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夢を持ち、悩みを抱えて生きている人間にとって、小さなお守りは常についてまわります。
それは昔から変わらないことですが、最近は国内のものだけでなく、海外のものにも関心が持たれています。 つまり外国のお守りも親しまれて普及してきているのです。
ここでは、アミナコレクションの創業者・進藤幸彦が出版した『世界の不思議なお守り』より、様々なお守りをご紹介していきます。
第二弾となる今回は、悪い夢を退治してくれることで有名な、ドリームキャッチャーをご紹介いたします。
アメリカ合衆国・アリゾナ州 ~悪い夢を退治して安眠をもたらしてくれる~
北米のネイティブ・アメリカン、つまりインディアンの習俗にドリームキャッチャーというものがあります。 鉄の輪っかにバックスキンを巻きつけ、蜘蛛の巣状にネットを張り、それに鳥の羽根とビーズのついた革ひもをぶら下げたものです。
夢は夜のあいだに空中に浮遊していると彼らは考えていました。
そしてこの網にキャッチされ、良い夢はそのまま通り、羽根の上に霧のようにとどまり、悪い夢は巣にかれめとられてビーズに退治され、寝ている者の安眠を守ると信じられています。
グランドキャニオンの東の高地を車で走ること1時間で、ナバホ族の居留地に入ります。 居留地といっても人家が密集しているわけではなく、荒れた砂漠に人家が忘れたころ出現する程度です。 インディアンカントリーの強い第一印象はこの人口密度の低さでした。
ツバシティーという町で方向を南に転じ、しばらく走るとホピ族の居留地です。 サードメサ、セカンドメサ、ファーストメサと呼ばれる大地に村々が点在しています。 十数カ村あわせて人口9,000人足らずのようです。
それでもホピ族は11世紀からこの地に定住した、インディアンの最古の歴史をもつ部族です。
セカンドメサのカルチュラルセンターに滞在して、周辺のホピ族やナバホ族の民俗を調べてまわりました。 お守りとしてすぐに目についたのは鳥の羽根の飾りでした。 家々の応接間のコーナーや車の運転席のまえやロバに飾ってあるのです。
1年に1度、12月のホピの新年になると男たちがキーヴァという半地下の神殿で主にワシの羽根を使って作り上げ、古いものと取り換えるそうです。
彼らの信仰ではワシはこの世界で人々が初めて出会った創造物とされています。
人々はワシにいくつかの試練を与えられ、無事に達成したため、この世に住むことを許され、さらに「父なる太陽に何かを伝えたいときには仲立ちをしてくれる」と約束を受けたと伝えられているのです。
この守り神は祈りの羽根(プレイヤーフェザー。現地語では「パホ」)と呼ばれ、どのようにして手に入れたかまで重要な問題になると聞きました。
最初に訪れたホピの家はセカンドメサの村、ションゴパピのウォース・ホセイェズバさん(50歳前後)のお宅でした。 ほかのポピの人たち同様、東洋的な穏やかな顔をしています。
奥さんとお母さんとの3人暮らしです。別れた奥さんとその娘さんたちも同じ部落に住んでいるそうです。
応接間に、鳥の羽根を頭上に飾った立派な祖父の写真が飾ってあります。 家の隅の祈りの羽根には中央に円い輪があってドリームキャッチャーと同じ役割だそうです。
羽根にはワシのほか、タカ、ロードランナー、フリッカーというキツツキの種類と七面鳥も含まれていると言います。
主人は「我が家が所属するクラン(氏族)はベア・ストラップ(熊の革紐)で、スパイダース(蜘蛛)とは関係が深いと言われている」と話しました。 クランというのは難しい考え方ですが、トーテムのようなものでこの村だけでも20種類くらいあるそうです。
たとえば熊、鹿、水鳥、蛇、コヨーテ、ワシ、とかげ、兎などの動物のほか、太陽、水、たばこ、とうもろこし、火、霧、雪などのクランもあります。
ナバホ族の住まいはチレンとおう町で見ることができました。
カルチュラムセンターからウインドウロックという町を超え、シェリーキャニオンというまるで火星でもドライブしているかのような渓谷をわきに見ながらたどりついた町です。
途中で気づいたのですが、家のそばに別棟があってそれが四角形や八角形の横木の壁を持ち、一目見ると円形のような印象なのです。
モエ・ドレイパーという50歳前後の乗馬教室の先生と話すことができました。 自分はトレイラーに住んでいるので妹の家に案内すると言い、町外れの丘の上に連れて行ってくれました。
その円く土を乗せた家は「ホーガン」というそうで、宗教的なセレモニー、たとえばメディスンマン(呪術師)に来てもらって病気の家族を治してもらうときなどに使うそうです。
そうしたセレモニーのときは部屋のまん中をあけて、メディスンマンが天然のさまざまな色の砂を使って地上に聖なる絵を描きます。 そしてその患者を前に祈りの歌を歌い、そのあとその砂絵を跡形もなく崩してかきまぜ、ホーガンの入口は常に東向きで最初に上がってくる太陽の光を迎い入れることができるようになっています。
部屋の東西南北には、入口のうえの横木と同じ高さにやはりプレイヤーフェザーが飾ってありました。
夢を持ち、悩みを抱えて生きている人間にとって、小さなお守りは常についてまわります。
それは昔から変わらないことですが、最近は国内のものだけでなく、海外のものにも関心が持たれています。
つまり外国のお守りも親しまれて普及してきているのです。
ここでは、アミナコレクションの創業者・進藤幸彦が出版した『世界の不思議なお守り』より、様々なお守りをご紹介していきます。
第二弾となる今回は、悪い夢を退治してくれることで有名な、ドリームキャッチャーをご紹介いたします。
ドリームキャッチャー
アメリカ合衆国・アリゾナ州 ~悪い夢を退治して安眠をもたらしてくれる~
北米のネイティブ・アメリカン、つまりインディアンの習俗にドリームキャッチャーというものがあります。
鉄の輪っかにバックスキンを巻きつけ、蜘蛛の巣状にネットを張り、それに鳥の羽根とビーズのついた革ひもをぶら下げたものです。
夢は夜のあいだに空中に浮遊していると彼らは考えていました。
そしてこの網にキャッチされ、良い夢はそのまま通り、羽根の上に霧のようにとどまり、悪い夢は巣にかれめとられてビーズに退治され、寝ている者の安眠を守ると信じられています。
グランドキャニオンの東の高地を車で走ること1時間で、ナバホ族の居留地に入ります。
居留地といっても人家が密集しているわけではなく、荒れた砂漠に人家が忘れたころ出現する程度です。
インディアンカントリーの強い第一印象はこの人口密度の低さでした。
ツバシティーという町で方向を南に転じ、しばらく走るとホピ族の居留地です。
サードメサ、セカンドメサ、ファーストメサと呼ばれる大地に村々が点在しています。
十数カ村あわせて人口9,000人足らずのようです。
それでもホピ族は11世紀からこの地に定住した、インディアンの最古の歴史をもつ部族です。
セカンドメサのカルチュラルセンターに滞在して、周辺のホピ族やナバホ族の民俗を調べてまわりました。
お守りとしてすぐに目についたのは鳥の羽根の飾りでした。
家々の応接間のコーナーや車の運転席のまえやロバに飾ってあるのです。
1年に1度、12月のホピの新年になると男たちがキーヴァという半地下の神殿で主にワシの羽根を使って作り上げ、古いものと取り換えるそうです。
彼らの信仰ではワシはこの世界で人々が初めて出会った創造物とされています。
人々はワシにいくつかの試練を与えられ、無事に達成したため、この世に住むことを許され、さらに「父なる太陽に何かを伝えたいときには仲立ちをしてくれる」と約束を受けたと伝えられているのです。
この守り神は祈りの羽根(プレイヤーフェザー。現地語では「パホ」)と呼ばれ、どのようにして手に入れたかまで重要な問題になると聞きました。
最初に訪れたホピの家はセカンドメサの村、ションゴパピのウォース・ホセイェズバさん(50歳前後)のお宅でした。
ほかのポピの人たち同様、東洋的な穏やかな顔をしています。
奥さんとお母さんとの3人暮らしです。別れた奥さんとその娘さんたちも同じ部落に住んでいるそうです。
応接間に、鳥の羽根を頭上に飾った立派な祖父の写真が飾ってあります。
家の隅の祈りの羽根には中央に円い輪があってドリームキャッチャーと同じ役割だそうです。
羽根にはワシのほか、タカ、ロードランナー、フリッカーというキツツキの種類と七面鳥も含まれていると言います。
主人は「我が家が所属するクラン(氏族)はベア・ストラップ(熊の革紐)で、スパイダース(蜘蛛)とは関係が深いと言われている」と話しました。
クランというのは難しい考え方ですが、トーテムのようなものでこの村だけでも20種類くらいあるそうです。
たとえば熊、鹿、水鳥、蛇、コヨーテ、ワシ、とかげ、兎などの動物のほか、太陽、水、たばこ、とうもろこし、火、霧、雪などのクランもあります。
ナバホ族の住まいはチレンとおう町で見ることができました。
カルチュラムセンターからウインドウロックという町を超え、シェリーキャニオンというまるで火星でもドライブしているかのような渓谷をわきに見ながらたどりついた町です。
途中で気づいたのですが、家のそばに別棟があってそれが四角形や八角形の横木の壁を持ち、一目見ると円形のような印象なのです。
モエ・ドレイパーという50歳前後の乗馬教室の先生と話すことができました。
自分はトレイラーに住んでいるので妹の家に案内すると言い、町外れの丘の上に連れて行ってくれました。
その円く土を乗せた家は「ホーガン」というそうで、宗教的なセレモニー、たとえばメディスンマン(呪術師)に来てもらって病気の家族を治してもらうときなどに使うそうです。
そうしたセレモニーのときは部屋のまん中をあけて、メディスンマンが天然のさまざまな色の砂を使って地上に聖なる絵を描きます。
そしてその患者を前に祈りの歌を歌い、そのあとその砂絵を跡形もなく崩してかきまぜ、ホーガンの入口は常に東向きで最初に上がってくる太陽の光を迎い入れることができるようになっています。
部屋の東西南北には、入口のうえの横木と同じ高さにやはりプレイヤーフェザーが飾ってありました。