人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
本記事は【ライフスタイル神社学】【あまのいわと学校】にて「共に学ぶ委員長」として活躍いただいている中村真さんから頂いたものになります。
前回の記事は こちら
この神社はどんな神様をお祀りしてるのかな。
気になる神社ができたら、ぜひそこに祀られその土地を守ってくれている神様のことや、その神社の歴史を調べてみると面白い。
僕は若いころ、半ば放浪のごとく海外を旅したことで、そもそもなんで僕は生きているのかな?この世の中に僕は必要なのかな?ということを考える時間を持つことができた。
ステレオタイプの価値判断や流行の中で何かに興味を持つことより、自身が求めているものは何なのか、僕ができることはどんなことなんだ、ということばっかり考えてきた。
その気づきと興味と行動の中で、僕は大好きな音楽と出会い、その積み重ねや仲間との縁から日本に帰国してから、仲間とともに音楽のイベントをしかけてみたり、海外からアーティストを招聘する現場にも携わってきた。旅やその後の経験の中で痛切に感じたのは文化の違う異国の人とのコミュニケーションにおいて必要なのは語学力もさることながら、自分自身の足元であるこの国の魅力を認識できているか、ということだった。
自分の地元。育った土地や国の歴史。心のよりどころとなる信仰。僕が出会った海外の人たちはみな、それを語る言葉をたくさん持っていた。
なぜなら、その人のものの考え方や、哲学、価値観は歴史と信仰に多大な影響をうけているので、「自分を語る深い話をしよう」となったときに、自然とそういった話が出てきていたように思う。一方僕はといえば、「地元。ああ関東。日本の歴史には興味ないし、信仰とか言われても何の宗教にも入っていない」という有様で、自分探しをしたくて海の向こうまで出かけたのに、その海の向こうで出会えたのは「自分を語る言葉は地元にこそあった」ということだった。
仏教やキリスト教は海外からやってきた宗教ですが、神道は古代日本に元々あった自然崇拝をもとに、諸外国の宗教や思想に影響を受けて成立してきたもの。その起源は日本最古の記録「古事記」ともつながっていく。 しかしその大元が自然崇拝であるならば、宗教や文化を超えて人の心に馴染むだろうし、どんな人にとってもそれはこの国の歴史の一部に違いない。
例えば神社をきっかけに「この土地を守ってくれていると昔の人が信じてきたシンボルは何だろう?」と興味を持てば、その土地の歴史や信仰を知ることに直結する。 行きつけの神社のほかにも「産土様」や「氏神様」について調べてみるのもいいと思う。「産土様」とは僕らが生まれた土地の守り神。例えば大人になってほかの地域に住んだとしても、ずっとご縁をいただく神様のこと。「氏神様」は、その土地に住む人々が共同体として祀った神様で、古くはその土地を治める豪族が神格化されたものでもある。それを守る人を氏子といい、もとは「豪族〇〇氏の子」といった意味を持っている。地域によっては氏神様を鎮守様とも表現している。
僕は東京の神田生まれだから、神田明神が産土様。やはり特別な思いを持っている。 神田明神の歴史は古く、730年に出雲地方から移住してきた人々が、自分たちの祖先であり、出雲大社の神様である「大国主命(おおくにぬしのみこと)」を祀ったのが始まりと言われている。 「神田明神は平将門を祀っている神社だ」と思われるかもしれないが、それは少し後の話。(なぜ将門が神田明神で祀られるようになったのか、興味あればぜひ調べてみてください) 大国主は国守り国つくりの神様で、将門は戦の神様。「異質なものも一緒に祀る大らかさ」を産土様から教えてもらっている。
産土様や氏神様というのは、その土地の歴史や信仰、暮らしを学び、そこへの思いを馳せるスイッチの役割があるのかもしれない。ただただご利益やご利益にほだされて、その神徳ばかりをいただく場所として神社を捉えてしまうより、その土地に暮らしてきた先人たちへの思いを馳せながら、僕らの住まうこの国の積み重ねてきた魅力の中に身を投じたいとおもうばかりだ。
昔から日本の神さまは私たちの暮らしの中にあり、その神さまと出会い語らう場所が神社だったのかもしれません。それは神社が建てられるずっと以前からあった祈りの地であり、自然と共に生きてきた日本人にとって、もっと根源的な空間だったのではないかと思います。
神社学では、奥深い神社の魅力を、「古事記」などに記された神話や伝説を紐解きながら、日本の神さまや歴史的背景、先人との対話を意識して、神社学ならではの楽しみ方をシェアしていきます。
全国を巡ってお届けする【ライフスタイル神社学ツアー】。 「ライフスタイル神社学」の体験版「座学入門編」と実際の祈りの地に訪れる「参拝フィールドワーク」が開催されています。
<座学入門編> 座学入門編は、「ライフスタイル神社学」の魅力を体感してもらいたいという思いから生まれた、気軽にお楽しみいただける体験版です。 とてもお得な価格となっておりますので、ぜひこの機会にご受講してみてください。
締切間近! 福岡:8月17日(木) 講義時間:19:00-21:00 所在地:福岡県福岡市中央区渡辺通5-25-15 地産ビル天神409号
<参拝フィールドワーク編> フィールドワークでは、中村さんと一緒に祈りの土地へ訪れて参拝をします。 道中では、中村さんによるプチ講義や雑学が飛び出すため、実際に何度も訪れたことがある神社の場合でも、新たな発見が見つかるかもしれません。
過去の京都参拝フィールドワークのレポートは こちら
あまのいわと学校は季節ごとに、座学やフィールドワークを交えた講義を開催し、1年を通して天岩戸神話に触れ、学び、伝えていくことを目的に展開する学びの場です。
体験し学ぶことで神話の語り部となり、古来より紡がれた「咲き笑う」神さま達の物語を大切な方々に伝えて頂ける事を目的としています。
天岩戸神話については こちら
全国各地にあるソーシャル大学にて「神社学」を展開。地方活性のひとつとして尾道自由大学を設立し、校長に就任。その他、イマジン株式会社代表、(社)人力チャレンジ応援部代表理事。世界を旅し、外から見ることで日本の魅力に改めて気づき、帰国後に日本の魅力を再発見していく中で、とことん神社に心を奪われる。 アミナコレクションの【COTOAGE】で「ライフスタイル神社学」では『講師』として、「あまのいわと学校」では『ともに学ぶ委員長』として、活躍中。
本記事は【ライフスタイル神社学】【あまのいわと学校】にて「共に学ぶ委員長」として活躍いただいている中村真さんから頂いたものになります。
前回の記事は こちら
目次
この神社はどんな神様をお祀りしてるのかな。
気になる神社ができたら、ぜひそこに祀られその土地を守ってくれている神様のことや、その神社の歴史を調べてみると面白い。
僕は若いころ、半ば放浪のごとく海外を旅したことで、そもそもなんで僕は生きているのかな?この世の中に僕は必要なのかな?ということを考える時間を持つことができた。
ステレオタイプの価値判断や流行の中で何かに興味を持つことより、自身が求めているものは何なのか、僕ができることはどんなことなんだ、ということばっかり考えてきた。
その気づきと興味と行動の中で、僕は大好きな音楽と出会い、その積み重ねや仲間との縁から日本に帰国してから、仲間とともに音楽のイベントをしかけてみたり、海外からアーティストを招聘する現場にも携わってきた。旅やその後の経験の中で痛切に感じたのは文化の違う異国の人とのコミュニケーションにおいて必要なのは語学力もさることながら、自分自身の足元であるこの国の魅力を認識できているか、ということだった。
自分の地元。育った土地や国の歴史。心のよりどころとなる信仰。僕が出会った海外の人たちはみな、それを語る言葉をたくさん持っていた。
なぜなら、その人のものの考え方や、哲学、価値観は歴史と信仰に多大な影響をうけているので、「自分を語る深い話をしよう」となったときに、自然とそういった話が出てきていたように思う。一方僕はといえば、「地元。ああ関東。日本の歴史には興味ないし、信仰とか言われても何の宗教にも入っていない」という有様で、自分探しをしたくて海の向こうまで出かけたのに、その海の向こうで出会えたのは「自分を語る言葉は地元にこそあった」ということだった。
仏教やキリスト教は海外からやってきた宗教ですが、神道は古代日本に元々あった自然崇拝をもとに、諸外国の宗教や思想に影響を受けて成立してきたもの。その起源は日本最古の記録「古事記」ともつながっていく。 しかしその大元が自然崇拝であるならば、宗教や文化を超えて人の心に馴染むだろうし、どんな人にとってもそれはこの国の歴史の一部に違いない。
例えば神社をきっかけに「この土地を守ってくれていると昔の人が信じてきたシンボルは何だろう?」と興味を持てば、その土地の歴史や信仰を知ることに直結する。
行きつけの神社のほかにも「産土様」や「氏神様」について調べてみるのもいいと思う。「産土様」とは僕らが生まれた土地の守り神。例えば大人になってほかの地域に住んだとしても、ずっとご縁をいただく神様のこと。「氏神様」は、その土地に住む人々が共同体として祀った神様で、古くはその土地を治める豪族が神格化されたものでもある。それを守る人を氏子といい、もとは「豪族〇〇氏の子」といった意味を持っている。地域によっては氏神様を鎮守様とも表現している。
僕は東京の神田生まれだから、神田明神が産土様。やはり特別な思いを持っている。
神田明神の歴史は古く、730年に出雲地方から移住してきた人々が、自分たちの祖先であり、出雲大社の神様である「大国主命(おおくにぬしのみこと)」を祀ったのが始まりと言われている。
「神田明神は平将門を祀っている神社だ」と思われるかもしれないが、それは少し後の話。(なぜ将門が神田明神で祀られるようになったのか、興味あればぜひ調べてみてください)
大国主は国守り国つくりの神様で、将門は戦の神様。「異質なものも一緒に祀る大らかさ」を産土様から教えてもらっている。
産土様や氏神様というのは、その土地の歴史や信仰、暮らしを学び、そこへの思いを馳せるスイッチの役割があるのかもしれない。ただただご利益やご利益にほだされて、その神徳ばかりをいただく場所として神社を捉えてしまうより、その土地に暮らしてきた先人たちへの思いを馳せながら、僕らの住まうこの国の積み重ねてきた魅力の中に身を投じたいとおもうばかりだ。
先人が残した、 命と暮らしの物語を読む【COTOAGE】の活動紹介
神社巡りが楽しくなる雑学が満載!?ライフスタイル神社学オンライン
昔から日本の神さまは私たちの暮らしの中にあり、その神さまと出会い語らう場所が神社だったのかもしれません。それは神社が建てられるずっと以前からあった祈りの地であり、自然と共に生きてきた日本人にとって、もっと根源的な空間だったのではないかと思います。
神社学では、奥深い神社の魅力を、「古事記」などに記された神話や伝説を紐解きながら、日本の神さまや歴史的背景、先人との対話を意識して、神社学ならではの楽しみ方をシェアしていきます。
まずは気軽に!ライフスタイル神社学ツアー
全国を巡ってお届けする【ライフスタイル神社学ツアー】。
「ライフスタイル神社学」の体験版「座学入門編」と実際の祈りの地に訪れる「参拝フィールドワーク」が開催されています。
<座学入門編>
座学入門編は、「ライフスタイル神社学」の魅力を体感してもらいたいという思いから生まれた、気軽にお楽しみいただける体験版です。
とてもお得な価格となっておりますので、ぜひこの機会にご受講してみてください。
締切間近!
福岡:8月17日(木)
講義時間:19:00-21:00
所在地:福岡県福岡市中央区渡辺通5-25-15 地産ビル天神409号
<参拝フィールドワーク編>
フィールドワークでは、中村さんと一緒に祈りの土地へ訪れて参拝をします。
道中では、中村さんによるプチ講義や雑学が飛び出すため、実際に何度も訪れたことがある神社の場合でも、新たな発見が見つかるかもしれません。
過去の京都参拝フィールドワークのレポートは こちら
天岩戸神話の世界にダイブする!あまのいわと学校
あまのいわと学校は季節ごとに、座学やフィールドワークを交えた講義を開催し、1年を通して天岩戸神話に触れ、学び、伝えていくことを目的に展開する学びの場です。
体験し学ぶことで神話の語り部となり、古来より紡がれた「咲き笑う」神さま達の物語を大切な方々に伝えて頂ける事を目的としています。
天岩戸神話については こちら
筆者プロフィール:神社学教授 中村真
全国各地にあるソーシャル大学にて「神社学」を展開。地方活性のひとつとして尾道自由大学を設立し、校長に就任。その他、イマジン株式会社代表、(社)人力チャレンジ応援部代表理事。世界を旅し、外から見ることで日本の魅力に改めて気づき、帰国後に日本の魅力を再発見していく中で、とことん神社に心を奪われる。
アミナコレクションの【COTOAGE】で「ライフスタイル神社学」では『講師』として、「あまのいわと学校」では『ともに学ぶ委員長』として、活躍中。