エスニック柄とは?特徴や種類、上手な活用法などについて詳しく紹介!

エスニック柄」とは、東南アジアや南米など特定の地域の伝統的な模様や柄というイメージがありますが、実際にはどのような柄をエスニック柄と呼ぶのかよく分からないという人も少なくないと思います。

また、カラフルで素敵な柄だけど実際に身に着けるのは難しいと思う人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、エスニック柄の種類や特徴、柄に込められた意味やファッションに取り入れやすい方法など、一緒に詳しく解説していきます!

エスニック柄の基本情報

異国の民族を感じられる「エスニック柄」ですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、エスニック柄について詳しく解説していきます。

エスニック柄とは

エスニック柄とは

エスニック柄」とは、インド、アフリカ、トルコ、エジプト、アフリカ、モンゴル、ネイティブアメリカンなど世界各地の民族が長い歴史の中で作り上げ、受け継がれてきた伝統的な模様や柄のことです。
エスニック柄は土地によって全く違っており、たくさんの種類があります。
日本では明確な定義はなく、他国の民族が感じられるものであれば全てエスニック柄として取り扱われています。

「エスニック」という言葉の語源

「エスニック」という言葉は、英語で「民族的な・部族の」という意味を持つ「ethnic(エスニック)」が語源となっています。
英語の「ethnic」の語源は古代ギリシャ語で「国民」という意味の「ethnos(エスノス)」という言葉で、その後「異教徒の」という意味の「ethnikos」という言葉が派生し、ヨーロッパに伝わった後、キリスト教徒やユダヤ教徒以外の宗教を持つ人を指す「異教徒」という意味で「ethnic」という言葉が誕生しました。
現在のような「民族的な」という意味で使われるようになったのは、19世紀中期ごろからとされており、それが日本に伝わってファッションやグルメで使われるようになったのです。

エスニック柄の特徴

エスニック柄には、どのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、エスニック柄の特徴について詳しく解説していきます。

地域ごとに異なる多様なデザイン

地域ごとに異なる多様なデザイン

エスニック柄とは、特定の柄のことではなく、民族的な柄をひっくるめて「エスニック柄」と分類しているため、とても多くの種類があり、それぞれの民族が暮らす土地によってデザインが大きく異なっているという特徴があります。

エスニック柄に使われている模様は、幾何学模様やそれぞれの民族が住む土地に生息している動物や植物、太陽や雲など宇宙や自然に関するもの、それぞれの民族が崇拝している神様などをモチーフとしたものなど多彩で、描き方も規則性のあるものや左右対称のもの、不規則なものなど様々です。
また、緻密でダイナミックなデザインが多く、とても派手な柄が多いのもエスニック柄の特徴です。

カラフルで個性的な配色

エスニック柄は、色彩豊かで個性的な配色をしているのが特徴です。
カラフルな原色を使ったものも多いですが、自然界にあるもので染色されてきた伝統色なので、落ち着いた温かみのある色が多く取り入れられています。

柄に込められた意味

エスニック柄は、単なるファッションではなく、それぞれの民族が長い歴史の中で育み伝えてきた特別な意味を持つ文様です。
それぞれの土地の自然環境、生活様式、思想、宗教、社会構造などが、エスニック柄には込められています。
例えば、アフリカには、結婚式や葬式、出産祝いなど特別な日に選ばれる柄があったり、東南アジアには宗教観に合わせた縁起の良い柄があったりします。
エスニック柄は、それ自体が歴史書のようなものでもあり、それぞれの部族を表す大切な柄でもあるので、それぞれの国の雰囲気を直に感じることができるのです。

代表的なエスニック柄

エスニック柄には沢山の種類があり、それぞれに民族性が表されていて個性的です。
ここでは、エスニック柄の代表的なものを紹介していきます。

ネイティブ柄

ネイティブ柄

ネイティブ柄とは、ネイティブアメリカンが受け継いできた伝統的な模様の総称です。
ネイティブ柄のデザインにはいくつか種類があり、部族や模様を生み出した人の名前から付けられた柄などがあります。
中でも代表的なものは、アメリカ南西部のナバホ族が作った「ナバホ柄」です。

ナバホ柄は、自然や生命力、宇宙などをモチーフにした暖色が多く用いられたカラフルなジグザグ模様のストライプや幾何学模様で、ナバホ族が敷物やブランケットなどの織物などに使われてきました。

また、ナバホ柄の影響を受けたデザインとしてオルテガ柄」があります。
オルテガ柄は、アメリカのニューメキシコ州チマヨ村に移住した、スペイン系開拓移民のオルテガ一家が生み出したことで知られています。
幾何学的な模様に上下左右に対照的なひし形を合わせたデザインが特徴の柄で、チマヨ柄」とも呼ばれています。

ネイティブ柄をモチーフとした折り畳みチェアは、自然の中で映えるデザイン。
キャンプシーンだけでなく、自宅やガレージなどでも生活を彩ってくれます!

グラウンドチェア

キテンゲ柄

キテンゲ柄

キテンゲ柄とは、タンザニアやケニアなどの東アフリカ地域で広く愛用されているアフリカンプリントの布に描かれた色鮮やかな柄です。
地域ごとに生息している動植物をモチーフとしたものや幾何学模様、抽象的な模様などが連続的に印刷されたデザインで、モチーフには意味を持つものも多くあります。
地域によって解釈が異なりますが、例えば、「ツバメ」は富や自由、変化などを象徴し「今日の富は明日の富を保証しない」という意味があり、「アイ(eye)」は井戸に小石を投げた時にできる波紋をイメージした模様で「あなたの行動は周囲に影響を与える」という意味があると言われています。

キテンゲ柄をプリントした個性的なロングスカートは、無地×柄の切り替えが楽しい一着。
ボリュームのあるシルエットで、コーデの主役になること間違いなし!

ラフィキスカート

トライバル柄

トライバル柄

トライバル柄の「トライバル(tribal)」は英語で「民族的な」という意味があり、ポリネシアやアフリカ、ネイティブアメリカンなど世界各地の民族や部族の文化を反映した柄を指しています。
サモアなどの赤道付近にある太平洋諸島で使われていた模様が代表的なものとして広く知られています。

トライバル柄には、その人の部族や地位、既婚か未婚かなどを意味するデザインや、魔除けの意味を持つデザインなどが多くあり、宗教的儀式に使うものやタトゥーなどにも用いられています。
トライバル柄は、直線や抽象的な形、動物や植物、太陽や月など宇宙の神秘、龍や鳳凰などの想像上の生き物などをモチーフとした模様や幾何学的模様などが連続して描かれており、モノトーンや単色の色彩が主流となっています。

伝統的なポリネシアントライバル柄が力強く描かれたパレオ。
男女兼用のデザインで、万能な一枚布として長年愛されています。
着る・巻く・飾る、どのように使うかは自由自在!

トライバルパレオ

マンダラ柄

マンダラ柄

「マンダラ柄」の「マンダラ(曼荼羅)」とは、古代インドのサンスクリット語で「円状のもの」や「本質を有するもの」という意味の言葉で、インドの密教において宇宙の真理や仏の悟りを表した図のことで、「マンダラ柄」は宗教的なマンダラをモチーフとしたデザインの柄のことを指しています。
「マンダラ柄」は、幾何学的な模様が円を描くように繰り返されているのが特徴で、緻密に描かれた模様がバランスよく配置されているため、心地よさも感じられます。
宗教的なマンダラには、白(水)、赤(火)、黄(地)、黒(風)、青(空)の「正色(せいしき)」と呼ばれるインドにおいて物質を構成するとされている5元素を表した5色と、「間色(かんしき)」と呼ばれる、緑、紫、紅、縹色(はなだいろ)の5色が使われており、金や銀で装飾されたものもあります。
デザイン的なマンダラ柄には色の制約がないため、カラフルなものが多く見られます。

神秘的な魅力を持ったマンダラ柄を使ったマルチクロスは、ベッドやソファーに掛けたり、フックをつけてカーテンにしても◎!
お部屋を華やかに彩ります。

オルドマンマルチクロス

ペイズリー柄

ペイズリー柄

「ペイズリー柄」とは、曲線と植物や微生物などをモチーフとした勾玉のような形の模様が連続したデザインの柄です。
ペイズリー柄の歴史は古く、紀元前600年ごろの新バビロニア王国でナツメヤシをモチーフとした、ペイズリー柄の原型が使われていたことが分かっています。
発祥はペルシャやインドのカシミール地方とされていますが、19世紀にスコットランドのペイズリー市でこの柄の毛織物が大量生産されたことからこの名前で呼ばれるようになりました。
ペイズリー柄の形は、松かさや植物の種、果実、花びら、菩提樹などの葉、糸杉などの植物のほか、ゾウリムシやミドリムシなどの微生物や胎児、魂の姿などを現しているという見方もあり、生命力や霊魂を表現しているとも考えられています。
華やかで芸術的な柄なので、ファッションやインテリアなどによく使われています。

ヴィンテージなボタニカル柄を使った大判ストールは、男女兼用で使用できます。
首に巻いたり、肩に掛けたり。冬の必須アイテムです。

ニカルストール

タイダイ柄

タイダイ柄

タイダイ柄とは、布を縛って染める技法で生まれる雲や煙、花や波紋のような独特の模様ので、日本では「絞り染め」とも呼ばれています。
「タイダイ」とは、英語で「縛る」という意味の「tie(タイ)」と「染める」という意味の「dye(ダイ)」という言葉を合わせた「tie-dye(タイダイ)」という名前が付けられました。
タイダイ柄はインドネシア、中国、日本など古くから世界各地で発展しました。

タイダイ柄が世界中に広まったのは、1960年代のアメリカで流行した「ヒッピー」と呼ばれる愛と平和を訴え自由に生きる若者たちが社会的な不平等や不公平を訴える意思表示としてユニフォームのようにタイダイ柄の服を着たことにあります。

現在、柔らかく個性的なデザインのタイダイ柄は、現在も男女問わずファッションに取り入れられています。

タイダイ柄が映えるサルエルパンツは、軽い履き心地の綿素材。
サイドのストリングで形を変えることが出来るので、自分好みのスタイルが楽しめます!

タビタイメンズパンツ

バティック柄

バティック柄

バティック柄とは、インドネシアのジャワ島が発祥の「ろうけつ染め(布に溶かした蝋で模様を描いて色を付けた後に蝋を剥がす製法)」という製法で描かれたインドネシアの伝統的な柄です。
日本では「ジャワ更紗」とも呼ばれており、2009年にはユネスコの世界無形文化遺産に認定されました。

描かれる柄は、花や葉などの植物や、鳥、孔雀、象、龍、蝶などの生き物、波、雲などの身近な自然などをモチーフとした模様や、ひし形や渦巻などの幾何模様などがあります。
模様にはそれぞれ意味があり、植物は、繁栄や生命力、生き物は力や知恵、長寿など、幾何学模様は宇宙の神秘などといわれています。

また、バティック柄は地域によって異なっています。
ジャワ島中部では、バティックが宮廷美術として王宮で発展したため、連続した幾何学模様などの伝統的な模様を、茶、紺、黒の伝統色で描いた格調高い柄が受け継がれています。
柄にはそれぞれ意味が込められており、「王族や貴族だけが着ることのできる柄」「求婚の時に着る柄」「亡くなった人を包む柄」「妊娠7ヶ月の時に行われる儀式で妊婦に使われる柄」など決まったシチュエーションのみで使用されるものもあります。

ジャワ島北岸地域は、古代から海外との交易の場として発展したため海外文化の影響を強く受けており、自由でカラフルな柄が多く見られます。
また、バティック柄は歴史的な影響を強く受けたものもあり、1940年代にインドネシアが日本の占領下にあった際に、日本人のために作られた「ホコカイバティック」と呼ばれる桜や菊、蝶などが描かれた日本風の柄が現在でも作られています。

エスニック柄の活用術

エキゾチックなエスニック柄は、派手で独特なデザインなので、活用するのが難しいと思われがちです。
ここでは、エスニック柄の上手な活用術を紹介します。

ひと目で旅気分!エスニック柄でつくる「抜け感スタイル」

エスニック柄をファッションに取り入れると、異国情緒を感じられます。
とくに、総柄や一部分だけ柄が描かれた生地を使った、ゆったりとしたシルエットのパンツやマキシ丈のワンピース、大きめサイズのTシャツなどの抜け感スタイルは、海外のリゾート地に行ったような雰囲気を作り出せます。

チャイハネでは、植物や太陽などをモチーフとしたトライバル柄を大胆にあしらったTシャツを販売しています。
色柄ごとに違った雰囲気を楽しめるので、何枚持っていても◎!

シントラトラメンズTOP

ナチュラルなのに華やか。エスニックテイストでつくる癒しの空間

エスニック柄をインテリアに取り入れることで、海外リゾートのホテルのように華やかな癒し空間を作ることができます。
カーテンやラグ、ソファーカバーやベッドカバーなどにエスニック柄を取り入れるだけで一気に異国の雰囲気が出せるので、これらの布製品から変えてみることをおすすめします。

裏ボア付きのブランケットは、暖かさとデザイン性を兼ね備えた、実用性の高いアイテムです。
ふんわりとした肌ざわりで、リラックスタイムや冷房対策にぴったり。
ソファやオフィス、アウトドアなど、さまざまなシーンで活躍します。

【裏ボア】ブランケット XL(シングルサイズ)《NOMADY》

さりげなく身に着けて、コーデのワンポイントに!

エスニック柄はカラフルで主張が激しいので服に取り入れるのは難しいと思われがちです。そんなエスニック柄初心者の方は、アクセサリーや小物などでさりげなく身に着けることから始めると良いでしょう。
白や黒、無地などのシンプルな服に、エスニック柄のバッグや小物などをさりげなく合わせると、上品に見えておすすめです。

オルテガ柄をビーズで編みこんだスマホストラップは、コーデのワンポイントにぴったり!
4色のカラーバリエーションで、お手持ちのスマートフォンを自分好みにカスタマイズできます。

テガロングストラップ

エスニック柄で様々な民族の文化を楽しもう

様々な民族の文化や歴史を織り込んだエスニック柄は、カラフルで派手なものから格式高く上品なものまで多くの種類があり、世界中で愛されています。
ファッションに取り入れるのはちょっと敷居が高く感じられがちですが、小物などでさりげなく合わせることでおしゃれ度がアップすること間違いなしです。
また、インテリアに取り入れると海外の雰囲気に包まれた空間が作れますし、自然界のものをモチーフとしたエスニック柄のお陰でリラックス効果も得られます。

エスニック柄のアイテムはオリジナリティが高く、唯一無二のものも多いので、皆さんもお店などで自分好みの柄をじっくり選んで、身近なファッションとして楽しんでみてください!


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