りの熊手が見つかったら、いよいよ購入。
その商談にも、昔から伝わる粋な習わしがあるのをご存じですか?

まず、予算より少ない額でおすすめを聞いてみます。やっぱりあの縁起物をつけたいな、ここから始まるのが、「熊手の商談」と呼ばれる酉の市ならでは習わし。

買った(勝った)まけた(負けた)と値切り合戦を交わし、お客は交渉力を発揮して、どれだけ値切れるかを試します。うまくいけば、「まけた、まけた」という熊手屋さんの声が聞けるはず。商談を楽しんだ後は、値切った金額を「ご祝儀」として店においてくるのが「粋」とされています。

めでたく商談がまとまると、「手締め」で盛り上げてくれます。

「アミナコレクションさんの商売繁盛を祈願して!よーお、」
威勢のいい掛け声で、商売繁盛を願い、三本締め。
活気あふれる江戸っ子の商い精神を肌で感じることができます。

熊手の飾り方

私も個人的に熊手を買って帰りました。こちらは大鷲神社のオリジナル熊手。シンプルで神聖な雰囲気がお気に入りです。せっかくの縁起物なので、素敵に飾りたいものです。
どのように飾ればよいか、調べてみました。

酉の市

飾る場所

おすすめは、神棚に飾ること。神様と同じようにお祀りすると、一番良いとされているようです。もし神棚がない場合は本棚やタンスの上などの目線より高い場所に置くのがよいでしょう。

熊手を飾る方向については諸説あります。運を上げたい方角に向けて飾ります。

・東 仕事運・勝負運の上昇

・南 地位・名誉の上昇

・西 金運・財運の上昇

・北 避ける

また、家の一番奥から玄関などの出入り口に向けて飾ることで「家に福をかきこむ」という意味合いがあるようです。

願いを込めて、大切に管理

設置場所が決まったら、しっかりと固定し願いを込めます。
神棚やお札と同じく、定期的に掃除をし、きれいに保つようにしましょう。

いつまで飾る?

購入してから1年間飾ります。次の年の酉の市の時期までですね。

次の年はどうする?

次の年の酉の市で熊手を返納したら、その帰りに翌年の縁起熊手を購入するという流れが一般的です。

一年の願いを込めて大切に飾るといいことが起きそうですね。
でも今年は酉の市には行けなかったし、毎年買い替えるのもなあ…という方には、手軽に熊手のご利益を取り入れられるアイテムもおすすめ。まずは実用的なもので、気軽に試してみるのもよさそうです。

酉の市
熊手腹巻き【Lサイズ】 ¥3,080税込
酉の市
熊手腹巻き【Mサイズ】 ¥2,970税込

まとめ

今回は実際に「酉の市」に参加して、熊手の不思議な魅力を掘り下げながら、江戸から続く酉の市や商い文化に思いを馳せてみました。来年を良い年にしたい!という願いは、今も昔も変わらないようです。ただ単にお金とモノとのやりとりだけではない、心の交流。
ふだんネットや量販店での買い物に慣れている私にとっては、遠い昔に忘れていた感覚を呼び起こされるような気がしました。

当たり前にある日本独自の縁起物も、人々の営みや願いの積み重ねで伝えられてきたもの。身近にありすぎて普段は目がいかないものにも物語があり、当時の商いの空気感まで感じられる体験でした!

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