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登拝とは、「信仰として山に登る」という意味合いがありますが、現代の登拝者たちの目的・想いは様々なのかもしれません。 この企画は、古代から脈々と続く、祈りやお社・神話という形の様々なストーリーを根底に、登拝経験者に思いの丈を吐露してもらうというもの。 弊社スタッフ数名がともに参加した登拝体験を基に、スタッフ持ち回りで連載していきます。
~「神社学」で学んだこと~
登拝(とうはい)とは何だろう??という方が多いのではないでしょうか。 実際僕自身がそのひとりであり、現在もこの登拝の魅力や山へ向かう動機がどこにあるのか??などを問いかけながら登拝を楽しんでいます。 基本的イメージとしては「登拝=登山やハイキング」と考えて間違いないと思うのですが、少し目的が異なります。
登拝との出会いのきっかけは、ユニークな講義を様々展開する自由大学という学びの場で、「神社学」という短期講座を受講したことにあります。講義では、神社や神話、その奥にある自然崇拝について学び、最後のフィールドワークで登拝を体験します。
登拝について僕の体験をお伝えする前に、そのきっかけである「神社学」について、もう少し皆さんに共有しておきたいと思います。
講義初日。普段なかなか行く事のない東京・表参道の洒落た路地裏。講義開始直前の僕の正直な心の内はというと、「ガチガチのお堅い講義なのかな??話にちゃんとついていけるだろうか・・・」と、久しぶりの授業形式ということもあって、期待と不安?が交じり合い、少し構えていたかもしれません。
ところがですよ。最初に生徒さん全員の自己紹介が終わった後、先生の自己紹介が始まったのですが、全く想像していたそれとは違うものでした。 先生の自己紹介は、気が付けば30分は軽く越えていたでしょう。とにかく長い。なかなか本題に入らない。その主な内容の詳細は省略しますが、ザックリ言うと、先生が若い頃、日本を離れ異国を旅していた時の話と、先生がこよなく愛するグレイトフル・デッドという伝説のバンドの話。「あれ?何の講義だっけ・・・??」
音楽が好きな方は御存知かと思いますが、1960年代にカリフォルニアで結成し、メンバーのジェリー・ガルシアが亡くなる1995年まで活躍したあのライブバンドです。当時のヒッピーやサイケデリックカルチャーを背景に、伝説となった1969年の野外イベント「ウッドストック・フェスティバル」にも参加しているLOVE&PEACEなバンドです。 そうです。先生はゴリゴリのデッドヘッズ(最後のぎりぎり世代)だったのです。
僕はデッドヘッズではなく、にわかファンですが、多少は彼らの音源も聞いてきた事や、同世代あるあるかもしれませんが、若い頃に異国を旅していたという部分なども、個人的にはどこか馴染みやすい話の切り口で楽しく聞き入っていました。
その一方で「いったいいつになったら神社の話に入るのだろう?このまま今日は終わるのか??」と、今度は当初とはまた別の不安?を感じたのでした。 しかし話を聞き入っていると、気が付けばガッツリ本筋の話に入っているではありませんか。今思えば、いつ本題へ流れついたのかもハッキリ覚えていませんが、先生の零れ落ちるデッド愛からの神社愛、多くの知識に裏づけされた神話や神道にまつわるお話など、興味深い解釈を聞き逃すまいと、おそらく僕含め生徒さん全員が集中していたように思います。
結局、話が切り替わったのではなく全て繋がっていた訳ですね。というか、この話の中に先生の人となりが少し垣間見え、講義内容に皆が惹きつけられ有意義な時間を過ごしていたのでしょうね。
気が付けば、その日の講義は予定時間を1時間以上も越えていたのでした。(残りの講義も毎回オーバー。笑)
講義を受けて僕がまず感じたことは、「人から物事を伝え聞く事や、情報や考えを共有していただく事は、とてもありがたいことで楽しい」と改めてシンプルに思いました。もちろん日常生活や職場でも多々ありがたい場面はある訳ですが、中年男が久しぶりにわざわざ学びの場に行く行為が、よりそう再認識させたのかもしれません。
それと神社学においては、目的が多くの知識を詰め込む事ではなく、先生が長年研究してきた事や、実際に見聞きしてきた事を、僕らに主観を交えて話してくれるのですが、浅はかな僕にもそれがとっつきやすく、とにかく面白い。 僕的にはこの講義によって、日本人として知っておくべき信仰における歴史的背景や、この国に住む者としての大切な何かを学ばせていただいたような気がします。
神話や伝承においては様々な解釈もあるようですが、共有していただいた内容においては、僅かながらに聞いたことある内容もあれば、「ほんとに??」というような刺激的な情報や解釈もある。 そもそも「1+1=2なんです。」という感じの講義でもないので、まずは肩の力を抜いて、その共有されたことの中から、僕らは情報の取捨選択をしたって良いだろうとも思う。
大事なのは、僕ら日本民族には、古代から脈々と続く、祈りやお社・神話という形の様々なストーリーが残されており、そこに少し身を寄せて自分なりに考えてみると、日常が少し面白いものになる。そんな事を共有していただいたのかもしれません。
なるほど・・・先生がデッドヘッズであることが僕の中で繋がる。日本の奥深い魅力の楽しみ方を知っている先生は、神社学という講義を通し、日本という国を楽しむ旅の方法(物理的にも心的にも)を僕らにただシェアしてくれたのかもしれません。
少し前置きが長くなりましたが・・・
次回は実際の登拝体験について、お話します。
★M.Sより★
登拝とは、「信仰として山に登る」という意味合いがありますが、現代の登拝者たちの目的・想いは様々なのかもしれません。
この企画は、古代から脈々と続く、祈りやお社・神話という形の様々なストーリーを根底に、登拝経験者に思いの丈を吐露してもらうというもの。
弊社スタッフ数名がともに参加した登拝体験を基に、スタッフ持ち回りで連載していきます。
~「神社学」で学んだこと~
登拝(とうはい)とは何だろう??という方が多いのではないでしょうか。
実際僕自身がそのひとりであり、現在もこの登拝の魅力や山へ向かう動機がどこにあるのか??などを問いかけながら登拝を楽しんでいます。
基本的イメージとしては「登拝=登山やハイキング」と考えて間違いないと思うのですが、少し目的が異なります。
登拝との出会いのきっかけは、ユニークな講義を様々展開する自由大学という学びの場で、「神社学」という短期講座を受講したことにあります。講義では、神社や神話、その奥にある自然崇拝について学び、最後のフィールドワークで登拝を体験します。
登拝について僕の体験をお伝えする前に、そのきっかけである「神社学」について、もう少し皆さんに共有しておきたいと思います。
講義初日。普段なかなか行く事のない東京・表参道の洒落た路地裏。講義開始直前の僕の正直な心の内はというと、「ガチガチのお堅い講義なのかな??話にちゃんとついていけるだろうか・・・」と、久しぶりの授業形式ということもあって、期待と不安?が交じり合い、少し構えていたかもしれません。
ところがですよ。最初に生徒さん全員の自己紹介が終わった後、先生の自己紹介が始まったのですが、全く想像していたそれとは違うものでした。
先生の自己紹介は、気が付けば30分は軽く越えていたでしょう。とにかく長い。なかなか本題に入らない。その主な内容の詳細は省略しますが、ザックリ言うと、先生が若い頃、日本を離れ異国を旅していた時の話と、先生がこよなく愛するグレイトフル・デッドという伝説のバンドの話。「あれ?何の講義だっけ・・・??」
音楽が好きな方は御存知かと思いますが、1960年代にカリフォルニアで結成し、メンバーのジェリー・ガルシアが亡くなる1995年まで活躍したあのライブバンドです。当時のヒッピーやサイケデリックカルチャーを背景に、伝説となった1969年の野外イベント「ウッドストック・フェスティバル」にも参加しているLOVE&PEACEなバンドです。
そうです。先生はゴリゴリのデッドヘッズ(最後のぎりぎり世代)だったのです。
僕はデッドヘッズではなく、にわかファンですが、多少は彼らの音源も聞いてきた事や、同世代あるあるかもしれませんが、若い頃に異国を旅していたという部分なども、個人的にはどこか馴染みやすい話の切り口で楽しく聞き入っていました。
その一方で「いったいいつになったら神社の話に入るのだろう?このまま今日は終わるのか??」と、今度は当初とはまた別の不安?を感じたのでした。
しかし話を聞き入っていると、気が付けばガッツリ本筋の話に入っているではありませんか。今思えば、いつ本題へ流れついたのかもハッキリ覚えていませんが、先生の零れ落ちるデッド愛からの神社愛、多くの知識に裏づけされた神話や神道にまつわるお話など、興味深い解釈を聞き逃すまいと、おそらく僕含め生徒さん全員が集中していたように思います。
結局、話が切り替わったのではなく全て繋がっていた訳ですね。というか、この話の中に先生の人となりが少し垣間見え、講義内容に皆が惹きつけられ有意義な時間を過ごしていたのでしょうね。
気が付けば、その日の講義は予定時間を1時間以上も越えていたのでした。(残りの講義も毎回オーバー。笑)
講義を受けて僕がまず感じたことは、「人から物事を伝え聞く事や、情報や考えを共有していただく事は、とてもありがたいことで楽しい」と改めてシンプルに思いました。もちろん日常生活や職場でも多々ありがたい場面はある訳ですが、中年男が久しぶりにわざわざ学びの場に行く行為が、よりそう再認識させたのかもしれません。
それと神社学においては、目的が多くの知識を詰め込む事ではなく、先生が長年研究してきた事や、実際に見聞きしてきた事を、僕らに主観を交えて話してくれるのですが、浅はかな僕にもそれがとっつきやすく、とにかく面白い。
僕的にはこの講義によって、日本人として知っておくべき信仰における歴史的背景や、この国に住む者としての大切な何かを学ばせていただいたような気がします。
神話や伝承においては様々な解釈もあるようですが、共有していただいた内容においては、僅かながらに聞いたことある内容もあれば、「ほんとに??」というような刺激的な情報や解釈もある。
そもそも「1+1=2なんです。」という感じの講義でもないので、まずは肩の力を抜いて、その共有されたことの中から、僕らは情報の取捨選択をしたって良いだろうとも思う。
大事なのは、僕ら日本民族には、古代から脈々と続く、祈りやお社・神話という形の様々なストーリーが残されており、そこに少し身を寄せて自分なりに考えてみると、日常が少し面白いものになる。そんな事を共有していただいたのかもしれません。
なるほど・・・先生がデッドヘッズであることが僕の中で繋がる。日本の奥深い魅力の楽しみ方を知っている先生は、神社学という講義を通し、日本という国を楽しむ旅の方法(物理的にも心的にも)を僕らにただシェアしてくれたのかもしれません。
少し前置きが長くなりましたが・・・
次回は実際の登拝体験について、お話します。
★M.Sより★