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子どもを食べる怖い魔女に有名なガルーダ。照れ屋な神様に指圧師?ポーズの神様。「神々の住む島」と呼ばれるインドネシア・バリ島には、私たちを笑顔にしてくれるユニークな神様がいました。今回はちょっと趣向を変えて、バリ島で出会った神々をたくさんの写真と共に紹介します。
後半は、神様のお弁当や自由な信仰の様子をご紹介。
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11世紀頃に建てられたこのゴア・ガジャ遺跡は、誰が何のためにこの地に造ったのか未だに解明されていない不思議な遺跡です。
この遺跡を発見したのはオランダ人。現地の人々に忘れられ外国人の手によって発見されるなんて、ペルーのマチュピチュ遺跡に似ていると思いませんか? マチュピチュ遺跡同様、ゴア・ガジャ遺跡も多くの謎に包まれています。
謎多きこの遺跡の一番の見どころはなんといっても、怖い顔をして口を開けた女性のレリーフ! このレリーフの正体については、〝バリ島に伝承される魔女ランダの顔〟や〝守護神カーラの頭〟〝山を創造したシバ・パスパティの顔〟などと憶測されるばかりで、本当は何を表しているのか分かっていません。
ちなみに、この口は石窟の出入口になっていて、自由に出入りすることができます。 口の中の薄暗い空間には、ガネーシャとヒンドゥーの3大神(シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマ)が祀られています。
古く日本では「八百万の神」を信仰してきましたが、バリ島の人々も同じような考えを持っているようです。「至る所に神様がいらっしゃる」という考えから、公共の建物の床とか、自宅の玄関横、果ては何てことない道路の脇にまで、あっちにもこっちにも神様への捧げ物が供えてあります。
遺跡や神様の社にお供え物をするのは分かりますが、ただの柱や普通の道路でお供え物を見つけた時にはビックリ!しました。なんて自由なんでしょう。 旅行中に観察して気付きましたが、誰が何を言おうと「ここに神様がいる」「私はここにお供え物をしたい」と思えば、それでOKのようです。
でも気付きました。日本人である私たちも、道祖神やお地蔵さんを祀ります。風化して堀りが消えた道祖神などは、ほかの国の人の目線で見れば「石」を信仰しているようにしか見えないでしょう。 山道や水辺にあるキレイな石の前にお金(5円玉)が積んであったり、見渡せば私たち日本人も結構自由に神様を祀っているのかも知れません。
バリ島を旅していると、バティックと呼ばれる民族衣装を着た女性が、コースターサイズの籠のようなものを持って歩いている姿をよく見かけます。バリらしい模様の布スカートを履いて、うやうやしく籠を持ち運ぶ姿は何だかとてもステキ。
彼女たちは静々と歩いて、自宅の玄関脇や地域の祭壇に籠を置きます。そして、籠の中や両サイドに生花を飾り、お米を入れ、何か祈りを捧げていました。線香のようなものに火を灯す場合もあり、3~5分程お祈りをした後は、籠をそのままにして帰宅します。
旅行者である私が遠巻きに観察しても全く意に介さず、笑いかけてくれることもありました。
バリ島には一週間しか滞在しませんでしたが、バリの女性たちは朝と夕の2回、このお祈りを続けているようでした。
彼女たちを見ていると祈るという行為の尊さに気付かされます。どれだけ忙しくてもイヤな事があっても、1日に2回は心を落ち着け(神様でも自然でも先祖でも)感謝し、ありたい未来を願う。少し前から流行している、マインドフルネス瞑想や、感謝を軸にした引き寄せの法則などは、祈りの変形の一種なのかも知れません。
朝夕の2回、神様に捧げられるお供えの籠は、お祈りが終わった後もその場に供えおかれます。
観察してみると人によって少しずつ中身は違っていましたが、共通している点が5つほどありました。
まるで神様のお弁当箱。映えを意識した美しい物、シンプルな物、豪華な物さまざまです。心を込めて神様のお弁当(お供え籠)を造り、短時間でも心を込めてお祈りする。人と神様の距離が近い島、それがバリ島のようです。
大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。 マイナーな国をメインに、世界中を旅する。 旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。 出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。 公式HP:Lucia Travel
子どもを食べる怖い魔女に有名なガルーダ。照れ屋な神様に指圧師?ポーズの神様。「神々の住む島」と呼ばれるインドネシア・バリ島には、私たちを笑顔にしてくれるユニークな神様がいました。今回はちょっと趣向を変えて、バリ島で出会った神々をたくさんの写真と共に紹介します。
後半は、神様のお弁当や自由な信仰の様子をご紹介。
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目次
神々の決めポーズ
謎だらけのパワースポット!古代遺跡ゴア・ガジャ
11世紀頃に建てられたこのゴア・ガジャ遺跡は、誰が何のためにこの地に造ったのか未だに解明されていない不思議な遺跡です。
この遺跡を発見したのはオランダ人。現地の人々に忘れられ外国人の手によって発見されるなんて、ペルーのマチュピチュ遺跡に似ていると思いませんか?
マチュピチュ遺跡同様、ゴア・ガジャ遺跡も多くの謎に包まれています。
手前にあるのは女神の沐浴場で、ほぼ完全な状態で発掘されています
謎多きこの遺跡の一番の見どころはなんといっても、怖い顔をして口を開けた女性のレリーフ!
このレリーフの正体については、〝バリ島に伝承される魔女ランダの顔〟や〝守護神カーラの頭〟〝山を創造したシバ・パスパティの顔〟などと憶測されるばかりで、本当は何を表しているのか分かっていません。
ちなみに、この口は石窟の出入口になっていて、自由に出入りすることができます。
口の中の薄暗い空間には、ガネーシャとヒンドゥーの3大神(シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマ)が祀られています。
道路にも神様?「八百万の神々」とよく似た信仰の考え方
古く日本では「八百万の神」を信仰してきましたが、バリ島の人々も同じような考えを持っているようです。「至る所に神様がいらっしゃる」という考えから、公共の建物の床とか、自宅の玄関横、果ては何てことない道路の脇にまで、あっちにもこっちにも神様への捧げ物が供えてあります。
遺跡や神様の社にお供え物をするのは分かりますが、ただの柱や普通の道路でお供え物を見つけた時にはビックリ!しました。なんて自由なんでしょう。
旅行中に観察して気付きましたが、誰が何を言おうと「ここに神様がいる」「私はここにお供え物をしたい」と思えば、それでOKのようです。
でも気付きました。日本人である私たちも、道祖神やお地蔵さんを祀ります。風化して堀りが消えた道祖神などは、ほかの国の人の目線で見れば「石」を信仰しているようにしか見えないでしょう。
山道や水辺にあるキレイな石の前にお金(5円玉)が積んであったり、見渡せば私たち日本人も結構自由に神様を祀っているのかも知れません。
信仰と共に生きる日々
バリ島を旅していると、バティックと呼ばれる民族衣装を着た女性が、コースターサイズの籠のようなものを持って歩いている姿をよく見かけます。バリらしい模様の布スカートを履いて、うやうやしく籠を持ち運ぶ姿は何だかとてもステキ。
彼女たちは静々と歩いて、自宅の玄関脇や地域の祭壇に籠を置きます。そして、籠の中や両サイドに生花を飾り、お米を入れ、何か祈りを捧げていました。線香のようなものに火を灯す場合もあり、3~5分程お祈りをした後は、籠をそのままにして帰宅します。
旅行者である私が遠巻きに観察しても全く意に介さず、笑いかけてくれることもありました。
バリ島には一週間しか滞在しませんでしたが、バリの女性たちは朝と夕の2回、このお祈りを続けているようでした。
彼女たちを見ていると祈るという行為の尊さに気付かされます。どれだけ忙しくてもイヤな事があっても、1日に2回は心を落ち着け(神様でも自然でも先祖でも)感謝し、ありたい未来を願う。少し前から流行している、マインドフルネス瞑想や、感謝を軸にした引き寄せの法則などは、祈りの変形の一種なのかも知れません。
まるで神様のお弁当!手作りのお供え籠
朝夕の2回、神様に捧げられるお供えの籠は、お祈りが終わった後もその場に供えおかれます。
観察してみると人によって少しずつ中身は違っていましたが、共通している点が5つほどありました。
まるで神様のお弁当箱。映えを意識した美しい物、シンプルな物、豪華な物さまざまです。心を込めて神様のお弁当(お供え籠)を造り、短時間でも心を込めてお祈りする。人と神様の距離が近い島、それがバリ島のようです。
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筆者プロフィール:R.香月(かつき)
大学卒業後、ライター&編集者として出版社や新聞社に勤務。
マイナーな国をメインに、世界中を旅する。
旅先で出会ったイスラム教徒と国際結婚。
出産&離婚&再婚を経て現在は2児の母。
公式HP:Lucia Travel