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みなさんは、「新世界七不思議」というものを聞いたことがありますか?「新・世界七不思議」と表記されることもありますが、「新」という文字がついているということは、何か新しいものなの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで、このコラムでは、そんな「新世界七不思議」に焦点をあててご紹介したいと思います!新がつかない有名な「世界の七不思議」との違いや、それぞれの場所・遺跡が七不思議に選ばれている理由、観光の際のポイントなどをわかりやすくていねいに解説します。雑学や都市伝説が好きな方、新世界七不思議が何かを知りたい方、選出されている場所がなぜ世界の「不思議」や「謎」なのかその理由を知りたい方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
「新世界の七不思議」は、現代版の世界の七不思議で、世界中からの投票によって2007年に選ばれたものです。投票はスイスに本拠地がある「新世界七不思議財団(New7Wonders Foundation)」が主催して行われました。
英語の「wonder」は、「不思議」という意味のほかに、「驚異的な・驚くほどすばらしい」といった意味もあります。そのため「新世界の七不思議」で選ばれているものは歴史的にはほぼ解明されたものが多く、「謎・不思議」といった要素よりも「すばらしい」といったニュアンスが強いです。選定の流れは、まず冒険家のベルナルド・ウェーバー氏が個人的に提案を行い、前ユネスコ事務局長を中心とした実行委員会が候補地を絞り込みました。そこから世界中の投票が始まりました。こうした流れから、はっきりとした選定基準は明らかにされていません。
なお、「新世界七不思議」に選ばれているものは世界遺産に登録されているものも多いですが、ユネスコは「新世界七不思議」は世界遺産やユネスコと関係がないという声明を発表しています。
新世界の七不思議の名前や場所の一覧は以下のとおりです。
まずは、日本でもおなじみの「万里の長城」。1987年に世界文化遺産に一部(八達嶺長城、山海関、嘉峪関の3箇所)が登録されています。長さは約6200kmにも及び、「人類最大の建造物」「宇宙から唯一肉眼で確認できる人工建造物」と称されたこともあるんです……!
紀元前7世紀の春秋戦国時代から明代(1368~1644年)まで、約2000年以上崩壊と改築を繰り返してきました。秦の始皇帝は約30万人を動員して、大がかりな補修・増築工事を行いました。現存するものの大部分は、明代にモンゴルからの侵入を防ぐために補修・改築されたものです。こうした中国と周辺国の歴史を表すものであり、またそのスケールの大きさなども、七不思議に選ばれている理由と考えられます。
万里の長城へは、北京から日帰りで行けるのも魅力です。また、八達嶺長城は万里の長城を代表するスポットであり、壮大な風景が楽しめます。入口に入るルートは2つあり、傾斜が緩やかな通称「女坂」と、傾斜がきつい階段がある通称「男坂」です。最高点までは歩くと往復1時間半かかりますが、ロープウェイもあるので安心です。
観光の際は、動きやすい服装・靴で行きましょう。また、お手洗いがないので行く前に駐車場にあるトイレを使っておくのがおすすめです。
▶なぜここまでやった?中国の世界遺産・万里の長城が築かれた目的とは
ペトラは、中東にあるヨルダンの古代都市です。当時の雰囲気を現代まで伝える遺跡が残っており、「ペトラ遺跡」として1985年に世界文化遺産に登録されました。ペトラは、紀元前1200年前にエドム人が住みついていたことで誕生しました。エドム人については、どのような民族だったのか明らかになっていません。その後、砂漠の遊牧民族・ナバテア人が侵入し、彼らが住むようになりました。以降、交通の要衝として栄え、貿易・商業なども盛んになり、都市として発展していくのです。ペトラ遺跡は、岩や砂を主体とした建造物が多く立ち並んでいます。ペトラの繫栄から長い時間が経っているにも関わらず建造物が多く残っていること、また建造物はノミとハンマーだけで造られており、細かな技術が感じられることも、七不思議に選ばれている理由です。
遺跡のひとつ「エル・ハズネ(宝物殿)」を多くのろうそくが照らす幻想的なイベント「ペトラ・バイ・ナイト」は、昼間とは違った姿を見られることもあり、とても人気があります。そのほか、険しい道を進んだ先にあるエド・ディル(神殿)も圧巻です。遺跡内は、車で乗り入れることが禁止されていますので、徒歩で移動しましょう。また、遺跡内では馬車やラクダで移動できるサービスをおこなっている人たちもいますので、興味のある方は利用してみてくださいね。
コロッセオは、イタリア・ローマを代表する観光地のひとつで、1980年には世界文化遺産に登録されています。古代ローマ時代の紀元70年に建築が始まり、80年に完成した円形競技場で、周囲527メートル、高さ48メートルという驚きの大きさ。約5万人の観客を収容することができたといわれています。市民の娯楽の場として、剣闘士の戦いや猛獣との戦いなどが披露されました。
七不思議に選ばれている理由は、コロッセオが古代ローマの建築技術の高さと文明を象徴するものであるからでしょう。地震にも耐えられる強さといわれ、保存状態もとても良く、今でも、約半分が当時の姿のまま残っています。
観光の大きな見どころは、やはりアリーナ (剣闘士が戦った舞台)でしょう。76×46mという広大さにきっと驚くはず。また、猛獣の檻や剣闘士たちの待機場所として使用されていた地下も必見です。猛獣をアリーナまで持ち上げる機械や剣闘士を登場させる跳ね上げ式の機械など、多様な仕掛けがあったといいます。コロッセオは石畳が多いため、観光の際は歩きやすい服や靴で行くのがおすすめです。また、日差しを遮る屋根などがないため、日焼け対策も忘れずに。さらに、近くに大きな荷物を預けられるロッカーはないため、荷物は最低限にしましょう。
▶イタリア・ローマの世界遺産コロッセオとは?凄惨な歴史や見どころ、見学方法を解説
チチェン・イッツァは、マヤ文明最大級の都市として知られています。メキシコ南部、ユカタン半島にある遺跡で、1988年には世界文化遺産に登録されています。チチェン・イッツァは大きく2つの部分があり、旧チチェンは6世紀ごろ、新チチェンは10世紀ごろに完成したと考えられています。チチェン・イッツァとは、マヤ語で「泉のほとり・泉が湧き出る場所」という意味があります。遺跡には、住民の水源となる陥没穴(泉)が多くあったこと、また、「セノーテ」と呼ばれるその泉が生け贄の儀式が行われる神聖な場でもあったことなどが知られています。さらに、春分の日と秋分の日、太陽光線によってピラミッドの階段に「ククルカン」という羽毛を持つヘビが現れるというしかけがあり、それが七不思議の決め手になっているのでは?という説があります。
先ほどご紹介したククルカンのピラミッドや、人間の心臓をささげていたといわれる戦士の神殿は特に大きな見どころです。古代マヤ文明は天文学が発達していたことでも有名で、それが感じられる天文台の遺跡も魅力的です。なお、事前予約は不要で、当日現地でチケットを買うことができます。大きな荷物は持ち込めないので注意しましょう。また、遺跡は非常に貴重なため、触れないようにしてくださいね。
▶チチェン・イッツァ完全ガイド メキシコに眠る謎の世界遺産 おびただしい生贄はなぜ捧げられたのか
南米・ペルーにあるインカ帝国の遺跡がマチュ・ピチュです。「マチュ・ピチュの歴史保護区」という名前で、1983年に世界複合遺産に登録されています。複合遺産とは、「文化遺産」「自然遺産」それぞれの登録基準のうち、少なくとも一項目以上が当てはまるものを指します。マチュ・ピチュは、標高2400メートル以上の山に築かれた遺跡で、15世紀ごろに栄えたインカ帝国の歴史を今に伝えています。1911年、アメリカの探検家によって偶然発見されるまで、深い密林に覆われていました。遺跡内には、神殿や大広場、段々畑、住居跡などが残っていますが、どうしてこのような高い場所に都市が築かれたのかはわかっていません。これは、アンデス文明が文字を持たなかったため、記録が残っていないことなどが理由です。こうした謎が未だに残っていることが、世界の謎として、新世界の七不思議に選ばれている理由でしょう。
さまざまな遺跡が残るマチュ・ピチュですが、特におすすめなのが「太陽の神殿」です。石組みで曲線を表現していることからも当時の高い技術をうかがい知ることができます。また、2つの窓があり、夏至の朝は南の窓から、冬至の朝は東の窓から、それぞれ太陽が差し込む設計になっています。遺跡内は火気厳禁のためタバコを吸うことはできず、飲食も禁止されています。大きな荷物も持ち込めないため、手荷物は最小限にとどめましょう。また、遺跡内にゴミを残すこと、生態系を崩す行為なども禁止されています。さらに、標高が高いため高山病にも注意が必要です。
▶世界遺産「マチュピチュ」とは?インカ帝国の都市遺跡の歴史と謎に迫る!
タージ・マハルは、インド北部アーグラにある総大理石の霊廟で、1983年に世界文化遺産に登録されています。ムガール帝国の5代皇帝シャー・ジャハーンは、妃ムムターズ・マハルに深い愛情を注いでいました。しかし、彼女は14人目の子どもを出産した際に亡くなってしまいます。悲しみにくれるシャー・ジャハーンは、ムムターズ・マハルのために霊廟の建設を始めます。建設開始から22年が経った1653年に霊廟は完成。建設には、1日2万人以上が関わったといいます。王宮や神殿ではなく、霊廟としてこんなにも立派な建物だというところが、ほかの建築物とは違って最もユニークであり、七不思議に選ばれている理由でもあるでしょう。
タージ・マハルといえば、霊廟内が徹底して左右対称になっていることが特徴です。しかし、1箇所だけ非対称の部分があります。それが、実際の棺が安置されている場所。タージ・マハルが完成した時からあるムムターズ・マハルの棺と、隣にあるシャー・ジャハーンの棺が寄り添うように置かれているのですが、棺の形・大きさなどに若干の違いがあり、ここだけは左右非対称なのです。タージ・マハルに入るときには、荷物検査があります。タバコ、食料、水、三脚などは持込不可となっています。また、人気観光地のため多くの観光客が訪れますが、比較的人が少ないのは朝の時間帯。ゆったりと見学したい人はぜひ朝に行ってみてください。
最後にご紹介するのが、ブラジル・リオにある「コルコバードの丘のキリスト像」です。キリスト像単体では世界遺産には登録されていませんが、丘は「リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群」の一部として登録されています。ほかの新世界の七不思議とは異なり、つくられたのは1931年(1922年のブラジル独立100周年を記念し、建設が開始)と比較的新しいのが特徴です。標高710mの位置にあり、ここからはリオの街を一望できます。像は高さ39.6メートル(台座の高さは9.5メートル)、左右30メートル、重さは635トンという大きさ。アメリカの自由の女神が40メートルなので、ほぼ同じ大きさです。日本でいうと、47メートルの奈良の東大寺の大仏殿が近いです。
ちなみに、像の中は礼拝堂になっています。ブラジルは、人口の80%ほどがクリスチャンの国。そんなブラジルの人々の信仰や文化を象徴するのがキリスト像です。高い丘の上から、人々を温かく見守っているような雰囲気も感じさせます。
キリスト像までは、登山電車、乗合バン、タクシーの3つの方法で行くことができます。特に登山電車は車窓からの景色も楽しめるため、観光客からの人気も高いですよ♪キリスト像は、昼間の青い空に映える白い姿はもちろん、日没後にライトアップされた姿も素敵で、一見の価値があります。とても人気の観光地で非常に混雑するため、できるだけ早い時間に行くのがおすすめです。
万里の長城やコロッセオなど、日本でも有名でおなじみの遺跡から、あまりなじみのない遺跡まで、さまざまなものがありましたね。いずれもユニークな歴史や特徴を持ち、現代に生きる私たちの知的好奇心を満たしてくれるものです。もし旅行に行く機会があれば、ぜひ今回ご紹介した場所にも行ってみてくださいね。
なお、世界の七不思議には、古代世界の七不思議や、世界の七不思議自然版などもありますので、気になる方はぜひそれらのコラムも読んでみてくださいね♪
ロマンあふれる「古代」世界の七不思議も必見!▼
人工物ではない、自然が生んだ世界の七不思議「自然版」はこちら! ▼
みなさんは、「新世界七不思議」というものを聞いたことがありますか?「新・世界七不思議」と表記されることもありますが、「新」という文字がついているということは、何か新しいものなの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで、このコラムでは、そんな「新世界七不思議」に焦点をあててご紹介したいと思います!新がつかない有名な「世界の七不思議」との違いや、それぞれの場所・遺跡が七不思議に選ばれている理由、観光の際のポイントなどをわかりやすくていねいに解説します。
雑学や都市伝説が好きな方、新世界七不思議が何かを知りたい方、選出されている場所がなぜ世界の「不思議」や「謎」なのかその理由を知りたい方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
「新世界の七不思議」の定義とは?「世界の七不思議」との違いは?
「新世界の七不思議」は、現代版の世界の七不思議で、世界中からの投票によって2007年に選ばれたものです。投票はスイスに本拠地がある「新世界七不思議財団(New7Wonders Foundation)」が主催して行われました。
新世界七不思議の選定基準
英語の「wonder」は、「不思議」という意味のほかに、「驚異的な・驚くほどすばらしい」といった意味もあります。そのため「新世界の七不思議」で選ばれているものは歴史的にはほぼ解明されたものが多く、「謎・不思議」といった要素よりも「すばらしい」といったニュアンスが強いです。
選定の流れは、まず冒険家のベルナルド・ウェーバー氏が個人的に提案を行い、前ユネスコ事務局長を中心とした実行委員会が候補地を絞り込みました。そこから世界中の投票が始まりました。こうした流れから、はっきりとした選定基準は明らかにされていません。
なお、「新世界七不思議」に選ばれているものは世界遺産に登録されているものも多いですが、ユネスコは「新世界七不思議」は世界遺産やユネスコと関係がないという声明を発表しています。
新世界の七不思議一覧 名称|国名・場所|完成時期|世界遺産登録状況
新世界の七不思議の名前や場所の一覧は以下のとおりです。
新世界の七不思議①
中国/世界遺産「万里の長城」
まずは、日本でもおなじみの「万里の長城」。1987年に世界文化遺産に一部(八達嶺長城、山海関、嘉峪関の3箇所)が登録されています。長さは約6200kmにも及び、「人類最大の建造物」「宇宙から唯一肉眼で確認できる人工建造物」と称されたこともあるんです……!
紀元前7世紀の春秋戦国時代から明代(1368~1644年)まで、約2000年以上崩壊と改築を繰り返してきました。秦の始皇帝は約30万人を動員して、大がかりな補修・増築工事を行いました。現存するものの大部分は、明代にモンゴルからの侵入を防ぐために補修・改築されたものです。
こうした中国と周辺国の歴史を表すものであり、またそのスケールの大きさなども、七不思議に選ばれている理由と考えられます。
万里の長城│観光の魅力ポイントと注意点
万里の長城へは、北京から日帰りで行けるのも魅力です。また、八達嶺長城は万里の長城を代表するスポットであり、壮大な風景が楽しめます。入口に入るルートは2つあり、傾斜が緩やかな通称「女坂」と、傾斜がきつい階段がある通称「男坂」です。最高点までは歩くと往復1時間半かかりますが、ロープウェイもあるので安心です。
観光の際は、動きやすい服装・靴で行きましょう。また、お手洗いがないので行く前に駐車場にあるトイレを使っておくのがおすすめです。
▶なぜここまでやった?中国の世界遺産・万里の長城が築かれた目的とは
新世界の七不思議②
ヨルダン/世界遺産「ペトラ遺跡」
ペトラは、中東にあるヨルダンの古代都市です。当時の雰囲気を現代まで伝える遺跡が残っており、「ペトラ遺跡」として1985年に世界文化遺産に登録されました。
ペトラは、紀元前1200年前にエドム人が住みついていたことで誕生しました。エドム人については、どのような民族だったのか明らかになっていません。その後、砂漠の遊牧民族・ナバテア人が侵入し、彼らが住むようになりました。以降、交通の要衝として栄え、貿易・商業なども盛んになり、都市として発展していくのです。
ペトラ遺跡は、岩や砂を主体とした建造物が多く立ち並んでいます。ペトラの繫栄から長い時間が経っているにも関わらず建造物が多く残っていること、また建造物はノミとハンマーだけで造られており、細かな技術が感じられることも、七不思議に選ばれている理由です。
ペトラ遺跡│観光の魅力ポイントと注意点
遺跡のひとつ「エル・ハズネ(宝物殿)」を多くのろうそくが照らす幻想的なイベント「ペトラ・バイ・ナイト」は、昼間とは違った姿を見られることもあり、とても人気があります。そのほか、険しい道を進んだ先にあるエド・ディル(神殿)も圧巻です。
遺跡内は、車で乗り入れることが禁止されていますので、徒歩で移動しましょう。
また、遺跡内では馬車やラクダで移動できるサービスをおこなっている人たちもいますので、興味のある方は利用してみてくださいね。
新世界の七不思議③
イタリア・ローマ/世界遺産「コロッセオ」
コロッセオは、イタリア・ローマを代表する観光地のひとつで、1980年には世界文化遺産に登録されています。
古代ローマ時代の紀元70年に建築が始まり、80年に完成した円形競技場で、周囲527メートル、高さ48メートルという驚きの大きさ。約5万人の観客を収容することができたといわれています。市民の娯楽の場として、剣闘士の戦いや猛獣との戦いなどが披露されました。
七不思議に選ばれている理由は、コロッセオが古代ローマの建築技術の高さと文明を象徴するものであるからでしょう。地震にも耐えられる強さといわれ、保存状態もとても良く、今でも、約半分が当時の姿のまま残っています。
コロッセオ│観光の魅力ポイントと注意点
観光の大きな見どころは、やはりアリーナ (剣闘士が戦った舞台)でしょう。76×46mという広大さにきっと驚くはず。また、猛獣の檻や剣闘士たちの待機場所として使用されていた地下も必見です。猛獣をアリーナまで持ち上げる機械や剣闘士を登場させる跳ね上げ式の機械など、多様な仕掛けがあったといいます。
コロッセオは石畳が多いため、観光の際は歩きやすい服や靴で行くのがおすすめです。また、日差しを遮る屋根などがないため、日焼け対策も忘れずに。さらに、近くに大きな荷物を預けられるロッカーはないため、荷物は最低限にしましょう。
▶イタリア・ローマの世界遺産コロッセオとは?凄惨な歴史や見どころ、見学方法を解説
新世界の七不思議④
メキシコ/世界遺産「チチェン・イッツァ」
チチェン・イッツァは、マヤ文明最大級の都市として知られています。メキシコ南部、ユカタン半島にある遺跡で、1988年には世界文化遺産に登録されています。
チチェン・イッツァは大きく2つの部分があり、旧チチェンは6世紀ごろ、新チチェンは10世紀ごろに完成したと考えられています。チチェン・イッツァとは、マヤ語で「泉のほとり・泉が湧き出る場所」という意味があります。遺跡には、住民の水源となる陥没穴(泉)が多くあったこと、また、「セノーテ」と呼ばれるその泉が生け贄の儀式が行われる神聖な場でもあったことなどが知られています。
さらに、春分の日と秋分の日、太陽光線によってピラミッドの階段に「ククルカン」という羽毛を持つヘビが現れるというしかけがあり、それが七不思議の決め手になっているのでは?という説があります。
チチェン・イッツァ│観光の魅力ポイントと注意点
先ほどご紹介したククルカンのピラミッドや、人間の心臓をささげていたといわれる戦士の神殿は特に大きな見どころです。古代マヤ文明は天文学が発達していたことでも有名で、それが感じられる天文台の遺跡も魅力的です。
なお、事前予約は不要で、当日現地でチケットを買うことができます。大きな荷物は持ち込めないので注意しましょう。また、遺跡は非常に貴重なため、触れないようにしてくださいね。
▶チチェン・イッツァ完全ガイド メキシコに眠る謎の世界遺産 おびただしい生贄はなぜ捧げられたのか
新世界の七不思議⑤
ペルー/世界遺産「マチュ・ピチュ」
南米・ペルーにあるインカ帝国の遺跡がマチュ・ピチュです。「マチュ・ピチュの歴史保護区」という名前で、1983年に世界複合遺産に登録されています。複合遺産とは、「文化遺産」「自然遺産」それぞれの登録基準のうち、少なくとも一項目以上が当てはまるものを指します。
マチュ・ピチュは、標高2400メートル以上の山に築かれた遺跡で、15世紀ごろに栄えたインカ帝国の歴史を今に伝えています。1911年、アメリカの探検家によって偶然発見されるまで、深い密林に覆われていました。
遺跡内には、神殿や大広場、段々畑、住居跡などが残っていますが、どうしてこのような高い場所に都市が築かれたのかはわかっていません。これは、アンデス文明が文字を持たなかったため、記録が残っていないことなどが理由です。
こうした謎が未だに残っていることが、世界の謎として、新世界の七不思議に選ばれている理由でしょう。
マチュ・ピチュ│観光の魅力ポイントと注意点
さまざまな遺跡が残るマチュ・ピチュですが、特におすすめなのが「太陽の神殿」です。石組みで曲線を表現していることからも当時の高い技術をうかがい知ることができます。また、2つの窓があり、夏至の朝は南の窓から、冬至の朝は東の窓から、それぞれ太陽が差し込む設計になっています。
遺跡内は火気厳禁のためタバコを吸うことはできず、飲食も禁止されています。大きな荷物も持ち込めないため、手荷物は最小限にとどめましょう。また、遺跡内にゴミを残すこと、生態系を崩す行為なども禁止されています。さらに、標高が高いため高山病にも注意が必要です。
▶世界遺産「マチュピチュ」とは?インカ帝国の都市遺跡の歴史と謎に迫る!
新世界の七不思議⑥
インド/世界遺産「タージ・マハル」
タージ・マハルは、インド北部アーグラにある総大理石の霊廟で、1983年に世界文化遺産に登録されています。
ムガール帝国の5代皇帝シャー・ジャハーンは、妃ムムターズ・マハルに深い愛情を注いでいました。しかし、彼女は14人目の子どもを出産した際に亡くなってしまいます。悲しみにくれるシャー・ジャハーンは、ムムターズ・マハルのために霊廟の建設を始めます。建設開始から22年が経った1653年に霊廟は完成。建設には、1日2万人以上が関わったといいます。
王宮や神殿ではなく、霊廟としてこんなにも立派な建物だというところが、ほかの建築物とは違って最もユニークであり、七不思議に選ばれている理由でもあるでしょう。
タージ・マハル│観光の魅力ポイントと注意点
タージ・マハルといえば、霊廟内が徹底して左右対称になっていることが特徴です。しかし、1箇所だけ非対称の部分があります。それが、実際の棺が安置されている場所。タージ・マハルが完成した時からあるムムターズ・マハルの棺と、隣にあるシャー・ジャハーンの棺が寄り添うように置かれているのですが、棺の形・大きさなどに若干の違いがあり、ここだけは左右非対称なのです。
タージ・マハルに入るときには、荷物検査があります。タバコ、食料、水、三脚などは持込不可となっています。また、人気観光地のため多くの観光客が訪れますが、比較的人が少ないのは朝の時間帯。ゆったりと見学したい人はぜひ朝に行ってみてください。
新世界の七不思議⑦
ブラジル・リオ/「コルコバードの丘のキリスト像」
最後にご紹介するのが、ブラジル・リオにある「コルコバードの丘のキリスト像」です。キリスト像単体では世界遺産には登録されていませんが、丘は「リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群」の一部として登録されています。
ほかの新世界の七不思議とは異なり、つくられたのは1931年(1922年のブラジル独立100周年を記念し、建設が開始)と比較的新しいのが特徴です。標高710mの位置にあり、ここからはリオの街を一望できます。
像は高さ39.6メートル(台座の高さは9.5メートル)、左右30メートル、重さは635トンという大きさ。アメリカの自由の女神が40メートルなので、ほぼ同じ大きさです。日本でいうと、47メートルの奈良の東大寺の大仏殿が近いです。
ちなみに、像の中は礼拝堂になっています。
ブラジルは、人口の80%ほどがクリスチャンの国。そんなブラジルの人々の信仰や文化を象徴するのがキリスト像です。高い丘の上から、人々を温かく見守っているような雰囲気も感じさせます。
コルコバードの丘のキリスト像│観光の魅力ポイントと注意点
キリスト像までは、登山電車、乗合バン、タクシーの3つの方法で行くことができます。特に登山電車は車窓からの景色も楽しめるため、観光客からの人気も高いですよ♪
キリスト像は、昼間の青い空に映える白い姿はもちろん、日没後にライトアップされた姿も素敵で、一見の価値があります。とても人気の観光地で非常に混雑するため、できるだけ早い時間に行くのがおすすめです。
歴史ロマンあふれる新世界の七不思議
万里の長城やコロッセオなど、日本でも有名でおなじみの遺跡から、あまりなじみのない遺跡まで、さまざまなものがありましたね。いずれもユニークな歴史や特徴を持ち、現代に生きる私たちの知的好奇心を満たしてくれるものです。もし旅行に行く機会があれば、ぜひ今回ご紹介した場所にも行ってみてくださいね。
なお、世界の七不思議には、古代世界の七不思議や、世界の七不思議自然版などもありますので、気になる方はぜひそれらのコラムも読んでみてくださいね♪
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ロマンあふれる「古代」世界の七不思議も必見!▼
人工物ではない、自然が生んだ世界の七不思議「自然版」はこちら! ▼