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古の都にある寺社を訪れ、感じる香りの中で深呼吸すると、心が深くリラックスする経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
なぜ私たちは、香りに惹きつけられるのでしょう。香りには記憶と深く結びつき、感情を呼び起こす効果があると言われています。
檜(ひのき)や白檀(びゃくだん)、ゆず、イ草といった和の香りは、暮らしの中で馴染み深く、在りし日のあたたかな記憶と結びつき、自分の中にあるやさしい気持ちを呼び起こしてくれるような感じはしませんか。 日本の四季や植物がもたらしてくれる多様な香りは、感情を落ち着け、集中力を高めてくれたり、深いリラクゼーションへと誘ってくれたりと、生活のところどころで手助けをしてくれるでしょう。
毎日の気分転換や雰囲気作り、自分への活力向上など多様な形で手軽に取り入れることが出来るのでご紹介します。
香りは生活スタイルに合わせて多様な形で愉しむことが出来ます。 たとえば、火をつけて焚くお線香のようなスティックタイプのものや、円錐形をしたコーン型のお香は、部屋や空間に漂う香りを楽しみます。
また、空気に触れることで香り、「匂い袋」や「文香」と呼ばれる、香りを移して楽しむスタイルといったようなものもあり、 そして、嫌な香りを吸収してくれるタイプなど、種類も使い方によって様々です。
和の香りの原料は、どれも自然由来の物を元に作られています。 白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)といった香木をはじめ、世界中いろいろなところでとれる貴重な自然の恵みを使ったお香は、心にくつろぎを与えてくれるといわれています。
眠る前のリラックスタイムや、休日のゆったりとした時間にお香として楽しむだけでなく、香水のように身に纏うことができるのが、和の香りの良いところ。 衣類や持ち物への移り香を楽しんだり、香りの移った小物や手紙などを誰かに贈ったり、和の香りを嗜む、礼節を知る大人であることを演出することもできます。
和の香りを取り入れて、心身ともにリフレッシュするのはもちろん、香りを上手に活かすことで、自分の中のゆとりある奥ゆかしさを印象づけていきましょう。
香りを楽しむためのお香には、いろいろなタイプのものがあります。 大きく分けると、加熱して使うものと常温で楽しむものの2つと、さらに細かく分類して8種類に分けることが出来ます。
香木を粉末にしたものや、天然の香料を合わせて、スティックやコーン、渦巻などの形にしたもののことをいいます。 火をつけるのも簡単で、香りにムラが出ず、一定のスピードで燃えるので使いやすいのがこのタイプです。
香木の粉末や天然香料に、蜜や梅肉を合わせて練ったもののことをいいます。 鑑真によって奈良時代に伝えられたもので、平安時代に貴族の間で流行したのがこの形だといいます。
丸薬のように丸く練り固められた練香は、空薫(そらだき)という昔ながらのお香の焚き方をして楽しみます。
香木や香料を粉末にしたものを、型に入れて押し固め、乾燥させたもののことをいいます。
見た目は干菓子の落雁のようで、植物などをかたどったカラフルなものが多いのも可愛らしく、使うまで飾ってインテリアにしても。 練香と同じように空薫するものが多いですが、線香のように直接火をつけることのできるものもあります。
香木や香料を刻んだものを調合してあるもので、仏前で使うことの多いものです。 炭を起こして灰の上に焼香をおいて焚きます。
とても細かい粒子にした粉末状のお香のことをいいます。 長時間お香を焚きたいときに使うのに向いており、仏前をはじめ、お寺などで使われています。
香木や香料を細かく刻んだものを入れた小さな匂い袋で、手紙とともに送ったり、手紙と一緒に保管したりすることで香りを楽しむものです。
手紙だけでなく名刺などと一緒に保管しても、良い香りがうつります。 毎日使う手帳や本に挟んでしおり代わりに使えば、開くたびにその香りが癒やしてくれます。 お財布の中に入れて紙幣に香りをつけたり、書類を入れる引き出しに忍ばせたりしておけば、事務的な書類も自分を伝える特別なものに。
誰かに渡すものに香りを添えることで自分を表現する、大人の嗜みとして取り入れてみたいですね。
香木や香料を細かく刻んだものを袋に詰めたもののことをいいます。 和布を使った小さなものが多く、巾着型や花の形など形もさまざまで、着物の襟元に忍ばせたり、クローゼットに入れて和の香りを服にうつしたりと、使いみちもいろいろです。バッグの中に入れておけば、開けた時にふわりと香るだけでなく、バッグに入れてあるハンカチや名刺などの小物に香りが移り、自分を演出するのにも役立ちます。
また、車の中に置いておけば、カーフレグランスとして使うこともでき、市販の芳香剤とは違ったやさしい自然の香りが、マイカーを快適なものにしてくれます。
粉末にした香木や香料を合わせたもので、寺社仏閣にお参りする前や、写経をする前に身を清める時に使うものです。 匂い袋や文香と違い、体温程度の熱で香りが立つように出来ているため、手のひらや手首、耳元や襟元などに刷り込むようにして使います。
塗香は好みの香りのものを香入れに入れて持ち歩くことができるので、写経をするときだけでなく、香水の代わりとして使っても。塗香を使って和の香りを身に纏うことで、他の人と差をつける自分を演出することが出来ます。
さまざまなタイプがあるお香を生活スタイルにそっと添えて 嗜みのある生活を送ってみてはいかがでしょうか。
和の香りに用いられる香料にはさまざまな種類があり、どれも天然の貴重なものを使用しています。
伽羅(きゃら)や沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)といった、木材そのものが心地よい香りを持つ「香木」や、桂皮(シナモン)や大茴香(スターアニス)、丁字(クローブ)といったスパイスとして知られるものに加え、安息香や乳香といった樹脂などが香料として挙げられます。 また、檜や楠木は脱臭効果、イ草に関しては脱臭・保湿効果があるとも言われています。
和の香りの中心をなすのが香木で、最も珍重されているのが沈香です。 香木は同じ種類のものでもそれぞれに香りが異なりますが、沈香の香りの微妙な違いを感じることが香道の極みといわれています。
沈香は人工的に作り出すことが出来ないといわれ、世界的にもとても貴重な天然の香料です。
日本にお香が伝わってきたのは仏教伝来の頃に遡ります。
さまざまな仏教の儀礼とともに伝えられ、日本書紀には淡路島に漂着した沈香を朝廷に献上する逸話が綴られています。大陸から伝わってきた香木を焚く文化は、日本の歴史の中で独自の発展を遂げていきました。
香が芸道となったのは室町時代、東山文化の中でのことです。 足利義政が香を愛し、体系を作る祖となり「香道」が生まれました。
香道では、香木の香りを感じ、その香木がどういったものなのかを表すのに、木の産地を表す「六国」と、香りを味覚に例えた「五味」で分類する「六国五味(りっこくごみ)」があり、これに当てはめることで香木の特徴をつかんでいきます。
香道は日本三大芸道のひとつで、華道、茶道と並び称される芸術性の高いものでもあり、香道では香りを嗅ぐのではなく「聞く」と表現します。 繊細な和の香りが心にささやきかける言葉に、耳を澄ますようだからと生まれた美しい言葉です。
香道は、心静かに香を焚き、香りを聞くことで、その香りが表現する詩歌や故事、情景などを感じとり、その世界を鑑賞するという、芸術性の高いものです。 人間が持つ五感の中で嗅覚に重きをおいた芸道であり、日本人の細やかで繊細な感性が、平安時代の優雅な生活文化を継承することで、香道を体系づけ発展させてきました。
長い歴史を持っている香道ですが、現代では源氏香をはじめとする「組香」で、ゲーム感覚で香りを楽しんだり、季節ごとにテーマを変えた組香を体験する会が開かれたりと、それぞれの流派で香道に気軽に親しむ機会も設けています。
香道は、日本の四季と文学、芸術が結びつき体系化された、世界に類を見ないものです。 静寂の中で心を研ぎ澄ませ、香りと向き合う時間は心を豊かにしてくれます。
香炉に炭団を埋めてあたため、香を焚いて香りを聞く香道を、毎日の暮らしの中に取り入れるのは難しいですが、手軽に取り入れられるお香もあります。線香や匂い袋のように
和の香りのアイテムは、これまでご紹介したものだけでなく、さまざまなタイプのものがあるので、現代では好みの香りのものを取り入れやすくなっているといえます。 家にこもることが多くなり、もやもやした気持ちを抱えてしまいがちな昨今、毎日のおうち時間に和の香りをプラスしてリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
毎日のリラックスタイムに線香を焚いて香りを楽しんだり、普段使う手帳やノートに文香で香りをつけて、開いた時にホッと癒されたり。
毎日つけているマスクやハンカチに、香りをうつしたりしてもいいかもしれません。 どこか懐かしい和の香りは緊張感をほぐし、心にゆとりをもたらしてくれるでしょう。
和の香りは心にうるおいを与え、毎日を充実感のあるものにし、もやもやした気持ちを和らげてくれるものです。 ぜひ和の香りのアイテムを取り入れて、日々の生活をさらに豊かなものにしてください。
和の香りとは
古の都にある寺社を訪れ、感じる香りの中で深呼吸すると、心が深くリラックスする経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
なぜ私たちは、香りに惹きつけられるのでしょう。香りには記憶と深く結びつき、感情を呼び起こす効果があると言われています。
檜(ひのき)や白檀(びゃくだん)、ゆず、イ草といった和の香りは、暮らしの中で馴染み深く、在りし日のあたたかな記憶と結びつき、自分の中にあるやさしい気持ちを呼び起こしてくれるような感じはしませんか。
日本の四季や植物がもたらしてくれる多様な香りは、感情を落ち着け、集中力を高めてくれたり、深いリラクゼーションへと誘ってくれたりと、生活のところどころで手助けをしてくれるでしょう。
毎日の気分転換や雰囲気作り、自分への活力向上など多様な形で手軽に取り入れることが出来るのでご紹介します。
お香の種類
香りは生活スタイルに合わせて多様な形で愉しむことが出来ます。
たとえば、火をつけて焚くお線香のようなスティックタイプのものや、円錐形をしたコーン型のお香は、部屋や空間に漂う香りを楽しみます。
また、空気に触れることで香り、「匂い袋」や「文香」と呼ばれる、香りを移して楽しむスタイルといったようなものもあり、
そして、嫌な香りを吸収してくれるタイプなど、種類も使い方によって様々です。
和の香りの原料は、どれも自然由来の物を元に作られています。
白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)といった香木をはじめ、世界中いろいろなところでとれる貴重な自然の恵みを使ったお香は、心にくつろぎを与えてくれるといわれています。
眠る前のリラックスタイムや、休日のゆったりとした時間にお香として楽しむだけでなく、香水のように身に纏うことができるのが、和の香りの良いところ。
衣類や持ち物への移り香を楽しんだり、香りの移った小物や手紙などを誰かに贈ったり、和の香りを嗜む、礼節を知る大人であることを演出することもできます。
和の香りを取り入れて、心身ともにリフレッシュするのはもちろん、香りを上手に活かすことで、自分の中のゆとりある奥ゆかしさを印象づけていきましょう。
香りを楽しむためのお香には、いろいろなタイプのものがあります。
大きく分けると、加熱して使うものと常温で楽しむものの2つと、さらに細かく分類して8種類に分けることが出来ます。
加熱して楽しむ和の香り
1.線香
香木を粉末にしたものや、天然の香料を合わせて、スティックやコーン、渦巻などの形にしたもののことをいいます。
火をつけるのも簡単で、香りにムラが出ず、一定のスピードで燃えるので使いやすいのがこのタイプです。
2.練香
香木の粉末や天然香料に、蜜や梅肉を合わせて練ったもののことをいいます。
鑑真によって奈良時代に伝えられたもので、平安時代に貴族の間で流行したのがこの形だといいます。
丸薬のように丸く練り固められた練香は、空薫(そらだき)という昔ながらのお香の焚き方をして楽しみます。
3.印香
香木や香料を粉末にしたものを、型に入れて押し固め、乾燥させたもののことをいいます。
見た目は干菓子の落雁のようで、植物などをかたどったカラフルなものが多いのも可愛らしく、使うまで飾ってインテリアにしても。
練香と同じように空薫するものが多いですが、線香のように直接火をつけることのできるものもあります。
4.焼香
香木や香料を刻んだものを調合してあるもので、仏前で使うことの多いものです。
炭を起こして灰の上に焼香をおいて焚きます。
5.抹香
とても細かい粒子にした粉末状のお香のことをいいます。
長時間お香を焚きたいときに使うのに向いており、仏前をはじめ、お寺などで使われています。
常温で楽しむ和の香り
1.文香
香木や香料を細かく刻んだものを入れた小さな匂い袋で、手紙とともに送ったり、手紙と一緒に保管したりすることで香りを楽しむものです。
手紙だけでなく名刺などと一緒に保管しても、良い香りがうつります。
毎日使う手帳や本に挟んでしおり代わりに使えば、開くたびにその香りが癒やしてくれます。
お財布の中に入れて紙幣に香りをつけたり、書類を入れる引き出しに忍ばせたりしておけば、事務的な書類も自分を伝える特別なものに。
誰かに渡すものに香りを添えることで自分を表現する、大人の嗜みとして取り入れてみたいですね。
2.匂い袋
香木や香料を細かく刻んだものを袋に詰めたもののことをいいます。
和布を使った小さなものが多く、巾着型や花の形など形もさまざまで、着物の襟元に忍ばせたり、クローゼットに入れて和の香りを服にうつしたりと、使いみちもいろいろです。バッグの中に入れておけば、開けた時にふわりと香るだけでなく、バッグに入れてあるハンカチや名刺などの小物に香りが移り、自分を演出するのにも役立ちます。
また、車の中に置いておけば、カーフレグランスとして使うこともでき、市販の芳香剤とは違ったやさしい自然の香りが、マイカーを快適なものにしてくれます。
3.塗香
粉末にした香木や香料を合わせたもので、寺社仏閣にお参りする前や、写経をする前に身を清める時に使うものです。
匂い袋や文香と違い、体温程度の熱で香りが立つように出来ているため、手のひらや手首、耳元や襟元などに刷り込むようにして使います。
塗香は好みの香りのものを香入れに入れて持ち歩くことができるので、写経をするときだけでなく、香水の代わりとして使っても。塗香を使って和の香りを身に纏うことで、他の人と差をつける自分を演出することが出来ます。
さまざまなタイプがあるお香を生活スタイルにそっと添えて
嗜みのある生活を送ってみてはいかがでしょうか。
香りの種類
和の香りに用いられる香料にはさまざまな種類があり、どれも天然の貴重なものを使用しています。
伽羅(きゃら)や沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)といった、木材そのものが心地よい香りを持つ「香木」や、桂皮(シナモン)や大茴香(スターアニス)、丁字(クローブ)といったスパイスとして知られるものに加え、安息香や乳香といった樹脂などが香料として挙げられます。
また、檜や楠木は脱臭効果、イ草に関しては脱臭・保湿効果があるとも言われています。
和の香りの中心をなすのが香木で、最も珍重されているのが沈香です。
香木は同じ種類のものでもそれぞれに香りが異なりますが、沈香の香りの微妙な違いを感じることが香道の極みといわれています。
沈香は人工的に作り出すことが出来ないといわれ、世界的にもとても貴重な天然の香料です。
日本人とお香
日本にお香が伝わってきたのは仏教伝来の頃に遡ります。
さまざまな仏教の儀礼とともに伝えられ、日本書紀には淡路島に漂着した沈香を朝廷に献上する逸話が綴られています。大陸から伝わってきた香木を焚く文化は、日本の歴史の中で独自の発展を遂げていきました。
香が芸道となったのは室町時代、東山文化の中でのことです。
足利義政が香を愛し、体系を作る祖となり「香道」が生まれました。
香道では、香木の香りを感じ、その香木がどういったものなのかを表すのに、木の産地を表す「六国」と、香りを味覚に例えた「五味」で分類する「六国五味(りっこくごみ)」があり、これに当てはめることで香木の特徴をつかんでいきます。
香道は日本三大芸道のひとつで、華道、茶道と並び称される芸術性の高いものでもあり、香道では香りを嗅ぐのではなく「聞く」と表現します。
繊細な和の香りが心にささやきかける言葉に、耳を澄ますようだからと生まれた美しい言葉です。
香道は、心静かに香を焚き、香りを聞くことで、その香りが表現する詩歌や故事、情景などを感じとり、その世界を鑑賞するという、芸術性の高いものです。
人間が持つ五感の中で嗅覚に重きをおいた芸道であり、日本人の細やかで繊細な感性が、平安時代の優雅な生活文化を継承することで、香道を体系づけ発展させてきました。
長い歴史を持っている香道ですが、現代では源氏香をはじめとする「組香」で、ゲーム感覚で香りを楽しんだり、季節ごとにテーマを変えた組香を体験する会が開かれたりと、それぞれの流派で香道に気軽に親しむ機会も設けています。
香道は、日本の四季と文学、芸術が結びつき体系化された、世界に類を見ないものです。
静寂の中で心を研ぎ澄ませ、香りと向き合う時間は心を豊かにしてくれます。
香りのある生活
香炉に炭団を埋めてあたため、香を焚いて香りを聞く香道を、毎日の暮らしの中に取り入れるのは難しいですが、手軽に取り入れられるお香もあります。線香や匂い袋のように
和の香りのアイテムは、これまでご紹介したものだけでなく、さまざまなタイプのものがあるので、現代では好みの香りのものを取り入れやすくなっているといえます。
家にこもることが多くなり、もやもやした気持ちを抱えてしまいがちな昨今、毎日のおうち時間に和の香りをプラスしてリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
毎日のリラックスタイムに線香を焚いて香りを楽しんだり、普段使う手帳やノートに文香で香りをつけて、開いた時にホッと癒されたり。
毎日つけているマスクやハンカチに、香りをうつしたりしてもいいかもしれません。
どこか懐かしい和の香りは緊張感をほぐし、心にゆとりをもたらしてくれるでしょう。
和の香りは心にうるおいを与え、毎日を充実感のあるものにし、もやもやした気持ちを和らげてくれるものです。
ぜひ和の香りのアイテムを取り入れて、日々の生活をさらに豊かなものにしてください。