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きらびやかなモール糸を使って模様を縫う「ザリ刺しゅう」は、インド古来の伝統工芸です。インドの宮廷文化として栄え、皇帝も愛したと言われるこの刺しゅうは、かつて本物の金や銀の糸が使われ、真珠や宝石が縫い付けられていたようです。
今回は、そんな豪華絢爛なザリ刺しゅうの魅力をご紹介します。 「ザリ刺しゅうについて知りたい」「ザリ刺しゅうのアイテムを使ってみたい」という方は、ぜひ読んでみてください。
インドの伝統的な手工芸であるザリ刺しゅうでは、専用の刺しゅう針を用いて色とりどりの刺しゅう糸やコイル状の金属モール糸を生地に縫いつけ、繊細な模様を描いていきます。 布はシルクやサテン、ベルベッドなどを使い、模様にはスパンコールやビーズで飾り付けをしていきます。
インドの宮廷文化が栄えていた頃は、なんと本物の金や銀といった貴金属で作られたモールや、真珠や宝石などの高価なパーツが使われていたそうです。 ひとつひとつの工程がハンドワークで行われるため、かなりの手間と時間がかかる技法ですが、そのぶん華やかで贅沢な仕上がりになります。 ヨーロッパの刺しゅうとは少しテイストの異なる、エキゾチックなデザインもザリ刺しゅうの魅力のひとつです。
ザリ刺しゅうはもともと、ペルシア(現在のイラン)で発展した手工芸で、中央アジアのタジキスタンやウズベキスタンといったイスラム教国で広まりました。 ペルシア語で「金」の意味を持つ「zar」と「刺しゅう」の意味を持つ「dozi」を組み合わせた「zardozi(ザルドジ)」とも呼ばれていますが、日本では「ザリ刺しゅう」と呼ばれることが多いようです。
そんなザリ刺しゅうですが、16世紀後半にイスラム教を信仰するムガル帝国によってインドの地へもたらされました。ムガル帝国とは、1500年ごろから約3世紀にわたって現在のインドやパキスタン辺りに存在した帝国です。 当時、ムガル帝国でそれぞれの地域を支配していた統治者であるマハラジャたちもこの刺しゅうを愛し、宮廷衣装や装飾品、さらに宮廷内のインテリアを作る際に好んで用いたようです。
ちなみに、マハラジャはサンスクリット語で「偉大な王」を意味する言葉で、当時大きな権力を持っていました。そんな彼らは国を治める一方で、ザリ刺しゅうを広め、その人気を支える立役者ともなったのです。 豪華で材料費のかかるザリ刺しゅうは、きっとマハラジャの権威を示すのにぴったりだったのではないでしょうか。
その美しさで多くの人々を魅了し、インドの地域で広まっていったザリ刺しゅうですが、歴史と共に変化が訪れます。
17世紀後半、ムガル帝国の領土を最大まで広げ、国の繁栄に貢献した第6代皇帝のアウラングゼーブの死後、帝国は衰退の一途を辿っていました。 その後、フランスやイギリスといったヨーロッパの国々がインドへ進出し、1857年にインドはついにイギリスに敗れ、抵抗も虚しく植民地となってしまいます。 ここで、332年続いたムガル帝国は崩壊し、500年続いた王朝も消滅。ムガル帝国はイギリスの植民地となってしまうのです。
こうして、マハラジャたちが権力を失ったことで、コストも時間もかかる宮廷文化のザリ刺しゅうにも少しずつ変わっていきます。
イギリスの植民地となったムガル帝国は、インドのヴィクトリア女王を皇帝とする「インド帝国」へと姿を変えます。 そして、ちょうどこの頃、18世紀後半にイギリスで始まった産業革命が佳境を迎えていました。 科学技術が向上し、さまざまなものが工業化していくなかで、これまで上流階級の人たちのものであった芸術やファッション、工芸品を一般市民でも楽しむことができるようになってきます。そうして、ザリ刺しゅうも産業革命の影響を受け、他の文化と同様に大衆化していきました。
かつては本物の金銀、宝石がふんだんに使われていましたが、現代ではビーズやスパンコールといった手に入りやすい素材が使われているので、私たちでも手が届くザリ刺しゅうの商品がたくさん登場しています。
そんな歴史の深いザリ刺しゅうですが、現代のインドではマディヤプラデーシュ州の都市ウジャインやウッタルプラデーシュ州最大の都市のラクナウなどに工房があり、有名な産地として知られています。 女性の民族衣装であるサリーや婚礼衣装のレンガ・チュンニなどの正装、ポーチやバッグといった小物やブローチなどの装飾品に用いられているそうですよ。 伝統ある技術を継承した職人が今でも手作業でひとつひとつ縫っているザリ刺しゅうは、当時の輝きを残したまま、今でも多くの人に愛されています。
ザリ刺しゅうの長くて深い歴史は分かっていただけましたでしょうか? あまり馴染みのない技術ですが、デザインによっては私たち日本人のファッションにも合わせやすそうですよね。 チェンナイやハイデラバードといった大きな都市でも人気があり、今やインドのファッショニスタには欠かせないザリ刺しゅうのアイテム、実はチャイハネでも展開しております。
ここからは、おすすめの商品をご紹介していくので、ザリ刺しゅうの製品に興味がある方は、ぜひご覧ください!
こちらで紹介する商品は、サリーに施された豪華なザリ刺しゅうを集めパッチワークした生地で作られました。 豪華な刺しゅうをそのまま破棄してしまうなんてもったいない! 刺繍のきれいな部分を組み合わせ、再利用して、こんな素敵な商品に生まれまわりました。
だから同じものは2つとありません。またどれも職人さんが柄の見え方や組み合わせを拘っているので、どれも素敵で、どれも欲しくなってしまう魅惑のアイテムです。
憧れのザリ刺しゅうが大きめサイズのポーチになりました。 色とりどりの刺繍糸やモールを縫い付け、植物や模様が描かれたカラフルな布がパッチワークされていて、とっても華やか。大きめのポーチなので、クラッチバッグのように持つのも素敵です。 カラフルだからこそ、シンプルな服装やパンツスタイルに合わせると、ファッションのアクセントになっておすすめですよ。
布の色はベージュ、ピンク、レッド、ブルー、イエローの5色。お好きな色を選んでいただければ、デザインはランダムにお届けします。 どれも職人さんが作った世界にひとつのオリジナルデザイン。どんなポーチが届くのか、ワクワクしながら待っていてくださいね!
インテリアに使いたいファブリックバスケット。 観葉植物などの鉢カバーや、見せたい収納、編み物の道具や読書中の雑誌を一時的に入れておくカゴなど、生活感が出てしまうものでも、このカラフルなファブリックバスケットを使えば、なんとなくまとまるので重宝します。 カラフルながら、ベースカラーが揃っているので、ガチャガチャした印象もなくお好みのカラーを選べばすっとインテリアになじみます。
かつては国の権力者しか持つことが許されなかったザリ刺しゅうのアイテム。そんな歴史ある格式高い伝統的な刺しゅうが、現代の私たちの手元に届くなんて、なんだかロマンティックですよね。 刺しゅうは一針一針を丁寧に刺すことで、完成品のクオリティもグッと上がります。そうして長い時間をかけて作られた作品が手元に届いたときは、喜びもひとしお。 ザリ刺しゅうに興味がある方はぜひ、ポーチやクッションといった身近なアイテムから気軽に取り入れてみませんか?インドの職人がひとつひとつ手間暇かけて手作業で作った商品を使えば、日本にいながら当時のマハラジャ気分が味わえるかも。
きらびやかなモール糸を使って模様を縫う「ザリ刺しゅう」は、インド古来の伝統工芸です。インドの宮廷文化として栄え、皇帝も愛したと言われるこの刺しゅうは、かつて本物の金や銀の糸が使われ、真珠や宝石が縫い付けられていたようです。
今回は、そんな豪華絢爛なザリ刺しゅうの魅力をご紹介します。
「ザリ刺しゅうについて知りたい」「ザリ刺しゅうのアイテムを使ってみたい」という方は、ぜひ読んでみてください。
目次
華やかなザリ刺しゅうの歴史
ザリ刺しゅうってどんなもの?
インドの伝統的な手工芸であるザリ刺しゅうでは、専用の刺しゅう針を用いて色とりどりの刺しゅう糸やコイル状の金属モール糸を生地に縫いつけ、繊細な模様を描いていきます。
布はシルクやサテン、ベルベッドなどを使い、模様にはスパンコールやビーズで飾り付けをしていきます。
インドの宮廷文化が栄えていた頃は、なんと本物の金や銀といった貴金属で作られたモールや、真珠や宝石などの高価なパーツが使われていたそうです。
ひとつひとつの工程がハンドワークで行われるため、かなりの手間と時間がかかる技法ですが、そのぶん華やかで贅沢な仕上がりになります。
ヨーロッパの刺しゅうとは少しテイストの異なる、エキゾチックなデザインもザリ刺しゅうの魅力のひとつです。
ザリ刺しゅうの歴史
ザリ刺しゅうはもともと、ペルシア(現在のイラン)で発展した手工芸で、中央アジアのタジキスタンやウズベキスタンといったイスラム教国で広まりました。
ペルシア語で「金」の意味を持つ「zar」と「刺しゅう」の意味を持つ「dozi」を組み合わせた「zardozi(ザルドジ)」とも呼ばれていますが、日本では「ザリ刺しゅう」と呼ばれることが多いようです。
そんなザリ刺しゅうですが、16世紀後半にイスラム教を信仰するムガル帝国によってインドの地へもたらされました。ムガル帝国とは、1500年ごろから約3世紀にわたって現在のインドやパキスタン辺りに存在した帝国です。
当時、ムガル帝国でそれぞれの地域を支配していた統治者であるマハラジャたちもこの刺しゅうを愛し、宮廷衣装や装飾品、さらに宮廷内のインテリアを作る際に好んで用いたようです。
ちなみに、マハラジャはサンスクリット語で「偉大な王」を意味する言葉で、当時大きな権力を持っていました。そんな彼らは国を治める一方で、ザリ刺しゅうを広め、その人気を支える立役者ともなったのです。
豪華で材料費のかかるザリ刺しゅうは、きっとマハラジャの権威を示すのにぴったりだったのではないでしょうか。
マハラジャの衰退、そして私たちのもとへ
マハラジャの衰退とザリ刺しゅうの変化
その美しさで多くの人々を魅了し、インドの地域で広まっていったザリ刺しゅうですが、歴史と共に変化が訪れます。
17世紀後半、ムガル帝国の領土を最大まで広げ、国の繁栄に貢献した第6代皇帝のアウラングゼーブの死後、帝国は衰退の一途を辿っていました。
その後、フランスやイギリスといったヨーロッパの国々がインドへ進出し、1857年にインドはついにイギリスに敗れ、抵抗も虚しく植民地となってしまいます。
ここで、332年続いたムガル帝国は崩壊し、500年続いた王朝も消滅。ムガル帝国はイギリスの植民地となってしまうのです。
こうして、マハラジャたちが権力を失ったことで、コストも時間もかかる宮廷文化のザリ刺しゅうにも少しずつ変わっていきます。
マハラジャに憧れて
イギリスの植民地となったムガル帝国は、インドのヴィクトリア女王を皇帝とする「インド帝国」へと姿を変えます。
そして、ちょうどこの頃、18世紀後半にイギリスで始まった産業革命が佳境を迎えていました。
科学技術が向上し、さまざまなものが工業化していくなかで、これまで上流階級の人たちのものであった芸術やファッション、工芸品を一般市民でも楽しむことができるようになってきます。そうして、ザリ刺しゅうも産業革命の影響を受け、他の文化と同様に大衆化していきました。
かつては本物の金銀、宝石がふんだんに使われていましたが、現代ではビーズやスパンコールといった手に入りやすい素材が使われているので、私たちでも手が届くザリ刺しゅうの商品がたくさん登場しています。
今もインドで愛されるザリ刺しゅう
そんな歴史の深いザリ刺しゅうですが、現代のインドではマディヤプラデーシュ州の都市ウジャインやウッタルプラデーシュ州最大の都市のラクナウなどに工房があり、有名な産地として知られています。
女性の民族衣装であるサリーや婚礼衣装のレンガ・チュンニなどの正装、ポーチやバッグといった小物やブローチなどの装飾品に用いられているそうですよ。
伝統ある技術を継承した職人が今でも手作業でひとつひとつ縫っているザリ刺しゅうは、当時の輝きを残したまま、今でも多くの人に愛されています。
ザリ刺しゅうの長くて深い歴史は分かっていただけましたでしょうか?
あまり馴染みのない技術ですが、デザインによっては私たち日本人のファッションにも合わせやすそうですよね。
チェンナイやハイデラバードといった大きな都市でも人気があり、今やインドのファッショニスタには欠かせないザリ刺しゅうのアイテム、実はチャイハネでも展開しております。
ここからは、おすすめの商品をご紹介していくので、ザリ刺しゅうの製品に興味がある方は、ぜひご覧ください!
憧れのザリ刺しゅうを手の中に!
こちらで紹介する商品は、サリーに施された豪華なザリ刺しゅうを集めパッチワークした生地で作られました。
豪華な刺しゅうをそのまま破棄してしまうなんてもったいない!
刺繍のきれいな部分を組み合わせ、再利用して、こんな素敵な商品に生まれまわりました。
だから同じものは2つとありません。またどれも職人さんが柄の見え方や組み合わせを拘っているので、どれも素敵で、どれも欲しくなってしまう魅惑のアイテムです。
牛革との組み合わせが手になじむ平ポーチ
憧れのザリ刺しゅうが大きめサイズのポーチになりました。
色とりどりの刺繍糸やモールを縫い付け、植物や模様が描かれたカラフルな布がパッチワークされていて、とっても華やか。大きめのポーチなので、クラッチバッグのように持つのも素敵です。
カラフルだからこそ、シンプルな服装やパンツスタイルに合わせると、ファッションのアクセントになっておすすめですよ。
布の色はベージュ、ピンク、レッド、ブルー、イエローの5色。お好きな色を選んでいただければ、デザインはランダムにお届けします。
どれも職人さんが作った世界にひとつのオリジナルデザイン。どんなポーチが届くのか、ワクワクしながら待っていてくださいね!
使い方は自由!ファブリックバスケット
インテリアに使いたいファブリックバスケット。
観葉植物などの鉢カバーや、見せたい収納、編み物の道具や読書中の雑誌を一時的に入れておくカゴなど、生活感が出てしまうものでも、このカラフルなファブリックバスケットを使えば、なんとなくまとまるので重宝します。
カラフルながら、ベースカラーが揃っているので、ガチャガチャした印象もなくお好みのカラーを選べばすっとインテリアになじみます。
伝統工芸を日常使い、インドのザリ刺しゅうで憧れのマハラジャ気分
かつては国の権力者しか持つことが許されなかったザリ刺しゅうのアイテム。そんな歴史ある格式高い伝統的な刺しゅうが、現代の私たちの手元に届くなんて、なんだかロマンティックですよね。
刺しゅうは一針一針を丁寧に刺すことで、完成品のクオリティもグッと上がります。そうして長い時間をかけて作られた作品が手元に届いたときは、喜びもひとしお。
ザリ刺しゅうに興味がある方はぜひ、ポーチやクッションといった身近なアイテムから気軽に取り入れてみませんか?インドの職人がひとつひとつ手間暇かけて手作業で作った商品を使えば、日本にいながら当時のマハラジャ気分が味わえるかも。