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ヨーロッパの民芸や雑貨が並ぶ「欧州航路」は、どのようにして生まれたのか。 その始まりは、アミナコレクションが世界の文化を追い続けてきた旅の延長線上にありました。 赤レンガ倉庫にたどり着くまでの構想、偶然とひらめき、そしてコロナ禍を越えてブランドが育っていくまでの軌跡をご紹介します。
チャイハネでエスニック諸国をテーマにフォークロアを発信してきたアミナコレクションが、日本の民芸や精神性をテーマに倭物やカヤ、岩座と立ち上げ、ポリネシアン文化を根に持つハワイをテーマにカヒコを立ち上げていった。 すると、他に地域に根付いた文化を色濃く残してる国はヨーロッパだなあ、というのは漠然と思っていた。
アミナはまったくヨーロッパ文化と無縁であったわけではない。
チャイハネの原点であるトルコはヨーロッパとの境にあったし、ギリシャからはタイルを仕入れてたりした。 青と白のタイルに鯨などの海洋生物がペイントされた、海と空を感じる愛らしい民芸タイルだったが、あまり売れず長く倉庫にあったものだ。 また東ヨーロッパのウクライナ周辺の刺繍をチャイハネで扱った時期もあったし、ヨーロッパ文化の影響は植民地にしていたアジア・中南米・アフリカに文化に影響を与えていたし、ジプシーの映画を店内で放映していたこともある。倭物やカヤなんかもポーランド食器の柄をがま口にデザインしてヒットさせたりしていた。 つまりヨーロッパは、そんなに遠くはない世界とも思っていた。
2017年9月にパリとバルセロナ、2018年2月にはフランクフルトの国際展示会に参加した流れでロンドンも旅してまわり、ヨーロッパの民芸から歴史的な文化や今時の雑貨デザインなど、新業態を思案していった。 やはりアミナコレクションの視点というか、パリのエッフェル塔であるとか、バルセロナのサクラダファミリアも良かったですが、地元のマーケットであるとか、アンティークであるとか、民芸であるとか、都市というより田舎地方の世界観や歴史に裏打ちされたものに惹かれたのを覚えている。
ヨーロッパに行く前から、ヨーロッパの文化をテーマにした新業態をやるぞ!と宣言はしていた。 ただヨーロッパを旅しつつもおぼろげな感触しかないし、商品の調達ルートも構築されていない中、手探りしながら事業の企画をスタートすることになる。
中身を詰めていくためにも、ブランドコンセプトや店名を決めて行きたかった。 社内でたくさんアイデアが出た。 ヨーロッパに根付いた素敵な歴史を感じる雑貨いっぱいのアミナらしい店。 そこは皆共通していたから、たくさんアイデアが出た。 やっぱりヨーロッパということでアルファベッドを使った候補がいろいろ出て、何度も何度も会議をした。 でも皆で話し合って最終候補までしぼられていたのに全く別のアイデアが浮かんでしまい、すべてひっくり返してしまうことになる。
ちょうどチャイハネが横浜赤レンガ倉庫に出店していた。 赤レンガ倉庫というのは、文明開化で開かれた港にあり、世界との貿易で輸入された物品が保管された、ヨーロッパ調の歴史ある倉庫である。 チャイハネよりもヨーロッパの新業態に転換したほうが合うと感じていた。 それを考えていたら、ふとあるストーリーが頭の中を巡った。
古きヨーロッパから物品を積んだ船が海を渡り、「欧州航路」を経て、横浜のレンガ倉庫に物品が届いた。 倉庫内には素敵な物品が荷開けされ、山積みされてキラキラあふれている。 そんなストーリーを具現化した店舗だったら面白い! 繊細で素敵な商品が、レトロで武骨な倉庫に山積みされている、というコントラストも面白いし、何より横浜らしい。
私は思いついた勢いでレンガ倉庫のお店の絵を描きなぐった。 このイメージを中心に一気に店舗空間のイメージは固まっていた。
そしてストーリーの中に出てくる、「欧州航路」ということば。 会議で店舗デザインだけでなく「欧州航路」という店舗名もセットで通すこととなった。 もうそれ以外になかったのだ。 それまでの議論をひっくりかえして申し訳なかったが、皆との議論が内面のインスピレーションにつながったともいえる。
そのようにして欧州航路は2018年3月に赤レンガ倉庫と5月に横浜中華街がオープンする運びとなった。
横浜中華街の物件も同時期に偶然空きとなったのを契約し、異例の新業態2店舗同時オープンとなった。 建物が大きかったので2階はゲストハウスである「HARE-TABI Traveller’s inn」も開業し、1階2階も合わせてレンガ造りのコンセプトとした。
さてオープンして2年たたずして、まだ売上も泣かず飛ばずの試行錯誤の中、コロナ禍が襲ってきた。 緊急事態宣言での休業も余儀なくされる中、賃料負担は残り続けた。 企業存続を賭けて多くの企業が不採算事業を撤退していっていたのだが、アミナコレクションとしても多分に漏れず、不採算だった欧州航路とHARE-TABIは事業撤退の検討の対象となり、私は何度も現場に足を運んで熟慮した。 結果としては根拠を示すのが難しかったが、奥底に光るポテンシャルを感じた。 思い切って継続を判断し、特に観光地には厳しさが続いたコロナ禍で、2度と撤退の可能性は考えなかった。
そんな苦しい状況の中、欧州航路はお客様の反応を観つつ品揃えの改善を重ね、ヨーロッパ直輸入の調達ルートも確立されていった。 その結果、アミナコレクションらしい、活気ある商品群、陶器などの民芸が売れ筋となって展開され、特にクリスマスの盛り上がりは大きく、コロナ禍が明けてみればいっぱしの人気店となっていた。
このブランドらしさが確立されていく過程で、コンセプトが固まっていった。 Craftmanship, Champagne chic, MarketをキーワードにEveryday a little happiness=「歴史に裏打ちされた欧州の素敵をお届けし、日常に小さな幸せを」を掲げるブランドとして成長していくこととなる。
アミナコレクション創業者 進藤幸彦の次男坊。2010年に社長に就任。 1975年生まれ。自然と歴史と文化、それを巡る旅が好き。
ハワイブランド「Kahiko」の誕生秘話▼
和ブランド「倭物やカヤ」の誕生秘話▼
ヨーロッパの民芸や雑貨が並ぶ「欧州航路」は、どのようにして生まれたのか。
その始まりは、アミナコレクションが世界の文化を追い続けてきた旅の延長線上にありました。
赤レンガ倉庫にたどり着くまでの構想、偶然とひらめき、そしてコロナ禍を越えてブランドが育っていくまでの軌跡をご紹介します。
目次
なぜヨーロッパのブランドが生まれたのか?
世界の文化を追い続けてきたアミナ
チャイハネでエスニック諸国をテーマにフォークロアを発信してきたアミナコレクションが、日本の民芸や精神性をテーマに倭物やカヤ、岩座と立ち上げ、ポリネシアン文化を根に持つハワイをテーマにカヒコを立ち上げていった。
すると、他に地域に根付いた文化を色濃く残してる国はヨーロッパだなあ、というのは漠然と思っていた。
アミナはまったくヨーロッパ文化と無縁であったわけではない。
チャイハネの原点であるトルコはヨーロッパとの境にあったし、ギリシャからはタイルを仕入れてたりした。
青と白のタイルに鯨などの海洋生物がペイントされた、海と空を感じる愛らしい民芸タイルだったが、あまり売れず長く倉庫にあったものだ。
また東ヨーロッパのウクライナ周辺の刺繍をチャイハネで扱った時期もあったし、ヨーロッパ文化の影響は植民地にしていたアジア・中南米・アフリカに文化に影響を与えていたし、ジプシーの映画を店内で放映していたこともある。倭物やカヤなんかもポーランド食器の柄をがま口にデザインしてヒットさせたりしていた。
つまりヨーロッパは、そんなに遠くはない世界とも思っていた。
ヒントになったのは、ヨーロッパを巡る旅
2017年9月にパリとバルセロナ、2018年2月にはフランクフルトの国際展示会に参加した流れでロンドンも旅してまわり、ヨーロッパの民芸から歴史的な文化や今時の雑貨デザインなど、新業態を思案していった。
やはりアミナコレクションの視点というか、パリのエッフェル塔であるとか、バルセロナのサクラダファミリアも良かったですが、地元のマーケットであるとか、アンティークであるとか、民芸であるとか、都市というより田舎地方の世界観や歴史に裏打ちされたものに惹かれたのを覚えている。
ヨーロッパに行く前から、ヨーロッパの文化をテーマにした新業態をやるぞ!と宣言はしていた。
ただヨーロッパを旅しつつもおぼろげな感触しかないし、商品の調達ルートも構築されていない中、手探りしながら事業の企画をスタートすることになる。
「欧州航路」というストーリーの誕生
インスピレーションを受けたデザインたち
中身を詰めていくためにも、ブランドコンセプトや店名を決めて行きたかった。
社内でたくさんアイデアが出た。
ヨーロッパに根付いた素敵な歴史を感じる雑貨いっぱいのアミナらしい店。
そこは皆共通していたから、たくさんアイデアが出た。
やっぱりヨーロッパということでアルファベッドを使った候補がいろいろ出て、何度も何度も会議をした。
でも皆で話し合って最終候補までしぼられていたのに全く別のアイデアが浮かんでしまい、すべてひっくり返してしまうことになる。
ちょうどチャイハネが横浜赤レンガ倉庫に出店していた。
赤レンガ倉庫というのは、文明開化で開かれた港にあり、世界との貿易で輸入された物品が保管された、ヨーロッパ調の歴史ある倉庫である。
チャイハネよりもヨーロッパの新業態に転換したほうが合うと感じていた。
それを考えていたら、ふとあるストーリーが頭の中を巡った。
古きヨーロッパから物品を積んだ船が海を渡り、「欧州航路」を経て、横浜のレンガ倉庫に物品が届いた。
倉庫内には素敵な物品が荷開けされ、山積みされてキラキラあふれている。
そんなストーリーを具現化した店舗だったら面白い!
繊細で素敵な商品が、レトロで武骨な倉庫に山積みされている、というコントラストも面白いし、何より横浜らしい。
私は思いついた勢いでレンガ倉庫のお店の絵を描きなぐった。
このイメージを中心に一気に店舗空間のイメージは固まっていた。
そしてストーリーの中に出てくる、「欧州航路」ということば。
会議で店舗デザインだけでなく「欧州航路」という店舗名もセットで通すこととなった。
もうそれ以外になかったのだ。
それまでの議論をひっくりかえして申し訳なかったが、皆との議論が内面のインスピレーションにつながったともいえる。
そのようにして欧州航路は2018年3月に赤レンガ倉庫と5月に横浜中華街がオープンする運びとなった。
横浜中華街の物件も同時期に偶然空きとなったのを契約し、異例の新業態2店舗同時オープンとなった。
建物が大きかったので2階はゲストハウスである「HARE-TABI Traveller’s inn」も開業し、1階2階も合わせてレンガ造りのコンセプトとした。
コロナ禍を乗り越え活気ある人気店へ
さてオープンして2年たたずして、まだ売上も泣かず飛ばずの試行錯誤の中、コロナ禍が襲ってきた。
緊急事態宣言での休業も余儀なくされる中、賃料負担は残り続けた。
企業存続を賭けて多くの企業が不採算事業を撤退していっていたのだが、アミナコレクションとしても多分に漏れず、不採算だった欧州航路とHARE-TABIは事業撤退の検討の対象となり、私は何度も現場に足を運んで熟慮した。
結果としては根拠を示すのが難しかったが、奥底に光るポテンシャルを感じた。
思い切って継続を判断し、特に観光地には厳しさが続いたコロナ禍で、2度と撤退の可能性は考えなかった。
そんな苦しい状況の中、欧州航路はお客様の反応を観つつ品揃えの改善を重ね、ヨーロッパ直輸入の調達ルートも確立されていった。
その結果、アミナコレクションらしい、活気ある商品群、陶器などの民芸が売れ筋となって展開され、特にクリスマスの盛り上がりは大きく、コロナ禍が明けてみればいっぱしの人気店となっていた。
このブランドらしさが確立されていく過程で、コンセプトが固まっていった。
Craftmanship, Champagne chic, MarketをキーワードにEveryday a little happiness=「歴史に裏打ちされた欧州の素敵をお届けし、日常に小さな幸せを」を掲げるブランドとして成長していくこととなる。
筆者プロフィール:進藤さわと
アミナコレクション創業者 進藤幸彦の次男坊。2010年に社長に就任。
1975年生まれ。自然と歴史と文化、それを巡る旅が好き。
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